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    ブラッドベリ『太陽の黄金の林檎』読書会(1)

    • 2017.04.02 Sunday
    • 21:46

    第1作目/全21作(「荒野」は除く) 「二度と見えない」 P167〜174

    残響評価 D fee評価 B−

    (S〜E評価です)

     

    fee「とりあえず、あらすじを。メキシコ人のラミレスさんが、下宿先のおばさん、オブライアン夫人と別れるお話です。別れる際に、【二度と見えない】って言うんですね。はい、そんなお話……で、合ってますよね?」

     

    残響「はい。ほんと、それだけの話ですよね。一応捻ってはいると思うんですが」

     

    fee「捻っている、というのは……?」

     

    残響「まず先に、feeさんの感想をうかがってからで良いですか?」

     

    fee「わかりました。まず、この話はやっぱり【二度と見えない】という表現が良いですよね。翻訳の小笠原さん、頑張ったなぁって」

     

    残響「確かにそうですね。これ、原題は【I See You Never】って書いてあるんですが、あんまり口語っぽい言い回しじゃないんですよね」

     

    fee「お、英語が苦手な僕にはよくわからないぞ! 僕より残響さんの方が、深く読み込んでそうだなぁ……」

     

    残響「Seeという単語があるじゃないですか。これは【見る】という単語ですけど、慣用表現では【I'm glad to see you.(お会いできてうれしいです)】とか、【See you again!(さよなら)】というふうに、【会う】みたいな意味でも使うんですね」

     

    fee「確かにそうですね!(全然考えないで読んでいた、と言いだしづらい流れだw)」

     

    残響「だから【I See You Never】で、【二度と会えない】になるのかなと思うんですが、【二度と見えない】と訳していますよね」

     

    fee「メキシコ移民なので英語が苦手なんですよね」

     

    残響「そうです。でもまぁ、ぼくの認識では、【捻りはそれだけ】って言うか……」

     

    fee「あぁ、うん……まぁ確かに……」

     

    残響「feeさんの感想をうかがっても良いですか?」

     

    fee「はい。まず、最初に書きましたが、P174 4行目の【さよなら、オブライアンさん。あなた、親切でした。さよなら、オブライアンさん。あなたと、二度と見えない!】というセリフは良いなぁと。【二度と会えない】だと普通なんですが、【二度と見えない】とすることで、ラミレスさんがオブライアンさんとお別れする悲しみが、より伝わってくるというか」

     

    残響「そうですね。うまく言いまわしてないがゆえの、パセティック(悲愴)な思いというか。エロゲで言うと……(やめとこう) *1」

     

    fee「ラミレスさんとオブライアン夫人はとても仲が良いんですね。だからこんなに別れを惜しんでいるんですが、ラミレスさんはメキシコ移民じゃないですか。オブライアン夫人というのは、作中で書かれてはいませんけど、名前からしてアイルランド系の移民だと思うんです」

     

    残響「そういわれれば、なるほど」

     

    fee「なので、メキシコ移民とアイルランド移民。人種は違いますが、アメリカ社会ではマイノリティというか、弱者の立場にある人同士。だからこそ、お互い親しみを持ったんじゃないでしょうか?」

     

    残響「アメリカでのアイルランド移民って、貧しい人が多いんですよね。警官とか、消防士みたいな肉体労働者(ブルーカラー)。貧しいからこそ、結束力が強いというか、アイルランド移民のコミュニティみたいなものもあります。怒りっぽくて頑固で、情に熱い、っていうのがアイルランド移民コミュのステレオタイプでしょうか。まあ、同じ白人でも、上流階級ではない。だからこそthe Poguesの名曲「ニューヨークの夢」が感動的な曲でして……って大いに話がずれてるっ!w しかしそう考えると、メキシコ移民に対しても、弱者同士で親近感というのはあるのかもしれませんね。パンク!」

     

    fee「オブライアン夫人も、子供はいるみたいですが、旦那さんも出てこないですし。僕は、ブラッドベリ作品の特徴の一つに【寂しさ】があると思うんですが、この『二度と見えない』も寂しい人たちの話という感じがします。そういう意味ではブラッドベリっぽい話ですし、嫌いじゃないです」

     

    残響「あー、確かにこの短編集も寂しい話が多い気はしますね。しかし、ブラッドベリという作家さんは、こうして考えてみると【社会派】としての側面も持っているというか、少なくとも絵空事、空想100%の世界だけじゃなく、現実の問題についても興味を持って作品を作っている感じがしました。この方向性を突き詰めていくと『華氏451度』みたいな作品になるんでしょうか」

     

    fee「まぁ確かに、全部の作品がそうというわけでもないですが、そういう作品もありますよね。この短編集にもいくつか『華氏451度』路線と言うのかな? 社会派っぽい作品はありますし。えーと、『二度と見えない』についてはこれぐらいでいいのかな?」

     

    残響「あっ、もう終わりですか?」

     

    fee「え、いや……っていうかこの作品7ページしかないんですよw 10分ぐらいで読める作品なのに、僕らもう13分も話してるじゃないですかw このまま話すと、『二度と見えない』本編の文字数よりも、僕らの対談の文字数の方が多くなっちゃいますよw」

     

    残響「10分ぐらいで読める、というのがぼくとfeeさんの小説における読書スピードの違いを感じるわけですが……まぁこれぐらいですかね」

     

    fee「もちろん、何かまだ語りたい事があればいくらでも語ってほしいんですが、残響さん、この作品は一番どうでもいいみたいな扱いをしていたのにw」

     

    残響「ははは、確かにw」

     

    fee「一番どうでもいいはずの最初の一作で13分か……。これ、前回の『ラブラブル』並のボリュームになりそうですね。さて、では次はどの作品にしましょうか……『華氏451度』路線、という話が出たので、そちらから攻めてみますか?」

     

    残響「それでいきますか。『華氏451度』路線というと……『人殺し』とか『歩行者』、『黒白対抗戦』あたりですか?」

     

    fee「『黒白』は少しズレる気もしますが……『人殺し』や『歩行者』はドンピシャですね。じゃあ次は『人殺し』行きますか?」

     

    残響「行きましょう」

     

     

    *1 どろり濃厚(残響)

     

     

    第2作目/全21作「人殺し」 P137〜154

    残響評価 B+ fee評価 B+

     

    fee「あらすじから行きます。主人公のアルバート・ブロックさんは、ちょっと神経質な人なんですね。この世界ではどこに行っても音楽が流れていたり、無線腕時計とかいう携帯電話みたいなものがあったりして、なんだか現代日本みたいな感じ。ブロックさんは、我慢できなくて、壊しまくってしまう。結果、精神病院に入れられてしまう〜と、こんな感じのお話です。『華氏451度』にもこういった描写はあったと思いますし、かなり近い感じの作品だと思います」

     

    残響「ぼく、この作品結構好きなんですよ」

     

    fee「僕も好きですねぇ」

     

    残響「まず、この作品の評価を大きく分けるポイントとして、読者が主人公のブロックさんをどう思ったかというのがある気がします。……ぼく、ブロックさんの気持ち、すごくよくわかるんですよね」

     

    fee「あぁ、残響さんもわかってしまいますか……。僕もすごくよくわかりました。ただ、読者によっては、ブロックさんを全く理解できない人もたくさんいそうな気がします。そういう人々にとっては、この『人殺し』という作品は駄作になりかねないような。かなり好き嫌いが分かれそうな作品だと思うんですが……」

     

    残響「……ブロックさんを全く理解できない人って、やはりいるんですかね?」

     

    fee「いると思いますよ? これ、現代日本まんまじゃないですか。病院に行けばテレビがついている、電車に乗ってもテレビがついている、下手をするとラーメン屋に入ってもテレビがついている。渋谷かなんかを歩けばビッグビジョンで、やっぱりCMを流しているし、お店に入れば音楽が流れている。ネットやスマホを開けば、今日のトップニュースみたいなものを教えてくれるし、Twitterを開けば今日のトレンド、みたいな。ものすごい量の情報が、これでもかとばかりに押し付けられてくる。家にいるだけで移動販売車の騒音とかが来るし:汗。でも、そういう状況に疑問を抱かない人ってたくさんいると思うんですよね。

    テレビ流れてるの? 別にいいじゃん、暇だし。音楽? いいじゃん。ニュース? 便利だね! 移動販売車? 季節の風物詩だねぇ。何が気に入らないの? 何文句言ってんの? めんどくせー奴だなw みたいな」

     

    残響「あぁぁ、うん……(世界苦)」

     

    fee「だからまぁ、ブロックさんを理解できちゃう人っていうのは……それだけでストレスを抱えるわけだから生きづらいですよ。僕も残響さんも、あるいは『人殺し』を読んで共感しちゃった人も。『人殺し』? ナニコレ、主人公キチガイ乙w で済ませられる人は勝ち組じゃないですか?」

     

    残響「それはそれでw でも、この作品をユーモアだと思って笑える人はいるかもしれませんね」

     

    fee「笑える……かぁ? これは僕らには笑えないですよね……」

     

    残響「笑えないですね……。こうなってくると、何が正常で、何が異常かという話にもなってくるんですけども」

     

    fee「多分世間一般から見たら、ブロックさんは異常だし、僕らもまぁ神経質な人に括られるかなと。僕なんかから見たら、あの音や情報の洪水に疑問を持たない人たちの方がちょっと……というのは言い過ぎかな……。結局、正常と異常を分けるのは、どちらが多数派かという……」

     

    残響「この作品が書かれたのは1950年代……ですよね? アメリカはこの当時からこんなだったんでしょうか。それとも未来を先取りしたのかな」

     

    fee「わかりませんねぇ。この作品で面白かったのが、P149  5行目の【うちに帰ると、女房がヒステリーを起こしています。どうしてでしょう? 半日の間わたしからの連絡が途切れたからだそうです】」

     

    残響「うわっ めんどくせーw」

     

    fee「ケータイ依存症でこういう人いますよねw いや、かくいう僕も割と連絡はマメな方なので……半日じゃキレないですけども。今の世の中、連絡頻度が合う・合わないというのは、交友関係や恋愛関係にも大きく影響していると思います」

     

    残響「まずぼくが面白いと思ったのは、最初の方に出てくる一連の音楽の描写です。P140 5行目の【ストラヴィンスキーバッハと番い、ハイドンラフマニノフを拒もうとして拒みきれず、シューベルトデューク・エリントンに殺されていた】。これ、音楽同士の相性が無茶苦茶なんですよ。音楽傾向、ジャンル的に、一気に鳴らされたら不協和音にしか思えないと言いますか」

     

    fee「へぇ……その辺はさすが音楽に詳しい残響さんの感想ですねぇ」

     

    残響「ブラッドベリは音楽も好きだったのか、取材したのか……この描写はなかなか【わかってる】なぁと思いました」

     

    fee「現代日本でもそうですが、勝手に流されてくるテレビとか音楽とかを、まじめに聴いている人って、どの程度いるんでしょうか。残響さんの指摘で考えれば、この作中では誰も音楽をまじめに聴こうとしていませんよね。ただ流しているだけの音楽がぶつかりあっているというか」

     

    残響「ですねぇ。流行とか、話合わせとかいうチャラい意味すらない」

     

    fee「大体、まじめに音楽が聴きたい人はスマホなりにイヤホン挿して聴けばいいわけで、何も興味のない人にまで流さなくてもいいのになぁと個人的には思っちゃいますね。僕は本を読みたい人なんですけど、音楽が鳴っていると集中しづらいので、正直迷惑だなぁと思っています。特にテレビがついている飯屋は基本避ける傾向にありますね。こういう事を言っちゃうと【まじめに本が読みたい人は家でだけ読んでろ】と言い返されちゃうかもしれませんし、別に権利を主張したいわけではないけども……。歯医者に流れている環境音楽みたいなのは特に嫌ではないんですけど、それだって別になくたっていい」

     

    残響「カクテルパーティー効果という、科学的に証明されてるものがありまして。喫茶店とかで音楽をフロアに流しておくと、各々の雑談を周囲からシャットアウトできるんです。ざわめきみたいなのが伝わりにくくなると言いますか」

     

    fee「あぁ、なるほど。そういう効用があるんですね」

     

    残響「そういう意味で、音で各々が孤絶している、ディスコミュニケーションの話とも取れますが……。

    それから、ブロックさんの無双ぶりも面白いですね。P145 17行の【大入りのフレンチ・チョコレート・アイスクリームを一パック買って来て、スプーンですくって、車の無線送信機へ流し込んだんです】とか」

     

    fee「暴れまくっていますよねw」

     

    残響「ところで、ジアテルミーっていうのはなんだったんでしょう? ちょっとよくわからなかったんですが……」

     

    fee「ジアテルミー? どこですか?」

     

    残響「P148 7行目とかです」

     

    fee「うーん、分からないなぁ」

     

    残響「あ、調べればいいのか。えーと、ジアテルミー……皮膚を通した温熱療法で、超短波、超音波、電流で……療法なんですかね??」

     

    fee「んー、これ、前後の文脈を考えると、ブロックさんがバスに乗っていますよね。で、ラジオやケータイがうるさい。そこでブロックさんがジアテルミーを使うとバスが沈黙……ということは、なにか妨害電波みたいなのを発生させる装置なんじゃないでしょうか? ジャミング的な」

     

    残響「あぁ、なるほど」

     

    fee「いや、わからないですよw でも確かジアテルミーの説明にも超音波、超短波とか書いてありましたし……本来の意味とは違う気もしますけど、そんなニュアンスかなと」

     

    残響「ブラッドベリさんの誤用なのかしら。やっと謎が解けたw」

     

    fee「タイトルの『人殺し』っていうのも、結構ドギツイ単語ですよね。器物損壊じゃなくて、人殺し」

     

    残響「ぼく、精神的にちょっと参っていた時に、周囲の音にすごく過敏になっていた事があるんです。静かなはずのゴルトベルク変奏曲 がものすごいデスメタルのように聞こえた、それぐらい過敏になっていた事があって」

     

    fee「僕も、精神的につらい時は活気のある雰囲気が苦手でしたね。魚売り場でおじさんが【いらっしゃい! いらっしゃい!】って威勢よく売っているのを聞いて、うわっって気分が悪くなったことがあって。全然悪い事じゃない、むしろ元気があって良いとたいていの人は評価するでしょうし、ダメージを受けた僕の方がおかしかったんですが、それでもつらい時ってあるんですよね」

     

    残響「【周囲の音を消せ!】というのは、【周囲の普通の人々の価値観を殺せ!】みたいな、そんな意味があるんじゃないでしょうか。本当におかしくなっている人にとっては、【殺るか殺られるか】そんな切羽詰まった状況なんじゃないかなと。ブラッドベリもこういう問題意識を抱えていた……のかなぁ」

     

    fee「科学技術の発展にともなって窮屈になっていく時代。そういったものに無関心な人だったら、こういう話は書かないでしょうね。だからブラッドベリもブロックさん寄り……じゃないのかな? 僕も残響さんも、ブロックさんの気持ちがよくわかる方だと思うんですが、公共のものを壊しちゃダメですよねw それはそれでやっぱり怖いですよ」

     

    残響「確かにw」

     

    fee「バス会社に、【ちょっと車内の音がうるさいんじゃないか】と投書を送るとか……それぐらいですかねぇ、できることは。そんなことをしても、何も変わらない気もしますが。結局は、我慢するしかないんでしょうかね。大多数の人は気にしていないわけですから」

     

    残響「生きづらいですなぁ。実に生きづらい。」

     

    fee「この作品はお互い、【ブロックさんわかるなぁ】という感想になりましたが、どれくらいの比率でブロックさんに共感が集まるのかはちょっと気になるところではありますね。

    では、次の『歩行者』に移りましょうか?」

     

    残響「行きましょう、行きましょう」

     

     

     

    第3作目/全21作「歩行者」 P27〜37

    残響評価 B+ fee評価 B−

     

     

    fee「散歩をしていた無職未婚者のミード氏が警察車に捕まる話、です。警察車、というのはこの作品独自の設定で、無人の警察車が街を走って不審者や犯罪者を捕まえてまわっているんですね。」

     

    残響「あらすじはそんな感じですけど、この話、ユーモラスな部分もあって面白かったです」

     

    fee「ユーモラスかなぁ……すごく怖い話だと思います」

     

    残響「確かにそうなんですが、やりとりが面白いんですよ。P33からのミード氏と警察車のやりとりを多少省略しつつ引用します」

     

    警察車「職業は?」

    ミード氏「作家、というところです」

    「無職か」と、警察車は独り言のように言った。

    ミード氏「まぁ、そういっても構いません」

    「無職か」と、レコードのような声が言った。

    警察車「外で何をしていた?」

    ミード氏「歩いていました」

    警察車「歩いていた!」

    ミード氏「ただ歩いていたのです」

    警察車「歩いていた、ただ歩いていたのか」

    ミード氏「はい、そうです」

    警察車「どこへ歩いていた? 何のために?」

    ミード氏「いい空気を吸うために歩いていました。景色を眺めるために歩いていました」

    警察車「きみの家にはいい空気がないのか。エアコンはあるのだろう? きみは既婚者かね?」

    ミード氏「いいえ」

    警察車「未婚か」

    ミード氏「結婚してくれる相手がいませんでしたのでね」と、レナード・ミードは微笑した。

    警察車「質問されないうちに喋ってはいけない!」

     

    残響「とまぁ、長くなりますが終始こんな調子なんです。警察車の【歩いていた!】とか【無職か】とか、こういった台詞が、なんだかおかしみがあるなぁと」

     

    fee「確かに……。何か、ちょっと変な行動をしていたり、他人から理解できない行動をしていると、寄ってたかって後ろ指を指すようなところ、日本にもありますよね」

     

    残響「ありますね……同調圧力的な……一つの理想的な生き方があって、そこからハズレた人間に対する冷たい目というか」

     

    fee「アメリカでもやっぱりあるんでしょうね……。ミード氏は単に散歩してただけなんです。無職で未婚者かもしれませんが、単に散歩していただけ。なのに捕まっちゃうんです。酷い話です」

     

    残響「ですよねぇ。かわいそう」

     

    fee「この警察車みたいな人って、日本にも結構いるんじゃないでしょうか。無職なら求職活動をしたらどうだ? 未婚者なら結婚相手を探したらどうだ? 散歩なんてしている場合じゃないだろ、頭おかしいんじゃないか? みたいな」

     

    残響「そこまでラディカルかはわかりませんが、いるでしょうね」

     

    fee「別に、他人が何をしようがいいでしょうに。散歩くらい好きにさせてやれよと思っちゃいますけども」

     

    残響「なぜか自分の狭い物差しを他人に当てはめて、口出ししたがる人っているんですよね」

     

    fee「ミードさんと警察車が、全く意思疎通できていませんよね。ミードさんは場を和ませようとして【結婚してくれる相手がいませんでしたのでね】と言っているのに、【質問されないうちに喋ってはいけない!】とか言われちゃって。警察車は全く歩み寄らないし、ミードさんを理解しようという気がない。これは、【警官】ではなく【警察車】なので歩み寄らないのは当たり前なんですけども……治安維持行為をする【警官】から、人間味が失われてきている。そういった警官への、皮肉にも読めるかなと思います」

     

    残響「ディスコミュニケーション」

     

    fee「この作品、アルベール・カミュの『異邦人』という作品と似ている気がします。『異邦人』でも、母親の葬式の翌日に海水浴に来ていたとか、キリスト教を信じていないとか、そんな理由で死刑になっちゃうじゃないですか。そりゃ、母親の葬式の翌日ぐらい静かにしてたら?とは思いますけど、海水浴に来たかったんだから、他人がとがめだてすることもないでしょう。でも、世間の圧力としては【母を悼む優しい心】をアピールしてほしかったわけですよね。

    【なんだこいつ? 何考えているのか意味が分からん。死刑】みたいな」

     

    残響「『異邦人』のラストで、ムルソーがキレるシーンがあるじゃないですか。あそこがぼくは本当に好きでしてねぇ。ぼくはあれは、【勝手な物差しで他人の幸せを量るんじゃねぇ!】というムルソーの怒りだったと思うんですよ。もし警察車が【どうして結婚しないんだ? どうして働かないんだ? 働いて結婚するのが幸せだ】と決めつけるようなことを、ミード氏に言ったとしたら、キレていたと思います」

     

    fee「ミードさん、優しいですからね。人当たりも良いのに。僕ならイラっとしますね。

    まぁでも、無職で未婚者で、毎日夜散歩する事だけが生きがいなミードさんは、警察車みたいな人から見たら不審者でけしからん奴なんですよ。P29 2行目【草の生えた敷石の継ぎ目をまたいで先へ進むこと、ポケットに手をつっこみ静寂のなかを歩きつづけること、それがレナード・ミード氏の最大の喜びであった】……最大の喜びなのか……それはちょっと寂しくないかw」

     

    残響「いやでも、散歩は良いですよ。ぼく、散歩すごく好きですし、ミード氏の気持ちはわかります」

     

    fee「僕はあまり散歩は好きじゃないからなぁ。【数年前から毎晩です】【この散歩は時として何時間も何マイルもつづき、帰宅は夜半近くなることもあった】……うーんw」

     

    残響「なんか学生時代のぼくみたいだな……。音楽を聴きながら、延々5kmくらい近所のでっかい自然公園をちんたら歩いてました。あれは綺麗な思い出です」

     

    fee「ごめん、僕はちょっとわかってあげられなかった……。でもまぁ、いいんですよ。誰に迷惑かけてるわけじゃないし」

     

    残響「そうですよ」

     

    fee「この話、たぶんミード氏が会社役員の既婚者で、【息抜きに散歩していました】とでも言えば、多分捕まらなかったと思うんです。あるいは、無職で未婚者でも【今、求職活動してます】アピール、【恋人探して、いろんなパーティー出てます】みたいな婚活アピールでもしていれば。でも、【毎日散歩しているだけ】。だから、警察車みたいな人から見ると、【理解不能】なんでしょうけど……。面倒くさいですねぇ。無職で未婚者で、お金が続く限り毎夜の散歩が最大の楽しみだっていうなら、そういう人がいたっていいと僕なんかは思いますけど。僕自身がそうなりたいかはさておいてw」

     

    残響「なりましょうよ!w」

     

    fee「……これ、よく読むと未来設定なんですよ。P29 5行目【2053年の世界にあって、かれは孤独だった】」

     

    残響「2053年!?」

     

    fee「全然未来っぽくないですよねw ただ、P32 11行目に【人口300万の都会に、警察車は一台しかないのである。一年前の2052年に選挙があり、それ以来、警察車は三台から一台に削減されたのだった】とか、よくわからない謎のSF設定もあるし……」

     

    残響「うーんw なんか無茶苦茶な設定ですねw」

     

    fee「まじめにSF書く気はないですよね。まぁブラッドベリらしいっちゃらしいですけど……」

     

    残響「あまりハイテクとか科学の進歩を歓迎しているようにも見えませんし……。むしろ、旧き良きものを残したいというか」

     

    fee「そうですね。その辺がハインラインあたりとは真逆というか。ハインラインは、前向き、楽観的な感じがするんです。健全なんですよね。だから、ハインラインが好きな人とかの方が、社会で健康に生きられそうな気がする。ブラッドベリなんか好んでちゃダメですよ、クヨクヨした人生になっちゃいますよw」

     

    残響「ちょっw アナタ、ブラッドベリのファンのくせして!w」

     

    fee「まぁ、太宰治みたいなものですかね。健康に幸福に生きたいなら、ブラッドベリなんか好きになっちゃいけないんです」

     

    残響「ブラッドベリは太宰だったのかw」

     

    fee「【ブラッドベリが好きなんです】と口に出すのは、少し後ろめたさというか恥ずかしさみたいな気持ちはあるにはありますね。そういうのは大学生ぐらいで卒業しとけよ、みたいな。きちんとしたまっとうな大人になって、ミード氏を弾圧する側に回らないと……」

     

    残響「これが後に伝えられる独裁者fee千年王国の誕生であった……」

     


    第2回に続く……(「四月の魔女」など)

    ブラッドベリ『太陽の黄金の林檎』読書会(0)

    • 2017.04.02 Sunday
    • 16:43

     

    【前口上】

     

    去年行われた怒涛の「『ラブラブル』対談」は、feeさんと残響のお互いの立場の違いが明確となり、なかなかに白熱した対談となりました。ありがたくも、この「『ラブラブル』対談」には、何人もの方々が熱いコメントをお寄せくださいまして、それにより一層議論・対談が深められました。企画者・ブログ編集者として、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

     

    さて、二人の次の対談企画として、この度「読書会」をやってみよう、という案が持ち上がりました。

    題材は、レイ・ブラッドベリ『太陽の黄金(きん)の林檎』。feeさんは昔からのブラッドベリのファンであり、残響はまーったくブラッドベリを一冊も読んでいないというSF素人。この極端な立ち位置の違いというのもまた面白かろう、ということで、今回から数回にわたって「『太陽の黄金の林檎』読書会」を、当対談ブログ「止まり木の足りない部屋」の連載企画として展開していきます。

     

    エロゲに何の関係があるんだ! と言うツッコミは想定済みですが、本ブログ編集者としては、より広い意味で「物語を語る」という行為を通して、feeさんと残響という、物語読み、物語書きの哲学みたいなものを、面白おかしく語っていけたら、と思っています。ネタバレ全開の対談記事をあげておいてなんですが、これを機に一人でも多くの方が当作品に興味を持っていただけたら、あるいは再読の良い機会となれば幸いです。

     

    くどくど書きましたが、「なんだこの二人、古いSFをやけに楽しく語ってるなぁ……?」と、ゆるりと対談記事を楽しんでいただけたら幸いです。もちろん、ガチSF者の方の「俺ブラッドベリ観」によるツッコミもお待ちしております!(どきどき)

     

    (残響)

     

    作品語り、その前に

     

    fee「レイ・ブラッドベリの短編集『太陽の黄金の林檎』の読書会を始めたいと思います……が……どういう流れでやったらいいのかな?」

     

    残響「そもそも我々がなんで、この本の読書会をすることになったのか。その話を最初にするのが良いんじゃないでしょうか?『ラブラブル』からブラッドベリ、っていろんな意味ですごい落差っすよ」

     

    fee「確かにw そもそもの発端は、2016年の12月に、僕が書いたSF紹介のブログ記事でした。その中でブラッドベリにも触れたんですが、残響さんがその記事を気に入って下さって。それで〜という事……ですよね?」

     

    残響「そうです。自分もオタクとして、こういう形での【好きな作家&代表作】を語らないとなぁ、としみじみ。そんで、自分のブログでも似た形の、漫画家紹介なことをしたんですが。まあそれはさておき、feeさんのご紹介のなかで、とくに琴線に触れたのがブラッドベリでした」

     

    fee「でもなんで、『太陽の黄金の林檎』にしたんですか? あの記事では幾つか作品を挙げましたけど、その中でなぜ『太陽の黄金の林檎』を残響さんがチョイスしたのかはちょっと気になるかも」

     

    残響「三つあって、一つはもちろんfeeさんが書いてくださった内容に触発されてなんですけど、その後の二つは割としょうもない理由なんです……」

     

    fee「どうぞw」

     

    残響「一つは、表紙が格好良かったからですw」

     

    fee「ww ちなみにどのバージョンですか?」

     

    残響「新しいやつです。黒くて赤い」

     

     

    fee「グーグル画像検索してみました。これですか。僕が持っているのは恐竜のやつですね」

     

     

    残響「あ、これか。なるほど、ということは自分のはやっぱり新装版ということですな。……それでですね、もう一つの理由はタイトルが格好良かったからですw」

     

    fee「まぁ確かに『刺青の男』とか普通ですからね……。僕的には『10月はたそがれの国』とか格好良いと思うんですけど」

     

    残響「いわゆる【メルヒェン】な感じがいいですね。今ブラッドベリのwikiを見ているんですけど、『歌おう、感電するほどの歓びを!』とかすごくカッコよくないですか?」

     

    fee「その下の『ブラッドベリは歌う』はすごくダサいんですけどw」

     

    残響「酷い。『ウは宇宙船のウ』、『スは宇宙(スペース)のス』っていうダジャレシリーズも古典タイトルとはいえ、改めて思うと安直ですなぁ……」

     

    fee「原題も『R is for Rocket』『S is for Space』だからしょうがない……。僕は『二人がここにいる不思議』とかいいなぁって思いますね」

     

    残響「あぁ、いいっすねぇ。センス・オブ・ワンダーだなぁ。てか、『歌おう、感電するほどの喜びを!』と『ブラッドベリは歌う』って、これどっちも原題は『I Sing the Body Electric!』じゃないですかw 同じ本をサンリオと早川で出していて、訳が違うってことでいいのかな? ガンバレ! サンリオ文庫! もう亡(な)いけど!」

     

    fee「多くのSF読みはサンリオ文庫を恨んでいると思いますよ。多分。ハヤカワの古書は読める本が多くても、サンリオの古書を読むのは難しい……プレミアムがついてたりしますし……。話を戻しますと、確か、『I Sing the Body Electric!』という作品をそのまま訳したのが、サンリオの『ブラッドベリは歌う』。分厚い作品なので、ハヤカワはこれを『キリマンジャロマシーン』と『歌おう、感電するほどの喜びを!』の2冊に分けて出版した……はず……」

     

    残響「なるほど……。そういえば、読書文化トリビアなんですが、アメリカって【the Great American Novel】みたいな、アメリカ人の求める本のあり方があるんですね。【長くて分厚いのが偉い】みたいなんで、本もすんごく分厚かったりする。ペーパーバック(文庫)でも。それを避暑地やプールにもっていって、じっくり読む楽しみみたいなのもある、らしいです。夏の避暑地の古本屋はなかなか読書人にとって、楽しい時間らしいですよ」

     

    fee「へぇ、それは面白いですね。全然知らなかったです……。

    僕が知っているのは、アメリカはとにかく一冊で済ませる文化があって。どんなに分厚くても、上下巻で分けるような事は基本的にはしない。スティーブン・キングの短編集の『スケルトン・クルー』なんかも日本では三分冊になるほど分厚いんですが、アメリカでは一冊で出ています。『指輪物語』なんかはあまりにも分厚いので、全部で一作にも関わらず、無理やり第一部、第二部、第三部に分けて【三部作】という体裁にしたんですよね。ほんとは一作なんですが、【三部作】とか【シリーズ】という体裁にしないと、【本を買ったのに、なんで結末まで書いてないんだ! 未完商法、続編商法かよ!】って怒られちゃうから」

     

    残響「どっかのエロゲみたいですねw どことは言わない。慈悲の心」

     

    fee「ごめんなさい、脱線しました。話を戻します。ブラッドベリの代表作は『火星年代記』だと僕は思うんですけど……」

     

    残響「『華氏451度』じゃないんですか?」

     

    fee「えっ!?」

     

    残響「いや、ぼくの認識ではそうなんですけど……。『華氏451度』って焚書のディストピア話じゃないですか。現実が『華氏451度』を追い越していく……、的な比喩表現とか結構、ぼくのいる界隈では聞いていて……」

     

    fee「あぁ、なるほど……。なんだろうなぁ、『華氏451度』も面白いとは思うんです。思うんですけど、僕が考える【いわゆる、ブラッドベリらしい作品】とはちょっと違うというか。これはこれで良いんですけど、このテのストーリーだったらジョージ・オーウェルとかの方が巧いと思うし……」

     

    残響「『1984年』とかですね」

     

    fee「そうです。もちろん【ブラッドベリらしさ】というのも、僕が勝手に考えているだけなんですけど。僕が考える【ブラッドベリの良さ、らしさ】が出ている作品の中で、一番有名なのは『火星年代記』かなって」

     

    残響「そうなんですね……。今回『太陽の黄金の林檎』を読んで、なんとなく一般的イメージだけではない真の作風をわかった気もするんですけど、読む前は【ブラッドベリ=華氏451度の人】という感覚でした」

     

    fee「そうなのかぁ……」

     

    fee「ブラッドベリの短編集は色々ありますが、初読者の方にどれをお薦めするかというのは割と難しいと思っていまして。好きな短編集がたくさんあるので、やっぱり色々薦めたくなっちゃいますけど、どんな短編集にだってハズレ作品はありますし、ハズレ作品が多い短編集にも珠玉の一作とかもありますし……。『太陽の黄金の林檎』は、あくまでも僕個人の好みを言いますと、【アベレージが非常に高い短編集】だと思っています。本当に大好きな短編作品は他の短編集に入っていたりするんですが、【太陽の黄金の林檎】は読んでがっかりするような大外れ作品が一番少ない短編集かなと」

     

    残響「『ウは宇宙船のウ』というのもよく聞くタイトルなんですが、feeさん的にはこれはあまりお薦めはしないんですか?」

     

    fee「あぁ、それはですね……。『ウは宇宙船のウ』は、音楽で言うベストアルバムみたいなやつなんです。代表作を集めました、みたいな。ブラッドベリを1作だけ読んで、それで満足、卒業!というならば、『ウは宇宙船のウ』を読むのは良いかもしれません。ただ、これは僕のワガママですが、良い作品はたくさんあるので、せっかくだから何冊か読んでほしいんですw ベストアルバムから入って、次にいろんなアルバムを聴くと【被り】が発生するじゃないですか」

     

    残響「わかる。まさにベストアルバムのパラドックスです。The Clash の『エッセンシャル・クラッシュ』と、1stアルバム『白い暴動』の被りは相当だからなぁ(どうでもいい)」

     

    fee「僕としては、もしブラッドベリが気に入ったなら、『太陽の黄金の林檎』と『刺青の男』、『10月はたそがれの国』、『火星年代記』、この辺りをどんどん読んでほしいんですw これらを読めば、大体『ウは宇宙船のウ』に入っている作品は読めますし、ベストアルバムには入っていない良作、名作も読めますし」

     

     

    残響「なるほど。しかし、ブラッドベリってSFの人だと思っていたんですが、あんまり【いわゆるSF】……もっと限定すると設定バリバリのハードSF、っぽくないですよね。『太陽の黄金の林檎』を読んで思ったんですけど」

     

    fee「少なくとも、【科学技術】にこだわりがある人ではないですよね。だからこそ、SFファン以外の、普通の読者にもとっつきやすいかなとは思います。コテコテのSFが読みたい人向きではないかもしれませんが」

     

    残響「ところで、ちなみに先ほどfeeさんはハズレ作品が少ないと仰っていましたが、feeさんはこの短編集の中で、ハズレだと思った作品はありますか?」

     

    fee「いきなり爆弾を投げましたねw 言っちゃいますか?」

     

    残響「お願いしますw」

     

    fee「まず、表題作にして短編集のラストを飾る『太陽の黄金の林檎』」

     

    残響「Oh……ww」

     

    fee「それから、『草地』。あと、僕、『発電所』はちょっと難解でわからなかったのでこれもハズレかな。自分が分からないからハズレ、っていうのもどうかとは思いますがw」

     

    残響「今思ったんですけど、やっぱり我々は全然好みが違いますね。ぼく、その三つ、結構好きなんですよw 好みも、恐らく読み方も違う二人だからこそ、読書会というか、話して面白いというのもあるんですけども」

     

    fee「ごめんなさいw ちなみに残響さんのハズレ作品は?」

     

    残響「まず、『二度と見えない』。それから、よくわからなかったのが『ぬいとり』。【こんなもんか】、って落胆的に思ったのが『空飛ぶ機械』。この辺りですね」

     

    fee「なるほどw 僕、この三つはどれもB評価ですね。嫌いじゃないです。大好きというわけでもないですが……さて、そろそろ作品個別の話をしていきたいと思います……どの作品から行きますか?」

     

    残響「どうしましょう(ノープラン)」

     

    fee「あ、一番最初に。『荒野』という作品なんですが、これ、実は 『火星年代記』にも *1 後から収録されたんです。もし残響さんが『火星年代記』を今後読んで、またこうやってお話しする機会があるなら、【『火星年代記』読書会】の際に触れた方が面白い気もするんですが……」

     

    残響「そうですね……お約束はできませんが、『火星年代記』は読みたいと思っているんです。連作短編集であり、feeさんがブラッドベリのマスターピースとしておられますし」

     

    fee「おっ、それは楽しみだなぁ! じゃあ今回は『荒野』は飛ばしましょう。残りの21編について、語っていきたいと思います」

     

    残響「はい」

     

    fee「で、順番ですが……じゃあ残響さんのハズレ作品『二度と見えない』から行きますか?」

     

    残響「そこから行くんだw」

     

    fee「だって、短い作品だし、残響さんあまり好きじゃないって言うし、僕もそんなに語る事はないので、手始めにいいかなって」

     

    残響「わかりました。じゃあ、【『太陽の黄金の林檎』読書会】第1作目『二度と見えない』、行きましょう

     

     

    *1  1950年に出版された『火星年代記』は、1997年に改訂版が刊行された。1950年版とは収録作品が微妙に異なっている。『荒野』は1950年の『火星年代記』には収録されていなかったが、1997年版『火星年代記』には収録された。(fee)

     

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