『つよきす』対談 第6回 近衛素奈緒編

  • 2018.03.20 Tuesday
  • 12:43

 

 

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(各キャラ点数一覧はこちらのページを参照ください)

 

☆1

 

fee「素奈緒はレオの中学時代の……恋人でもないんですよね」

 

残響「そうそう。ただ、友達よりは上で、親友ってところでしょうか。親友だったというか」

 

fee「ほぼ付き合っているに等しいぐらいの位置にいますけどね。友達以上恋人未満ってやつですかね」

 

残響「ですね。批評空間のPOVに『友情発恋愛行き』ってあったじゃないですか。あんな感じというか。ただその間に一度断絶があるんですけど」

 

fee「素奈緒はもっと恋愛寄りだと思いますよ」

 

残響「ふーむ。そこはちょっとぼくとは考えが違うかも。ぼくは親友寄りで見ていました」

 

fee「レオの方がどう思っていたかはよくわからないけど、素奈緒の方はかなり恋愛寄りだったと思っています」

 

残響「なるほど」

 

fee「そこの議論は後にしましょうか。要するに過去にレオが失敗して、素奈緒が酷い目に遭いまして。それでレオが、『テンションに流されない』ことを誓う。過去のトラウマ的なキャラですね」

 

残響「ですね。キーポイント」

 

fee「色々あって和解するというのが話の流れになります。素奈緒シナリオは、設定は良いと思うんですけど、ちょっと弱い気がしたんですよ。前半はいいんだけど、後半……。体育武道祭でメイドの格好をしてフォークダンスを踊ったシーンで、もう告白して付き合ってもなんの問題もないと思うんです。引き延ばしじゃないけど、その後の烏賊島エピソードとか、どうでもよくね?って思っちゃって」

 

残響「ははは、なるほど」

 

fee「ラブコメのネタとして、お互いが*1 好きなのはわかっているけど敢えてまだ付き合わない、みたいなドキドキも好きなんですけど……。このルートは、生徒会や対馬ファミリーがほとんど出てこなくて、素奈緒しか出ないじゃないですか」

 

残響「そうなんですよね。対馬ファミリーの雰囲気というか、カニ・スバル・フカヒレの存在感はあまり……」

 

fee「そう。対抗馬がいるわけでもないし、ワイワイ楽しい『つよきす』の良さが出ているわけでもない。それだったらすぐ付き合っちゃってもいいんじゃないの?って。伏線とかもないし。物語のピークは体育武道祭の準備で部員たちとやりあうところ。で、エンディングが体育武道祭のフォークダンス。これが綺麗な形だと思います」

 

残響「なるほどw」

 

fee「クライマックスが物語の中盤にあるのは、素奈緒ルートに限った話じゃないけども……。
中盤のクライマックスで物語を締めちゃった方がストーリー的に綺麗なのに、その後とってつけたように大量のHシーンとバカップルイチャイチャシーンがくっついてるというのがあって、そこがちょっと微妙だと感じてしまいます。特に素奈緒ルートはその傾向が強いなと思いました。シナリオについてはそんなところでしょうか」

 

残響「シナリオ自体はシンプルですが、ぼくは細部の描写が気に入っています。たとえば中学時代に月を二人で見ているシーンとか」

 

fee「ベンチに座ってるCGのやつですか? あれって、月を見てたんでしたっけ」

 

残響「そうそう。そことか、やっぱりフォークダンス。あと個人的にカラオケのところも気に入っているんです」

 

fee「あぁ、カラオケねぇ。レオがヘンな歌を歌ってるところw」

 

残響「ww  ダイナミックな展開を見せたりドンデン返しがあったりするわけではないんですけど、良い描写が結構あったので好きなルートです」

 

fee「まぁ、ドンデン返しとかは『つよきす』の作風じゃないからw」

 

残響「もちろんもちろんw」

 

fee「そういう意味では、シナリオというのはぼやっとした表現ではありますよね。シナリオとテキストに分けて点数をつけてはいませんし」

 

残響「過去話における、【あー、こうやってこの二人はすれ違っていくんだなぁ……】という風にしんみり感じたりとか。そして、寄りを戻すところもすごく自然で。地味なシナリオといってはなんですけど、【なるほどねぇ】と、腑に落ちるシーンが多い。しっくりくるシナリオでした」

 

fee「観覧車に乗って仲直りするシーンが良かったかな。全然仲直りしていないところが良かったw むしろあそこで仲直りしちゃったらもう終わりだろ!って思ったんですけど。あそこから進展するんだからわからないものですね」

 

残響「はははw まあ、こうして言語化してみると、確かにそうですね」

 

fee「そこで一区切りついて、過去の事ももうこだわるのをやめて、『もう赤の他人ね』みたいな感じになっちゃうので。確かに仲直りはしたけど、カップルの長引く喧嘩状態だったのが、もう清算も済んで完全に無関係な人になった、みたいな雰囲気でしたし」

 

残響「ふむふむ」

 

fee「後は、別にどうでもいいっちゃどうでもいいんですけど、中学時代に素奈緒ちゃんがレイプされていても良かったかも」

 

残響「ワーオそうきたかw」

 

fee「別に無理にとは言いませんが、その方がレオの受けるダメージも大きくなるし、それにも屈せず素奈緒が頑張ってるならより好感が持てるかなと。まぁ別になくてもいいですw」

 

残響「……素朴な疑問なんですが、なんで『つよきす』の世界観ってこんなにヤンキーっぽいんですか?」

 

fee「『つよきす』だけじゃなくて『まじこい』もそうだし、タカヒロがヤンキーっぽいんじゃないですか?」

 

残響「中学時代のレオ君は、他校の人と喧嘩ばかりしていたっていう話があるじゃないですか。あれ、全然意味がわからないんですよ」

 

fee「僕も意味はわからないけど、そういう奴って一定数いませんでした?」

 

残響「うーん……あれ(喧嘩ばかりする奴)っていうのはなんなんですか? よくわからないですよ」

 

fee「いや、僕もそういう奴じゃなかったからわからないですけど。でも僕がいた中学にもそういう奴はいましたよ。男子のうち、5分の1くらいはそういう奴だったようなw 5分の4に該当する僕としては『馬鹿なの?』としか思わないけど、そういう奴は結構いました。だからそういう奴なんだなーって思って読んでたので別にw」

 

残響「ぼくの学校にもヤンキーっぽい奴はいましたけど、他校の人と喧嘩したっていう話は聞かなかったですね。まぁぼくの場合、近くに学校がなくて、隣の学校が数十km単位で遠かったからかもしれませんが……」

 

fee「どちらかというとなごみシナリオのところで喋りたい内容ではあるんですが……。古いネタを言うなら、盗んだバイクで走りだしたい年ごろじゃないですか。なんだかよくわからない暴力衝動を抱えていて、それを発散させたいみたいな。いつも苛々していて、壊すものを探して暴走族になったりするんですよ」

 

残響「はぁーなるほど」

 

fee「行きすぎると暴走族とか暴力団に入っちゃうけど、そこまではいかない。ただ、そういうものに憧れて、形から入っているファッションというかカッコつけみたいな、そういう感じ、じゃないですか? 恫喝した相手がビビったら、俺SUGEEEEみたいな。

適当言ってる自覚はあります。元ヤンの読者様がいたらごめんなさい」

 

残響「レオ君ってボトルシップを作っていますよね。それをやってるだけじゃダメなんですか? ぼくの感覚から言えばボトルシップを作るためには、他のものは邪魔だと思っちゃうので、ぼくがレオ君だったら、喧嘩なんかせずにボトルシップに専念したいというか……」

 

fee「いやぁ……僕は模型趣味も全くないので、喧嘩する人も解らないけど、そっちも解らないですw ごめんなさい。

ただ、喧嘩はともかくとして。エロゲや読書に専念するために友達付き合いをシャットアウトするとか、そういうのは個人的にはないですねw」

 

 

残響「そんなわけで、『つよきす』のナチュラルなヤンキーっぽさは最後までよくわからなかったです」

 

fee「まぁ、僕も元ヤンじゃないからよくわからないけど……ただ不自然さは感じなかったですね。こういう人たちいたね、って」

 

残響「ぼくにとっては純粋に謎なんですよ」

 

fee「まぁ、冷たいようですが、頭の良い行為とは言いかねますからね……。ただ、中学生とか高校生くらいの時って、*2エネルギーが有り余っていて、発散する場所がないから。スポーツとかで発散する人もいるし、それだけじゃ足りなければ喧嘩だのいじめだのクスリだの暴走だの、そっちに行っちゃう奴もいるし。僕はボトルシップにもヤンキーにも興味がないのでわからないっす。だからヤンキーを理解できる、とは言わないけど……そこまで意味不明でもないんですよねw いやぁ、そういう奴はいるだろとしか言えないw」

 

残響「なるほどなぁ。この話を聞いていて思ったのが、みんな【他人が大好き】なんだなぁって」

 

fee「そう?」

 

残響「暴力というのも、定義次第によっては【他人との交流】ですよね。他人からのレスポンスが返ってきて、充実感を得るわけじゃないですか。だから他人ありきだなって。それが良い方に行けば対馬ファミリー的なつながりになるんでしょうし、悪い方に行けば喧嘩になるのかなって。ぼくには喧嘩っていうのが本当によくわからなくて。だって、たかが他人じゃないですか」

 

fee「平和主義でいいと思うべきなのか、冷たいと思うべきなのかが解らんww まぁそういう年ごろだったんです」

 

残響「お年頃だったんですねw」

 

fee「タカヒロがそういうのが好きな人だったんだよ……。だって、『まじこい』にもヤンキー臭さがあるし、『辻堂さんの純愛ロード』ってのもあるじゃん」

 

残響「そういうのが好きな人なんですね。他人との交流、という話が」

 

fee「というか基本、登場人物が1人しかいなかったら、文字どおりお話にならないのでは……」

 

 

*1  本人たちが解っている場合もあるし、読者だけが解っている場合もありますが

 

*2 女性だと援助交際とか、ドギツイ化粧をしたりとか。後は男女関係なく刺青とか、そういう感じですかね。子供の頃は色々わめいたり、泥んこになるまで走り回ったりしてエネルギーを発散するけど、中学くらいになるとそういうのは卒業しちゃう。でも、代わりになる発散場がないし、現実の汚さとかそういうのが見えてきちゃって、現実に反感も抱くようになる。反感+余剰エネルギーのセットで非行行為が生まれる……というのが僕の妄想ですが、その手の本を読んでいるわけでもないので解りません。

 


☆2

 

残響「先ほども言いましたが、シナリオ自体が良いというよりも、描写が良いということで。シナリオに7.5点をつけましたが、ヒロインの点数につけた方がいいのか、迷ったところではあります。
ところでfeeさんは素奈緒的なキャラは好きじゃないんじゃないかと予想していたんですが、7点をつけていますね」

 

fee「まぁ、タイプ的にはあんまり好きじゃないよね。だって、素奈緒ってミニ乙女さんでしょ?」

 

残響「はははw ジャスティスですからね」

 

fee「乙女さんタイプはあまり好きじゃないけど、素奈緒は弱点が多すぎてかわいさが勝っている感じです」

 

残響「なるほどw(すげーわかる)」

 

fee「リアルで素奈緒が傍にいたら多分避けますね」

 

残響「はいw(わかる)」

 

fee「避けるけど、乙女さんは避けても避けても干渉してくるタイプで、素奈緒は避ければ『じゃあ、いいわ』って感じで他の人間に小言を言いにいく人だと思うので、そこまで害はない、と思うw」

 

残響「なるほど」

 

fee「乙女さんは裁判官で、素奈緒は注意して回ってるお姉さんみたいな。まぁ、素奈緒が強くなると乙女さんになる気もしますが。ちょっと違うかな? 素奈緒と乙女さんの違いについて、残響さんはどう思いますか?」

 

残響「ここは、難しいところですね。乙女さんはある意味で完成されています。素奈緒はいつもブレているというか。他人に注意をしないではいられないけれど、色々考えて悩んでいる。これでアタシはいいのかな、みたいな。乙女さんなら、これでいいのだ!という感じですけど、素奈緒はそこまでは行っていない。人間くさいといいますか……」

 

fee「他ヒロインと比較すると、素奈緒は付き合う前と付き合った後の変化が、一番ない気がするんですよね」

 

残響「そうですね」

 

fee「それもあって、後半退屈に感じたんだと思います」

 

残響「ぼくは安心しました。昔の友情発恋愛行の友情が戻ったんだ、みたいな」

 

fee「そこなんだよなぁ。そこが残響さんとは微妙に違うんですよね。別に残響さんの見方を否定するわけじゃないんだけど、素奈緒はレオの事を終始男として意識しているように思えるんですよ。まぁ、残響さんの言う『親友』でも、僕の考える『ほぼ恋人』でも、シナリオの内容や面白さが大きく変わるわけではないのでいいんですけど」

 

残響「再会型の幼馴染という感じなんですよね。疎遠型と言ってもいいんですが。昔は仲が良かったけど、今は疎遠になっちゃったところから始まって、昔の友情を取り戻す物語。最後に至っても友達感がある、そういうのが心地よかったんですよ」

 

fee「うーん……どちらかというと僕は *3 元カノシナリオの変形に見えるんです。素奈緒は告白やHはしていない元カノみたいなイメージで。素奈緒はレオに対して、ものすごく期待値が高い。友だちにここまで期待するのかなって」

 

残響「あーなるほどね。ぼくは幼馴染みたいな相手だからここまで期待しているのかなと」

 

fee「素奈緒とレオは幼馴染じゃないですよ?」

 

残響「そうなんですけど、それに類似した感じ(フィーリング)を受けたんです」

 

fee「その辺はまぁ、対談にこのままあげて、読者の皆さんはどう思いますか投票でもして……」

 

残響「投票w」

 

fee「多数をとった方が正しいとかそういうわけでもないんですがw 素奈緒はレオの事を『自分を守ってくれるナイト』だと思っていて、素奈緒は自分の事を『お姫様』じゃないけど……」

 

残響「はははw」


fee「演劇とかで強く主張していっても、『アタシには自分を守ってくれるレオ君がいる』みたいに思っていたら当のレオ君に『お前ちょっと空気読め』みたいな事を言われた時の反応が、『見損なったわ!』です。ちょっと感情的すぎるというか。
ヤンキーに殴られそうになっている時に助けてくれたのもレオで、そこでキュンとして。
レオと素奈緒の大喧嘩の直前に、素奈緒がレオの事を男として大好きなのは確定なんですけど、そこは大丈夫ですか?」

 

残響「はいはい、それは大丈夫です」

 

fee「そこが大丈夫なら問題ない……というか、そこが大丈夫なのになんで幼馴染なの?」

 

残響「自分の中で、素奈緒との関係が『親友感溢れる』みたいなところがあったんですね。そこから男女の関係もあるんですけど、根底にあるのは【親友】みたいな」

 

fee「最初は、親友……というか注意してくる女子生徒っていうか……。そこから少しズレるんですが、対馬ファミリーとの関係性がイマイチわからないっす。スバルは一応知り合いなんですよね。カニも知り合いなのかな?」

 

残響「スバルに関しては、【俺に対しても臆せず注意してくれる女子】ということで、一目置いている節はあります。カニは……全くないな」

 

fee「この頃からレオの事が好きなのなら、カニは当然やきもちを焼いていてもいいと思うんですけど、そういうのはないですよね。恋敵として一番に警戒すべきは素奈緒だと思うんですけど

 

残響「ですね」

 

fee「素奈緒がレオの事を好きになったのは、自分を守ってくれた時ですよね」

 

残響「そうです。そこがポイントですね」
 


fee「ちょっと話を戻しますが、素奈緒は付き合った後の変化があまりないのが退屈だなと思っちゃって。付き合うところで概ね物語が終わっているのはカニルートも同じなんですが、カニは付き合った後のギャップ、イメチェンで、物語に新鮮さを持たせました。でも、素奈緒は【付き合う前と変わらない】し、ドラマとしてももうクライマックスは終わっているから、後は単なる日常が続いているだけ、というのが退屈さを感じた理由かなと思います」

 

残響「なるほど」

 

fee「設定は凄く良いんですけどね。設定が良いので、羨ましさを7.5にしました」

 

残響「羨ましさに関しては、親友みたいなシチュエーションが気に入ったので。恋人としてはそんなにないな」

 

fee「Hシーンの点数が低いのは、単純にシーン数が少ないからです」

 

残響「まぁぼくも同じですわ」

 

fee「あと、『つよきす』全体の話なんですが、テキストは全体的にエロくないんですよ。正直なところ、抜けるテキストになっていないです。ただ、そう言っちゃうと全部のエロシーンに2点とか3点をつけることになっちゃうから」

 

残響「なるほど。相対的に、ということですか」

 

fee「というのと、シチュエーション的にはエロい、というのはあるので。このシーンを脳内妄想するなり、ねちっこいテキストがあればエロかっただろうな、というところで点数をつけています。『1学期』は、シーン数が多い割にはエロくないですね。『3学期』の方はシーン数はえらく少ないですけど、1シーンの尺は長いので『3学期』の方が抜けます。ただ、自分で濃厚なシーンを妄想して、Hシーンを妄想のネタとして使うだけなら、『1学期』の方が妄想は捗りますね。ついでに言えば、『1学期』の方が明らかにレオ君の射精回数も多いですね(どうでもいい)……」

 

残響「ふふふふふ……w」

 

 

*3 個人的には、目の前で展開される物語に対して、パターンに当てはめていくような読み方というのはあまり好きじゃないんです。
 『素奈緒シナリオは、再開型・疎遠型幼馴染の物語の1つ』ではなく、『近衛素奈緒という1人のヒロインと対馬レオの、ここにしかない物語なんだ!』的な理想というか。
 だから、ちょっと残響さんの発言にやや批判的なツッコミを入れたかったんですが、その後、自分で『元カノシナリオ』などと口走っているので、目も当てられない……。

 


☆3

 

fee「そういえば素奈緒の体育武道祭の話なんですけど、演劇部のメンバーをもうちょっとちゃんと書いた方が良くなかったですか? 生徒Zみたいな書き方じゃなくて」

 

残響「それもそうですねぇ」

 

fee「あそこは結構大事なシーンなので、演劇部の一人ひとりに立ち絵をつけるぐらいの気合があっても良かったのに」

 

残響「もうちょっとキャラクター付けをしても良かったですね」

 

fee「素奈緒が言っていることはどう思いますか?」

 

残響「理屈はわかる。しかし、正しすぎる

 

fee「自分が演劇部の部員だったらどうですか?」

 

残響「それは難しいなぁ」

 

fee「ちなみに僕だったらやめちゃいそう」

 

残響「芸術に身を捧げるんだ、という気持ちはわかる。そしてそれに対して、『もう少しうまい立ち回り方があるんじゃないか』と考えてしまう今の自分がすごく嫌らしいんですけど」

 

fee「嫌らしいというか、レオも同じ考え方をしてると思いますが……」

 

残響「最後の方で、エリーVS素奈緒の脚本勝負があるじゃないですか。全体を見渡して、引っ込むところは引っ込めて、人間的な深みを持つことで素晴らしい脚本が書けるんだ、という理屈も、わかる事はわかる」

 

fee「うーん?」

 

残響「でもなんか、それを素直に認めたくないというか。自分も素奈緒的なところがあるんですよ。かなり素奈緒的なところがあるからこそ……正確に言えば、6〜7年前の自分は素奈緒っぽかったなと思います。だから素奈緒の主張をどう思うか、と言われると難しいですね。過去の自分を全否定することになっちゃいそうだし、難しい」

 

fee「えーと、その前に、最後の脚本勝負ってそんなことまで書かれていましたっけ? いや、確かに、タカヒロはそういう事が言いたいんだろうな、とは思って読んでいましたけど」

 

残響「そこまでは言っていませんが」

 

fee「中途半端に感じたんですよ。むしろそこまで言ってくれれば、『なるほどな』って思えたんですけど」

 

残響「素奈緒の脚本内容が、シナリオ中で具体的に描かれていませんしね」

 

fee「素奈緒は純文学みたいな脚本を作ったんでしょ? で、エリカはコメディみたいな脚本を作って。『感動の力作もいいけど、文化祭ではもっと肩の力を抜いてコメディの方が、客受けがいいんじゃないの?』完。って話じゃなかった?」

 

残響「ざっくり言っちゃうと、【客層を考えて作りなさいよね】という話でしたよね」

 

fee「そうなんだけど。素奈緒ルートの最後に持ってくるような内容かな?と思いました。迂遠というか。もうちょっと、直球でズバンと言っちゃってもいいんじゃないですか? 周りに合わせるのがいいっていうテーマで終わったわけでもないでしょ? 『テンションに身を任せる時と、冷静になって周囲にあわせる時と、どちらにも良い所があるよね』という、煮え切らないけど、一番妥当な回答を示して終わったはず……」

 

残響「でもぼくはその結末を高く評価してるんですよね」

 

fee「いやいや、僕もその結末自体は良いと思っていますよ。ただそれを示すエピソードとして、脚本勝負は弱くないですか?」

 

残響「あぁ、それはそう思います」

 

fee「もっと激突があってもいいと思うし。なぜエリカがラブコメを書くのかもよくわからないし」

 

残響「エリカに関しては、単に需要と供給。マーケティングだと思うんですよ。素奈緒の方は自分の想いをまともにぶつけたい。エリカが勝つんですが、生徒たちからいろんな意見が出てきて、レオが『それでも頑張っていこうじゃないか』みたいな微妙なまとめ方をして」

 

fee「あれ、芸術論の話だった?」

 

残響「いや、芸術論でもないです。まぁ、頑張って行けばいいんだねみたいな」

 

fee「芸術論としてだったら、僕は素奈緒の姿勢を取りたい」

 

残響「ぼくも同じです」

 

fee「でも、人としての生き方だったら、周りを見て、という方を取りたい」

 

残響「ガチ芸術論をやっているわけじゃないですよ?」

 

fee「そこがズレてるんですよ。芸術論に絡めないならば『もっと周囲を見て、配慮して行けよ』に賛成。でも芸術論で考えるなら、『周りの事なんて気にせず、自分がどうしても書きたいドラマをやっていこう!』という方に賛成。
だって、好きな事をやりたいわけでしょ? *4 単純な話、100人の人に7点をつけられるより、10人の人に10点満点をもらった方が嬉しくないですか? 商売としては、100人に7点の方がいいかもしれないですが、そんな7点しか取れない作品を読みたいですか? そして何より、そんな7点狙いの作品を作るのが素奈緒の夢なんですか?」

 

残響「商売の話はひとまず抜きにして、素奈緒がガチ勢、エリカがエンジョイ勢だと仮定します。素奈緒は真正面から【演劇】という表現をやるため、ガチで行く。エリーは【演劇を使って】生徒全体のエンジョイを目指す。目的と手段、の違いと言えるんですが。そして、最終的にレオは【頑張って行こうじゃないか】、みたいな、煮え切らない結論を出すというか。でもレオ君のこれは、目的であれ、手段であれ、最終的に【糧になれば良いんじゃないか】、っていうあたりの落としどころだと思うんですね」
 

fee「僕もちょっと混乱しているので、言う事がコロコロ変わったら申し訳ないですが。超名門校とかだとまた別かもしれませんが、学校の部活であまりにもガチ勢というのは、基本的にはまずいように思います。そういうのは、ガチ勢を集めた劇団とかでやりなさいよと思うわけです。だから、6月にひと悶着起きて、体育武道祭で『近衛部長やりすぎー!』って1年生が叛逆を起こして、色々ありましたよね。みんなで楽しくやる方向に素奈緒も歩み寄ったでしょ? そこで解決して、フォークダンスを踊ってハッピーエンド。そのテーマはもうそれで終わりでいいんじゃないの?」

 

残響「まあ、それは確かに」

 

fee「脚本勝負でエリーが相手。またもエリーに勝てない素奈緒。エリーめ強すぎ許さん、対決したら必ず勝つのはやっぱり天才エリー。というドタバタ劇にしか思えなかったんですが」

 

残響「それはぼくも思いました」

 

fee「素奈緒は凡人代表だからね。凡人だけど、努力で頑張ってる娘。でもそれだと、さっきから言っていることとちょっとズレますよね。マーケティングVS自分の想いとか、エンジョイVSガチ勢とかそういうんじゃなくて。単純に、天才エリーは凄いね、凡人の素奈緒には勝てないね……そんなふうに見えちゃいました」

 

残響「なんで一度解決したテーマをまた蒸し返したの?というのも」

 

fee「それもあります。そもそも脚本勝負という形をとる事にも疑問がありますね。エリーが一番巧そうなのはわかるけど、エリーがエンジョイ勢には思えない」

 

残響「……そうですね。エンジョイ勢というよりは、エンジョイ精神を使って何かを為す、というのがまだ近いかも」

 

fee「どうせならカニあたりが書いた方がw カニに書けるとは思えないけど……カニが書いたとんでもないバカっぽい話が、バカの多い竜鳴館の生徒には大ウケ!みたいな話なら、さっきのテーマでもいいんですけど」

 

残響「素奈緒ルートのエンディング名はMighty Heartと言うんですよ。Mightyという単語のニュアンスは『つよきす』の『つよ』。『根性』みたいなノリがあるんです。『力強さ』とか『根性で頑張るぞ』とか。そういう強さを表現した単語です。そう考えると、素奈緒はこれからの人生で、自分よりも才能が上の相手に叩きのめされる事が、たくさんあると思うんです。凡人ですから」

 

fee「しかも上を目指していますしね」

 

残響「才能よりも努力派ですし、融通も利かないし。そういった挫折の一つにエリーとの対決があったと思うんです。でも、ガツンとやられていますけど、素奈緒は挫けていないじゃないですか。隣にレオがいて、それでもやっていこうじゃないかって言って、素奈緒も『うん』って言うんですね。これからぶちのめされることも多々あるだろうけど、やっていこうみたいな、そういう先行きの希望みたいなものを感じました。だからMighty Heartなんだって。
エリールートのラストには、そういう力強さはないですよね。ただ単に最強キャラが野望にひた走るだけで。素奈緒は地に足のついた力強さを感じます。だから、エリーとの対決は、確かに唐突ではあったんですが、ラストで、最後に座ってレオと肩を寄せ合う素奈緒のシーンは良かったと思います。すごい地味で、ちっともパッとはしないけど、これはこれでいいんじゃないかな、そんな感慨を覚えました」

 

fee「せっかくだから素奈緒シナリオを今読み直していますが、展開がえらく早いですね。8月19日くらいにレオの家にエリーが訪ねてきて、『脚本勝負よ』みたいなことを言って。次のシーンが9月1日で、脚本勝負。で、次のシーンはもう9月9日で結果が出てる。んー……『心にもう少し余裕を持とう』くらいしか言ってないですよ。
残響さんの読みを、妄想だとか誤読だとか言うつもりは全くないですけど、ある程度想像の飛躍をしないとそういうふうには読み取れないと思います。僕がぼんやりしているだけかもしれませんが」

 

残響「わりとちょっと前まで、ぼくの考えというか思想の中に、『頑張って頑張って頑張れば何かを得られる』みたいなのがあったんです。それは間違いだった、と今はわかるんですが。たまたま素奈緒ルートをやっている時に、『やっぱり余裕が大事なんだな』と、ふと腑に落ちたという私的な問題もあって、そういうふうに読んだのかも」

 

fee「せっかくいい話をしてもらってあれなんですが……。素奈緒のマイティハートの話をすると、OP曲の歌詞は素奈緒に一番近いのかなぁと思って読んでいました。カニでもいいんですけど。『マイティハート ある日の〜』」

 

残響「『ケンカ、いつもの恋心』」

 

 

fee「この距離感は、乙女さんじゃないんですよね」

 

残響「絶対ちがうww」

 

fee「あーまたやったなー? って乙女さんやエリーやよっぴーやなごみが言うとは思えない。となると、当てはめるなら、素奈緒かカニの歌詞なんですよ」

 

残響「ぼくもそう思います」

 

fee「特に素奈緒の方が近い気がする。カラオケでもこの歌を素奈緒が歌っているシーンがありました。エンディング名もマイティハートでしょ。だから、これは素奈緒の曲なのかなーって。まぁ、素奈緒は無印『つよきす』にはいなかったのでこじつけですし、曲が最初にあって、それにある程度合わせて素奈緒を作ったのかもしれませんが……」

 

残響「しかし、なんで無印の『つよきす』には素奈緒ルートがないんでしょうね」

 

fee「ほんとにねぇ」

 

 

*4 純文学とラブコメでは純文学の方が上だ! と言いたいわけでは勿論ないので、誤読なきようお願いします。

 


☆CG2枚貼りコーナー

 

fee「お気に入りCG発表に行く前に、一言言わせてください。ヒロインの中で、素奈緒の私服が一番かわいいと思う」

 

残響「あ、それは最大限に同意します」

 

fee「乙女さんの私服はちょっとどうにかしてほしいしなぁ……」

 

残響「弁護するとすれば、乙女さんはアウトドアショップで揃えたんですよ、きっと *5」

fee「それっぽさがあっていいとは思うけどね」

 

残響「確かに乙女さんっぽさはありますw」

 

fee「レオの私服がダサいんだけど!」

 

残響「それはねぇ……(深いため息)」

 

 

 

 

 

fee「こんなダサい私服を着た主人公は『君が望む永遠』の孝之君くらいしか知らないんだけど……なんなのこの私服は」

 

残響「喧嘩しやすさで選んだんじゃないですか?」

 

fee「最近喧嘩してないでしょww」

 

残響「フカヒレ君の服装の方が遥かに格好いいですよ」

 

fee「この左胸の変なワンポイントはなんなの? ニコちゃんマークの、ニコっとしてないやつみたいな。どのヒロインのルートでもこれを着てるんだけど、これはデート服としてはマズいんじゃないか?」

 

残響「『つよきす』は特に古さを感じるゲームではないんですが、レオ君の造形とかを見るとゼロ年代初期のゲームのノリを感じます。そこはかとなくダサいw」

 


(画像シンキングタイム)


fee「結構迷うな……1枚はメイド姿でのフォークダンスですね。CGが、というよりもこのシーンが大好きなので。素奈緒の私服がとにかく好きなので、私服が初登場する八景島のシーンにするか、カラオケにするか、私服で横たわってるエロシーンかで迷ってるけど……大人しく八景島にしておくか」

 

残響「1枚目はメイドさん。feeさんと同じです。2枚目はカラオケシーンでの私服差分です」

 

 

feeセレクション

  ↓

 

 

 

残響セレクション

  ↓

 

(1枚目はfeeさんのメイドフォークダンスCGと同じ)

 

 

 

fee「素奈緒は本当に私服がいいんだよなぁ」

 

残響「ちょっと幸が薄そうで」

 

fee「ゆるふわ?(テキトー)」

 

残響「体のラインのシャープさが出ているというか」

 

fee「僕にリアル彼女ができたら、こういう服を着てほしいよw」

 

残響「なるほどなるほど。この服のセンスは良いですよ」

 

fee「レオ君とは違ってね」

 

残響「素奈緒は浴衣もいいんですけど、素奈緒の隣でレオ君のニコちゃんマークの私服が……」

 

fee「ニコちゃんマークの表情がCGによって微妙に違くないですか? 乙女さんのルートで釣りをしている私服のニコちゃんマークと、表情が違うんですけど」

 

残響「えっ(今気づいた)」

 

 

 

 

fee「まぁ、だからどうしたって話ではありますがw」

 

残響「白猫参謀さん(原画)のセンスなんですかね……表情が確かに微妙に違うw」

 

fee「違うでしょw これは違う服なんでしょうか。それとも似たような服を2枚持ってるのかな?」

 

残響「このニコちゃんマークがなければまだ良かったのに……完全に余計ですよね、これ」

 

fee「マークがなければそこまでダサくないですよw」

 

残響「これはヤバいですよ。ポケモンでこういうのがいたような *6」
 

fee「少なくとも、女の子とのデートで着ていく服じゃないですよ。仲間内でのウケを狙って着るならいいですけど。ちなみに私服は素奈緒が優勝として、水着は誰がいいですか?」

 

残響「なごみ」

 

fee「くぅーーー、同じじゃねーかよぉ(言葉が乱れた)。やっぱなごみかー。僕もなごみなんですよ」

 

残響「水着は全体的に良かったと思うんですけど。やっぱりなごみが最強ですね」

 

fee「スタイルでカニはこういう時不利ですね。よっぴーもいいけど、なごみだな」

 

 

 

*5 しかし今大ヒット中のアニメ『ゆるキャン△』では、主人公たちキャンプガールズたちのファッションが、アウトドアファッションですが非常に可愛いドレッシーぶりを魅せてる点を思えば、やっぱ乙女さんのファッションはダメだったんじゃねえか的な弁護不可ギャフン感がある。付け加えるなら、別に『3学期』ではアウトドアファッションっぽくもないし……(さらに弁護瓦解) 


*6……ゴース(ゴーストタイプのポケモン)

 

 

第7回(椰子なごみ編)に続く……

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