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- 2018.07.12 Thursday
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前回(2016/11/6)に公開した「エロゲ対談番外編 作品クロスレビュー「ラブラブル」第6回 おたより編」で、dovさんからの当対談ブログに対するおたよりをご紹介し、それに基づく形でfeeさんと残響は対談を行いました。
その後、dovさんからご感想メールを頂きました。
今回は、dovさんと残響との間で返信をし合ったメール(の一部)をご紹介します。
(なお、dovさんはfeeさんともメールを交わしておりますが、少々私的に込み入った話ですので、割愛させて頂ました)
今回の記事で、残響がdovさんとのやり取りをご紹介したいのは、主に「だらだらイチャイチャ」「ダウナーイチャラブ」についてです。
この、グダグダ極まりない新時代のイチャラブについて、残響とまた違ったタイプのイチャラバー・dovさんのご意見を聞きながら、認識を深めたい、という考えあってです。
残響の認識では、従来イチャラブゲーは、ジャンル領域として、テンション高めのギャグゲー・抜きゲーと近しい、と思っていました。
イチャラブライターとして、保住圭や早瀬ゆう、という人材が煌めきを放っていたから、とも言えます。言わば「陽」のイチャラブ。
それに対するアンチテーゼ、として、地味ではあるけども、しかし静かに染み入るような「陰」のイチャラブは?
と、dovさんのメールを頂きながら考えるようになりました。
もともと、この「ダウナーイチャラブ」の概念自体、保住圭がどこかで(たぶんTwitterだと思うけど探しきれなかった)「こんなんどうだろうか?」と提唱していて、そのあまりにやる気のない主人公&ヒロイン造形に、「これは新時代の黎明かもしれん……!」と残響がひとりで勝手に妄想&萌えていたものでした。
それから年月は経ちましたが、最近、百合の界隈で「グダグダ百合」とでも言うべきシチュが多くなってきました。
前回の記事でも、社会人百合の一部として、「夫婦もの、所帯もの」というように紹介したのがそれです。
例えば、『ガールズ&パンツァー』の二次創作SSとして、「ぐだぐだプラウダ」という作品があるのですが、この作品において重要なのは、
(1)濃厚な百合関係が当たり前のように前提となっている世界
(2)しかしキャラ全員にやる気がない、ゆるいアトモスフィア
(3)そのくせやるこたぁしっかりやっている
……というふうに、テンションが常時低く、しかし奥底にある熱いラブ度はほとばしっている、ということです。これが最近、残響は大変オイシい!
……という経緯があり、ぼく残響はdovさんと語り合うことになったのですが……しかしさすがに識者の意見は違った。dovさんは豊富な知見から、このサブジャンルの歴史的経緯を語ってくださったのでした……。
(dovさんには、今回のメールを記事に転載させていただく旨、御了解を頂いてあります)
残響
11/12 dovさんからのご感想メール(抜粋)
逆にfeeさんの、
>義妹って、子供の頃から同棲している幼馴染みたいな感じでしょ?
は、自分はどちらかといえば残響さんに近い立場かもしれません
気心の知れた年下の可愛い女の子とイチャイチャするのって最高ですやん!(『だらだらイチャイチャ』でも良し)
ただ「幼馴染」「兄妹」と一口に言っても関係は色々ありますし、一番身近だと思っていた義妹と向かい合ってみれば色々と発見があった、というお話もそれはそれで自分は好みです。
11/17 dovさんへの残響の返信メール(抜粋)
dovさんへ
こちらこそレスが遅くなりましてすいません、残響です。
ご丁寧にありがとうございました。
>「だらだらイチャイチャ」
別名この「ダウナーいちゃラブ」とも呼ぶべきシチュは、新時代のいちゃラブと思ってはいるのですが、なかなか現れず……というのも、
(1)ヒロインの造形が難しい。
(2)主人公の造形も難しい
(3)「だらだらイチャイチャ」という行為そのもので「読ませる」というのは高難度
例えば、「ましろ色シンフォニー」の義妹ルートですが、非常に味のあるダウナー系のカワイイキャラ。ですが何をトチ狂ったか、義妹ルートでは「別にええやん!」とこっちがツッコミたくなるくらいの、ウジウジ近親相姦テーマ話……。そのあたりをdovさんもえろすけ一言感想で書かれていますね。
>「桜乃シナリオはイ ベントが全て茶番で評価に値しない。こんなに酷いシナリオも珍しい。」
まさにその通りです。
「だらだらイチャイチャ」は、最初から「だらだら」なので、
(a)プロットのダイナミクスもない
(b)感情のダイナミクスもない
という、最初から盛り上がらないこと確定の茨の道。
トノイケダイスケ?
たしかに、あのライターは本対談でも取り上げましたが、「静」のいちゃラブを書く技量のライターです。
ですが、「だらだら」とはやはり違う……。
難しいですね。
この「だらだらイチャイチャ」と正反対にあるのが、このラブラブルのライター、早瀬ゆうであります。
それはもう説明不要ですねw
だらだらしつつ、詩情をどこかたたえた、繊細で静かないちゃラブ。
……例えば、porori氏(夜のひつじ)はそれに近いところまでいっているのですが、何分同人短編エロゲ。もっと尺を!尺を!というわがままがこちらにありマスナー。
11/17 dovさんからの返信メール(抜粋)
>「ダウナーいちゃラブ」
これは残響さんと私の見解がかなり異なるようなので、ちょっと語ります
そういうゲーム、私は結構あると思ってるんですよね
例えば『夏めろ』のつぐみ(実妹)は、自分にとってほぼパーフェクトに「だらだらしつつ、詩情をどこかたたえた、繊細で静かないちゃラブ」でした
ライターさんの筆力もトノイケダイスケに負けてません
『Love Sweets』の伊織(実妹)、『キミへ贈る、ソラの花』の杏(この子は義妹&通い妻)も同様のシナリオだと思っています
それから……『恋×シンアイ彼女』の菜子は攻略こそできませんでしたが、彼女と洸太郎のやり取りは静謐な音楽もあり、胸がキュンキュンしました。残響さんもしませんでした?
ただ、確かに残響さんが仰る通り、この手のシナリオはどれも尺が短いですね……
11/20 dovさんへの残響の返信メール(抜粋)
>「ダウナーいちゃラブ」
これはぼくの見識の薄さ甘さでした……!不勉強を恥じるばかりです。
というか、たぶんですけど、同じいちゃラブ好きといっても、ぼくとdovさんとでプレイ傾向が違うように見受けられるのですね……。
dovさんは「いちゃラブ(萌え)も、シナリオも、両方味わい深いもの」を求めておられるようにぼくには見受けられ(勝手な推量ですが)、
ぼくは、えろすけサマリー(近況報告)にも書いてあるように、「B級」「バカゲー寄り」「テンション高め」のいちゃラブゲーを好む傾向があるみたいです。「それでなくては認めん!」という狭量さではない(つもり)ですが、傾向はあるかもしれません。
また勝手な推量ですが、だからこそdovさんは、この対談ブログ(シナリオゲー×いちゃラブゲー)にご興味を示してくださったのかな、と思っております。
>恋カケ・洸太郎と菜子の國見兄妹
ああ、あの独特の距離感はいいですねぇ。……とはいいつつも、ぼくは菜子を「攻略対象」としては見られなかったのです。
魅力がない、というわけではなく、「攻略対象としては見られない」。
ある種のリアリズム距離感があったというか……。うまく言えない。
不可侵というわけではないですが、でも「ぼくは、手を出す対象には見られなかった」ということです。
何でだろう……? ちょっと考えさせてください。