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    ブラッドベリ『太陽の黄金の林檎』読書会(4)

    • 2017.05.18 Thursday
    • 22:02

    第12作目/全21作(「荒野」は除く) 「大火事」P355〜370
    残響評価 B fee評価 B+

     

     

    fee「マリアンちゃんという女の子が、恋をしました。超テンションが高いので、ママとパパはウンザリ。ですが、毎日のようにご機嫌なマリアンを見て、マリアンが結婚するんじゃないかと、ママとパパは期待を始めます。しかしラスト、おばあさんが真相を語る……。そんな感じのお話です」

     

    残響「付け加える事は特にないです」

     

    fee「MVPはおばあちゃんかなって」

     

    残響「いいところ全部持っていきましたからねw P368 14行目『どんな女だって、こういう時期があるものよ。大変だけど、大丈夫、死にゃしないから。毎日、別の男とデートすれば、女は立派に鍛えられるわ!』このおばあちゃんの台詞が凄いw」

     

    fee「このおばあちゃんも、若い頃はブイブイ言わせていたんですよw」

     

    残響「そうですね。ブイブイとww」

     

    fee「パパは男性だからまだいいとして、ママはちょっと鈍いですよね。もう少しマリアンの様子に気を配ってあげても……」

     

    残響「ですねぇ。パパとおばあちゃんの絡みも良かったです。P368 16行目で『あなたという人は!』と叫んだあと、P369 1行目でマリアンがやってきて、もう一度P369 3行目で『あなたという人は!』とおばあさんにむかって、繰り返すw これ、面白かったなぁ」

     

    fee「マリアンちゃんについてはどう思いました?」

     

    残響「うーんw ぼくは否定はしない、否定はしないけど……」

     

    fee「ブロンドの青年、背の高い色の浅黒い人、茶色い口髭の人、赤いちぢれっ毛の人、背の低い人と、マリアンちゃんの守備範囲は結構広いですね。自由にいろんな男性と遊べばいいとは思いますが、毎日はさすがに多すぎるw せめて毎週ぐらいにしてほしいw

     

    残響「そうですねぇ……」

     

    fee「このエネルギッシュな自分勝手さ、どこか『四月の魔女』のセシーに似ているような。あれですよ、トムがやってこなかった、あるいはトムに飽きちゃったセシーの慣れの果てですよ、これは」

     

    残響「だからセシーはアンと結ばれれば良かったんですよ。しかし、ブラッドベリはこういうおてんばというか、元気な女の子が好きなんでしょうか。あまり深窓の令嬢みたいなキャラは出てこないような……」

     

    fee「言われてみれば確かに。あと、どうでもいい点としてP359 16行目に『早春の異様なあたたかさに(温度計は五十五度を指していた)』とあります。この55度というのはもちろん……」

     

    残響「華氏ですよね。摂氏ではなくて」

     

    fee「そうです。でもこの華氏55度、ネットで計算してみると摂氏12.7度なんです。摂氏12.7度って、『早春の異様なあたたかさ』ですか?」

     

    残響「うーん……」

     

    fee「で、ですね。P362 10行目に『十月か、とパパはゆっくり計算した。「じゃあ、今すぐ死んだとして、百三十日も墓場で待たなきゃならんのか」』と言っています。パパの計算間違いじゃなければ、10月−130日ですから、5月の20日以降になりますよね。5月20日って、早春ですか? 早春で異様なあたたかさなんです? むしろ12.8度じゃ寒くないですか?」

     

    残響「うーん……きっとカナダ寄りの寒い地域だったんでしょう、としか言えないんですよね」

     

    fee「そう。これ以上深める材料がないんですよね。〇〇州、という地名も出てきませんし。あと、『あのなつかしい黒魔術』っていう曲が作中に出てくるんですけど、これはブラッドベリの創作なのかな? タイトルの響きがとても面白いなぁと思ったんですが」

     

    残響「いや、これは多分『That old black magic』というジャズの曲ですね。これです」

     

    fee「おっ、ありがとうございます! 後で聴いておきます!(追記:聴きました。軽快で楽しい曲でした)」

     

    残響「ここに歌詞の日本語訳が載っていますが、微妙に作品内容に被っているんですよね」

     

    fee「ふむふむ。この歌詞を参考にして読むなら、マリアンはそのうち刺されますね。男の方はこんなにマジにマリアンに惚れてるのに……」

     

    残響「悪女というか何というか……罪作りな女の子ですね……しかしこれ、なんだか露骨にホームドラマっぽい気がします」

     

    fee「古き良きホームドラマをブラッドベリが描くとこんな感じになるという、そんな作品だと思います」

     

     

     

    第13作目/全21作(「荒野」は除く)「金の凧、銀の風」 P155〜166
    残響評価 B fee評価 B

     

     

    fee「さて、次は『金の凧、銀の風』を読みたいと思います。舞台は中国。隣り合う二つの街が、ライバル心を剥き出しにしています。片方の街が城壁を豚の形に変えると、もう片方は棍棒の形に変える、というような。最後は疲れて、仲直り。それだけの話ですね」

     

    残響「うん、それだけですね」

     

    fee「舞台が中国だったり、寓話チックなところがどことなく『空飛ぶ機械』に似ていると思うんですが……残響さんの評価も似たり寄ったりで……」

     

    残響「『空飛ぶ機械』よりも低評価かな……城壁を次々に作り替えていくという発想は面白いと思ったんですけどね」

     

    fee「これ、時代はいつなんでしょう? 中国史に詳しくないのでよくわからないんですが、内戦してるのかな? 戦国時代?」

     

    残響「いつぐらいですかねぇ」

     

    fee「あと、主人公の『役人』がすごく偉い感じがするんですが。この人の指示で城壁を作り替えているんですよね? なんか『市長』クラスな気がするんですが、『役人』?」

     

    残響「原文を読んだわけじゃないのでわかりませんが、これは訳のミスじゃないかなぁ。そもそも中国でいう役人って『科挙』を潜り抜けたスーパーエリートなんですよね」

     

    fee「『公務員試験』とはレベルが違う感じですかね。『科挙』って言うと、50歳とかまで浪人して、それでも受かれば人生一発逆転するって聞いたことがあるし……」

     

    残響「そうですね。feeさんが想定しているのはcivil servant、いわゆる『公僕』ですが、これはofficerな気がします」

     

    fee「そもそもこの話は、隣の町が豚の形に城壁を作り替えた事を聞いた主人公の『役人』 が、こちらの城壁をオレンジから棍棒の形に作り替えたことから、城壁作り替え戦争が始まったわけですが……隣町は本当に、喧嘩を売るつもりで豚の形にしたんですかね? 何か別の理由があって、豚の形にしただけなのに、過剰反応しているようにも思えるんですが……」

     

    残響「うーん……それはわからないなぁ」

     

    fee「ネットとかでもよく見ますよ。全く関係ない人が、自分の悪口を言われたように感じて突っかかっちゃう光景って。こちらは変な意図ではなく、たまたま……たとえば家畜の豚の繁栄を祈って城壁を豚の形に変えたのに、隣の町が棍棒の形に城壁を作り替えてきた。なんだあいつらは、俺たちに喧嘩を売っているのか!? やっちまえ」


    残響「ネットの地獄ですなぁ。この話でぼくが気になったのは、城壁というものに込められている……かもしれないメタファーについてです。マクルーハンという人が書いた『メディア論――人間の拡張の真相』という本に、『衣服が個人の皮膚の拡張で、体温とエネルギーを蓄え伝えるものであるとするなら、住宅は同じ目的を家族あるいは集団のために達成する共同の手段である。住宅は人が身を寄せる場であり、我々の体温調節機構の拡張――すなわち、共同の皮膚あるいは衣服――である。都市は身体諸器官をさらに拡張したもので、大きな集団の必要を調整する』という文章があるんです(長いっ!w)。城壁を作り替えること……それは、こう変わっていくんだという街の意思……そんなふうにも読めるかもしれません」


    fee「うーん、ブラッドベリってそこまで考えて書いてるんですかねぇ?」

     

    残響「それはわからない……」

     

    fee「P160 13行目『だが喜びは冬の花に似て、たちまちしぼんだ。その日の午後、使者が中庭に駆けこんで来たのである』。喜びは冬の花に似て〜の文章は良いなぁと思う一方で。『その日の午後』……城壁を1日で作り替えたってことになるんですが、さすがに無理じゃないですか?」

     

    残響「その辺は寓話ということで……やっぱりあまり考えないで書いているような気がしてきたw」


    fee「まぁ、作者が意図していなかったものを読者が読み取って楽しむというのも、それはそれで作品鑑賞としてアリじゃないかなとは思います」

     

    残響「ですね」
     

     

     

     第5回に続く……

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