ブラッドベリ『太陽の黄金の林檎』読書会(1)

  • 2017.04.02 Sunday
  • 21:46

第1作目/全21作(「荒野」は除く) 「二度と見えない」 P167〜174

残響評価 D fee評価 B−

(S〜E評価です)

 

fee「とりあえず、あらすじを。メキシコ人のラミレスさんが、下宿先のおばさん、オブライアン夫人と別れるお話です。別れる際に、【二度と見えない】って言うんですね。はい、そんなお話……で、合ってますよね?」

 

残響「はい。ほんと、それだけの話ですよね。一応捻ってはいると思うんですが」

 

fee「捻っている、というのは……?」

 

残響「まず先に、feeさんの感想をうかがってからで良いですか?」

 

fee「わかりました。まず、この話はやっぱり【二度と見えない】という表現が良いですよね。翻訳の小笠原さん、頑張ったなぁって」

 

残響「確かにそうですね。これ、原題は【I See You Never】って書いてあるんですが、あんまり口語っぽい言い回しじゃないんですよね」

 

fee「お、英語が苦手な僕にはよくわからないぞ! 僕より残響さんの方が、深く読み込んでそうだなぁ……」

 

残響「Seeという単語があるじゃないですか。これは【見る】という単語ですけど、慣用表現では【I'm glad to see you.(お会いできてうれしいです)】とか、【See you again!(さよなら)】というふうに、【会う】みたいな意味でも使うんですね」

 

fee「確かにそうですね!(全然考えないで読んでいた、と言いだしづらい流れだw)」

 

残響「だから【I See You Never】で、【二度と会えない】になるのかなと思うんですが、【二度と見えない】と訳していますよね」

 

fee「メキシコ移民なので英語が苦手なんですよね」

 

残響「そうです。でもまぁ、ぼくの認識では、【捻りはそれだけ】って言うか……」

 

fee「あぁ、うん……まぁ確かに……」

 

残響「feeさんの感想をうかがっても良いですか?」

 

fee「はい。まず、最初に書きましたが、P174 4行目の【さよなら、オブライアンさん。あなた、親切でした。さよなら、オブライアンさん。あなたと、二度と見えない!】というセリフは良いなぁと。【二度と会えない】だと普通なんですが、【二度と見えない】とすることで、ラミレスさんがオブライアンさんとお別れする悲しみが、より伝わってくるというか」

 

残響「そうですね。うまく言いまわしてないがゆえの、パセティック(悲愴)な思いというか。エロゲで言うと……(やめとこう) *1」

 

fee「ラミレスさんとオブライアン夫人はとても仲が良いんですね。だからこんなに別れを惜しんでいるんですが、ラミレスさんはメキシコ移民じゃないですか。オブライアン夫人というのは、作中で書かれてはいませんけど、名前からしてアイルランド系の移民だと思うんです」

 

残響「そういわれれば、なるほど」

 

fee「なので、メキシコ移民とアイルランド移民。人種は違いますが、アメリカ社会ではマイノリティというか、弱者の立場にある人同士。だからこそ、お互い親しみを持ったんじゃないでしょうか?」

 

残響「アメリカでのアイルランド移民って、貧しい人が多いんですよね。警官とか、消防士みたいな肉体労働者(ブルーカラー)。貧しいからこそ、結束力が強いというか、アイルランド移民のコミュニティみたいなものもあります。怒りっぽくて頑固で、情に熱い、っていうのがアイルランド移民コミュのステレオタイプでしょうか。まあ、同じ白人でも、上流階級ではない。だからこそthe Poguesの名曲「ニューヨークの夢」が感動的な曲でして……って大いに話がずれてるっ!w しかしそう考えると、メキシコ移民に対しても、弱者同士で親近感というのはあるのかもしれませんね。パンク!」

 

fee「オブライアン夫人も、子供はいるみたいですが、旦那さんも出てこないですし。僕は、ブラッドベリ作品の特徴の一つに【寂しさ】があると思うんですが、この『二度と見えない』も寂しい人たちの話という感じがします。そういう意味ではブラッドベリっぽい話ですし、嫌いじゃないです」

 

残響「あー、確かにこの短編集も寂しい話が多い気はしますね。しかし、ブラッドベリという作家さんは、こうして考えてみると【社会派】としての側面も持っているというか、少なくとも絵空事、空想100%の世界だけじゃなく、現実の問題についても興味を持って作品を作っている感じがしました。この方向性を突き詰めていくと『華氏451度』みたいな作品になるんでしょうか」

 

fee「まぁ確かに、全部の作品がそうというわけでもないですが、そういう作品もありますよね。この短編集にもいくつか『華氏451度』路線と言うのかな? 社会派っぽい作品はありますし。えーと、『二度と見えない』についてはこれぐらいでいいのかな?」

 

残響「あっ、もう終わりですか?」

 

fee「え、いや……っていうかこの作品7ページしかないんですよw 10分ぐらいで読める作品なのに、僕らもう13分も話してるじゃないですかw このまま話すと、『二度と見えない』本編の文字数よりも、僕らの対談の文字数の方が多くなっちゃいますよw」

 

残響「10分ぐらいで読める、というのがぼくとfeeさんの小説における読書スピードの違いを感じるわけですが……まぁこれぐらいですかね」

 

fee「もちろん、何かまだ語りたい事があればいくらでも語ってほしいんですが、残響さん、この作品は一番どうでもいいみたいな扱いをしていたのにw」

 

残響「ははは、確かにw」

 

fee「一番どうでもいいはずの最初の一作で13分か……。これ、前回の『ラブラブル』並のボリュームになりそうですね。さて、では次はどの作品にしましょうか……『華氏451度』路線、という話が出たので、そちらから攻めてみますか?」

 

残響「それでいきますか。『華氏451度』路線というと……『人殺し』とか『歩行者』、『黒白対抗戦』あたりですか?」

 

fee「『黒白』は少しズレる気もしますが……『人殺し』や『歩行者』はドンピシャですね。じゃあ次は『人殺し』行きますか?」

 

残響「行きましょう」

 

 

*1 どろり濃厚(残響)

 

 

第2作目/全21作「人殺し」 P137〜154

残響評価 B+ fee評価 B+

 

fee「あらすじから行きます。主人公のアルバート・ブロックさんは、ちょっと神経質な人なんですね。この世界ではどこに行っても音楽が流れていたり、無線腕時計とかいう携帯電話みたいなものがあったりして、なんだか現代日本みたいな感じ。ブロックさんは、我慢できなくて、壊しまくってしまう。結果、精神病院に入れられてしまう〜と、こんな感じのお話です。『華氏451度』にもこういった描写はあったと思いますし、かなり近い感じの作品だと思います」

 

残響「ぼく、この作品結構好きなんですよ」

 

fee「僕も好きですねぇ」

 

残響「まず、この作品の評価を大きく分けるポイントとして、読者が主人公のブロックさんをどう思ったかというのがある気がします。……ぼく、ブロックさんの気持ち、すごくよくわかるんですよね」

 

fee「あぁ、残響さんもわかってしまいますか……。僕もすごくよくわかりました。ただ、読者によっては、ブロックさんを全く理解できない人もたくさんいそうな気がします。そういう人々にとっては、この『人殺し』という作品は駄作になりかねないような。かなり好き嫌いが分かれそうな作品だと思うんですが……」

 

残響「……ブロックさんを全く理解できない人って、やはりいるんですかね?」

 

fee「いると思いますよ? これ、現代日本まんまじゃないですか。病院に行けばテレビがついている、電車に乗ってもテレビがついている、下手をするとラーメン屋に入ってもテレビがついている。渋谷かなんかを歩けばビッグビジョンで、やっぱりCMを流しているし、お店に入れば音楽が流れている。ネットやスマホを開けば、今日のトップニュースみたいなものを教えてくれるし、Twitterを開けば今日のトレンド、みたいな。ものすごい量の情報が、これでもかとばかりに押し付けられてくる。家にいるだけで移動販売車の騒音とかが来るし:汗。でも、そういう状況に疑問を抱かない人ってたくさんいると思うんですよね。

テレビ流れてるの? 別にいいじゃん、暇だし。音楽? いいじゃん。ニュース? 便利だね! 移動販売車? 季節の風物詩だねぇ。何が気に入らないの? 何文句言ってんの? めんどくせー奴だなw みたいな」

 

残響「あぁぁ、うん……(世界苦)」

 

fee「だからまぁ、ブロックさんを理解できちゃう人っていうのは……それだけでストレスを抱えるわけだから生きづらいですよ。僕も残響さんも、あるいは『人殺し』を読んで共感しちゃった人も。『人殺し』? ナニコレ、主人公キチガイ乙w で済ませられる人は勝ち組じゃないですか?」

 

残響「それはそれでw でも、この作品をユーモアだと思って笑える人はいるかもしれませんね」

 

fee「笑える……かぁ? これは僕らには笑えないですよね……」

 

残響「笑えないですね……。こうなってくると、何が正常で、何が異常かという話にもなってくるんですけども」

 

fee「多分世間一般から見たら、ブロックさんは異常だし、僕らもまぁ神経質な人に括られるかなと。僕なんかから見たら、あの音や情報の洪水に疑問を持たない人たちの方がちょっと……というのは言い過ぎかな……。結局、正常と異常を分けるのは、どちらが多数派かという……」

 

残響「この作品が書かれたのは1950年代……ですよね? アメリカはこの当時からこんなだったんでしょうか。それとも未来を先取りしたのかな」

 

fee「わかりませんねぇ。この作品で面白かったのが、P149  5行目の【うちに帰ると、女房がヒステリーを起こしています。どうしてでしょう? 半日の間わたしからの連絡が途切れたからだそうです】」

 

残響「うわっ めんどくせーw」

 

fee「ケータイ依存症でこういう人いますよねw いや、かくいう僕も割と連絡はマメな方なので……半日じゃキレないですけども。今の世の中、連絡頻度が合う・合わないというのは、交友関係や恋愛関係にも大きく影響していると思います」

 

残響「まずぼくが面白いと思ったのは、最初の方に出てくる一連の音楽の描写です。P140 5行目の【ストラヴィンスキーバッハと番い、ハイドンラフマニノフを拒もうとして拒みきれず、シューベルトデューク・エリントンに殺されていた】。これ、音楽同士の相性が無茶苦茶なんですよ。音楽傾向、ジャンル的に、一気に鳴らされたら不協和音にしか思えないと言いますか」

 

fee「へぇ……その辺はさすが音楽に詳しい残響さんの感想ですねぇ」

 

残響「ブラッドベリは音楽も好きだったのか、取材したのか……この描写はなかなか【わかってる】なぁと思いました」

 

fee「現代日本でもそうですが、勝手に流されてくるテレビとか音楽とかを、まじめに聴いている人って、どの程度いるんでしょうか。残響さんの指摘で考えれば、この作中では誰も音楽をまじめに聴こうとしていませんよね。ただ流しているだけの音楽がぶつかりあっているというか」

 

残響「ですねぇ。流行とか、話合わせとかいうチャラい意味すらない」

 

fee「大体、まじめに音楽が聴きたい人はスマホなりにイヤホン挿して聴けばいいわけで、何も興味のない人にまで流さなくてもいいのになぁと個人的には思っちゃいますね。僕は本を読みたい人なんですけど、音楽が鳴っていると集中しづらいので、正直迷惑だなぁと思っています。特にテレビがついている飯屋は基本避ける傾向にありますね。こういう事を言っちゃうと【まじめに本が読みたい人は家でだけ読んでろ】と言い返されちゃうかもしれませんし、別に権利を主張したいわけではないけども……。歯医者に流れている環境音楽みたいなのは特に嫌ではないんですけど、それだって別になくたっていい」

 

残響「カクテルパーティー効果という、科学的に証明されてるものがありまして。喫茶店とかで音楽をフロアに流しておくと、各々の雑談を周囲からシャットアウトできるんです。ざわめきみたいなのが伝わりにくくなると言いますか」

 

fee「あぁ、なるほど。そういう効用があるんですね」

 

残響「そういう意味で、音で各々が孤絶している、ディスコミュニケーションの話とも取れますが……。

それから、ブロックさんの無双ぶりも面白いですね。P145 17行の【大入りのフレンチ・チョコレート・アイスクリームを一パック買って来て、スプーンですくって、車の無線送信機へ流し込んだんです】とか」

 

fee「暴れまくっていますよねw」

 

残響「ところで、ジアテルミーっていうのはなんだったんでしょう? ちょっとよくわからなかったんですが……」

 

fee「ジアテルミー? どこですか?」

 

残響「P148 7行目とかです」

 

fee「うーん、分からないなぁ」

 

残響「あ、調べればいいのか。えーと、ジアテルミー……皮膚を通した温熱療法で、超短波、超音波、電流で……療法なんですかね??」

 

fee「んー、これ、前後の文脈を考えると、ブロックさんがバスに乗っていますよね。で、ラジオやケータイがうるさい。そこでブロックさんがジアテルミーを使うとバスが沈黙……ということは、なにか妨害電波みたいなのを発生させる装置なんじゃないでしょうか? ジャミング的な」

 

残響「あぁ、なるほど」

 

fee「いや、わからないですよw でも確かジアテルミーの説明にも超音波、超短波とか書いてありましたし……本来の意味とは違う気もしますけど、そんなニュアンスかなと」

 

残響「ブラッドベリさんの誤用なのかしら。やっと謎が解けたw」

 

fee「タイトルの『人殺し』っていうのも、結構ドギツイ単語ですよね。器物損壊じゃなくて、人殺し」

 

残響「ぼく、精神的にちょっと参っていた時に、周囲の音にすごく過敏になっていた事があるんです。静かなはずのゴルトベルク変奏曲 がものすごいデスメタルのように聞こえた、それぐらい過敏になっていた事があって」

 

fee「僕も、精神的につらい時は活気のある雰囲気が苦手でしたね。魚売り場でおじさんが【いらっしゃい! いらっしゃい!】って威勢よく売っているのを聞いて、うわっって気分が悪くなったことがあって。全然悪い事じゃない、むしろ元気があって良いとたいていの人は評価するでしょうし、ダメージを受けた僕の方がおかしかったんですが、それでもつらい時ってあるんですよね」

 

残響「【周囲の音を消せ!】というのは、【周囲の普通の人々の価値観を殺せ!】みたいな、そんな意味があるんじゃないでしょうか。本当におかしくなっている人にとっては、【殺るか殺られるか】そんな切羽詰まった状況なんじゃないかなと。ブラッドベリもこういう問題意識を抱えていた……のかなぁ」

 

fee「科学技術の発展にともなって窮屈になっていく時代。そういったものに無関心な人だったら、こういう話は書かないでしょうね。だからブラッドベリもブロックさん寄り……じゃないのかな? 僕も残響さんも、ブロックさんの気持ちがよくわかる方だと思うんですが、公共のものを壊しちゃダメですよねw それはそれでやっぱり怖いですよ」

 

残響「確かにw」

 

fee「バス会社に、【ちょっと車内の音がうるさいんじゃないか】と投書を送るとか……それぐらいですかねぇ、できることは。そんなことをしても、何も変わらない気もしますが。結局は、我慢するしかないんでしょうかね。大多数の人は気にしていないわけですから」

 

残響「生きづらいですなぁ。実に生きづらい。」

 

fee「この作品はお互い、【ブロックさんわかるなぁ】という感想になりましたが、どれくらいの比率でブロックさんに共感が集まるのかはちょっと気になるところではありますね。

では、次の『歩行者』に移りましょうか?」

 

残響「行きましょう、行きましょう」

 

 

 

第3作目/全21作「歩行者」 P27〜37

残響評価 B+ fee評価 B−

 

 

fee「散歩をしていた無職未婚者のミード氏が警察車に捕まる話、です。警察車、というのはこの作品独自の設定で、無人の警察車が街を走って不審者や犯罪者を捕まえてまわっているんですね。」

 

残響「あらすじはそんな感じですけど、この話、ユーモラスな部分もあって面白かったです」

 

fee「ユーモラスかなぁ……すごく怖い話だと思います」

 

残響「確かにそうなんですが、やりとりが面白いんですよ。P33からのミード氏と警察車のやりとりを多少省略しつつ引用します」

 

警察車「職業は?」

ミード氏「作家、というところです」

「無職か」と、警察車は独り言のように言った。

ミード氏「まぁ、そういっても構いません」

「無職か」と、レコードのような声が言った。

警察車「外で何をしていた?」

ミード氏「歩いていました」

警察車「歩いていた!」

ミード氏「ただ歩いていたのです」

警察車「歩いていた、ただ歩いていたのか」

ミード氏「はい、そうです」

警察車「どこへ歩いていた? 何のために?」

ミード氏「いい空気を吸うために歩いていました。景色を眺めるために歩いていました」

警察車「きみの家にはいい空気がないのか。エアコンはあるのだろう? きみは既婚者かね?」

ミード氏「いいえ」

警察車「未婚か」

ミード氏「結婚してくれる相手がいませんでしたのでね」と、レナード・ミードは微笑した。

警察車「質問されないうちに喋ってはいけない!」

 

残響「とまぁ、長くなりますが終始こんな調子なんです。警察車の【歩いていた!】とか【無職か】とか、こういった台詞が、なんだかおかしみがあるなぁと」

 

fee「確かに……。何か、ちょっと変な行動をしていたり、他人から理解できない行動をしていると、寄ってたかって後ろ指を指すようなところ、日本にもありますよね」

 

残響「ありますね……同調圧力的な……一つの理想的な生き方があって、そこからハズレた人間に対する冷たい目というか」

 

fee「アメリカでもやっぱりあるんでしょうね……。ミード氏は単に散歩してただけなんです。無職で未婚者かもしれませんが、単に散歩していただけ。なのに捕まっちゃうんです。酷い話です」

 

残響「ですよねぇ。かわいそう」

 

fee「この警察車みたいな人って、日本にも結構いるんじゃないでしょうか。無職なら求職活動をしたらどうだ? 未婚者なら結婚相手を探したらどうだ? 散歩なんてしている場合じゃないだろ、頭おかしいんじゃないか? みたいな」

 

残響「そこまでラディカルかはわかりませんが、いるでしょうね」

 

fee「別に、他人が何をしようがいいでしょうに。散歩くらい好きにさせてやれよと思っちゃいますけども」

 

残響「なぜか自分の狭い物差しを他人に当てはめて、口出ししたがる人っているんですよね」

 

fee「ミードさんと警察車が、全く意思疎通できていませんよね。ミードさんは場を和ませようとして【結婚してくれる相手がいませんでしたのでね】と言っているのに、【質問されないうちに喋ってはいけない!】とか言われちゃって。警察車は全く歩み寄らないし、ミードさんを理解しようという気がない。これは、【警官】ではなく【警察車】なので歩み寄らないのは当たり前なんですけども……治安維持行為をする【警官】から、人間味が失われてきている。そういった警官への、皮肉にも読めるかなと思います」

 

残響「ディスコミュニケーション」

 

fee「この作品、アルベール・カミュの『異邦人』という作品と似ている気がします。『異邦人』でも、母親の葬式の翌日に海水浴に来ていたとか、キリスト教を信じていないとか、そんな理由で死刑になっちゃうじゃないですか。そりゃ、母親の葬式の翌日ぐらい静かにしてたら?とは思いますけど、海水浴に来たかったんだから、他人がとがめだてすることもないでしょう。でも、世間の圧力としては【母を悼む優しい心】をアピールしてほしかったわけですよね。

【なんだこいつ? 何考えているのか意味が分からん。死刑】みたいな」

 

残響「『異邦人』のラストで、ムルソーがキレるシーンがあるじゃないですか。あそこがぼくは本当に好きでしてねぇ。ぼくはあれは、【勝手な物差しで他人の幸せを量るんじゃねぇ!】というムルソーの怒りだったと思うんですよ。もし警察車が【どうして結婚しないんだ? どうして働かないんだ? 働いて結婚するのが幸せだ】と決めつけるようなことを、ミード氏に言ったとしたら、キレていたと思います」

 

fee「ミードさん、優しいですからね。人当たりも良いのに。僕ならイラっとしますね。

まぁでも、無職で未婚者で、毎日夜散歩する事だけが生きがいなミードさんは、警察車みたいな人から見たら不審者でけしからん奴なんですよ。P29 2行目【草の生えた敷石の継ぎ目をまたいで先へ進むこと、ポケットに手をつっこみ静寂のなかを歩きつづけること、それがレナード・ミード氏の最大の喜びであった】……最大の喜びなのか……それはちょっと寂しくないかw」

 

残響「いやでも、散歩は良いですよ。ぼく、散歩すごく好きですし、ミード氏の気持ちはわかります」

 

fee「僕はあまり散歩は好きじゃないからなぁ。【数年前から毎晩です】【この散歩は時として何時間も何マイルもつづき、帰宅は夜半近くなることもあった】……うーんw」

 

残響「なんか学生時代のぼくみたいだな……。音楽を聴きながら、延々5kmくらい近所のでっかい自然公園をちんたら歩いてました。あれは綺麗な思い出です」

 

fee「ごめん、僕はちょっとわかってあげられなかった……。でもまぁ、いいんですよ。誰に迷惑かけてるわけじゃないし」

 

残響「そうですよ」

 

fee「この話、たぶんミード氏が会社役員の既婚者で、【息抜きに散歩していました】とでも言えば、多分捕まらなかったと思うんです。あるいは、無職で未婚者でも【今、求職活動してます】アピール、【恋人探して、いろんなパーティー出てます】みたいな婚活アピールでもしていれば。でも、【毎日散歩しているだけ】。だから、警察車みたいな人から見ると、【理解不能】なんでしょうけど……。面倒くさいですねぇ。無職で未婚者で、お金が続く限り毎夜の散歩が最大の楽しみだっていうなら、そういう人がいたっていいと僕なんかは思いますけど。僕自身がそうなりたいかはさておいてw」

 

残響「なりましょうよ!w」

 

fee「……これ、よく読むと未来設定なんですよ。P29 5行目【2053年の世界にあって、かれは孤独だった】」

 

残響「2053年!?」

 

fee「全然未来っぽくないですよねw ただ、P32 11行目に【人口300万の都会に、警察車は一台しかないのである。一年前の2052年に選挙があり、それ以来、警察車は三台から一台に削減されたのだった】とか、よくわからない謎のSF設定もあるし……」

 

残響「うーんw なんか無茶苦茶な設定ですねw」

 

fee「まじめにSF書く気はないですよね。まぁブラッドベリらしいっちゃらしいですけど……」

 

残響「あまりハイテクとか科学の進歩を歓迎しているようにも見えませんし……。むしろ、旧き良きものを残したいというか」

 

fee「そうですね。その辺がハインラインあたりとは真逆というか。ハインラインは、前向き、楽観的な感じがするんです。健全なんですよね。だから、ハインラインが好きな人とかの方が、社会で健康に生きられそうな気がする。ブラッドベリなんか好んでちゃダメですよ、クヨクヨした人生になっちゃいますよw」

 

残響「ちょっw アナタ、ブラッドベリのファンのくせして!w」

 

fee「まぁ、太宰治みたいなものですかね。健康に幸福に生きたいなら、ブラッドベリなんか好きになっちゃいけないんです」

 

残響「ブラッドベリは太宰だったのかw」

 

fee「【ブラッドベリが好きなんです】と口に出すのは、少し後ろめたさというか恥ずかしさみたいな気持ちはあるにはありますね。そういうのは大学生ぐらいで卒業しとけよ、みたいな。きちんとしたまっとうな大人になって、ミード氏を弾圧する側に回らないと……」

 

残響「これが後に伝えられる独裁者fee千年王国の誕生であった……」

 


第2回に続く……(「四月の魔女」など)

ブラッドベリ『太陽の黄金の林檎』読書会(0)

  • 2017.04.02 Sunday
  • 16:43

 

【前口上】

 

去年行われた怒涛の「『ラブラブル』対談」は、feeさんと残響のお互いの立場の違いが明確となり、なかなかに白熱した対談となりました。ありがたくも、この「『ラブラブル』対談」には、何人もの方々が熱いコメントをお寄せくださいまして、それにより一層議論・対談が深められました。企画者・ブログ編集者として、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 

さて、二人の次の対談企画として、この度「読書会」をやってみよう、という案が持ち上がりました。

題材は、レイ・ブラッドベリ『太陽の黄金(きん)の林檎』。feeさんは昔からのブラッドベリのファンであり、残響はまーったくブラッドベリを一冊も読んでいないというSF素人。この極端な立ち位置の違いというのもまた面白かろう、ということで、今回から数回にわたって「『太陽の黄金の林檎』読書会」を、当対談ブログ「止まり木の足りない部屋」の連載企画として展開していきます。

 

エロゲに何の関係があるんだ! と言うツッコミは想定済みですが、本ブログ編集者としては、より広い意味で「物語を語る」という行為を通して、feeさんと残響という、物語読み、物語書きの哲学みたいなものを、面白おかしく語っていけたら、と思っています。ネタバレ全開の対談記事をあげておいてなんですが、これを機に一人でも多くの方が当作品に興味を持っていただけたら、あるいは再読の良い機会となれば幸いです。

 

くどくど書きましたが、「なんだこの二人、古いSFをやけに楽しく語ってるなぁ……?」と、ゆるりと対談記事を楽しんでいただけたら幸いです。もちろん、ガチSF者の方の「俺ブラッドベリ観」によるツッコミもお待ちしております!(どきどき)

 

(残響)

 

作品語り、その前に

 

fee「レイ・ブラッドベリの短編集『太陽の黄金の林檎』の読書会を始めたいと思います……が……どういう流れでやったらいいのかな?」

 

残響「そもそも我々がなんで、この本の読書会をすることになったのか。その話を最初にするのが良いんじゃないでしょうか?『ラブラブル』からブラッドベリ、っていろんな意味ですごい落差っすよ」

 

fee「確かにw そもそもの発端は、2016年の12月に、僕が書いたSF紹介のブログ記事でした。その中でブラッドベリにも触れたんですが、残響さんがその記事を気に入って下さって。それで〜という事……ですよね?」

 

残響「そうです。自分もオタクとして、こういう形での【好きな作家&代表作】を語らないとなぁ、としみじみ。そんで、自分のブログでも似た形の、漫画家紹介なことをしたんですが。まあそれはさておき、feeさんのご紹介のなかで、とくに琴線に触れたのがブラッドベリでした」

 

fee「でもなんで、『太陽の黄金の林檎』にしたんですか? あの記事では幾つか作品を挙げましたけど、その中でなぜ『太陽の黄金の林檎』を残響さんがチョイスしたのかはちょっと気になるかも」

 

残響「三つあって、一つはもちろんfeeさんが書いてくださった内容に触発されてなんですけど、その後の二つは割としょうもない理由なんです……」

 

fee「どうぞw」

 

残響「一つは、表紙が格好良かったからですw」

 

fee「ww ちなみにどのバージョンですか?」

 

残響「新しいやつです。黒くて赤い」

 

 

fee「グーグル画像検索してみました。これですか。僕が持っているのは恐竜のやつですね」

 

 

残響「あ、これか。なるほど、ということは自分のはやっぱり新装版ということですな。……それでですね、もう一つの理由はタイトルが格好良かったからですw」

 

fee「まぁ確かに『刺青の男』とか普通ですからね……。僕的には『10月はたそがれの国』とか格好良いと思うんですけど」

 

残響「いわゆる【メルヒェン】な感じがいいですね。今ブラッドベリのwikiを見ているんですけど、『歌おう、感電するほどの歓びを!』とかすごくカッコよくないですか?」

 

fee「その下の『ブラッドベリは歌う』はすごくダサいんですけどw」

 

残響「酷い。『ウは宇宙船のウ』、『スは宇宙(スペース)のス』っていうダジャレシリーズも古典タイトルとはいえ、改めて思うと安直ですなぁ……」

 

fee「原題も『R is for Rocket』『S is for Space』だからしょうがない……。僕は『二人がここにいる不思議』とかいいなぁって思いますね」

 

残響「あぁ、いいっすねぇ。センス・オブ・ワンダーだなぁ。てか、『歌おう、感電するほどの喜びを!』と『ブラッドベリは歌う』って、これどっちも原題は『I Sing the Body Electric!』じゃないですかw 同じ本をサンリオと早川で出していて、訳が違うってことでいいのかな? ガンバレ! サンリオ文庫! もう亡(な)いけど!」

 

fee「多くのSF読みはサンリオ文庫を恨んでいると思いますよ。多分。ハヤカワの古書は読める本が多くても、サンリオの古書を読むのは難しい……プレミアムがついてたりしますし……。話を戻しますと、確か、『I Sing the Body Electric!』という作品をそのまま訳したのが、サンリオの『ブラッドベリは歌う』。分厚い作品なので、ハヤカワはこれを『キリマンジャロマシーン』と『歌おう、感電するほどの喜びを!』の2冊に分けて出版した……はず……」

 

残響「なるほど……。そういえば、読書文化トリビアなんですが、アメリカって【the Great American Novel】みたいな、アメリカ人の求める本のあり方があるんですね。【長くて分厚いのが偉い】みたいなんで、本もすんごく分厚かったりする。ペーパーバック(文庫)でも。それを避暑地やプールにもっていって、じっくり読む楽しみみたいなのもある、らしいです。夏の避暑地の古本屋はなかなか読書人にとって、楽しい時間らしいですよ」

 

fee「へぇ、それは面白いですね。全然知らなかったです……。

僕が知っているのは、アメリカはとにかく一冊で済ませる文化があって。どんなに分厚くても、上下巻で分けるような事は基本的にはしない。スティーブン・キングの短編集の『スケルトン・クルー』なんかも日本では三分冊になるほど分厚いんですが、アメリカでは一冊で出ています。『指輪物語』なんかはあまりにも分厚いので、全部で一作にも関わらず、無理やり第一部、第二部、第三部に分けて【三部作】という体裁にしたんですよね。ほんとは一作なんですが、【三部作】とか【シリーズ】という体裁にしないと、【本を買ったのに、なんで結末まで書いてないんだ! 未完商法、続編商法かよ!】って怒られちゃうから」

 

残響「どっかのエロゲみたいですねw どことは言わない。慈悲の心」

 

fee「ごめんなさい、脱線しました。話を戻します。ブラッドベリの代表作は『火星年代記』だと僕は思うんですけど……」

 

残響「『華氏451度』じゃないんですか?」

 

fee「えっ!?」

 

残響「いや、ぼくの認識ではそうなんですけど……。『華氏451度』って焚書のディストピア話じゃないですか。現実が『華氏451度』を追い越していく……、的な比喩表現とか結構、ぼくのいる界隈では聞いていて……」

 

fee「あぁ、なるほど……。なんだろうなぁ、『華氏451度』も面白いとは思うんです。思うんですけど、僕が考える【いわゆる、ブラッドベリらしい作品】とはちょっと違うというか。これはこれで良いんですけど、このテのストーリーだったらジョージ・オーウェルとかの方が巧いと思うし……」

 

残響「『1984年』とかですね」

 

fee「そうです。もちろん【ブラッドベリらしさ】というのも、僕が勝手に考えているだけなんですけど。僕が考える【ブラッドベリの良さ、らしさ】が出ている作品の中で、一番有名なのは『火星年代記』かなって」

 

残響「そうなんですね……。今回『太陽の黄金の林檎』を読んで、なんとなく一般的イメージだけではない真の作風をわかった気もするんですけど、読む前は【ブラッドベリ=華氏451度の人】という感覚でした」

 

fee「そうなのかぁ……」

 

fee「ブラッドベリの短編集は色々ありますが、初読者の方にどれをお薦めするかというのは割と難しいと思っていまして。好きな短編集がたくさんあるので、やっぱり色々薦めたくなっちゃいますけど、どんな短編集にだってハズレ作品はありますし、ハズレ作品が多い短編集にも珠玉の一作とかもありますし……。『太陽の黄金の林檎』は、あくまでも僕個人の好みを言いますと、【アベレージが非常に高い短編集】だと思っています。本当に大好きな短編作品は他の短編集に入っていたりするんですが、【太陽の黄金の林檎】は読んでがっかりするような大外れ作品が一番少ない短編集かなと」

 

残響「『ウは宇宙船のウ』というのもよく聞くタイトルなんですが、feeさん的にはこれはあまりお薦めはしないんですか?」

 

fee「あぁ、それはですね……。『ウは宇宙船のウ』は、音楽で言うベストアルバムみたいなやつなんです。代表作を集めました、みたいな。ブラッドベリを1作だけ読んで、それで満足、卒業!というならば、『ウは宇宙船のウ』を読むのは良いかもしれません。ただ、これは僕のワガママですが、良い作品はたくさんあるので、せっかくだから何冊か読んでほしいんですw ベストアルバムから入って、次にいろんなアルバムを聴くと【被り】が発生するじゃないですか」

 

残響「わかる。まさにベストアルバムのパラドックスです。The Clash の『エッセンシャル・クラッシュ』と、1stアルバム『白い暴動』の被りは相当だからなぁ(どうでもいい)」

 

fee「僕としては、もしブラッドベリが気に入ったなら、『太陽の黄金の林檎』と『刺青の男』、『10月はたそがれの国』、『火星年代記』、この辺りをどんどん読んでほしいんですw これらを読めば、大体『ウは宇宙船のウ』に入っている作品は読めますし、ベストアルバムには入っていない良作、名作も読めますし」

 

 

残響「なるほど。しかし、ブラッドベリってSFの人だと思っていたんですが、あんまり【いわゆるSF】……もっと限定すると設定バリバリのハードSF、っぽくないですよね。『太陽の黄金の林檎』を読んで思ったんですけど」

 

fee「少なくとも、【科学技術】にこだわりがある人ではないですよね。だからこそ、SFファン以外の、普通の読者にもとっつきやすいかなとは思います。コテコテのSFが読みたい人向きではないかもしれませんが」

 

残響「ところで、ちなみに先ほどfeeさんはハズレ作品が少ないと仰っていましたが、feeさんはこの短編集の中で、ハズレだと思った作品はありますか?」

 

fee「いきなり爆弾を投げましたねw 言っちゃいますか?」

 

残響「お願いしますw」

 

fee「まず、表題作にして短編集のラストを飾る『太陽の黄金の林檎』」

 

残響「Oh……ww」

 

fee「それから、『草地』。あと、僕、『発電所』はちょっと難解でわからなかったのでこれもハズレかな。自分が分からないからハズレ、っていうのもどうかとは思いますがw」

 

残響「今思ったんですけど、やっぱり我々は全然好みが違いますね。ぼく、その三つ、結構好きなんですよw 好みも、恐らく読み方も違う二人だからこそ、読書会というか、話して面白いというのもあるんですけども」

 

fee「ごめんなさいw ちなみに残響さんのハズレ作品は?」

 

残響「まず、『二度と見えない』。それから、よくわからなかったのが『ぬいとり』。【こんなもんか】、って落胆的に思ったのが『空飛ぶ機械』。この辺りですね」

 

fee「なるほどw 僕、この三つはどれもB評価ですね。嫌いじゃないです。大好きというわけでもないですが……さて、そろそろ作品個別の話をしていきたいと思います……どの作品から行きますか?」

 

残響「どうしましょう(ノープラン)」

 

fee「あ、一番最初に。『荒野』という作品なんですが、これ、実は 『火星年代記』にも *1 後から収録されたんです。もし残響さんが『火星年代記』を今後読んで、またこうやってお話しする機会があるなら、【『火星年代記』読書会】の際に触れた方が面白い気もするんですが……」

 

残響「そうですね……お約束はできませんが、『火星年代記』は読みたいと思っているんです。連作短編集であり、feeさんがブラッドベリのマスターピースとしておられますし」

 

fee「おっ、それは楽しみだなぁ! じゃあ今回は『荒野』は飛ばしましょう。残りの21編について、語っていきたいと思います」

 

残響「はい」

 

fee「で、順番ですが……じゃあ残響さんのハズレ作品『二度と見えない』から行きますか?」

 

残響「そこから行くんだw」

 

fee「だって、短い作品だし、残響さんあまり好きじゃないって言うし、僕もそんなに語る事はないので、手始めにいいかなって」

 

残響「わかりました。じゃあ、【『太陽の黄金の林檎』読書会】第1作目『二度と見えない』、行きましょう

 

 

*1  1950年に出版された『火星年代記』は、1997年に改訂版が刊行された。1950年版とは収録作品が微妙に異なっている。『荒野』は1950年の『火星年代記』には収録されていなかったが、1997年版『火星年代記』には収録された。(fee)

 

エロゲ対談番外編 作品クロスレビュー「ラブラブル」第7回 おたより編2

  • 2016.12.07 Wednesday
  • 21:35

前回(2016/11/6)に公開した「エロゲ対談番外編 作品クロスレビュー「ラブラブル」第6回 おたより編」で、dovさんからの当対談ブログに対するおたよりをご紹介し、それに基づく形でfeeさんと残響は対談を行いました。

その後、dovさんからご感想メールを頂きました。

今回は、dovさんと残響との間で返信をし合ったメール(の一部)をご紹介します。

(なお、dovさんはfeeさんともメールを交わしておりますが、少々私的に込み入った話ですので、割愛させて頂ました)

 

今回の記事で、残響がdovさんとのやり取りをご紹介したいのは、主に「だらだらイチャイチャ」「ダウナーイチャラブ」についてです。

この、グダグダ極まりない新時代のイチャラブについて、残響とまた違ったタイプのイチャラバー・dovさんのご意見を聞きながら、認識を深めたい、という考えあってです。

 

残響の認識では、従来イチャラブゲーは、ジャンル領域として、テンション高めのギャグゲー・抜きゲーと近しい、と思っていました。

イチャラブライターとして、保住圭や早瀬ゆう、という人材が煌めきを放っていたから、とも言えます。言わば「陽」のイチャラブ。

それに対するアンチテーゼ、として、地味ではあるけども、しかし静かに染み入るような「陰」のイチャラブは?

と、dovさんのメールを頂きながら考えるようになりました。

 

もともと、この「ダウナーイチャラブ」の概念自体、保住圭がどこかで(たぶんTwitterだと思うけど探しきれなかった)「こんなんどうだろうか?」と提唱していて、そのあまりにやる気のない主人公&ヒロイン造形に、「これは新時代の黎明かもしれん……!」と残響がひとりで勝手に妄想&萌えていたものでした。

それから年月は経ちましたが、最近、百合の界隈で「グダグダ百合」とでも言うべきシチュが多くなってきました。

前回の記事でも、社会人百合の一部として、「夫婦もの、所帯もの」というように紹介したのがそれです。

例えば、『ガールズ&パンツァー』の二次創作SSとして、「ぐだぐだプラウダ」という作品があるのですが、この作品において重要なのは、

(1)濃厚な百合関係が当たり前のように前提となっている世界

(2)しかしキャラ全員にやる気がない、ゆるいアトモスフィア

(3)そのくせやるこたぁしっかりやっている

……というふうに、テンションが常時低く、しかし奥底にある熱いラブ度はほとばしっている、ということです。これが最近、残響は大変オイシい!

 

……という経緯があり、ぼく残響はdovさんと語り合うことになったのですが……しかしさすがに識者の意見は違った。dovさんは豊富な知見から、このサブジャンルの歴史的経緯を語ってくださったのでした……。

 

(dovさんには、今回のメールを記事に転載させていただく旨、御了解を頂いてあります)

 

残響

 

 


11/12 dovさんからのご感想メール(抜粋)

 

逆にfeeさんの、

 

>義妹って、子供の頃から同棲している幼馴染みたいな感じでしょ?

 

は、自分はどちらかといえば残響さんに近い立場かもしれません
気心の知れた年下の可愛い女の子とイチャイチャするのって最高ですやん!(『だらだらイチャイチャ』でも良し)
ただ「幼馴染」「兄妹」と一口に言っても関係は色々ありますし、一番身近だと思っていた義妹と向かい合ってみれば色々と発見があった、というお話もそれはそれで自分は好みです。


 

11/17 dovさんへの残響の返信メール(抜粋)

 

dovさんへ

 

こちらこそレスが遅くなりましてすいません、残響です。
ご丁寧にありがとうございました。

 

>「だらだらイチャイチャ」

 

別名この「ダウナーいちゃラブ」とも呼ぶべきシチュは、新時代のいちゃラブと思ってはいるのですが、なかなか現れず……というのも、

 

(1)ヒロインの造形が難しい。
(2)主人公の造形も難しい
(3)「だらだらイチャイチャ」という行為そのもので「読ませる」というのは高難度

 

 例えば、「ましろ色シンフォニー」の義妹ルートですが、非常に味のあるダウナー系のカワイイキャラ。ですが何をトチ狂ったか、義妹ルートでは「別にええやん!」とこっちがツッコミたくなるくらいの、ウジウジ近親相姦テーマ話……。そのあたりをdovさんもえろすけ一言感想で書かれていますね。

 

>「桜乃シナリオはイ ベントが全て茶番で評価に値しない。こんなに酷いシナリオも珍しい。」

 

まさにその通りです。

 

「だらだらイチャイチャ」は、最初から「だらだら」なので、
(a)プロットのダイナミクスもない
(b)感情のダイナミクスもない
という、最初から盛り上がらないこと確定の茨の道。

 

トノイケダイスケ?
たしかに、あのライターは本対談でも取り上げましたが、「静」のいちゃラブを書く技量のライターです。
ですが、「だらだら」とはやはり違う……。
難しいですね。

この「だらだらイチャイチャ」と正反対にあるのが、このラブラブルのライター、早瀬ゆうであります。
それはもう説明不要ですねw

だらだらしつつ、詩情をどこかたたえた、繊細で静かないちゃラブ。
……例えば、
porori氏(夜のひつじ)はそれに近いところまでいっているのですが、何分同人短編エロゲ。もっと尺を!尺を!というわがままがこちらにありマスナー。

 

 

 

11/17 dovさんからの返信メール(抜粋)

 

 

>「ダウナーいちゃラブ」


これは残響さんと私の見解がかなり異なるようなので、ちょっと語ります

そういうゲーム、私は結構あると思ってるんですよね
例えば『夏めろ』のつぐみ(実妹)は、自分にとってほぼパーフェクトに「だらだらしつつ、詩情をどこかたたえた、繊細で静かないちゃラブ」でした
ライターさんの筆力もトノイケダイスケに負けてません
Love Sweets』の伊織(実妹)、『キミへ贈る、ソラの花』の杏(この子は義妹&通い妻)も同様のシナリオだと思っています
それから……『恋×シンアイ彼女』の菜子は攻略こそできませんでしたが、彼女と洸太郎のやり取りは静謐な音楽もあり、胸がキュンキュンしました。残響さんもしませんでした?

ただ、確かに残響さんが仰る通り、この手のシナリオはどれも尺が短いですね……

 

 

 

11/20 dovさんへの残響の返信メール(抜粋)

 

>「ダウナーいちゃラブ」

 

これはぼくの見識の薄さ甘さでした……!不勉強を恥じるばかりです。
というか、たぶんですけど、同じいちゃラブ好きといっても、ぼくとdovさんとでプレイ傾向が違うように見受けられるのですね……。
dovさんは「いちゃラブ(萌え)も、シナリオも、両方味わい深いもの」を求めておられるようにぼくには見受けられ(勝手な推量ですが)、

ぼくは、えろすけサマリー(近況報告)にも書いてあるように、「B級」「バカゲー寄り」「テンション高め」のいちゃラブゲーを好む傾向があるみたいです。「それでなくては認めん!」という狭量さではない(つもり)ですが、傾向はあるかもしれません。

また勝手な推量ですが、だからこそdovさんは、この対談ブログ(シナリオゲー×いちゃラブゲー)にご興味を示してくださったのかな、と思っております。

 

>恋カケ・洸太郎と菜子の國見兄妹

 

ああ、あの独特の距離感はいいですねぇ。……とはいいつつも、ぼくは菜子を「攻略対象」としては見られなかったのです。
魅力がない、というわけではなく、「攻略対象としては見られない」。
ある種のリアリズム距離感があったというか……。うまく言えない。
不可侵というわけではないですが、でも「ぼくは、手を出す対象には見られなかった」ということです。
何でだろう……? ちょっと考えさせてください。

エロゲ対談番外編 作品クロスレビュー「ラブラブル」第6回 おたより編

  • 2016.11.06 Sunday
  • 19:41

9月の終わり(花穂回の前)に、エロゲー批評空間でレビューを書いておられる「dovさん」から、feeと残響にメールを頂きました。

以下がその内容(おたより)です。今回のラブラブル対談第6回目は「おたより紹介、Q&A」と題しまして、dovさんからの鋭いご指摘に対して、feeと残響が語ったものとなります。

 

 

残響さん、feeさん、こんばんは
いつも楽しく拝見しております。dovと申します
お二人の対談を見て謎のパッションが沸き上がり、その赴くままメールしてしまいました
深夜書いたラブレター状態なのは許してー


さてさて、お二人の対談はいよいよ真のメインヒロイン(起動アイコン担当)の花穂ちゃん回へ差し掛かっています
この花穂ちゃんについて、お二人にどーしても訊きたい! インタビューしたい! ついでにちょっと私も語りたいことがあってメールいたしました
訊きたいこととはズバリ、


花穂ちゃんのシナリオって、お二人が以前対談されていた「糞シリアス」じゃないですか?(実妹厨的意見)


いや花穂ちゃん可愛いんですよ! わたし花穂ちゃん本人にはなーんの不満も持ってません! そこんところは誤解しないで下さい!
ただシナリオがね……うん……実妹厨の私としては「えー」って思っちゃったんです
お話が花穂ちゃんの可愛さを邪魔してるなーって感じちゃったという
これはラブラブルの発売時期が(実妹厨的には)良くなかったってこともあるとは思うんですけれども……


↓WARNING! ここから実妹厨の語りが入ります↓

ラブラブルって2011年2月発売だったじゃないですか。この時期って実妹厨的にはテンション下がる時期だったんですよ
もしかすると残響さんはそーいう実妹厨の阿鼻叫喚を横目で見てたかもしれないですけど、実妹厨がどういうキモチでこの作品を迎えたかちょっと語らせて下さい
大昔にはWith You(後に『ヨスガノソラ』を生み出す高橋タカシ氏の処女作)の乃絵美とか久遠寺明日香とか今関凛子とかもいましたけれど
2004年の実妹解禁以後、「実妹」って属性はどちらかと言えばシナリオ厨向け・ニッチな方向性で細々とやってたと思うんです
お二人が語った『さくらむすび』(2005年)も(もちろん残響さんが仰る通り『萌え』作品でもありましたが)シナリオの充実した作品でした
DUEL SAVIOR JUSTICE』(2005年)は現在の意味でのキモウトの始祖・当真未亜を生み出しました
その他実妹属性は『鎖 -クサリ-』(2005年)、『Clover Point』(2007年)といった骨太なシナリオを持つ作品を生みましたが
こうした時期の作品は「実妹と恋愛する」という禁忌と真摯に向かい合ってたと思うんです
現実では許されないことをしてしまう、その一線を踏み越える覚悟(狂うなり目を背けるなり、『さくらむすび』みたいに悩み抜くなり)
そこを描くことで実妹キャラは良質のシナリオに恵まれてきたと思うんですけど、この風潮が段々変わってくるんですね
最初の変化は、たぶん『あかね色に染まる坂』(2007年,2008年アニメ化)だったと思います
同ゲームの妹・長瀬湊は媒体によって実妹だったり義妹だったりしてシュレディンガーの妹状態でしたが
実妹(の可能性があるキャラ)が遂にテレビアニメデビューを果たしてしまった、という点はその後の実妹ブームへ繋がる橋頭堡になった気がします
その後は一気に……といいますか、2010年が決定的な分水嶺になったという点ではおそらく異論が殆どないと思うんですけれども
この年は『ヨスガノソラ』(エロゲは2008年)、ラノベ業界から『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』がアニメ化して、実妹が一気にメジャー化しました
ただこうしたメジャー化はシナリオの質的変換も伴うわけで、それ以降の「実妹」ってもう禁忌でも何でも無くなっちゃったんですね
(古くからの幼馴染ファンやツンデレファンの方は、この辺の流れをよくご承知かと思います)
エロゲ業界でいうと、feeさんもプレイされている『黄昏のシンセミア』(2010年)を最後の打ち上げ花火として、近親相姦禁忌を扱うエロゲはほぼ絶滅した感があります
代わりに台頭したのが近親相姦禁忌を無視するか極めて非現実的に扱うエロゲで……いやこうしたジャンルは『やっぱり妹がすきっ!』(2006年)のように昔からあって
それはそれで自分も嫌いじゃないんですが、2011年以降は「それだけになった」。しかも「売れるからとりあえず実妹にしとけ」みたいな雑な扱いが増えたように感じます
特に2011年〜2013年辺りは「とりあえず実妹」がメジャーレーベルまで侵蝕して、そうした風潮が吹き荒れたように感じます

↑実妹厨の語りここまで↑


こうした流れの中で生まれた花穂ちゃんのシナリオを眺めると、近親相姦を公衆の面前でカミングアウトという非現実的展開にどーしても付いていけなくなってしまう
何でこんな雑な片付け方をするんだ! こんな終わらせ方なら花穂ちゃん義妹で良かったじゃん! 義妹となら結婚できるし!
単にイチャイチャしたいんなら「実妹」って設定むしろ邪魔だよ! これじゃ花穂ちゃんと籍入れられないよ! 社会生活を送るのも大変だよ! 子供はまず作れないよ!
花穂ちゃんを実妹にしたのって、俺妹ブームとかがあって単に「売れる」からだったんじゃないの! こんなの絶対おかしいよ! そんなのあたしが許さない!
……みたいな被害者めいた陶酔(半目状態)に至ってしまい、実妹厨的には素直に楽しめなくなっちゃったんです
確かに花穂ちゃんのシナリオは、読んでいてそれほど苦しくなるようなシーンはありません
でも不必要な(と私が考える)「実妹」という設定がイチャラブに水を注している。これって「糞シリアス」じゃないのと思った次第です
花穂ちゃん自体は可愛いのが余計もったいない!


私のこういう問題意識って、エロゲプレイヤー独特の「こだわり」(『こだわり』って元々悪い意味の言葉ですけど、そういう悪い意味での)なんだと思います
例えばfeeさんは「千夏以外の四人なら僕は喜んで付き合う」って明言してますが、これは「僕は実の妹と喜んで付き合う」という意味を含まないだろうと推測します
feeさんにとって花穂とは「年下の、気心の知れた、同居している、可愛い女の子」でしかなく、「実妹」であることはあくまでフレーバーなのだろうと
勝手に忖度しますけど、feeさんは『さくらむすび』的な状況に耐えてまで花穂と付き合う覚悟なんてさらさらないと思います
私は「そこまで覚悟して実の妹と付き合えますか?」とか考えちゃうんですが、それはfeeさんが「現実に千夏みたいな地雷女と付き合えますか?」と仰る意識に近いんでしょう
大半のプレイヤーにとって、「花穂が実妹」であることは「花穂が中学生(18歳以上)」であるのと同じくらいファンタジー設定なのかなーって
わたし、エロゲがプレイできるお年頃になった今、リアル女子中学生・女子高校生(18歳未満)とはお付き合いできません。お二人もきっとそうですよね?(にっこり


――と、大変長くなってしまいましたが、この辺の問題意識について「ア、ハイ。アナタはそうなんですね」以外に何か思うところがあったら聞かせて欲しいなーって思いました
ぶしつけ極まりない内容ですが、話のタネにでも使っていただければ幸いです


PS:
feeさんへ
「(千夏シナリオは)恋愛というよりも、おままごとかなって」「ヒロインをいじめたい」と仰ってるのを見てnarcissuを書いた片岡とも氏の作品『そらいろ』のつばめルートをやると願望が叶うかもなぁ、と思いました

千夏みたいな子を親・つらい労働・妊娠などのゲ・ン・ジ・ツ♪がいじめ抜く話らしいです(未プレイ)


残響さんへ
姫さま凛々しく!』をオススメしたいなーと思いました
こみパやONE時代の雰囲気を残した昔懐かしい作品で、アティリーン(性的な意味でもお世話してくれるメイドさん)・マナフィーゼ(ちっちゃな実姉)という姉キャラがいます
百合要素もあります。DMMで10月19日(水)23時59分までセール中でして、1500円と非常にお安いです
エロゲの好みってとっても難しいと思いますし、こちらも残響さんオススメの『幼馴染の心が読めたらどうするか?』をやってないんで、とりあえず言ってみるだけです

 

1

 

fee「まず最初に確認したいんですが、残響さんって兄弟はいますか?」

 

残響「生粋の一人っ子です」

 

fee「実は僕も一人っ子です。なので……dovさんに妹がいるかどうかはお聞きしていないので解らないんですけど、妹がいるエロゲーマーと妹がいないエロゲーマーで、認識が違う可能性はあるんです」

 

残響「あぁ……なるほど……。妹がいるエロゲーマーにとっては、実妹設定はリアルかもしれないけど、妹がいないエロゲーマーにとってはどこまでいってもファンタジーという……。まあ、それに関わる話ですが、自分の【シリアス苦手】の一要因に、リアルさ、リアル属性の一部が、非常に自分にとってキツい、っていうのはありますね。最近『聲の形』って映画あったじゃないですか」

 

fee「残響さん絶対ダメそうですねアレw 僕は見てきましたけど、すごく良かったです!」

 

残響「絶対ダメですよ! 完全に先入観ですが、人間のイヤらしいゲス根性を描くというか、集団の暴力が陰湿とか、過去のトラウマがー、とかって、ぼくの嫌いなモンばっかじゃねえか」

 

fee「んー、どちらかと言うと、人間それぞれが嫌なところやダメなところを抱えていて、それでも人間が愛おしいみたいな話なんですけどね……いい青春ストーリーだと思いました。まあ無理には薦めませんけども」

 

残響「自分にとっては、その手のリアリティっていうのはキツい。共感性羞恥、って最近話題に出ましたけど、それも含めて。【ファンタジーだと気にならない】けど【リアルだと過度に気になる】っていうのはある」

 

fee「リアル視点で考えると気になるけど、ファンタジーだと思えば気にならない。dovさんは実妹設定を見るとリアル視点で考えちゃうけど、僕らはファンタジー視点で読んでいるので気にならないってことですよね。dovさんのお便りを読んでいくと、まずdovさんは近親相姦禁忌がきちんと描かれているかどうか、についてこだわりがあるみたいですね」

 

残響「そういう話が好きなんじゃないかなぁ。というか、ぼくは半ば確信してるのですが、近親相姦のダーク面があるからこそ、こういう物語が【オイシイ!】的にdovさんは思ってらっしゃるのではないかと」

 

fee「ここで難しいのは、僕自身はあまり近親相姦禁忌の話が好きではないということで……」

 

残響「実はぼくもそうですw ヒシヒシと迫りくるような圧迫感、神経が張り詰める状況というのは好きじゃない」

 

fee「ただ、実妹だって言ってるのに、周囲が祝福しまくってて違和感がある、嘘くさい! リアリティがない!みたいな反応は解らなくはないですね」

 

残響「ふーむ。確かにそういうエロゲはありますからね……というかdovさんが仰っているように最近増えている気がします」

 

fee「ただなぁ……ちなみにこれは義妹ファンの人に怒られそうだけど……気分を害したらごめんなさいね。僕、義妹ってあんまり興味ないんですよね……」

 

残響「ぶっちゃけたww」

 

fee「義妹って、子供の頃から同棲している幼馴染みたいな感じでしょ? ずっと一緒に暮らしてきてお互いのあらゆるところを知っている……まぁあの、老夫婦みたいなもんでしょ? 恋愛って付き合い始めのときめきみたいなのが楽しいと思っちゃう人なんで、あまり興奮しないっていうか」

 

残響「ぼくは逆で、長年付き合ってお互いを知り尽くし、関係を熟成していった先に生じる萌えみたいなものがすごく好きなんですが……百合でも社会人百合の一部に【夫婦もの、所帯もの】みたいなのがあって、倦怠感を漂わせたり、惰性感があるようで、それでもお互いをグダグダの中でも愛し合う熟成感の果てに、奇妙な萌えが……って、まーた百合の話になってるよコイツw」

 

fee「うーん。僕はあまり……あ、義妹と言っても、物語開始直後に親が再婚したとか、生まれてからずっと離れ離れになっていて1年前に再会した義妹とかは全然アリです」

 

残響「ですよね。そこには【長年の連れ添い】はない」

 

fee「それと、義妹はあまり興味ないと言っておきながら、『夜明け前より瑠璃色な』に出てくる朝霧麻衣ちゃんは超かわいかったので、やっぱりキャラによりますね。で、ですね。抜きゲー的な話になるんですが……実妹と言われるとそれだけで、僕は<あっ、いいのかな?>的な感じで、インスタントに背徳感を得られるというか。
あの、AVの話をして恐縮なんですけど、『女子校生痴漢電車』みたいな作品がありますでしょ? 女優さんが女子校生じゃない事ぐらい解っているし、そもそも本当に痴漢現場を捉えているわけじゃない事ぐらい解っているけれども、そこは気づかない振りをして、【女子校生が痴漢されてる!】と思い込んで興奮するわけです」

 

残響「ありますでしょ、って言われても知らんがなw(相変わらずぶっちゃけるなこのひと……)」

 

fee「実妹というのもそれと同じで、実妹って思うだけで背徳感が出て興奮するけど義妹にはそれは感じないんで……義妹ファンに喧嘩を売る気はないし、義妹キャラがいて全然いいけど、僕自身は実妹キャラの方が好きです」

 

残響「なるほど」

 

fee「で、ですね。dovさんは、実妹を出すなら近親相姦禁忌の話をしろという事を書いているわけですが……どうなんですかね? 近親相姦禁忌の話が、僕はなぜ好きじゃないかというと、花穂の記事でも書いたんですが、2人の恋愛について他人が口を出す展開が嫌いだからです」

 

残響「あー、やっぱりそこですか。まあ考えれば、ドンズバのそれですよね、このシチュエーションは。他人口出しの」

 

fee「dovさんの挙げている『黄昏のシンセミア』がうまかったのは、口を出す相手が、普段は良い人で主人公達の面倒をずっと見てきた親代わりの叔母さんだったんですね。この人には本当に恩があるので、それぐらい口を出す資格はあるだろうと思って、特に嫌な気にはならなかったんですが、どうでもいい世間体で<お前ら兄妹なのにオエー>みたいな事を言われても、ハァ?っていうか」

 

残響「近親相姦禁忌の話があっても良いとは思うけど、実妹ヒロインを出したら近親相姦を書かなきゃいけないというのは違う気はしますね。花穂の記事でも言ったんですけど、花穂の父母が『同棲ラブラブル』花穂ルートの最後の最後で出てくるんですね。兄妹の母親は<まあ普通よね>という感じでスルー、父親は<えええっ!なんで主人公お前なんじゃーっ!>って感じで激高しますが、父親は<近親相姦だからアカン>とは言わないんですね。父親は花穂を贔屓してるので、【主人公みたいな野郎がなんでやねん】という貶しネタなんですけど。ただ、これもどこまで近親相姦をタブー視してるかは判然としなく、ラストになって父親が主人公を一発ケジメとして殴るのですが、それも【近親相姦がいかん】っていう断定でもなく、むしろ感じとしては……【この先兄妹でそうして一生生きていくことは大変なことなんだぞ】っていう感じのケジメのつけかたですね……」
 

fee「大体、実妹ヒロインを出すたびに近親相姦禁忌の話をしだしたら、もう実妹ってだけで話の先が読めちゃうじゃないですか。昔、ロボッ娘ヒロインが少しだけいたんですけど、僕が読んだロボッ娘ヒロインの話って、必ずロボッ娘の調子が悪くなって壊れちゃうという。もう、ヒロインを見ただけで話の展開が読めちゃってつまんなかったです。だから僕も、あってもいいけど、必須ではないという立場ですね」

 

残響「なるほど。テンプレの問題かー」

 

fee「もちろん『さくらむすび』ぐらいガッツリやってくれるなら良いんですけど、力のあるライターさんがやらないと、大体酷い事になるかなっていう」

 

残響「異論はありません」

 

fee「ただ、dovさんは

 

>>いやこうしたジャンルは『やっぱり妹がすきっ!』(2006年)のように昔からあってそれはそれで自分も嫌いじゃないんです

が、2011年以降は「それだけになった」。

 

とも仰っていますね。つまり、【それだけになった】のが問題というふうにも読めます……というか、多分そっちが言いたかったんじゃないかなと。 本当に【それだけ】になったのか、実はdovさんや僕が知らないだけでどこかにあるんじゃないか……という話はひとまずおいといて、【それだけ】になったのだとしたらやはり問題だとは思います」

 

残響「そうですね。実妹を使うなら近親相姦禁忌の話にしろ、も嫌ですが、近親相姦禁忌の話をなくせ、も嫌ですね」

 

fee「僕も全く同じです。つまりdovさんは『ラブラブル』単体で怒ってるんじゃなくて、『あかね色に染まる坂』からの流れでダメージを受け続けて、『ラブラブル』に至って「またかよ!」という事なんじゃないでしょうか。だとするならばdovさんが怒っちゃう気持ちは解ります。一方で、『ラブラブル』単体の評価で考えるなら、今までの流れでdovさんがダメージを受けた事は、言い方は悪いですが、まぁ『ラブラブル』単体の責任ではないわけで、今までの流れを『ラブラブル』の感想にぶつけられても困るよ、とも言えます」

 

残響「まあ『あかね色に染まる坂』が分水嶺で、『ラブラブル』は【その後の流れ】ではありますからね。【その後の流れ】の中でも強烈なブツだった、というのも事実ですが」

 

fee「これは僕の処女厨云々と同じじゃないかな。こないだ話題に出た『DRACU-RIOT!』で言いますと、作品単体で見れば<不自然っぽい処女だなー>で終わりなんですけど、萌えゲーのフォーマットにおいて処女キャラが絶滅していて、しかも一部の過激派処女厨が暴れているという流れで見てしまうと、<ゆずソフトはこじらせた人の意見を聞いちゃうメーカーなのかな?>とか、【作品の質よりもユーザーへの媚び】を優先したかな、みたいな気持ちが生まれて僕みたいな人は萎えるという。でもそれを『DRACU-RIOT!』単体の作品評価にしていいのかどうか、というのは難しいところですね。でもそう思っちゃう気持ちも解るんだなぁ」

 

残響「前の記事での、【処女厨見ないでね】看板の有用性がやっとわかってきましたw 見るひとは見るんだなぁ

 

fee「自分の事を批判されたら怒る気持ちは理解できるんですけど、そういう不幸な事故を防ぐための注意書きなわけで、だから読むなと書いたのに……ってところです。日本語で書かれた注意書きが読めない人を読者として想定はしていないし、単に処女が好きなだけの人までは非難しないように、慎重に考えて書いてもいます。実際、単なる個人の好みを攻撃する意図はありませんから。そこまで気を遣ってもあぁいう反応が来るというのは、改めて怖いなぁって思うし、本来それじゃいけないとは思いますが製作者だって人間ですから。そんな人たちが大挙して押し寄せてきたら、ビビっちゃってもおかしくはないかな。実際ビビってるかどうかは知りませんけど」

 

残響「関係ないかもですけど、百合の議論で、明らかに百合作品の話をしているのに、<男を出さないのはダメだ>とか言い出す人がいて、ぼくはそういう人は嫌ですね。<ち●こを出せ、そうすればこの百合ゲーはエロゲとして深まるのだ!>とか、<エロゲなんだからち●こを出すのが普通!>とか。大抵百合ゲーの話をしていると、そういう確信犯が一人は出てきて場を荒らすのがテンプレだったりします」

 

fee「それは酷いですね。いや、僕もこないだ『報復の女装痴漢』ってゲームをやったんですよ。で、思ったんです。僕は【報復されるようなクソ女】に報復痴漢したいんじゃなくて、無垢で何も悪い事をしていないかわいい子を痴漢したいんだってw でもタイトルが報復の〜ってあるのに、そこを叩くのはおかしいよなぁと思ってw」

 

残響「……またすごいものをなさってますねw しかし批判の筋は正しい」

 

fee「僕はレズが好きなんですけど、これは実妹設定への背徳に近いかもしれません。差別意識とかではないつもりなんですが、厳密に突き詰めて考えれば差別意識なのかな? 本来的に女性同士でHをするのはあまり……というのがあって、にも関わらず、同性同士のHで感じてしまう女の子、ダメなのに……と思っても……みたいな、そういう背徳というか。そういうのに興奮するんですw」

 

残響「あ、少しだけ解る気がします。自分にもそういうところは少しだけあって、でもハッキリとはしていないので、もう少し考えてみたいなこれは(真剣になる)」

 

fee「女装なのでレズではないんですが、被害者のヒロインは女装主人公の事を女性だと思っているなら、僕の興奮には何の問題もないわけですw 痴漢モノは元々大好きですし、いいじゃんと思ったんですが……前述のヒロインの人格はともかくとして、Hシーンのテキストが短かったり、ヒロインの声優さんの演技が微妙だったり、妙に難易度が高かったりで、あんまり良いゲームではなかったですね。クソゲーではないけど、もっと上を目指せたのになぁ」

 

残響「熱いですねw こんなに熱く語るとは思わなかったw」

 

fee「いやいや、というかdovさんのお便りからズレてるw 話を戻します」

 

fee「今までの流れで、近親相姦禁忌がない実妹ゲーばかりをやってきて、今回もまた近親相姦禁忌がない実妹ゲーをやってしまったdovさん。いい加減にしろよ、という気持ち自体は解ります。ただ、それと並列して書かれている実妹設定が邪魔という方は、僕はそうは思わなかったというところでしょうか。実妹設定があっても、僕は別にイチャラブに水を差されないので」

 

残響「ぼくも差されないですね」

 

fee「そもそも、現実の近親相姦について考えてみますと、僕らの感覚は割と緩いですよね」

 

残響「そうですね。近親相姦と言ったって、他人の事ですし、目くじら立てるのも……」

 

fee「まぁ、自分の親友が実は妹とHしてるって聞いたらびっくりするかもしれませんし、やめといたら?ぐらいは言うかもしれませんけど、無理に引き離したりとか、白い目で見ることはないと思います。実際にそういう経験はないんで、保証はできませんがw」

 

残響「ぼくもそうですね。<やめといたら?>も言わないかもしれません。ぼくの基本的な考えに、【自分が何を言ってもどうせ他人は考えを変えないだろう】という諦めがあり、【どうせ人のこと】ですので、そういう無駄な事は言いたくないんです……人が人を変えようと考えて、実際に口に出したり行動するのは傲慢ですよ(だからこその【人が人を変えた】という事実が奇跡的な希少性の輝きなのであって)」

 

fee「オトナだなぁ……僕はついつい言っちゃう方なので良くない。でもそもそも近親相姦がいけないのって、文化の問題でしょ?」

 

残響「ですね。文化の問題と言っちゃっても良い。生物学的な問題もありますけど」

 

fee「障害を持った子供が生まれる率が高いというやつですよね。でも、それはHしなければ問題ないわけだし、避妊していれば問題ないわけだし、無責任かもですが、結果的に障害を持った子が生まれなければ問題はないわけですよね」

 

残響「やっぱり我々はすこぶる緩いですねw dovさんは実妹についてこんなに真面目に考えているのに」

 

fee「僕たちは非常識人ですからね。世間体にある程度左右されるところはあっても、内心では世間体なんてクソだろって思っちゃってるし。だから、本人達がOKなのに世間体が許さない、みたいな近親相姦禁忌の話はあまり好まない。冷静に考えれば中出しはやめた方がいいかなとは思いますが、それはまぁ学生ヒロイン相手の中出しはみんなやめた方がいいですからw dovさんは常識人なのかな? この辺も聞いてみないとわからないですね」

 

 

2

 

fee「それとは別に、dovさんの

 

>>わたし、エロゲがプレイできるお年頃になった今、リアル女子中学生・女子高校生(18歳未満)とはお付き合いできません。

お二人もきっとそうですよね?(にっこり)」

 

についても触れたいんですが。残響さんはどうですか?」

 

残響「まぁさすがに、そう(付き合えない)ですねぇ……」

 

fee「僕もそうですけど、ただ何で付き合えないのかということについては考える必要がありますね。大きく分けると3つぐらい理由があって、(1)そもそも女子中高生との出会いがない。(2)ロリコンではないので、さすがに女子中高生は精神的に子供っぽすぎて、付き合う気にならない。(3)18歳未満とHすると捕まっちゃうかもしれないから付き合えない。と、こんな感じかな?」

 

残響「おぉ、なるほど。わかりやすい。」

 

fee「(1)はまぁおいときましょ。出会いがあったと仮定してです。(2)なんですけど、どうですか?」

 

残響「さすがに難しくないですかね、やっぱり」

 

fee「僕も難しいと思います。が、これは年齢イメージで語ってますよね」

 

残響「いきなりリアル女子中高生って言われても……という」

 

fee「そうです。頭の中で思い浮かべた女子中高生は、大人になった私たちからすると幼い感じの印象なので、付き合うのは難しいかなって思う。でも、近所にすっごくかわいいしっかりした女子高生がいて、大人顔負けの知性と理性を持っていてフィーリングも合って、自分の事を慕ってくれるなんていう夢物語みたいなことがあったら……本当に恋しないって言えますか?っていう話で」

 

残響「……うーん……」

 

fee「だから、頭で考えた恋愛と実際の恋愛は違うわけですよ。理想の恋人像と現実の恋人が違うように。さて、ここまでが前フリなんですが、dovさんが言いたいのは文脈を考えれば(3)の話ですよね」

 

残響「んーと……あ、そういうことかぁ……これはぼくとdovさんは全く立ち位置が違うんだなぁ」

 

fee「そのお話もお聞きしますが……僕の方から言いますと、まぁこれはそうよねとは思います。面倒くさいのやだもんねっていう。でも一方で、中学生はさすがに無理だけど、高3とかなら付き合い始めちゃって、1年経って19歳になってからHすればいいわけでしょ? 別に問題ないじゃんとも思う」

 

残響「ぶっちゃけるなぁww」

 

fee「まぁこれはdovさんの例が微妙で、ペナルティがもっとずっとキツければまた話は変わってきます。18歳未満と手を繋いだだけで死刑とかw さすがにそれは付き合えないです……が、これも解らないですよ。頭ではそう思っていても、本当にものすっごい理想の女子高生が現れて、いざそういう状況になったら、そういう理性がきちんと働くかは解らない。まぁさすがに死刑なら無理かな、僕はチキンだからw」

 

残響「はいw」

 

fee「dovさんも

 

>>勝手に忖度しますけど、feeさんは『さくらむすび』的な状況に耐えてまで花穂と付き合う覚悟なんてさらさらないと思います

 

と仰っていて全くもってその通りなんですが……。たとえば僕は『Fate』の桜ちゃんが好きですし、可愛いなぁ付き合いたいなぁとか思いますけど。衛宮士郎になって、よくわからないバケモノと戦ったりするのはご免ですよ。そこまでしないと桜ちゃんと付き合えないなら、そりゃ付き合えません。この調子で行くとバトル系のエロゲヒロインとは全員付き合えませんね」

 

残響「それはもちろんw」

 

fee「だからまぁ、<リアルにいたら軽々しく付き合いたい〜なんて言うな>というお話なら、はいごめんなさい、で済むと思うしそこは僕の表現に問題があったかなとは思いますが。dovさんも仰ってるように、<キャラを見て可愛いなぁ〜付き合いたいな〜>なんて言うときには、リアルの自分とかはあまり考えませんね。僕は物語の中に没入したい方なので、リアルの自分なんかを一々考えていたらそれこそ水差されというか……dovさんは実妹というワードを見ると、リアルに意識が向かっちゃうのか、それとも普段からリアルの自分を意識しながらプレイなさっているのかはお聞きしないとわからないのですが、もし普段からリアルの自分を意識なさっているとしたら、学園モノのエロゲとか無理なんじゃないでしょうか。ご本人も

 

>>お付き合いできません

 

って言ってるし……」

 

残響「そうなっちゃいますよね……じゃあ、参考事例としてぼくの話をしてもいいですか?」

 

fee「ごめんなさい、どうぞw」

 

残響「ぼくはfeeさんともちょっと違って。ぼくなんて、【自分にとっての恋愛】はそれ自体がファンタジーだと思っていますからねw 自分には縁のないものだと思ってます。ミステリで殺人事件があっても、リアルの殺人事件には縁を持ちたくないでしょう? そんな感じです。そもそも、主人公になりたいとかも全く思わないので。ぼくは主人公とヒロインがイチャイチャしているのを、近くで見ていたい、観測していたいと思っているのでw」

 

fee「あー、自分にはできないと考えて恋愛を諦めてらっしゃるのかと思ってたけど、そもそも恋愛をしたくないのか」

 

残響「あははw これが本音なのだから困る。まあ、だからこそファンタジー(恋愛)とか、【奇跡的にこの世にもええ話がある希少性】みたいなのに心が動かされるんでしょうね……なので、ここはぼくとfeeさんとでは違いますね」

 

fee「なるほどなぁ。……dovさんが自身で仰っているように、

 

>>ア、ハイ、あなたはそうなんですね

 

っていうのはまぁそうなんですが……そういう他人から見るとよくわからないけど、ふっとリアルに引き戻されて物語への没入が妨げられるワードっていうのは人それぞれありますよね。僕は結構ありまして、千夏編で書いたような事もそうですし、対談記事では言っていない事でもあるんですが……」

 

残響「ぼくもありますね。奈々子編や、今回の対談記事の『聲の形』あたりで書かれていますけど……」

 

fee「そう。だからまぁ、それで無理に自分を正当化して暴れすぎたりしなければ、別に問題ないんじゃないですかね。誰にだってありますよ、他人からは解らないけど自分的には萎えちゃうウィークポイントって」


fee「こんな感じでdovさんのお便りを紹介して好き勝手に語らせていただきましたが、大丈夫かなこれ。dovさんのご意見をクッソミソに叩くみたいな事はしていないので問題ないかなとは思いますが、意思を確かめないで憶測で話している部分はありますからね」

 

残響「まぁ、何かあればまた訂正のお便りをいただけるかもしれませんし、大丈夫だと思いますよ」

 

fee「dovさんの希望に添えたかは解りませんが、色々好き勝手に喋る材料をいただけた……というと言葉が悪いかな。でも本当に嬉しいんですよ。記事を読んで、こういうお便りを下さる方がいるというのは」

 

残響「そうですね。それは本当に思います。コメントを下さった cyokin10wさんもそうですけど、ありがたいことですよね」

 

fee「この場を借りて、本当にありがとうございます!」

 

 

3

 

fee「ところでPSについても少し語った方がいいかな?」

 

残響「そうですね……feeさんへのお薦めは『そらいろ』ですか」

 

fee「これは、申し訳ないけどdovさんは僕の好みを多分勘違いなさっていますね。ちょうどこの記事にも書いたんですけど、僕は嫌いな子がいじめられるのが見たいのではなく、好きな子がいじめられるのが見たいんですよ。好きな子がいじめられるのは、同情と、共感や悲しみと、ふつふつとした黒い感情と、まぁそういった得もしれない感覚があるわけですが、気に入らない子がいじめられても、それは<ざまぁwww>というだけで、悪役をぶっ倒した爽快感と変わらないです。そうして成長していくヒロインを見て、成長物語として高く評価する可能性はありますけど、本音を言えば気に入らないヒロインとはそもそも関わりたくないので、いじめられているのを見たいとも思わないです」

 

残響「千夏は悪役みたいなものなんですねww」

 

fee「いやまぁw なので、『そらいろ』が面白いかどうか、僕に合っているかどうかはまた解らないんですけど、少なくともdovさんの紹介文に関して言うならば、僕向きの紹介文ではないです。残響さんの方はどうですか?」

 

残響「1500円と非常にお安いです、と宣伝されていますねぇ。とりあえずチェックしようかな」

 

fee「残響さん的には、夜のひつじは『幼馴染の心が読めたらどうするか』がイチオシなんですか?」

 

残響「いや、というより、dovさんがぼくのこのゲームのえろすけ感想に投票していただいた、という流れがありまして」

 

fee「なるほど。いや、僕、dovさんの好みをちゃんと掴めていないのであれなんですが、夜のひつじなら『相思相愛ロリータ』(feeの感想)か『彼女、甘い彼女』(feeの感想)あたりがいいんじゃないかなぁと。僕個人としては『義妹ホールと妹ホールド』(feeの感想)も大好きなんですが……ってその辺は今年の正月にブログに書いたんでした」

 

残響「ですね。『幼馴染の心が読めたらどうするか』はあまり評価していらっしゃらなかったですよね」

 

fee「ここで夜のひつじ作品について語り始めてもいいんですが、まぁせっかくブログに書いたので、記事のURLだけ貼らせてくださいw あ、でもネタバレあるんでdovさんは見ちゃダメです」

 

残響「dovさんのお便り紹介対談だったのにそんなオチですかw」

エロゲ対談番外編 作品クロスレビュー「ラブラブル」 第5回/全5回(?)

  • 2016.11.03 Thursday
  • 15:28

 

 

ラブラブル〜lover able〜2011.02.25発売予定!

 

 

3

 

 

fee「僕はシナリオに6点をつけているとは言っても、別にそんなに叩きたいわけでもないんですが……残響さんが9点をつけているから、<まぁそこまでじゃないだろ>っていうのはあってw」

 

残響「笑うしかないなぁwww」

 

fee「残響さんから、<トライアスロンには、お祭り騒ぎ的な面白さがある>というお話を聞いて、なるほどと思いました。そういう楽しみ方もあるのか、と。……なんか<トライアスロン要らない話>がしにくくなっちゃいましたねw」

 

残響「はははw しかし立場というか、意見表明は伺いたいです。というかそれしなかったら話が進まないじゃないすか」

 

fee「一応トライアスロンシーンの楽しさはなんとなく理解できたので。それを軽々しく<あれは要らなかった>と言っちゃうのはどうなのかなと思いまして。ただまぁ、プレイ中はトライアスロンシーンで興ざめしていた自分もいるので、予定どおりその辺を話したいと思います」

 

残響「お願いします」

 

fee「何が気に入らなかったか、ということで主に2点。ー膺邑の態度。⊆囲を巻き込みすぎ。この2点です」

 

残響「おっと周囲を巻き込む話だ。どうもこのあたり、千夏編で散々したのに、と突っ込みを入れたいですが、しかしよほどfeeさんはこのパターンがお好きでないとお見受け」

 

fee「そうなんだよなぁ……。で、とにかく、主人公くんなんですが。この人の初登場シーンなんですが、かなり面白かったです。奇人変人の域なんですけど」

 

残響「いやぁ全くその通りです。この主人公がはじめて世に出たとき、ファンコミュの間でもすげえ反応でしたもん。<すげえマジキチだ!>みたいな」

 

fee「痛々しいけど面白いんです。でも、これって……ごめんなさい、主人公くんには申し訳ないんですけど、これはモブキャラの面白さでしょっていうところがあって」

 

残響「うわあ容赦ないw」

 

fee「クラスにこういう奴、一人くらいいると思うんです。お調子者というか、ムードメイカーというか。いじられキャラ的な感じで、<こいつ面白いなw>っていう。ある意味で人気はあるんですけど、あまりモテはしないんだよなっていう」

 

残響「うーん、否定できないゾー」

 

fee「身体を張った汚れギャグをかましたりもして、なんだろう、ちょっとだけ下に見られている。軽く見られているというか。いじめられたりはもちろんしません。実はみんな結構、そいつのこと好きなんですけど、格好いいとかそういう評価じゃない」

 

残響「全くもってモブ、男友達の定義ですな」

 

fee「僕の中での主人公くんはそういう人物像なんです。これが実は……花穂のことを守るためにそういう道化キャラを演じている、という設定があって。その設定がどこまで作品の中で活きているのかは、検証していないんでわからないんですが、一応そういうことになっている。実は格好いい奴ではあるんです」

 

残響「そうですね。感動のシーンじゃないですか」

 

fee「そういう事情を知っちゃったら、基本的に<花穂を選ばなきゃ嘘だろ>っていうのがあるんですけど」

 

残響「ははは、全くそうなんですけどね。だから花穂は『ラブラブル』ではグランドヒロインですよ、結果的に」

 

fee「更に言えば、それが本当なら花穂ルート以外では道化を演じる必要はなさそうなのに、なんで他ルートで他のヒロインとくっついてからもバカをやり続けてるんだって話もあるんですけど……。で、主人公くんは結構態度が大きいんですよね。初対面のクラスメイトにもめちゃくちゃなれなれしかったり」

 

残響「結果論ですが、あそこでキョドる主人公って全く想像出来ないなぁ」

 

fee「花穂ルートでは、花穂が主人公を思ってスピーチするところはいいんですよ。花穂はカッコいい子ですから」

 

残響「ふむ」

 

fee「でも主人公くんは、君は笑える道化キャラでしょっていう。<びし、俺が花穂の恋人だ、文句あるか>って言われても……。主人公くんが大きな態度をとっていても面白かったのはクラスの道化キャラだったからであって、真の勝ち組になっちゃったら、その大きな態度が鼻についちゃうというか」

 

残響「うーん、でも今も似たこと言いましたけど、この主人公がこうじゃなかったら、『ラブラブル』という作品は成立しませんよね」

 

fee「まぁそうなんですけどね。彼は冷静に見れば結構傍若無人なところもあると思うんですが、それが許されるのは愉快な芸人ポジだったからというか。そんな奴が、理想の恋人を得て、<どうだ見たか>までやられるとちょっと調子に乗ってる感が……」

 

残響「はははww いいじゃないですか、幸せになってもw」

 

fee「これまでは、愉快さと痛々しさの間で愉快さがギリギリで勝っていたのが、最後に痛々しさに傾いちゃったかなと。だからトライアスロンシーンは……というか、最後の啖呵のシーンの処理はもう少し違う形が良かったなぁと」

 

fee「ちょっと話がズレるんですけど……『ラブラブル』全体に言える事なんですが、主人公が独占欲をえらく剥き出しにしてますよね」

 

残響「そうっすね。肉食とまでは言わないまでも」

 

fee「剥き出しにというか、恋愛ゲーム的に【恋人を誰にも渡さない】というのはわかるんですが、このゲームに関しては【独占してやる】とか【独占されたい】というワードがピンポイントで出ていて、僕からすると<うーん>って感じなんですよ」

 

残響「うーん、なるほど。そこらへんに関しては、この主人公は何事に関しても中途半端なところで落ちつけられないんですよね。独占するということに関しても」

 

fee「これは、僕がそういう機微を解らない人だというのがあるんですが。独占するっていうのは、他の人には見せたくないっていうことですよね?」

 

残響「見せたくないまで行っちゃいますか……いや、原理的にはそうなんですけど」

 

fee「要するに、<俺の女をじろじろ見んなよ>っていう。その割に、主人公は人前でイチャイチャしてるんですよ」

 

残響「そうなんですよね」

 

fee「それが、僕は割と<ハァ?>って感じで。イチャイチャを見せびらかしたいのか、独占して誰にも見せたくないのか、どっちなんだよっていう。割とわからなくて」

 

残響「見せびらかしているという意識が段々なくなるのがバカップルなんでしょうな、きっと。この主人公はそこら辺が微妙なところで、<見てくれよ!>っていう意識はあるんだけど、実際にじろじろ見られると<やめろぉ!>みたいな」

 

fee「それはちょっと自己中すぎません? まぁ、人間ってそういうものなのかもしれないんですけど」

 

残響「どうしょうもない事を言うなら、視姦という言葉があるように、じろじろ見られるというのは疑似的に精液をぶっかけられているような感じなんじゃないでしょうか」

 

fee「汚いなぁw」

 

残響「いや、ほんと汚い言い方で恐縮なんですけど」

 

fee「確かに汚いオヤジがグヘヘとか笑いながらジロジロ見てきたらそりゃ気持ち悪いかもしれないけど」

 

残響「じゃあ誰なら見てもいいんでしょうか?」

 

fee「誰ならというか、別に普通に見る分にはいいんじゃないでしょうか。見せびらかしたいなら見せびらかせばいいし、隠したいなら隠せばいいけど、僕は隠したい人の気持ちはよくわからないから、主人公くんにそう言われても<ふーん、そうなんだ、ふーん>としか思わないし……えーと、なんでしょう」

 

残響「いや、この主人公ってところどころでヘタレになるじゃないですか。全般的にヘタレなのかもしれないけど、部分部分で更にヘタレになるというか」

 

fee「見せびらかしたいなら、ジロジロみられるのもある程度仕方ないし、隠したいなら、ヒューヒューって祝福してもらうことはできないし、両方美味しいところを求めようとしているんだけど、お前が本当に求めてるのはどっちなんだ?っていうのがよくわからなくて。という……」

 

残響「ふむ……」

 

fee「そもそも僕は、【1対1の束縛しあう恋人】を唯一最高のものとする概念が、そんなに好きじゃないんですよね」

 

残響「えっ……あれ? 失礼ながらなんか齟齬が。千夏の時には【恋愛は1対1が好きで、部外者を巻き込むな】って言ってたような……feeさんの部外者ヘイト観ってそういうもんじゃなかったでしたっけ?」

 

fee「それとはまた少し違う話なんです。なんて言えばいいのかな。人の気持ちを、【恋人】という言葉や形で無理やり縛るもんじゃないだろうっていうのがあって。その人と一緒にいたいから、その人と遊ぶ。別に他の異性と仲良くしたっていいし、自分も他の異性と仲良くするかもしれないけど、一番好きなのはあなた、という関係が僕は好きです」

 

残響「ふーむ……そこは恋愛観の相違かな。ぼくは、ある程度は束縛し合ってるほうが良いです。人の恋愛観はとやかく言いませんが」

 

fee「だから別に、1対1の恋愛を否定しているとかではもちろんないんです。お互いを想い合う美しさはわかる。ただそれは、別に相手に強制されたからではなく、自分が相手と一緒にいたいから。【恋人だから一緒にいる】んじゃなくて、【好き同士だから】一緒にいるんでしょって思うんです。だから、<独占してやる>とか<独占されたい!>とか言い合っているのを見ると、なんだか息苦しい関係だなぁと僕は思っちゃいますね。千夏のところで話した、焼きもちが嫌いというのもそういう部分だと思うんですけど」

 

残響「ぼくは逆に百合的【隷属】というか、【契約】みたいなのを愛しているところがあるんですよねぇ……そこが今言った束縛的恋愛観、ですが。……考えたらこの話題、相当前からお話してますねw」

 

fee「独占とか、束縛とかを過度に強調しないでも、一緒にいるのがごく自然だから一緒にいる。そんなカップルが個人的には理想なんですよね。本当に好き同士なら、声高に【お互いのもの】宣言をする必要もないはずなんです。普通に<好きだよ>って気持ちを伝え合うだけでいい。これは少しズレますが、学生カップル同士でろくに他の恋も知らず、大して絆を深めるエピソードもなかったりするのに、さも一生の相手が決まったみたいな雰囲気のゲームが多いのも、重たいなぁって思います。もちろん付き合い当初はそれぐらい気分が盛り上がっていたっておかしくないし、結果的に一生を添い遂げたって構いませんが、もう少し自然に付き合えないもんかなぁと」

 

残響「うーむ」

 

fee「これは重たいのが悪いというより、一生を添い遂げるのが当然と思えるほどの【絆の深さ】を描けていない、そちらの方がより問題だと思いますけどね」

 

 

4

 

 

fee「すみません、主人公繋がりで脱線しちゃって、話す順番を間違えた気がします。【トライアスロン要らない話】に戻したいんですけど、いいでしょうか? ,亮膺邑の態度については話したので、△亮囲を巻き込むというところなんですが」

 

残響「はい、どうぞどうぞ」

 

fee「大昔に『メモリーズオフアフターレインvol2 想演』というゲームがありまして。主人公とヒロインが、文化祭でクラスがやる演劇を私物化するんです。ヒロインのほたるが、<はーい、ヒロインはほたるがやるー。相手役はもちろん(主人公の)健ちゃんねー>みたいな感じで。<これはお前ら2人のものじゃねーから、クラスの出し物だから>と思って、うんざりしちゃった事があるんですが、『ラブラブル』のトライアスロンでも似たような気持ちになりました。

花穂が景品になるというのは花穂にとっても寝耳に水なので、花穂に責任があるとは言わないんですけど、普通に考えて断れるよねというのが一点。断れないなら断れないで、花穂は一応景品なんだから、景品らしくしなきゃダメでしょ」

 

残響「景品らしく、とはww」

 

fee「一競技者に肩入れしちゃダメだと思います。そりゃ、大好きなお兄ちゃんを応援したくなる気持ちはわかるけど、このイベントは街のみんなのイベントだから。主人公が<うぉぉー俺の花穂―>って頑張るのはいいとしても、花穂ちゃんが<お兄ちゃん頑張れ>みたいなことを言うのはNGでしょ」

 

残響「なるほど。理屈としては理解できる」

 

fee「他の参加者からしたらたまったもんじゃないです。まぁそもそも景品が花穂のキスというのもよくわからないし、そんなもののために参加者が熱くなったり、主人公が<うぉぉー俺の花穂―!>って頑張るのもイマイチわからないですけど。優勝者と花穂がエッチするとかならムキになっちゃうのもわかるけど、キスぐらい……舌を入れたりとかもしないでしょ? たぶん、チュ、ぐらいで終わりでしょ。割とこんな感じで冷めてプレイしていました」

 

fee「で、トライアスロンイベントの前の花穂のスピーチが結構良かったから。そこで終わっておけば良かったのに、0.5点ぐらいは評価が上がったのにって思って」

 

残響「なるほど」

 

fee「一応、花穂が頑張ったから、主人公もお返しに頑張らなきゃというシナリオ上の要請はわからないでもないんですが、それが面白さにつながったかというと……。そりゃ主人公が活躍した方が良いことは確かだけど、主人公の活躍は絶対条件ではないから。花穂ちゃんが格好いいところを見せて、終わりでいいじゃんって。主人公は今までバカキャラを演じて花穂を守ってきたんだから、それだけで十分ですよ。それだけで主人公は、花穂に愛される資格があるから、派手な猪武者みたいな活躍を無理に入れなくてもいいんじゃないか、というのがありました」

 

残響「なるほど……ラストの解釈について、ちょっとわけわからない事を言いますけど。イチャラブは最終的に世界になるんですね」

 

fee「確かによくわからないですねw」

 

残響「つまりイチャラブが物語の中でどんどん熟成されちゃって、イチャイチャにグチャグチャにイチャイチャにグチャグチャにハートマークを乱舞して混ぜ合わさって行ったら、イチャラブが世界全てを包み込んじゃうんです。世界はすなわちイチャラブするから世界であって、イチャラブすなわち世界であると。後は爆発して宇宙に行くか、二人の内部に収縮していくかという。その上で、もう周りの世界すべてがイチャラブになっちゃってるんですよ、二人にとっては。『ラブラブル』の最後に至っては。だから、二人が世界なんだから、世界のルールが二人なんだから、だから自分が景品であっても主人公に肩入れするのは当然というか」

 

fee「批判とかじゃないんですけど、<感情移入しないで観測を〜>と普段仰っている割に、感情移入してません?」

 

残響「これは感情移入なのかな。どちらかと言うと、観測しているぼくのテンションが上がっているという感じなんですけど。もはやこの世界を愛するしかない、みたいな」

 

fee「主人公か花穂に感情移入するなら、その瞬間、相手のことしか想っていないから、周りが見えなくてそうなっちゃうのもわかるけど。一歩引いて神の視点から見ると、<お前ら周りの人のこと全然考えてないんだな>っていう」

 

残響「最終的に言えば、周りの事を全然考えていない二人の関係性が好きなんですね。なんというかイチャラブ時空が歪んで歪んで爆発してみたいな。これまで自分が見ていた世界が爆発していく開放感みたいな」

 

fee「イチャラブというか、バカゲーみたいな感じが……」

 

残響「だって『ラブラブル』ってある意味バカゲーじゃないですか」

 

fee「まぁ、『ラブラブル』はある意味バカゲーだとは思います。ただ、残響さんのこの発言をイチャラブゲー全部に当てはめていいのかなっていう」

 

残響「イチャラブゲーは大なり小なりバカゲー的な要素は含みますよ」

 

残響「含まないのはトノイケゲーぐらいですね。トノイケゲーは別のものを含んじゃっていますから。……もっとも、ぼくはさっきからむちゃくちゃなことを言っているという自覚はありますw」

 

fee「まぁ、周りのことを考えないということを、許容できるかできないかというところはあるんでしょうけど。おとなしく恋をしているカップルを見ると、頑張れ頑張れって言いたくなるし、別に周囲を気にせずイチャついてもいいんですが、周囲を巻き込んだ挙げ句に<どうだ見たか>みたいなカップルを見ると、あーはいはいって感じになるから……」

 

 

5

 

 

残響「そこはシナリオ的な見方というか。シナリオ的というと変かもしれませんけど、リアリティを求めるみたいな」

 

fee「景品云々はリアリティというか、他人に迷惑をかけるなというか……。別にみんなの前でイチャイチャしていても迷惑だとは思わないんです。けど、あれは確か市のキャンペーンか何かでトライアスロンをやっているわけでしょ。その景品があれをしたらダメでしょっていう」

 

fee「花穂が中学生なのにバイトしているのは……と思った後に、親戚の店だからまぁいいかと思い直したのもあるんですが。ファンタジー世界の話なら別にいいんですが、一応作中の設定を現代日本っぽくしている以上は、リアル世界のルールを意識する必要はあるんじゃないでしょうか」

 

残響「『こいびとどうしですることぜんぶ』や『ツナガル★バングル』というゲームで(というか保住圭シナリオで)、とんでもない解決法を見た事があります。登場人物が学生で結婚したりお酒を飲んだりしているんですけど、この登場人物達は全員18歳以上ですからっていう」

 

fee「それはダメですね」

 

残響「ダメですかw」

 

fee「たとえば西暦3000年で、学生からどんどん子供を産んで結婚していくような社会になっているとか。あるいは、法律とかはきちんと作らなくてもいいんですけど、西暦3000年の世界では15歳からお酒を飲んでもいい世界になっているというのならいいんです。あるいは、ヤンキーが主人公だっていうなら学生でお酒を飲んでいてもまぁいいと思います。それにまぁ、お酒ぐらい多少はね? そんなに咎めないけど」

 

fee「だけど、たとえば『この青空に約束を――』っていうゲームでは、主人公たちの寮が潰されそうになっているのに、寮でお酒を飲んでいたりする。これはまずいだろうと僕は思いました。そんなんで、寮存続をアピールしても説得力がなさすぎます。飲酒を理由に寮が潰されても文句は言えないでしょう。危機意識がなさすぎるだろという意味で、お酒を飲んだらダメかなっていう。そういう作品だと、やっぱりダメかなと思いますね」

 

残響「なるほど、シナリオ中の説得力というか」

 

fee「そういうところはやっぱり気になっちゃう。家族が金持ちで主人公たちを養ってくれるなら、学生で結婚してもいいと思います。けど、普通に考えたら厳しいんじゃない? まぁ結婚って言っても、子供を作らなければ別にいいとは思うけど、さっき挙げられていたゲームでは多分子供も作るんだよね?」

 

残響「はい、作りましたね」

 

fee「だからその辺は難しいところですけど」

 

残響「そこら辺、『ラブラブル』は不思議な解決をしていまして。『同棲ラブラブル』花穂ルートの最後の方なんですけど、親父に殴られるんですね。<殴られてでもやっていくならいいけれど、けじめとして一発殴らせろ>みたいなことを親父に言われるんです。微妙なリアリティなんですよね。ここまで、実妹でいいじゃんって言っておきながら」

 

fee「いやまぁ一発殴らせてもいいんじゃない?」

 

残響「はははw」

 

fee「その後、祝福してくれるんでしょ?」

 

残響「そうですね、ええ」

 

fee「じゃあいいんじゃない。一発ぐらい」

 

残響「そっすか」

 

fee「え、殴られたくなかった?」

 

残響「難しいところですね。ぼくは殴られたくなかったと思いますが、殴られても仕方ないとも思っていて、ここら辺は微妙ですね」

 

fee「そりゃ僕だって、他人に殴られたくはないけどw 客観的に言うなら、パパも多少鬱屈したものがあるんだけど、一発殴る事でスッキリして、それでこれから後腐れなく祝福してくれるならいいんじゃないかという話で」

 

残響「その後の花穂のCGとかも良かったのでいいんですけど、最後に少しゴチャっとさせるのはどうなのかなと思ったんです。まぁいいんですけど。バランス感覚の違いなんでしょうか? 倫理性そのものの違いじゃなくて」

 

fee「難しいですね」

 

 

6

 

 

残響「なんだか難しい話になっちゃいましたね。『ラブラブル』の話なのに」

 

fee「ファンタジーなら気にしないんだけどなぁ。金持ちとかでも気にしないし。それにまぁ、エロゲなんだから中出しぐらいしてもね?」

 

残響「そこが最大のファンタジーじゃないですかww」

 

fee「いや、まぁまぁまぁまぁそうなんですけどw でも、エロゲでもリアル路線のゲームだったら、やっぱり中出しには慎重になってほしいし」

 

残響「それは言えてますな。世界観は大事ですよ」

 

fee「たとえば、『ef』というゲームがあって、僕はかなり好きな作品なんですが。1章の話をしますと、主人公が将来の仕事を悩むというストーリーラインなんですね。主人公は高校生兼、売れっ子の漫画家なんですけど、漫画でいつまで食べて行けるかわからない。だから、ちゃんと進学すべきなのか、いっそのこと漫画に全て打ち込むか、延々と悩むというリアル志向の物語なんです。しかし、子供を作っちゃったら、漫画家か進学かで悩んでいる場合じゃなくなるんだから、こういう話だとちゃんと避妊した方がいいのではないかと思うんです。そういうテーマのゲームじゃなきゃ、別に中出ししてていいです。いやまぁ、そういうゲームでも中出ししたからって怒ったりはしないけどw 僕は別に、いつもリアルじゃなきゃいけないとかそういうことは言わないですよ」

 

残響「大丈夫です、それは解っています。リアル寄りのゲームの場合は、っていう話でしょ?」

 

fee「そうです。まぁ、『ラブラブル』がリアル寄りの作品かどうかというのは難しいところなんですけど……」

 

残響「内容面、というよりは製作面、なんですけど。実は製作者側も<リアルな要素を入れる事が、女の子の萌えに繋がるのだ>みたいなことを公言していたりするんですよね。そこら辺、都合よく取り入れてってところなんでしょうけど」

 

fee「しかも、僕に関してなんですけど、リアルさで抵触して減点する部分って、花穂のトライアスロン一点ぐらいしかなくて。他は特に問題ないから、ここだけちょっとバランスが悪いというか。まぁ残響さんはそれが良いと言っているので、あれなんですけど……というか、他人に迷惑をかけるかどうかというのは、リアルかどうかとはまた別の話な気もするんですけど……」

 

残響「まぁ、イチャラブが宇宙だとか、イチャラブが爆発だとか言っている人の言葉ですからね」

 

fee「たとえば奈々子ルートなんかは本当に現実的な話で。つぐみなんかも現実的な話ですよ。さつきと千夏は何も起こらないんで、ある意味現実的です」

 

残響「花穂はファンタジーですね」

 

fee「花穂も最後だけなんですよ。まぁ、実妹なのにみんなが祝福してくれるのだってある意味ファンタジーですけどw」

 

残響「でもそれを言い出したら、そもそも主人公はトライアスロンで泳いでないですからね。なんで船なんだっていう」

 

fee「だからトライアスロンのところだけがバカゲーっぽくて。いや、それ以外のシーンもテキストはバカゲーっぽいんですけど、展開はバカゲーじゃなかったんですよ。でもここは展開もバカゲーで、まぁいいんだけど……もう少し他の人にも配慮しようよっていう。

だって、僕がトライアスロンの参加者で、花穂ちゃんのキスが景品と聞いて張り切っているのに、当の花穂ちゃんから<お兄ちゃん頑張れ>とか言われた日にはどうですか」

 

残響「まぁあれは、そもそも何もかも仕組まれた出来レースみたいなものなんですけどね」

 

fee「それもどうかなって思うけど」

 

 

7

 

 

残響「そっか。ちなみに最後の疑似結婚式はどうでしたか?」

 

fee「……全然覚えてないんですけど」

 

残響「えっ!?

 

fee「いや、マジで全然覚えてないぞ?」

 

残響「最高のCGだったじゃないですか!」

 

fee「ちょっと待って……ちょっと待ってね」

 

残響「一番最後ですよ?」

 

fee「あー? (ゲームのCG鑑賞モードを見ながら)あーあーあー、こんなシーンあったっけ?」

 

残響「あったんですよww」

 

fee「いや、CGがあるってことはあるんですけど、全然覚えてないぞ? いや、クリアはしてますよ!? 最後飛ばしたりしてないですよ?」

 

残響「はははww」

 

fee「そんなシーンもあったんでしょう。……言われればあったような気もする」

 

残響「言われればってw」

 

fee「僕はそもそも抜きゲーとしてプレイしていますからね。それ自体がちょっとおかしい気がする。そんな人、あまりいないんじゃないかな……」

 

残響「いや、いないわけではないけれど……」

 

fee「僕は、イチャラブゲーというかキャラゲーをプレイする動機の7.5割は抜きなんです」

 

残響「ふむふむ」

 

fee「シナリオゲーって、エロいゲームはあまり多くないんですよ。最近そうでもなくなってきた気がして、『この大空に、翼をひろげて』とか『あの晴れわたる空より高く』とか、最近のシナリオゲーはエロくなってきたなぁとか思うんですが。『サクラノ詩』も結構エロかったし。でも、全体的にはシナリオゲーはあまりエロくないというのがあって。キャラゲーの方がエロい。抜きゲーの方が更にエロいかもしれないけど……」

 

残響「ぼくは抜きゲーに関してはバカゲーだと思ってプレイしていますね」

 

fee「抜きゲーをですか!?」

 

残響「はい」

 

fee「僕は抜きゲーは、一部例外を除いて基本抜きしかないから、それはそれでいいんだけど、ちょっと味つけが濃すぎるかなぁみたいなところがあって。抜きたい時にしかプレイできないという。キャラゲーは抜きたい時じゃなくてもプレイできて、抜きたい時にもプレイできる」

 

残響「抜きゲーに関しては、ファンタジーテキストをげらげら笑いながら面白おかしく読んでいる感じですね」

 

fee「それは……そういう人はそんなに多くはいないと思うぞ?」

 

残響「やっぱりそうなのかなぁ」

 

fee「いや、わからない。僕は他の人のことは知らないのでw」

 

残響「先日Twitterで<抜きゲーのテキストは時代遅れになるんじゃないか>みたいな事を言ったんですけど、それは笑えるか笑えないかで見ているからそういう発想が出てきたんですね」

 

fee「20年前のフランス書院とかを読んだら、<ひぃ、堪忍して下さい>とか書いてあって……」

 

残響「そういう事ですそういう事です」

 

fee「へ? とか思っちゃって。これはヤバいだろって思いましたけどね」

 

残響「いずれ<んほぉぉぉぉ>とか<ひぎぃ>みたいなのもテンプレ化して陳腐化するんじゃないかと思うんですけどね」

 

fee「それは流行っている今ですら、僕は気持ち悪いと思っているから……。そりゃないでしょって思っちゃうんで。これは時代遅れになるとかならない以前に最初からおかしい。もちろん趣味の話ですけど。それを抜きゲーのテキストと言っちゃっていいんですか?」

 

残響「ははははw」

 

fee「アヘ顔と同じで、それはニッチな感じというか……」

 

残響「『ラブラブル』に関しては境界線上のところがあって、レイプ目を最初に使い出した萌えゲーメーカーがsmeeなんですよね」

 

fee「僕はその辺は大丈夫でした」

 

残響「ぼくも大丈夫でしたけど、これはちょっと賛否両論でした」

 

fee「白眼むいてよだれ垂らさなければいいです……」

 

残響「まぁそうっすねw」

 

fee「白眼むくのだけはやめてほしい。あれはかわいくないから、ほんとに」

 

残響「ひょっとこも個人的には……」

 

fee「ひょっとこもダメ、かわいくない!」

 

残響「かわいくないっすよね」

 

fee「やっぱりかわいくなくちゃ!」

 

残響「でも人によってはレイプ目も嫌だっていう人はいるでしょうしねぇ」

 

fee「それは……僕もレイプ目がそこまでキツかったら嫌かも。ギリギリ許せたという記憶があるので、逆に言えばギリギリだったという……」

 

残響「レイプ目も使いようですからね。毎回はキツいけど(実際、SMEEの以降の作品ではそのきらいがあった)、<ここぞ!>というときに使う破壊力はなかなかですよ。レイプ目……デストローイ……(意味不明)」
 

fee「『ラブラブル』については大体こんなところでしょうか?」

 

残響「そうですね、今日は本当にありがとうございました」

 

fee「いえ、こちらこそ楽しかったです。ではまた!」

 

 

次回予告

 

『ラブラブル』についてはこれで終わりかと思いきや、読者からの熱いお便りが!

次回、「ラブラブル 第6回 お便り紹介対談」に続く

エロゲ対談番外編 作品クロスレビュー「ラブラブル」 第4回/全5回予定(?)

  • 2016.10.30 Sunday
  • 20:00

 

ラブラブル〜lover able〜2011.02.25発売予定!

 

 

1

 

fee「花穂に一番力が入っているのは間違いない」

                 

残響「はい」

 

fee「間違いないし、その力の入れ方は、僕から見てもまぁまぁ成功している」

 

残響「裏話をすれば、ライターさんは妹が好きで好きで仕方ない人なんです。前作の『らぶでれーしょん』は、ライターのデビュー作だったため、ディレクターが<妹は敢えて封印しろ>と。封印して、今はライティングの力を上げろというディレクターの指示があったんですね。で、今回、第二作目にあたる『ラブラブル』を書く際に、ライターが<やっぱり理想の妹が書きたい>と申し出た、そういう経緯があったんです」

 

fee「好きなものを書くというのは良いことです……ってなんだか月並みなコメントになっちゃったな……」

 

残響「『ラブラブル』以降、このライターさんは妹を描いていないんですね」

 

fee「おぉ、そうなんですか」

 

残響「幼馴染は何パターンか書いているんですけど、妹は書いていない。花穂が出た時は凄かったですね。これが完成形だ、みたいな」

 

fee「『ラブラブル』は花穂のゲームですよね」

 

残響「パッケージでも花穂ですし……いや、そういうことはどうでもいいんだ。とにかく内容を見ても花穂ですよ」

 

fee「明らかに力の入り具合が違うからね……と言っても僕は6点だけど……」

 

残響「ははは」

 

fee「プッシュされてるよね」

 

残響「プッシュされてますね。プッシュされていても問題はないですし、キャラ自身も、何かからプッシュされていても、それでも私は魅力的なんだみたいなところがあるじゃないですか」

 

fee「ん? プッシュされるキャラは魅力的ではない、というのが前提にあるんですか?」

 

残響「発売前から、いかにも特定のキャラに力を入れているのが見える、解ることってありますよね。でも、実際にゲームをやってみると空回りしていることってありませんか?」

 

fee「あーあー、要するに、<そのキャラ、プッシュされてるけど大して良くねーよ>って話ですか?」

 

残響「そうです。少なくとも花穂に関しては評判倒れでは全然ないんですよ」

 

fee「まぁ、このゲームは花穂のゲームだし、花穂で成功しているでしょ」

 

残響「逆に言えば、花穂が失敗していたら、かなりのところでダメになっていると思うんですよ」

 

fee「まぁ、そうでしょうね。僕、花穂ルートがダメだったら、5点ぐらい下がって63点ぐらいになってます」

 

残響「あぁ、それはだいぶ下がるなぁ。ぼくも同じですけど。昔、トノイケダイスケさんが、『水月』という作品のビジュアルファンブックで、琴ノ宮雪というヒロインを<誰にも嫌われない存在として描かなければならなかった>と言っているんですね。そういうキャラだから、と。完璧でなければならないと。欠点さえも、完璧でなくてはならないと。好かれることが大前提で、その上でどう魅力を描いていくか。そういうふうにインタビューで言っていましてね」

 

fee「僕、『水月』で一番好きなのは宮代花梨ちゃんで、二番が……香坂アリスかなぁ。雪さんは嫌いじゃないけど……」

 

残響「でも、どうでもいいキャラではないでしょ?」

 

fee「作品テーマ的にはどうでもいいキャラじゃないけど、ヒロインの魅力的には割とどうでもいいです……」

 

残響「そうかぁ」

 

fee「雪さんファンは結構いるので成功はしているんでしょうけど、僕は二番がアリスで三番が牧野那波かなぁ。鈴蘭は嫌いじゃないけど、ロリすぎて女性としては見られないのでダメで、眼鏡ちゃん(新城和泉)もダメで……」

 

残響「そこなんですけど、大体眼鏡ちゃんはダメって言われていますよね。少なくともアリスや眼鏡ちゃんは、嫌いから入っても話は進むんですけど、雪さんに関しては、<好きになってもらわないと話が始まらない>。少なくとも、嫌いから入ったら話が始まらないというのを聞いて、ぼくは納得しちゃったんですけども」

 

fee「僕は雪さんは、7人のヒロインの中では真ん中ぐらいで、特に好みでもないし、別に嫌いでもないしで。ネットなどを見ていると、<みんな結構雪さん好きなんだなー、へー>と思って。シナリオが一番好きなのは、雪さんルートなんですけど、雪さんルートで一番良かったのは誰かと聞かれると雪さんじゃなくて僕は花梨だったし」

 

残響「あぁーーー」

 

fee「雪さんルートが好きだけど、雪さんというヒロインが好きってわけでもないんだよなぁ」

 

残響「で、<好きになってもらわないと話が始まらない>というのは花穂にも言えるんですね。力を入れるというのもあるんですけども、物語中の役割というか、キャラとの関係性というか、ある種完璧な要素がかなり多くを占めていなくちゃいけないというか」

 

fee「ほぉ……なるほど」

 

残響「花穂は下ネタを言う事もあるんですけど」

 

fee「そんなにあったっけ?」

 

残響「少なくとも、全くないわけではない。そもそも、女版ハル君(主人公)みたいなところがあるんです。多分作中で言われていると思うんですけど。そういうキャラでありながら、ばっちりかわいいみたいな。全く弱さがないわけでもないけど、その弱さもかわいいみたいな」

 

fee「花穂は、なんか女王様っぽい」

 

残響「それはそうですね。絶対人の下にはつきませんよ」

 

fee「ヒロインに、<こいつつえーな>というオーラを感じることって意外とないんですが、花穂にはそういうオーラを感じる」

 

残響「作中で、<強い>とは言われてないですけど、明らかに強いですよね」

 

fee「強い」

 

残響「無敵ですよね」

 

fee「太陽みたいな強さ」

 

残響「それそれ」

 

fee「僕はつぐみみたいな、地味だけど健気で頑張っていて、芯が強い娘が好きだからそっちに行ってしまうけど、花穂は常に<どんと来いや>みたいな感じの強さ。こいつはつえーな、という」

 

残響「もし花穂に何か欠点があるとしたら、屈折的な影がないところでしょうか。変な話ですけど、うつ的な感じには絶対ならないですよね、花穂は」

 

fee「花穂はならないね」

 

残響「そういう意味での闇はないんですよね。だって太陽だもの。太陽に<お前、闇がないからダメだ>と言っても、それは的を外した批判にしかならない。じゃあこの子の批判がどこにあるかというと実妹なんですね」

 

fee「それは批判なんですか?」

 

残響「批判というか、世間的な批判ですね」

 

fee「あー、弱点って意味ですか」

 

残響「はい。でもそれも自分の太陽的なもので、ノリと勢いで<いーじゃん>みたいにしちゃいましたから」

 

fee「僕はあまりそういうキャラに惹かれるというわけでもないんですけど」

 

残響「ぼくもそういうわけでもないですが……」

 

fee「昔、『夜明け前より瑠璃色な』っていうゲームがあって、フィーナというヒロインが圧倒的女王オーラを出していたんです。花穂が持つ太陽オーラとはまた違うんですが、こういう独特のオーラが出せるヒロインって」

 

残響「少ないですよね」

 

fee「そう。偉そうな奴はどこのゲームにもいるんですが。<ほーっほっほ>みたいなお嬢さまとか、お嬢さまでスポーツ万能成績優秀みたいな、設定だけの最強キャラは見ますけど。そういう設定のヒロインなんだね、とは思いますが、<すげーな>とはあまり思わない。でも、花穂は割とそういう意味でも成功していて。『ラブラブル』内では花穂だけですね」

 

残響「カリスマですよね」

 

fee「そう、カリスマ。まぁ元々、『ラブラブル』の中でカリスマで売っているキャラは花穂しかいないというのもあるけれど……」

 

残響「作中で、同性からも好かれている描写がありますね」

 

fee「花穂なら好かれると僕も思います」

 

残響「先輩の同性からも好かれるという。後輩からも……まぁ花穂の下はいないんですけど……いることはいるか、つぐみの方が下っぽいポジションというか」

 

fee「つぐみは年上だべ?」

 

残響「確かにそうなんですけど、でもつぐみが花穂に何か敵うかというと……」

 

fee「……つぐみは同性からは嫌われるタイプだと思うな」

 

残響「ぶっちゃけましたね。否定はしないけど」

 

fee「でも、同性から嫌われるタイプほどかわいく見えるんだって」

 

残響「はっはっは、なるほど」

 

fee「でも、現実では同性から嫌われている子は実際に性格が悪いから、付き合ったら地雷だと思うよ。つぐみちゃんは二次元の子だから、性格も良いよ!」

 

残響「ははは」

 

fee「それに、『ラブラブル』の作中に、まさかつぐみちゃんをいじめるような心ない奴はいないと思うから……少なくとも奈々子さんとか、お店で働いている人たちの中にはいないよね。まぁ僕はつぐみちゃんをいじめたいけど、そんな話はどうでもいいかw」

 

残響「おあつらえ向きなCGが『同棲ラブラブル』にあるんですけど、犬のコスプレさせて首輪させてっていう」

 

fee「いいねぇ、わかってるじゃん。そうだよ、そうでなくては(興奮)」

 

残響「ははは……」

 

fee「つぐみはかわいいな……って花穂の話じゃなかったのか!」

 

残響「ほんとですよw!」

 

fee「なんでもつぐみはかわいいなに繋がってしまう……花穂はオーラが出ていていいんだけど、花穂は人間として見ちゃいますね。女の子として愛でたいのはつぐみとさつきで、人間として尊敬とか、そっちだよね花穂は。別に女性を下に見るつもりもないんですけど……自分よりも女性が上でもいいけど、上すぎると僕はチキンなので声をかけづらいというか。花穂ちゃんと付き合っている自分が想像できないw」

 

残響「はぁ、なるほど」

 

fee「花穂ちゃんはちょっと遠くから見る感じかなぁ」

 

残響「作中人物もほとんどはそう思っているんじゃないでしょうか」

 

 

2

 

 

残響「キャラの話はこのぐらいにして、シナリオの話をしましょう。ぼくはシナリオに9点をつけているんですが、よく言われるのが<最後のトライアスロンは余計だろ>というものなんですね」

 

fee「割とというか、それは以前、僕が残響さんに主張したことじゃなかったっけ……」

 

残響「いや、ラブラブル発売直後から、ファンの間でもよく言われてるんですよ」

 

fee「お、そっすか、そっすか」

 

残響「えぇ。で、それに対してぼくは<いや、あれがあってこその大団円だろ>と、当時から強く思っています」

 

fee「先にそれを言われるとあれですよね。僕、これから<トライアスロンは余計だろ>って話をしますからねw」

 

残響「はははw オールベストというか、スーパーラブラブル大戦という感じで、モブキャラも含めた全キャラが出てきてワイワイ騒ぐんですけど。そのワイワイ感というのが、総出で、今まで良かった奴も嫌な奴も、ヒロインも全員出てきて、とにかくぐっちゃぐっちゃでわけのわからないことをする。わけのわからないことをすることで、この兄妹が輝く。そういうふうにぼくは読みました」

 

fee「運動会的な楽しさがあるという指摘は、僕は意識していなかったので、面白いですね」

 

残響「そうですか。運動会的な、スーパーラブラブル大戦的なストーリーの流れが、そのままこの兄妹への祝福に繋がっているんですね。で、最後に花穂の肩を寄せて、主人公が啖呵を切るところで<決まった!>みたいな。ぼくが10点をつけずに9点にしたのは、どちらかというと僻みみたいなところもあるんですけど、あまりにも眩しすぎたから。後は、『ラブラブル』全般に言える事ですが、後半に山あり谷ありのダイナミクスがあるかというとそれはないなと。少し一本調子だなというのはありまして」

 

fee「ふんふん」

 

残響「もちろん奈々子さんシナリオなどに山や谷があるにはあるんですが、それでも一本調子で、各チャプターでガーンとぶつけてガーンと終わるという。それが続くかなというのもあります。まぁ、テンポの良さにもつながっているので、些細なところではありますが」

 

fee「なるほどなぁ」

 

残響「それから、他の4人は作中季節が夏でなくてもいいんですけど、花穂だけは夏の開放感が必要というのもあります」

 

fee「あー、まぁ少なくとも冬ではダメだな」

 

残響「ラストへ向けてのスピード感、開放感は、やはり夏でなくてはダメでしょう」

 

fee「なるほど。季節感を大事にする感じですか」

 

残響「夏の開放感は大事にしていますね。開放感あふれる夏の雰囲気は、共通ルートから描写されていますし」

 

fee「店がそもそも夏っぽいんですけど」

 

残響「そうなんですね」

 

fee「店が夏っぽいからいいかなって。僕は元々あまり季節感というのは重視しないので」

 

残響「ぼくも普段はそこまでこだわるわけでもないんですが、この『ラブラブル』という作品は、作品テーマ・作品内容・雰囲気・季節感が見事にマッチしているので。今回に関しては季節感も大事にしたいかなと」

 

fee「なんだろうなぁ。『ラブラブル』の夏って、僕の中では『Pia キャロットへようこそ!!』に通じるものがあって」

 

残響「あー、はいはい。意識はしているでしょうね、確実に」

 

fee「やっぱり意識していますかねぇ」

 

残響「今言われて初めて気づきましたけどw 言われてみれば確実に意識はしている」

 

fee「海もあるし。まぁ、夏で海というのは定番だけど……」

 

残響「このブランドは、良い意味で作りが古いというのもありまして。今のゲームの流行を追うよりは、昔のゲームの良い所をルネッサンスしようという、そういう気概はあるんですね」

 

fee「『ラブラブル』は……まぁ単に短かったからかもしれないけど、イチャラブゲーの中ではとっつきやすい方かなぁ」

 

残響「ですね」

 

fee「じゃあ、次は僕が……」

 

残響「はい、お願いします」

 

fee「僕はシナリオに6点をつけているとは言っても、別にそんなに叩きたいわけでもないんですが……残響さんが9点をつけているから、<まぁそこまでじゃないだろ>っていうのはあってw」

 

残響「wwwww」

 

 

次回、花穂編2に続く

エロゲ対談番外編 作品クロスレビュー「ラブラブル」 第3回/全5回予定(?)

  • 2016.09.22 Thursday
  • 22:09

 

ラブラブル〜lover able〜2011.02.25発売予定!

 

 

1

 

fee「意気込んだのはいいんですが、つぐみはそんなに語る事もないんだよなぁ」

 

残響「シナリオの完成度は高いと思うんですが、キャラがぼくのツボというわけではないんですよね……」

 

fee「つぐみがですか?」

 

残響「これはもっと刺さる人がいるんだろうなという感じで。悪くはないんですよ。悪くはないんですけど、そもそも後輩キャラはそんなに好きじゃないというのもあります。つぐみシナリオは、段階を踏んでいってそれなりの長さで、キャラの魅力を描いて、ちゃんとしたエンドで良かったね、みたいな」

 

fee「残響さんはシナリオが7点でキャラが6点なんですよね」

 

残響「はい、そこまでのめりこめなかったってだけなんですけど」

 

fee「僕はシナリオが6点で、キャラが7.5なんです。逆なんですよね。シナリオとキャラの配点が」

 

残響「ふむ」

 

fee「僕は、つぐみのシナリオは悪くはないけど、あんまりうまくもないと思いました」

 

残響「なるほど」

 

fee「つぐみのシナリオって、結局昔悪い事があったっていう話で。そこに悪役をぶつけてきているんですけど、悪役の初登場シーンでちゃんと伏線が貼ってあったかっていうと、伏線は貼ってないでしょ」

 

残響「貼ってはないですよ」

 

fee「もし昔に因縁があったら、つぐみがもう少しリアクションをするはずだと思います。因縁のある人と会ったのにリアクションもしないで、それで実は因縁が〜って言われても、それは展開的に無茶でしょと思いました」

 

残響「ぼくはそこはまるっきり逆なんですね。というのも、つぐみ先生というキャラは、昔嫌な事があっても自分の中で押し殺しておける健気さをもった人間なんだと、勝手に解釈しています。シナリオの過去の因縁に関しても、そこまでシナリオのメインに関わる事なくうまく処理したなと思います。イチャラブに専念できるようによくバランスをとってくれた点を評価して、7点をつけました」

 

fee「つぐみの過去の話は僕もバランスが良いと思います。これぐらいのバランスにしておけば、つぐみの魅力も際立ちますし……」

 

残響「そうそう、スイカに塩の理論ですよ」

 

fee「簡単に言えば、薄幸キャラを守ってあげたいという気持ちにプレイヤーをさせつつ、そこまで重い話にしないというバランスは良いと思います」

 

残響「ふんふん」

 

fee「逆に言うと、それだけの話です」

 

残響「うーん」

 

fee「僕のシナリオ・キャラの点数のつけ方が良いかどうかはともかくとして、このつぐみシナリオは、<つぐみちゃんがかわいい>っていうだけの話なんですよね」

 

残響「はい、そうですね」

 

fee「奈々子さんのシナリオは、キャラのかわいさとは独立したところで、シナリオとしてちゃんと成り立っていると思うんですよ」

 

fee「でもつぐみちゃんの話は、過去にこういう事があったからつぐみちゃんを守ってあげたいよね。健気だね、かわいいねっていうそのためだけにあると思っているので。それが良い悪いかはおいといて、僕はそんなに評価はしない、というところです」

 

残響「はい」

 

fee「で、その分の点数は、シナリオではなく、つぐみさんのキャラクター点のところにつけておきました」

 

残響「なるほど」

 

fee「実際つぐみちゃんはかわいいし、守ってあげたいなと思ったし、健気だなと思ったから、キャラクター点は高い」

 

残響「ふんふん」

 

fee「そういう意味では、シナリオがうまくキャラをサポートしていると。縁の下の力持ちで、シナリオは目立たないが、キャラの魅力を引き立てるサポート役に回ったとは思っていて、それは悪いシナリオではないと思っているけれども。シナリオ単体で見ると……ちょっと辛い」

 

残響「なるほど」

 

fee「現代でもつぐみちゃんは頑張るんですけど、ちょっと過去の比重が大きすぎるイメージ。文章量はそうでもないんですけど、イメージ的には過去の比重が大きくて。つぐみちゃんには辛い過去があるんですが、まぁそうは言ってももう終わったことじゃないか。というのがあって」

 

残響「はい」

 

fee「現代でも多少試練はあるけど、もうちょっと試練があっても良い。『グリザイアの果実』というゲームがありまして、評判の良いルートに天音ルートというのがあるんです。天音ちゃんの過去シーンはなかなか読ませるものがあって、天音ちゃんシナリオサイコ―!って言う人もよくみるんですけど……」

 

残響「はぁ」

 

fee「でも天音ちゃんのシナリオが最高なのは過去シーンだけなんですよ」

 

残響「ははははww」

 

fee「僕も、天音ちゃんの過去シーンはいいねと思った一人で、天音シナリオもそこそこ評価はしているんですけど、でも現代ではなんも起こってないやん!っていうのもあって。過去の話は過去の話でいいけど、もっと現代の事を語ってほしいというか。つぐみシナリオに関してもその辺が物足りない。まぁ、現代でもちょっとは頑張りますけどね、最後」

 

残響「まぁ、確かに」

 

fee「過去に主題がおかれていて、現在への流れが秀逸ならば、過去メインでも全然いいんですけどね。『秒速5センチメートル』の過去エピソードや、『久遠の絆』の平安編のように、過去に重きが置かれていても全然気にならない話もありますし……でもつぐみシナリオは叩くほど悪くはないですね……僕、叩いてないよね?」

 

残響「叩いてはないですね。そこまで高評価もしていませんけど」

 

fee「シナリオゲーでもないしね」

 

残響「そうなんですけどね。それを言っちゃ……」

 

 

2

 

fee「つぐみちゃんはかわいいよね」

 

残響「それは確かですよ」

 

fee「絵もかわいいと思った」

 

残響「うん、それも確かです」

 

fee「つぐみちゃんはいいなぁ……それしか言えないw」

 

残響「www」

 

fee「つぐみちゃんは、パジャマを着ててオナニーをするシーンが最高によかった」

 

残響「なるほどw」

 

fee「そんな話を聞かされても困りますかね?」

 

残響「いやいや、重要なところじゃないですか」

 

fee「そうですよね。つぐみちゃんのHシーンは基本的にいじめてオーラが出ていて、大変よろしいです

 

残響「いじめてオーラ、それは重要ですね」

 

fee「僕、いじめてオーラが漂っているヒロインが最高に好きなんで」

 

残響「あ、そうなんですか?」

 

fee「好きなんですよ、僕Sなんで。こういう娘を見ると、いじめたくなって仕方がないんで。もう嬉しくなっちゃいますね」

 

残響「なるほど」

 

fee「だからつぐみちゃんは最高ですよ。最高って言っておきながら7.5ですけど」

 

残響「はははww 自分はいじめるよりも、甘やかしてほしいみたいなところがあるんですけど。姉属性的な」

 

fee「じゃあ奈々子さんはなんで5点なんすか……」

 

残響「そこら辺が消化不良だったんですよw」

 

fee「……奈々子さんは別に甘やかしてくれるヒロインってわけでもないか」

 

残響「そう、そこが消化不良だった。甘やかしつつ、甘やかされたいみたいな。ある種の共依存をぼくは求めているんです」

 

fee「僕はあまり甘やかされたいわけでは……どうなんだろう。僕、現実世界では、甘やかしてほしい」

 

残響「ふむふむ」

 

fee「僕は、甘やかされたい!」

 

残響「www」

 

fee「けど、ゲームの中で主人公が甘やかされているのを見ても、実はそこまで嬉しくはなくて」

 

残響「あらら」

 

fee「そうじゃなくて、ヒロインをいじめたい」

 

残響「あらー」

 

fee「僕の恋愛属性的には、いじめたいんですよ。守ってあげたい、いじめたい。そういう娘を好きになるんですけど。そういう子って、現実世界では裏があることが多いっていうね……。僕の数少ない恋愛経験で言わせてもらえば、裏があるんですよね……」

 

残響「ふふふw」

 

fee「そういう子に限って性格が悪い。儚そうに見せているだけ。男を釣ろうと思って」

 

残響「はははww」

 

fee「そういう子に惚れちゃうんだけど、そういう子を好きになっても僕にとって良い結果にならない事は解りきっているから。いくら胸がときめいても、そういう子にアタックする元気はなくて。僕を甘やかしてくれる子の方が、僕も楽だしそれがいいなってw 

だから現実では甘やかされたいんだけど、エロゲーの中ではもっとアグレッシブに行ってもいいでしょってw そこまで性悪な子はエロゲの中にはほとんどいないし」

 

残響「www」

 

fee「エロゲ世界では、いじめて、守ってあげたいヒロインとイチャイチャしたいですよ。現実ではできないけど!」

 

残響「なるほどw」

 

fee「なんで僕こんな話を始めたんだっけ……なんか自分の恥部を無駄に晒した気がする……」

 

残響「いや、結局の話、イチャラブゲーなんて自分の恥部をどうにかするための手段なのかもしれませんよ……奈々子さんの話いきますか?」

 

fee「お、奈々子さんいっちゃう?」

 

 

ラブラブル〜lover able〜2011.02.25発売予定!


 

3

 

残響「奈々子さんのシナリオが一番ダメでした

 

fee「マジですかー?」

 

残響「『実家』、『家を継ぐ』、勘弁してくれよっていうのがありますね」

 

fee「それはこう、僕も他人のことは全く言えないんですけど、リアルに根ざしたw」

 

残響「バレました、やっぱり」

 

fee「そういうのはあるよねww」

 

残響「プラス、奈々子さんのお母さんがいるじゃないですか。こうしなさいああしなさい的な。勘弁してくれよっていう。もっとイチャコラに専念させてくれよ、生々しいことはやめてくれよみたいな。『ラブラブル』で印象に残った嫌なシーンは、共通ルートで初心者の時にバイトで失敗しちゃうシーンがあったじゃないですか。ぼくも以前のアルバイトでこういう経験をしたことがあるものですから、身につまされる感じで辛かったです。しかもそこら辺をじっとりと描写するもんですから……。奈々子さんの話も、イチャイチャよりも周りとの兼ね合いというか、自分は頑張っているのにどうすればいいの? みたいなところをしっかり描いているので、うーんっていう感じでしたね」

 

fee「バイトの失敗は覚えていますけど、共通ルートだし、奈々子さんとはあまり関係ないような……」

 

残響「その後では奈々子さんが励ましてくれるっていう場面なんですけど」

 

fee「いただけない客が来て……みたいな話ですよね?」

 

残響「えぇ、そんな感じです」

 

fee「それは、接客業をやっている人とか、これからやる可能性のある人的にはちょい辛いかもしれんなぁという」

 

残響「これをドシリアスとは言いたくないですけど」

 

fee「大したシーンではなかったようなw」

 

残響「過去にこういう経験があったなぁ、なんだかなぁ、これをイチャラブゲーで出すのかいなみたいなところはありましたね。キャラ的には姉属性で悪くないところもあるんですけど、甘やかし度というか、その辺りが物足りないというか」

 

fee「奈々子さんは、オーソドックスな姉キャラではないですね」

 

残響「そうですね」

 

fee「奈々子さんは年上だけど、かわいいタイプですよね」

 

残響「そうです」

 

fee「だから僕は評価が高いんですけど……高いって言っても6.5か」

 

残響「さつきと同じぐらいってことですよね」

 

fee「『ラブラブル』のヒロインは全体的に割と好きですからね」

 

残響「千夏以外?」

 

fee「そうっすね。奈々子さんも結構好きですけど、奈々子さんはシナリオが良い。シナリオが良い……とまでは言えないけど、『ラブラブル』の中では一番良い。ちょっと小さくまとまっちゃったかなとは思っているんですけど、非常に丁寧で、王道だと思う。奈々子さんシナリオは、夢に向かって頑張る奈々子さんを主人公が応援していって、悪役は夢を邪魔するお母さんということで、オーソドックスな型にビシっとはまっていて。主人公が奈々子さんを、肩の力を抜いて大人っぽく頼れる感じでサポートしているんですよ。このルートの主人公が僕は一番好きです」

 

残響「なるほど」

 

fee「主人公頑張ってるじゃんって思って。将軍が敵を蹴散らしていくような、派手な格好良さではないけれど、この主人公は安心して頼れるなと。落ち着いて読めたし、話としてもそんな変わった事はしていないけど、丁寧にまとまっていて、過不足なくビシッといったなという意味で評価できるなと。このシナリオで印象的なのは、夢に向かって頑張る奈々子さんの姿。読んでいくうちに、人間としての奈々子さんに好感を持てるようになるという意味でも、良いシナリオだったと思っています

 

残響「人間としての奈々子さんに好感が持てるというのは、かなりの褒め言葉じゃないですか」

 

fee「敢えて批判するなら、ちょっと王道すぎるかなっていうのはありますけど。王道は決して悪い事ではないし、障害の大きさも大体ちょうど良いぐらいで。千夏とさつきの障害はちょっと小さすぎたし。つぐみは障害の大きさは良かったのだけど、障害に向かうシーンという意味では過去の比重が大きすぎていて。奈々子は現代にちゃんと比重が置かれていてそれもまた良しで、いいことづくめじゃないかなぁと。

僕は奈々子さんはヒロイン的には特にツボではないし、キャラデザもハッキリ言って地味だし」

 

残響「はははっwww」

 

fee「多分このキャラ、あまり人気ないでしょって思っちゃうし」

 

残響「うーんw まぁ事実ですなぁ」

 

fee「でも、『ラブラブル』の中でシナリオが一番良いのは、花穂か、奈々子さんですね。で、どうせ花穂はみんなが推すんだから、僕は奈々子さんを推します」

 

残響「ふんふん」

 

fee「推しますって言っておいて、僕が一番かわいいと思っているのはつぐみですけど」

 

残響「ww」

 

fee「シナリオでは奈々子ですね……何故か奈々子の絵はあまり好きじゃないんですよ。何でだろう。自分でもよくわからないんですが」

 

残響「あまり意味がない仮定かもしれませんが、奈々子シナリオが他のヒロインだったらどうなんでしょう?」

 

fee「たとえば奈々子さんのシナリオを、千夏がやったらどうかってことですか?」

 

残響「千夏はさすがにfeeさんの評価が低すぎるから、つぐみやさつきがやったらってことですね」

 

fee「うーん……」

 

残響「奈々子さんは店のチーフなので、立場も違うし、難しいのはわかっているんですけども」

 

fee「つぐみに関しては、ちょっと交換不可能かなって思います。さつきに関してはシナリオがあんまりにもかわいそうだったので……さつきシナリオがこの内容なら、さつきのキャラ点は多分7.5とかになっていますね。たぶんね」

 

残響「7.5、そこまでいきますか」

 

fee「いや、わからないけど。多分。まぁ僕、奈々子さんは好きでも嫌いでもないぐらいですけど……これで結構かわいいところがあるんですよ。あと僕は、実はあまり年上キャラは好きじゃないんですよ」

 

残響「じゃあ奈々子さんはかなり頑張った方じゃないですか?」

 

fee「そうですね。年上キャラが好きじゃないというか、甘やかし系ヒロインが苦手なのかな……。人気キャラなので怒られそうなんですけど、『ダ・カーポ2』というゲームの朝倉音姫ねーちゃんが、僕は好きじゃないんですよ。甘やかしてくるんですけど……」

 

残響「いいじゃないですか」

 

fee「甘やかしてくるんですけど、主人公くんの生活を、<私がちゃんと面倒を見て、主人公くんが悪い道に走らないようにしないと>みたいな……」

 

残響「あーーなるほど! そこら辺で甘やかしも分かれるんですよね。<主人公をまともにしてあげよう、立派にしてあげよう>系か、<主人公のダメなところも含めて全部赦してあげよう、包みこんであげよう>系か」

 

fee「包みこんであげよう系ならいいんですけど……。矯正してあげよう系はあまり好きじゃなくて」

 

残響「矯正系も別に嫌いじゃないけど、ぼくも全部包み込んであげよう系の方がいいですね」

 

 

 

次回、花穂編に続く

 

千夜一夜エロゲ対談 第三夜

  • 2016.09.21 Wednesday
  • 23:41

イチャラブゲーにおける糞シリアスという概念(導入部)

 

 

fee「シナリオ原理主義の立場から言うと……」

 

残響「原理主義w」

 

fee「いや、シナリオ原理主義者のつもりはないんですが、往々にして原理主義者は自覚がないものだから……」

 

fee「話を戻しますと、ノベルゲーをプレイする場合、まず僕が最初に評価するポイントはシナリオの善し悪し……の前にシナリオがあるかないか。で、シナリオがないとクソゲーになっちゃう。その極北がイチャラブゲーなのではないかと」

 

残響「否定的だなぁw」

 

fee「だから、ギスギスしたくないから言いたくないんですけどw でも言わないと多分話が繋がらないから……」

 

残響「でもイチャラブゲーにもシナリオがないわけじゃないんです。【糞シリアス】っていうんですけどね」

 

fee「ふんふん」

 

残響「最近で言うと『トラベリングスターズ』ってゲームなんですけど」

 

fee「盛り上がっていましたね」

 

残響「普段イチャイチャしているのに、突然後づけ設定で【もう少しでヒロインが死ぬんだ】って話がでてきて、落ち込むんですね」

 

fee「後づけはよろしくないな。落ち込むっていうのは、主人公が落ち込むんですか?」

 

残響「二人で落ち込みますね。主人公とヒロインと……」

 

fee「二人で落ち込むんですか。ついでにプレイヤーも落ち込みますか?」

 

残響「プレイヤーも落ち込みますね」

 

fee「まぁそうですよねw」

 

残響「今まで仲良くしてたのに、興が削がれる」

 

fee「ふんふん」

 

残響「感情の起伏のドラマがあったとしても、イチャイチャしているのに水を差すのはやめてくれというのはありますね。たとえどんなにドラマが面白くてもです」

 

fee「そこは聞きたかったところですね」

 

残響「世間的につまらないと言われていても、興をそがないシナリオがある」

 

fee「ふんふん」

 

残響「たとえば突然男の許嫁が出てきたりとか、金持ちの娘とのシナリオで」

 

fee「男の許嫁が出てくる」

 

残響「【他の人とケッコンしなきゃいけないから別れましょう】みたいな展開とか、冷めてくるんですよね」

 

fee「こっちは解る」

 

残響「冷めるのがすごく嫌なんですね。妄想ができないというのとすごく近いんですけど。なんというか【水差され】が一番近い。どこまでが水を差して、どこまでが差さないのかは難しいけど、水を差すという感覚は確実にあって。おそらく【わくわくする】の捉え方も違うと思うんですよ。シナリオゲーマーが終わりに向かってわくわくしていくのだとすれば、イチャラブゲーマーは終わりまで全部把握してわくわくしたい、というか」

 

fee「……一シナリオゲーマーとしてはですね。イチャイチャしてるところに、クッソつまらないシリアスを入れられた。これはダメです。何故かというと、ストーリーがダメだから。シリアスの出来が悪いから。シリアスの出来が悪ければ、イチャラブゲー好きであろうとシリアスゲー好きであろうと、ダメなんだから……出来の悪いシリアスを持ってくるんじゃねーよって話で。それの良い例が突然許嫁の男が登場ですね。だって全然面白くないもん」

 

残響「ですよねぇ」

 

fee「もし面白くしたいなら〜、ってここがイチャラブゲーマーの方と違うと思うんですけど、最初から男を出す。たとえば主人公にとって届かない憧れの相手みたいな設定で。主人公はそいつ(男)に憧れて頑張ってるんだけど、主人公が片思いしている子が、そいつと許嫁だったとか。こういうのだと、イチャラブ妄想はしづらいけれども、切ない恋物語にもなるし、ライバル超えの熱い展開にもできるし。シナリオゲーとして出来が良ければいいんじゃないかなと」

 

 

処占厨の話

 

 

*重度の処占厨な自覚がある方は、読まない方が良いと思います。

読んだ後にいや〜な気分になっても責任を負いかねますので、ご了承ください。

 

 

残響「いや、萌えゲーマーはこころない一言を言ったりするんですよ。ぼくはここまで言いませんけど、過激派の処女厨になってくると、<心の処女膜破れてるじゃねーか>とか」

 

fee「ごめんなさい、処女厨は僕の中ではどうかと思う人たちなので、さすがにそれを出されると辛い」

 

残響「ははは、じゃあやめましょうかw」

 

fee「処女厨はあかんです。処占厨……むしろ独占厨の方が嫌かなぁ。処女厨要素よりも、独占厨要素の方がよりダメですね」

 

残響「ぼくだって別に処女厨というわけじゃないですよw こ、この辺でやめときましょうw」

 

fee「でも切り捨てちゃっていいんですかね。もし処占厨の存在を認めるなら、なぜ僕が処占厨がダメだと思うのかを言わないと。あの人たちは放っておきましょうで終わらせるのは逆に失礼なような気もするので、少し言及しましょうか」

 

残響「ひとこと……いや二言でもいいですけど、僕の側から処占厨に言うとするなら、処占厨が物語やシリアスやイチャラブに対して有益な事をしたことはない、そういう点での批判なら言えますけども」

 

fee「まず第一に、個人の好みというものがありますから。<僕は処女キャラが好きで非処女キャラは嫌いです>って言う人を見たら、そりゃ僕は<ナンダコイツ>とは思いますが、エロゲーマーなんて、所詮みんな<ナンダコイツ>じゃないですか」

 

残響「はははw まあ簡単にいうなら」

 

fee「だから<僕はスカトロが好きです>って言ってる人と同じで、<はぁすまんな、俺にはその趣味は付いていけんわ>とは思うけど、別に僕は叩きたいとは思いません。好きにしててくれと。僕は理解も共感もできない。でも叩かないですよ。彼らがいかんのは、なんか自分達に正当性があるように振る舞うところなんですよ」

 

fee「たとえば*1 『恋×シンアイ彼女』。僕は別にネタバレなんて知りたくもないんですよね。でも処占厨の人が騒ぐから知っちゃうんですよ。処占厨の人はたぶん親切心とネタで、<こういうひでーエンドがあるから>みたいなね。<なんだこりゃわひゃひゃ>っていうのと、<みんな、こういうのは買うなよ>というので広めてるつもりなんだけども、僕からすると<なんちゅー要らんことをするんだ>と」

 

残響「ははは、はい」

 

fee「そんなものは知りたくもないんですよ。やってみて、知らなくて、衝撃を受けたいから。最初から<こいつ死ぬよ死ぬよ>って言われるのと同じで、そんな補助輪はいらないんです」

 

fee「他のエロゲーマーの事を赤ちゃんだと思ってるのかと。処占厨の人たち自体が、俺に補助輪をよこせと言ってる赤ちゃんにしか見えない」

 

fee「傷つくこともあってこその物語でしょ?って思うから。まぁ、『恋×シンアイ彼女』はプレイしていないので、そもそもそんなに傷つくような話なのかもわからないんですけども」

 

fee「たとえば主人公が彼女に振られるとか、現実にはあることじゃないですか。そりゃ恋愛したら失恋だってしますよ」

 

残響「そこが耐えられないのが彼らで……」

 

fee「更に言うと僕は失恋のシーンは好きです」

 

残響「はぁ……。好きですか」

 

fee「だから、『僕と、僕らの夏』が好きなんです」

 

残響「ああ、なるほど」

 

fee「でも、最後振られるんだぜ、とか言われたら台無しじゃないですか。なんで人の楽しみを勝手に奪うんだと。そこがいかんですね。<俺はこういう展開は嫌いだ。俺は非処女キャラはどうもダメだ>これはありですよ。

そりゃ僕は<なんでこの人、そんなつまらないところにこだわってるんだよ>とは思うけども、たぶん僕だってみんなから見て<この人、なんでそんなつまらないところにこだわってるんだよ>と思う部分は絶対にありますから、だからいいんですよ」

 

fee「でもそれを、さも自らが正義みたいな感じで<こんなゲームを作っちゃいけないんだ>とか<みんなに教えてあげなきゃ>とか。そういうお節介は要らない」

 

残響「なるほど……<侵害してくるな>みたいな?」

 

fee「それが一番嫌なところですね」

 

fee「僕はヒロインが処女か非処女かということ自体には、そんなに興味はないんです。ただ、たまに明らかに*2【非処女の方が自然なのに、なぜか処女】ってキャラがたまにいるんです」

 

残響「たまにいますね。処女の未亡人とかいましたね」

 

fee「たまにね。こういうのも僕は嫌です。処女の未亡人でも、結婚式の翌日に彼が戦争に行ったとかならいいんですけど」

 

残響「いやまぁw」

 

fee「理由のない不自然な処女は逆に萎えるんですね。逆に、たとえば主人公のことがずっと好きな幼馴染とか……作品名を挙げるなら『幼馴染と十年、夏』。この作品のヒロインが非処女だったら僕は怒りますよ」

 

残響「そりゃそうですよw わけわかりませんもん。コンセプトが」

 

fee「そうでしょ(笑)。他にも、たとえば『さくらむすび』の紅葉と桜はやっぱ処女じゃなきゃダメでしょ。と、こういう単体のヒロインの話をするなら、あると思うんですよ。でも全ての非処女はダメとか、そういうのはちょっと理解できないですね」

 

残響「まあそれは。言葉というか論理というか、彼らはエロゲ―に対していいことをしてませんものね」

 

fee「少なくとも僕に対してはしていませんね。処女キャラしか許せない人たちのみが楽しめる世界を作ろうとしているのかな」

 

残響「そういう人が増えてきてるという気が……いや、本っ当に増えてきましたね」

 

fee「そういう*3 処占厨の人たちが正義面をして言っている事は、結局は【俺の欲しいものを作れ】ってだけの話なので」

 

fee「僕は、製作者の方が自由に作った作品を読みたいので、<こういうものを創れ>と製作者側に要求すること自体がそもそも好きじゃないんですが、アンケートを募っているメーカーもあるわけだし、話も広がりすぎてしまうので、そこはまぁいいでしょ」

 

 

*1 恋×シンアイ彼女……通称「恋カケ」。自分は後追いでプレイしたので、この作品が巻き起こした騒動は、対岸の火事的に見ているのですが……

ネタバレにならん程度に、あらましをざっと説明しますと、この作品はもともと「甘酸っぱい等身大のイチャラブ作品」として打ち出されたものでした。ところが、実際のシナリオで、とある幼馴染ヒロインが、ルートで主人公を手ひどく裏切る、という形をとります。そしてそのまま幼馴染ヒロインはグランドルートに至り、賛否両論を巻き起こすラストとなります。……ぜ、ぜんぜん核心を書けないぞネタバレダメになったら……。また、メインライターとして名前があがっている「新島夕」氏は、もともとシナリオで鬱展開をぶっこむライターとして有名で、「読み込んで予想しとけよ」と主張する向きもあり。

ともかく、この幼馴染ヒロインの「裏切り」をめぐって、多くのエロゲーマーが議論するところとなったのです。イチャラブとは? 恋愛物語の一途な真実性とは? 芸術と個人とは?

(残響)

 

*2 で、不自然な処女が出てきた時に、その不自然な処女自体に萎えるだけじゃなくて、外部の圧力というか、処占厨の人たちが騒いだからこんな無茶な設定になっちゃったのかなと。

僕はやはり作者が作りたいものを第一に作ってほしいし、作品世界に没入したいのに、そういうクレーマーの影響を感じてしまうみたいな。そういうのも凄く萎えてしまうんです(fee)

 

*3  逆に言えば、このレベルにまで行っている人じゃなければ、僕は処占厨だとは思いません。

単なる処占の方が好きな人であって、厨とまではいかない。それならば、全然個人の好みの範囲でいいと思います(fee)

 

 

本当はダーティーな*1『DRACU-RIOT!』(嘘)

 

 

残響「そういえば、ふと思いだしたんですけど、ゆずソフトで『DRACU-RIOT!』というゲームがあるんですけども知ってます?」

 

fee「名前だけ知ってます」

 

残響「その舞台設定というのが、カジノが合法化されているっていう街、という世界観なんですよ。なのに、今の話でいうところの、例えばなぜか風俗嬢とかは出てこないんです。なぜそこまで設定しておきながら出さなかったのかと」

 

fee「なんでそんな設定を入れたんですか?」

 

残響「まあアダルト設定を出したかった、といったところなんでしょう……」

 

fee「僕はゆずソフトは、*2『のーぶる★わーくす』を途中離脱した以外はプレイしていないので、印象でしか語れないんですが、ゆずソフトというブランドは、明るいキャラゲーばかりを作っている印象がありました。だから、【なんで風俗嬢を出さないんだ】という疑問もいいんですけど、【なんでその設定を入れたんだ】という、そっちの方が気になるかな」

 

残響「まあワルっぽくするというか」

 

fee「そんなダーティーな世界観の話なんですか?」

 

残響「いや雰囲気はダーティっぽいんですけど、やってることはそんなに……」

 

fee「ダーティーな世界観の作品だというのなら、僕の認識を改めないといけないんですが」

 

残響「別に全然ダーティではないですよw」

 

fee「今OHPに来たんですけど、いきなり【童貞捨てるつもりが、人間辞めてました】とか【脱童貞! それでも素人童貞です】とか書いてあって、しょっぱなから僕のやる気をそぐっていうか……」

 

残響「はっはっははははw」

 

fee「【彼の目的は童貞を卒業する事だった】、ってそんな話なんです?」

 

残響「まあそういうことで風俗合法化のとこにいくんです、で、そこでエッチなことに興味がある子と会うんですけど……その子は今まで性的経験はないw」

 

fee「ふんふん。まぁそういう娘はいるでしょうけど」

 

残響「なんでこういう設定にしたのかという。まあ萌えゲーで、なぜこういうことにしたのかという」

 

fee「吸血鬼の、カジノで働いてる娘は非処女でもいいですよね」

 

残響「そうなんですよね…って言っちゃうと、結構な萌えゲーマーからヘイトを食らっちゃいそうなんですけど……」

 

fee「別にヘイトは来ないと思いますよ。そのヘイトも来るとしたら僕の方に来るからw」

 

残響「いやいやいやw」

 

fee「未プレイなので、OHPのキャラクター紹介だけの印象でしか言えないんですが、たとえば稲叢莉音ちゃんと布良梓ちゃんは処女でいいと思うんです」

 

fee「<できるものならやってみなさい童貞坊や>とか言う処女は多分いないから……これは処女じゃないだろとは思ったかな」

 

残響「それは強がってるだけですw」

 

fee「そうだとは思うんですけど……。でも僕は非処女の方が嬉しい。非処女のお姉さんっぽい感じで。まぁ別に処女だったから怒ったりはしないけど、この設定なら僕なら*3 処女2人、非処女2人にするかな」

 

残響「そうした方が自然なんですよね。でもそれを萌えゲーのフォーマットに当てはめちゃったもんだから……」

 

fee「まぁ僕みたいなうるさ型のシナリオゲーマーが『DRACU-RIOT!』をやるかって言われたら、多分やらないから、萌えゲーのフォーマットに合わせるというのは、お客さんの需要にこたえるためにはいいかもしんないですけど……作品として、本当にそれでいいのかなぁっていう。作品としての質を下げて、お客さんに媚びているように見えて、あまり良い気持ちはしないです」

 

残響「ある意味、時たま、業界衰退論とかありますけど、硬直化しているのは事実なんですよね。こじらせた人たちの意見を聞きまくってるみたいな」

 

fee「実際どこまで聞いているのかは解らないんですけど、そう見えちゃうんですよね」

 

残響「実際、変なこじらせ設定みたいなのは増えましたね。増えたというか<え、そこで踏み込まないの?>みたいな」

 

 

*1 DRACU-RIOT!……通称「ドラクリ」……ってこう書くと、『ドラクリウス』はどうなるんですか!二番じゃいけないんですか!的なオタっぽい言い合いが始まるまでがワンセット。

海に浮かぶ、カジノ・風俗合法となった「アクアエデン」なる都市を舞台に、吸血鬼たちとバトルしたりラブしたりするゲーム。

「お、ではこの作品はアダルティなエロいゲームなのだな?」と期待された方々……うーん、そこのところね、そこのところなんですよ。

結局、萌えゲーメーカの雄・ゆずソフトですから、「冒険」が出来ない。処女……そう、このところを巡って、対談では議論というか、「それムリあるんじゃね?」の言い合いをしたのであります。(残響)

 

参考:エロゲ―批評空間の残響の長文感想

 

 

*2 のーぶる★わーくす……『天神乱漫』でスマッシュヒットをかまし、一躍萌えゲーメーカの中心に躍り出たゼロ年代中期のゆずソフト。そこからさらなる躍進を目指さんと、「セレブなお嬢様」をテーマに、シナリオもイチャラブもエロも全て「しっかりパワーアップ!」を成し遂げた、ゆずのなかでもファンの多い一作……なのですが。

ぼくは、どうもこの「影武者設定」って、好きになれないのです。騙すのが嫌い。「えっ、チミはひとに嘘をつけないオボコちゃんなのかい?」と言われそうですが、うーん、ちょっと違う。ぼくの場合、嘘をつくテクニックはあるのだけど、嘘を嘘と貫き通す剛胆なクソ度胸がないので、すごく「影武者設定」がいつバレるかバレるかドキドキ!っていうの、すごく心臓に悪い。そんな理由。(残響)

 

*3 処女2人、非処女2人……ゲームをプレイしていないのでOHPの情報だけで書きます。

 

処女1:布良梓。このビジュアルで非処女だったら違和感。普通に処女でしょ。

処女2:稲叢莉音。性的な知識が皆無なので。

非処女1:矢来美羽。吸血鬼だし、ビジュアルも台詞もなぁ。もっとも、紹介を見ると「赤面しながらの言葉責め」が萌えポイントらしいから、そうなると処女でも……いや、でもなぁということで、処女でもいいけど、非処女かな。

非処女2:エリナ。さすがにこの紹介で処女は詐欺。(fee)

 

 

第四夜に続く

 

エロゲ対談番外編作品クロスレビュー「ラブラブル」 第2回/全5回予定?

  • 2016.09.03 Saturday
  • 23:55

ラブラブル〜lover able〜2011.02.25発売予定!

 

 

 

 

残響「世間での評価で割と共通しているところといえば、千夏は残念ヒロインだということですね。最近、残念系ヒロインと呼ばれるヒロインが増えたと思うんです。見た目は正統派お嬢さまなのに中身は残念というか」

 

fee「まぁ大体わかります」

 

残響「メシがまずいぐらいはまぁ普通で、ペットボトルにおしっこをするとか。『オトメ*ドメイン』ってゲームなんですが」

 

fee「それは残念というか、ちょっと人格を疑うレベルなんですけれども……」

 

残響「……ぼくもぼくでちょっと毒されてきてるかな、最近のラディカルなエロゲ情勢に。まあ、『ラブラブル』に絡めて言えば、ちょっと人格を疑うレベルでの残念さというのは千夏にも言えるのではないでしょうか?」

 

fee「『ラブラブル』のヒロイン達がリアルにいて、僕に好意を持ってくれたら、千夏以外の四人なら僕は喜んで付き合うと思うんですけど……」

 

残響「おっと冷酷に戦力外発言だw 冷静に考えればおかしいですね、千夏って」

 

fee「千夏とは付き合いたくないです。他の四人とは付き合いたいけど。先にシナリオの話をしますと……シナリオ的にあまり語る事はないんですけど……。個別ルートの中で、一番何も起こらないのがさつきと千夏なんですよ」

 

残響「そうですね……えぇ、千夏はさつきほどすーっとはいかないかもだけど、かき乱すような事件は起こりませんね」

 

fee「終盤の山場に親が出てくるというのは、このゲームの多くのルートで見られる展開です。つぐみルートは違いますが……」

 

残響「つぐみルートは親じゃなくてかつての男関係でっていう」

 

fee「奈々子とさつきと千夏は少なくとも親絡みの話で、その中で奈々子シナリオだけが成功していると思います。さつきと千夏ははっきり言って、親が全然障害になっていません。だから、何も起こらないで終わったという印象しかありません。

千夏シナリオがさつきシナリオに比べて、良くもあり、ダメでもあるところは、さつきシナリオより長いことです」

 

残響「(笑)さつきより長いこと」

 

fee「さつきシナリオの短さなら、何も起こらなくても許せる」

 

残響「あぁ〜」

 

fee「千夏シナリオは……さつきシナリオより1.5倍ぐらいはボリュームがあると思うんですが……」

 

残響「あります、あります。というより、『ラブラブル』のシナリオの中では標準的な長さですね」

 

fee「なのに何も起こらないというのは、厳しい、です。短編ならいいかもしれないけれど、長編ならそれなりに読ませる中身がほしいです……」

 

fee「次に……僕が千夏を好きじゃないというのが一番大きいんでしょうけど……。千夏ルートで書かれている【恋愛】って……」

 

残響「はい」

 

fee「恋愛というよりも、おままごとかなって」

 

残響「うーん、うーん。それって端的に言って千夏全否定で……これもこれで【イチャラブ】なのですが……千夏的イチャラブという意味で。イチャラブのなかでも、バカに振りきったイチャラブ……まさに【バカップル】を見る楽しみ、っていうのもあって。しかし、直にそう言われて、確かに【おままごと】という指摘を決して否定はしきれない……のが困ったところ」

 

fee「たとえば、浮気ごっことかね」

 

残響「……あったなぁ」

 

 

2

 

 

fee「ここからは技術の巧拙ではなく、単に僕の好き嫌いの話になるんですが……僕が嫌いな幾つかのエロゲ展開のうち、千夏ルートは複数に該当してしまうんです。……ここから千夏を叩きますけど、千夏ファンの方に怒られそうだなぁ……」

 

残響「ここだけの話、【基本叩き】でも大丈夫じゃないかと思います。基本的に千夏というヒロインは、まずけなすところからスタートというか。けなしてから、<でも、そんなところがいいんじゃないか>と褒めるような、そんな珍味みたいなところがありますからね。だからけなさずに千夏を語ることって相当難しいです。千夏どころか、心無い人は<せんなつ>さんとか言ったりしますからね」

 

fee「千夏ルートが嫌いな理由を大雑把に言うと、\蕾討伴膺邑が愛し合っているように見えない。これが、僕が【おままごと】だと言っているところです。1に関連しますが、他人を巻き込みすぎ、迷惑をかけすぎ。主人公がえらく頑張っていて見ていて疲れる」

 

残響「主人公が頑張っているのは、普通、プラス評価にする人のほうが多いと思うんですが……。ほら、よく【無味乾燥】な主人公っているじゃないですか。完全空気な。とくに何もしない。それに比べればよほど筋はいいんじゃないかと」

 

fee「いや僕は【無味乾燥】な主人公の方がいいなぁ……とりあえず、その辺も説明しないといけないところですね。ただ、なぜ嫌いなのかを丁寧に説明すればするほど、千夏をフルボッコにしているように見えてしまうというw しかも、説明しても解ってもらえるともあまり思えないし……僕が偏屈なだけなんじゃ?というw

 

残響「まぁそれは……そこのところはよく訊いてみないとわかりませんが。ええい、もうここまで来たら、全部仰ってくださいw どっちみちfeeさんの基本スタンスはここまでで明らかになってるんですからw!」

 

fee「順を追って、まずは,らなんですけど……千夏ルートには焼きもちを焼かせるためにあえて怪しい行動をとるシーンがあったり、もっと酷いのになると、自分が焼きもちを焼きたいからというワケのわからない理由で、妹の美冬を主人公とデートさせるシーンがあったりしますよね」

 

残響「ありますねぇ。喫茶ジェラシー」

 

fee「元々僕は焼きもちを焼かれること自体があまり好きじゃなくて、窮屈に感じちゃうんです。まぁ、少し口を尖らせるぐらいならかわいいなぁって思うんですが、いやみを言われたり、ジト目で睨まれたりすると、<別に少しぐらい他の女の子と仲良く話したっていいじゃん。鬱陶しいなぁ>って思っちゃうんですよね……」

 

残響「鬱陶しいなぁってw まあここは個人の趣味ですが、一応イチャラブ古典様式美ではありますので……。もっと言えば、萌えゲーにおける女の子多数状況で、よく起こりうることでもありますし……」

 

fee「一度ぐらいは全然我慢するんですが、この手のゲームの焼きもち芸って、繰り返しが基本じゃないですか。焼きもちヒロインの焼きもちが一シーンだけ描かれる、なんてことはまずないんで。五回も六回も焼きもちを焼くシーンが出ると、またかよと思って苛々するんです」

 

残響「まぁそういう面はありますよね。随所に積極的に入れていく【ギャグ】のノリを、イチャラブでも持ってきている」

 

fee「通常の焼きもちヒロインでもこの有様なんですが、千夏は順風満帆なところに、わざわざ妹を使って波風を立てたりするわけです。主人公は千夏に言われたから妹とデートしたのに、千夏に尾行されて焼きもちを焼かれる。どんな罰ゲームだよって思いました。こんなくだらない遊びに付き合わされる主人公もですが、妹の美冬もかわいそうですよ。本当に千夏って女は自分勝手な奴だなぁと思う一方で、本当に恋人の事が好きなのかなぁという疑問もありました」

 

残響「おままごとと言われましたけど、いわゆる少女漫画的なというよりは、レディコミ的な恋愛像に、自分を当てはめてうっとり、みたいなところはありますね」

 

fee「千夏が、ですね」

 

残響「千夏がです。主人公がじゃなくて」

 

fee「恋愛っていうのは相手があってのものだと思うんです。千夏みたいに、全部自分のスタイル、自分の理想に合わせろ、みたいな態度を取る人は現実にもいるでしょうけど、僕はこれは恋愛というよりは自己愛ではないかと思います。相手の事を全然見ていない。というわけでこれが,痢∪蕾討伴膺邑が愛し合っているように見えない、の説明になります。ちなみに千夏とは関係ありませんが、まずい飯を無理やり食わせるヒロインとかも同じ理由で嫌いです。相手の気持ちよりも自分優先という。どこでそんな思い込みをしてしまったのかは知りませんが、女が料理をして男を喜ばせないといけないなんて決まりはどこにもないんで、安易な恋愛ステロタイプに乗っかろうとしないで、もっと相手が喜ぶような事を考えて頑張ってほしいですね」

 

残響「あのー、既に割と叩いたように思うんですが、まだ△皚もあるんですかいw」

 

fee「はい。次に、『妹の美冬がかわいそう』に関連した部分ですが。個人的に、恋愛は11の付き合いが好き……というか部外者を巻き込むのって好きじゃないんですよ」

 

残響「基本的にはぼくも同じかな。それはぼくの場合、カプ観測という意味合いだから、feeさんとはちょい違うかもですが。それと、部外者を巻き込むのの比率にもよりますが」

 

fee「周囲が祝福してくれたとかそういうのはいいし、三角関係とかも別にいいんですが。応援するぐらいはいいとして、周囲が無理やり主人公とヒロインをくっつけようとしたり、逆に引き離そうとしたりする展開は嫌いです。この辺は周囲の方から勝手に干渉してくるパターンなので、『ラブラブル』のケースとは少し違うんですが」

 

残響「そうですね。奈々子さんルートの親は、主人公とヒロインを引き離そうとはしていますけど……」

 

fee「それはまぁ、ラスボスだから……。ラスボスがウザいのはまぁ、ある程度は許容範囲と言いますか。そういうのではなく、友人キャラとか他ヒロインとか、ヘイトが向かっちゃいけない相手をヘイトしてしまうパターンが嫌なんですよ」

 

残響「確かに悪役にヘイトが向かうのはまだしも、ヒロインにヘイトが向かってしまったらどうしょうもないですなぁ……萌えゲー、イチャラブゲーの根幹要因が全否定や……というか、ヒロインにヘイトを集めるような萌えゲーって、ほんと何してるんでしょうね。意味がないですよ、この世に存在している意味がっ!(暴言)

 

fee「『ラブラブル』の場合は、主人公とヒロインのどーでもいいお遊びに、周囲が巻き込まれるパターンですね。たとえば前述した美冬とか。あるいは……これは千夏ルートだったかな? 焼きもちを焼かせたいという理由で、他ヒロインに色目を使って、本命ヒロインが焼きもちを焼くというシーンがあったと思いますが、あぁいうのもあまり好きではないですね」

 

残響「たぶん、千夏ルートにもあったような気がします。どこ、とは指定できないのですが……共通千夏パートでもあったかなぁ……あってもおかしくないな」

 

fee「他のルートにも多分あったと思うので、ちょっと記憶が混乱していますけど……。まぁとにかく、何だろう。現実でもいるじゃないですか。本命の彼をやきもきさせるために、わざと他の男を当て馬にするような女とか。当て馬にされた男からすれば、ほんといい迷惑ですよ。これも同じで、焼きもちを焼くところが見たいという理由で、色目を使われる他ヒロインとか、ほんととばっちりもいいところというか」

 

残響「現実はクソゲーだ!w おお、まさかぼくがこの台詞を実際に対談で使用するとは。まぁ、ゲームに戻しますが、修羅場に発展するわけじゃないからいいじゃないですかw」

 

fee「これで修羅場に発展でもしたら、ほんと土下座モノですけど……。リアルで同じことをやったら相当ギスギスした空気が漂うと思いますね……。三角関係の末の修羅場は大好物ですが、こんなどーでもいい浮気ごっこの末の修羅場なんて話にならないです」

 

残響「うーん……そこはこう、【決して修羅場に発展しない安心感】とでもいう、『ラブラブル』クオリティというか……ああ、そこがfeeさんからしたら【おままごと】ですか」

 

fee「修羅場に発展しなかったとしても、めんどくせー奴らだな、勝手にやってろよ、ぐらいは思われても仕方ないというか。まぁ僕が他ヒロインの立場なら間違いなく、思うでしょうね」

 

 

3

 

 

残響「バカップルってのはそんなもんじゃないですか? と、一応イチャラブ側の人間から提示してみます。先にも言いましたが、イチャラブもののひとつの基本パターン、古典様式美の全否定なので……w だって、ひどいことを今から言いますが、カップルが【バカ】化して【バカップル】なわけですよ。世間の常識的バランス感覚から逸脱してこその【バカップル】であり、イチャラブであるわけですよ。まともなヒロインであったとしても、バカにならなくては! 恋の熱に頭がヤラれなくては! だから、大小は逸脱要素を含んでないと、やっぱりイチャラブ爆発の愉悦はありませんな(しめやかに、静かに、密やかにラブる場合もありますが、しかし『ラブラブル』にそれを求めてはアカンでしょう)」

 

fee「周囲の目を気にせずイチャつくバカップルは別にいいんですけど、周囲を利用してイチャつくバカップルはダメだなぁ……」

 

残響「なるほど。あくまで他人を巻き込むのがダメと」

 

fee「そうですね。次のですが……千夏ルートの主人公はなんだか妙に格好つけているのが鼻につきました。他のルートでは感じなかったんですけど。千夏をエスコートするといえばいいのかなぁ」

 

残響「千夏ルートのメインテーマだとぼくが思っているのが……これはメーカー側も若干言っているんですけど、いわゆる萌えゲーのメインヒロイン像っていうのがあるじゃないですか。それをぶっ壊すみたいな」

 

fee「ふんふん」

 

残響「要するにぶっ壊すというところに意味があって。ぶっ壊す勢いがいいんだ、その勢いであぁなっちゃったんだみたいな。千夏のキャラクターデザインはセンターヒロインっぽいじゃないですか」

 

fee「そうですね」

 

残響「そこからいかに残念方向にズラしていくかというか。極端に言えば、千夏ってイロモノヒロインなんですよ」

 

fee「まぁ、そうっすねぇ……」

 

残響「この中で一番ギャルっぽいのが千夏なんですよね」

 

fee「まぁ、そうかも……妹の花穂もギャルっぽいと思うけれども」

 

残響「まぁそうなんですけど。ある意味千夏が一応の代表的なルート、表のメインルートだとしたら、グランドルートが花穂、その次がつぐみみたいな。ぼくはそのように受け取ったんですね。千夏に力を入れているように見せかけて、実は花穂に力を入れていた、みたいな」

 

fee「うーん……わかるんですけど……。丸戸さんというライターが大昔に『ショコラ』とか『パルフェ』あたりで、もうそれはやっていて。

(『ショコラ』では表ヒロインが真名井美里で裏ヒロインで一番力を入れているのが秋島香奈子、『パルフェ』では表ヒロインが風美由飛と裏ヒロインが夏海里伽子)これは割と有名な話で、そう真新しいことでもないと思うんです」

 

fee「千夏は確かに残響さんの仰るとおり、メインヒロインっぽいイラストだとは思うけど、千夏に力を入れているんじゃないかとは、僕は最初から思いもしなかったし、実際力は入っていないと思います。これは誰がどう見てもそうだけど、花穂に一極集中していて」

 

残響「確かに誰が見たってそうですね。花穂に集中している」

 

fee「で、一番手を抜かれちゃったのがさつきちゃんね」

 

残響「はい、そうですねw」

 

fee「千夏は……この調子で叩き続けてもしょうがないかなぁ……」

 

残響「なにしろ2点ですからねぇ。でもぼくはそのイロモノ性が嫌いじゃないんですよね」

 

fee「僕は苛々します」

 

残響「苛々しますかw」

 

fee「苛々する。こう言っちゃなんだけど、普通のシリアスシナリオを読むよりもよっぽど辛いですよ」

 

残響「はははは、そんなにw」

 

fee「好きでもない人のおままごとにずっと付き合わされるんですよ?」

 

残響「『同棲ラブラブル』というファンディスクでは、千夏はどうしょうもないことをするんですね。自分とハル君とのラブラブ度合いをブログに書くんです」

 

fee「まぁいいんじゃないですか?」

 

残響「その理由というのがなかなか凄いものでして、自分の子供が、いつかこのブログを見て、ああ自分のパパとママは本当に幸せだったんだな、と思って欲しい、とかって言うんですね」

 

fee「それはこじつけの理由で、自分が書きたいだけでしょ。まぁ別にいいですけど」

 

残響「半分は言い訳なんですけどね。ただ半分は千夏的天然マジ。その辺の、<この人、その場のノリだけで生きてんなー>みたいなところが、段々と安心のクオリティみたいになってきて」

 

fee「……以前、イチャラブゲーは、シナリオゲーよりも心の負担が大きいという話をした(*第四夜あたりで公開します)んですけど、たとえば千夏もそれに当てはまるんですよね」

 

残響「もう全否定がどうしようもない……」

 

fee「別にこれは千夏に限った話ではなくて、たいていのゲームって、一人ぐらいは気に入らないヒロインがいるんですよ」

 

残響「はい。それは仕方ないですね」

 

fee「僕は全員クリアしたい人なので、そうすると気に入らないヒロインのルートを読むことになる。気に入らないヒロインルートを読んでいる時って、鬱ゲーをプレイしているのと同じぐらい辛いです。シナリオゲーなら、まだドラマが起こるぶんそちらの興味で読んでいけますが、イチャラブゲーだとそうもいかないし」

 

残響「ははははw それって単純に楽しくないってことですよね」

 

fee「楽しくないどころか、苛々します。落ち込みはしないかもしれないけど……ある意味、せっかくの貴重な自由時間に、何で俺こんなルートを読んでいるんだろう?っていう意味では落ち込むw」

 

残響「でもそれほどキャラに入れ込むって事は、feeさん実はイチャラブゲーマーの素質があるんじゃないでしょうか」

 

fee「そうなんですかね? そう言えば言い忘れていたんですが、千夏のルートって、主人公が妙に頑張っていた感じがあって」

 

残響「うーん。塩梅の問題なのかな。頑張らないよりはよほど筋がいい、とはさっきも言いましたが」

 

fee「で、僕、主人公がイチャラブ的な意味で頑張るのは好きじゃないんですよ。イチャラブ的なって、ちょっとおかしいな。ドラマ上、盛り上がる場面で主人公が頑張るのは好きなんですが、日常的なシーンで妙に頑張るのは、好きじゃないんですよ」

 

残響「はぁ……そこちょっとわからないので、詳しくお願いします」

 

fee「エロゲから少し離れて、すごくしょうもない僕の恋愛観を話すんですが。

男が惚れた女のために、頑張ることってあるじゃないですか。本当は辛いのに妙に頑張る、みたいな。最初に格好つけたら、相手の女性だって<そういう(素敵な)人なんだ>って思うでしょ。男性が自分で勝手にハードルを上げて、それでその後で素の自分を見せると、<こんなはずじゃなかった>とか、<釣った魚に餌をやらない>とか言われちゃってね」

 

残響「はははww」

 

fee「まぁ、自分を少しでも良く見せたいという気持ちは解るんで、それはまだいいんですけど。それが男らしいとか、男はそうするもんだとか思っている人はちょっと始末に負えないかなって思っています。そうすることで男性が負担を背負いまくるのが当たり前だと思うような、勘違い女まで生み出してしまう。負担を背負いこんでまで好かれたい気持ちも解るは解るんですが、マゾじゃないならそんなに頑張るなよ、って思っちゃうわけなんですよ。まぁリアルの恋愛沙汰は各々の勝手なので、負担を背負いこむ男性に対して僕が口を挟むのもおかしな話なんですが、聞いていてあまり気分の良いものではないですし、エロゲにおいてもそれは同じです。そういう悪い意味での肩の力の入り方を、『ラブラブル』の千夏ルートの主人公にも感じたんです。千夏ルート以外では感じなかった」

 

残響「ふんふん……なるほど。上手く言えないんですが、マッチョ的というか、【俺は男だ、頼りがい! 女は貞淑!】的なのが【義務】な世界観がイヤー! というなら、ぼくも賛同します。そこは

 

fee「まさにそうです。で、イチャラブゲーではたまにそういう主人公を見るんですね。その度に僕は苛々しちゃうんで……辛いんですよ。『ラブラブル』の話をするなら、なんで千夏ルートだけ主人公はこんなに頑張っちゃったんだ? という感じで辛かったですね」

 

残響「そうご覧になられましたか」

 

fee「学生の恋愛で、舞い上がって頑張っちゃうというのは、ある意味気持ちはわかるから、物語的に不自然だとかそういうことは思わないんですが、とにかく読んでいて苛々しましたw しかも僕、千夏自体が好きじゃないから、<なんで好きでもない千夏相手に、主人公はこんなに頑張ってるんだよw>って、二重の意味で辛かった」

 

残響「千夏が好きじゃないって、feeさんその台詞何回目ですかw」

 

fee「残響さん大丈夫ですか? 千夏に7点つけてますけど……」

 

残響「大丈夫ですけど、feeさんのこれは一番最初に言った憎しみのレベルに入っているのではないかと……」

 

fee「どうですかねぇ。このレベルで嫌いなヒロインなんていくらでもいますよ……いやぁ、しかしごめんなさい。僕、全国の千夏ファンに謝った方がいいのかな。とりあえず残響さんには謝ります、ごめんなさい」

 

残響「はははw」

 

fee「逆に言うと、他のヒロインの時はこんなに叩きませんからw」

 

 

4

 

 

fee「千夏というかイチャラブゲーの話なんですけど、イチャラブゲーってどうしても日常のデートシーンが多くて」

 

残響「最高じゃないですか」

 

fee「日常のデートシーンが多いと、主人公が無理に頑張っちゃってるシーンとかも多くて、それで苛々しちゃうから辛いんですよ」

 

残響「無理にかぁ。多少頑張るのはいいけど、あまりにも無理にだと……女の子とのデートを楽しんでないんじゃないか、ってぐらいに頑張っちゃっていたりすると、それはちょっとやりすぎかなと。塩梅というものがありますからね……っていうかぼく、塩梅って言葉使いすぎだな。俺の日和見主義!」

 

fee「恋の始まりは脳内麻薬が出ているから、<彼女の幸せのために俺は頑張ってるんだ!>みたいな感じで辛さを感じなかったりするんですが。我に返る瞬間というのが3か月か4カ月してればあってw 俺、こいつと付き合い続ける限り、ずっとこんなに重い負担を背負わなきゃいけないのかな……っていう……」

 

残響「イチャラブゲーで、プレイヤーがリアルに我に返るシーンは入れちゃいけませんよ、やっぱ」

 

fee「だから、イチャラブゲーでも主人公にそんなに頑張ってほしくないんですよw それに、男性に頑張らせる女性っていうのもろくなもんじゃないです。優しいヒロインなら、<主人公くん、そんなに頑張らなくてもいいよ>って言ってくれるはずですよ。負担を分担してくれようとするはずだと思ってます。で、主人公くんもそれに甘えちゃえよって思うの。それでこそ、お互いを想いあうカップルでしょって思うから」

 

残響「なるほど。何回も言いますが、【無味感想】系、特に何もしない系主人公、に対するカウンター、としての意味合いがあって、と思うのがぼくではありますが

 

fee「いやぁ、下手に動いて悪い味がつくくらいなら【無味乾燥】でいいです……。だから、この千夏ルートみたいに主人公くんが一人で頑張っちゃってて、<これが男のプライドだ!>みたいなのは僕の価値観とは相いれないというか、痛々しい感じがして。それは無味乾燥よりもダメというか、悪い味がついているというか。ヒロインが<主人公くん、格好いいわ>なんて言っているのを見ながら、プレイヤーである僕は、<こんなに頑張ってたら長くはもたないぞ>と思って見ている。言ってはなんですが、たいていのエロゲのように美人な恋人を複数選べる位置にいたら、普通は負担のかかりすぎる娘は敬遠しますよね」

 

残響「ふむ……(マゾい人はどうなんだろうw)」

 

fee「たまには背伸びするのもいいけれど、もっと肩の力抜きましょ? お互い学生で同じバイトしてるのに、男が<奢るよ>も何もないでしょ。奢るよと言われて夏祭りの屋台で食べまくるヒロインを他ゲーで見た事もありますけど、図々しいにもほどがあるというか……。主人公が教師でヒロインが教え子の学生とかなら違和感は少ないし、ヒロインに恩があってお礼に今回は奢るとかなら解りますけど、それでもこれをチャンスとばかりに食べまくるとかはちょっと、ない。いきなり服をプレゼントするのも……まぁそれはゲームシステム上面白いんでいいかなって思いましたけど」

 

残響「いいんだw まあ主人公に服を贈られても、確かにシステム上+ぼくらの心理上、ちーとも嬉しくないですからね(でも確か花穂がお兄ちゃんの服を選ぶとかいうシーンがあったような気も)。そんで、図々しい。うん、これはいけない。断固としていけない! やはりつつしみという美徳が必要ですよ。なんか保守派っぽい発言でアレですが

 

fee「Hシーンで着てくれる服を選んだと思う事で、まぁ。でもそんなに頑張らなくていいから、とは思いますね、正直。『ラブラブル』から少し外れますけど、デートは男が毎回プランを立てるのが当たり前みたいな事を平気で言う女とか、自分の買い物に付き合わせ、私物を延々主人公に荷物持ちさせて自分は袋の1つも持たない女とか、その手のネタは嫌いなんですよね。リアルでは幸い、僕はそこまで酷い人に当たったことがないんですが、エロゲヒロインではたまに……さすがにしょっちゅうは見ないけど、何回かは見ました。ちょっとズレるけど、主人公とヒロインが喧嘩すると、何故か部外者がろくに事情も聞かずに主人公を悪者判定したりするのも嫌ですねぇ」

 

残響「ちょっと違うかもしれませんが、大昔に理不尽暴力ヒロインってのもいましたね」

 

fee「いましたね……最近はいないんですか?」

 

残響「なんでか減ったような気がします。まあ減ってくれて嬉しいんですけど」

 

fee「何がウケたんでしょうね、ほんとに。まぁとにかく、<さすが主人公くん! 素敵!>って声援を飛ばすだけで、奢ってくれてプラン立ててくれて荷物持ってくれる人がいたら、そりゃ確かに便利ではありますけどね。そんな感じで、主人公がいいように使われてるなぁって感じるエロゲが結構あって。そういう女から抜け出す物語だっていうんならわかるんですが、そういう女と結ばれてハッピーエンド!と言われちゃうと……。そりゃ、僕と価値観が違う主人公やヒロインが出てくるのは仕方ないっちゃ仕方ないので、そういうのを作るなとは言いませんが……。まぁ、逆にヒロインを散々痴漢したり陵辱するゲームもあるし、バランスは取れてるのかな?」

 

残響「ただあの、イチャラブゲーって大体ハイテンションなんですよね。……単に僕がハイテンションなイチャラブゲーが好きなだけかもしれませんけれど。ルートに入ったり、告白して以降、やたらハイテンションなゲームっていうのが多いので」

 

fee「ハイテンションな事については、花穂のところでお話したいと思います」

 

残響「はい」

 

 

 

 

fee「花穂ルートの主人公は多少辛いところもあったんですけど、千夏ルートの主人公とはまた別種の辛さですね。話は変わりますけど、妹の美冬ちゃんの方がかわいくなかったですか?」

 

残響「美冬ちゃんの方がですか? いや、ぼくは千夏の方がかわいいです。かなり差があります」

 

fee「僕は美冬は、キャラ点数をつけるとするなら5.5ぐらい」

 

残響「ほぉ……じゃあ千夏以外のメインには劣るけれども、いいところはいっているみたいな」

 

fee「うん……少なくとも千夏よりは高いっすね」

 

残響「はっはっは、大体のキャラは千夏よりは高いじゃないですか。feeさん2点つけてるんですもん」

 

fee「そうだけど……だから美冬を攻略させてくれよ、って」

 

残響「美冬は嫌いじゃないんですけどね」

 

fee「僕は、かわいい女の子キャラは全員攻略させろよみたいな無茶な事を言う人は好きじゃないんですけど」

 

残響「ぼくも好きじゃないな。それはそれでひとつの乱暴なラディカリズムだと思う」

 

fee「主人公を恋愛相手として見ていない女の子キャラはいいんですけど、主人公の事を恋愛対象に観ている子については、ルートに入れたらいいのになって思う事があって」

 

残響「えぇ」

 

fee「で、僕にとって美冬は千夏よりもかわいかったから、クリアできたら良かったのにって。怒る人はいるかもしれないけど、3Pがあっても良かったし」

 

残響「うーん、それか」

 

fee「お姉ちゃんとのレズプレイが……うーん、作品のコンセプトを考えればそれはないだろうなぁと思いつつ、僕は抜きゲー的な興味で買ったから、あったらいいのになぁとか」

 

残響「ははは」

 

fee「ちなみにお姉ちゃんとのレズだったら、妹の美冬が受けですね」

 

残響「受けですか。ま、まぁそうですね。『ラブラブル』で百合か。考えたことなかったな。そういう見方もあったか」

 

fee「僕は姉妹とか見ると、無条件で百合とか考えますからね」

 

残響「おぉ、すごい……。百合者としてそこは素直に賞賛ですよ。逆に男らしいとすら見える。でも、千夏は不思議なヒロインだとは思うんですよね。残念系と先程も言いましたけど……」

 

fee「『ラブラブル』の頃は新しかったのかもしれないけど、残念系ヒロインって僕は割とちょくちょく見るから……」

 

残響「この頃は新しかったんでしょうね」

 

fee「むしろありきたりだろ!というのは、発売された年代を考えれば批判としては不当だとは思うけど……」

 

 

次回予告

 

 

fee「千夏はこれぐらいですか?」

 

残響「そうですね。次は誰でいきましょう」

 

fee「花穂は残した方がいいだろうし……」

 

残響「花穂は残さざるをえませんね」

 

fee「僕は、奈々子さんと花穂とつぐみはそんなに差はないんだよなぁ……」

 

残響「マジっすか」

 

fee「一番力が入っていたと思うのは花穂で、一番キャラ的に好きなのはつぐみで、一番シナリオが良いと思ったのは奈々子です。どこから行ってもいいけれど……じゃあつぐみいきますか?」

 

残響「つぐみいきますか」

 

fee「なんか今回は僕のせいでえらくギスギスした回になっちゃいましたけど、次回はかわいいつぐみちゃんの回なので、僕は萌え豚になります」

 

残響「萌え豚てw」

 

 

つぐみ・奈々子編に続く

エロゲ対談番外編 作品クロスレビュー「ラブラブル」 第1回/全5回予定(?)

  • 2016.07.24 Sunday
  • 17:08

*現在連続公開中の対談とは別連載で恐縮なのですが、

SMEEより発売された「ラブラブル〜lover able〜」という作品について、2016年7月、feeと残響が対談クロスレビューを行いました。

肩の力を抜いて、お読みいただけると幸いです。

とはいえ、1ヒロインあたりおよそ30分、全5ヒロインで2時間半にわたる対談記事ですので、こちらも数回(さつき1回、千夏1回、つぐみ&奈々子1回、花穂で2回予定)に分けてお送りする予定です。

 

記事の性格上「ラブラブル」のネタバレを大いに含みますので、ご注意ください。

 

 

対談本編に入る前にまず、お互いが書いてきた、ヒロイン別の評価はこちらです。
 *批評空間での『ラブラブル』全体の点数は、feeが68点、残響が95点をつけております。
 *残響は『ラブラブル』、『同棲ラブラブル』(こちらも95点)をプレイ済。feeは『ラブラブル』のみのプレイです。

ラブラブル〜lover able〜2011.02.25発売予定!

 

 

1

 

fee「対談を始める前に、一つ言わずもがなのことを言いますと……僕、『ラブラブル』に68点をつけているんですが……」

 

残響「はい」

 

fee「残響さん、『ラブラブル』に95点つけてるじゃないですかw」

 

残響「そうなんですよねぇ」

 

fee「大丈夫なんですか? 心が傷つけられるとか……」

 

残響「このゲームは基本的にどこまでいってもキャラじゃないですか。憎くて憎くてたまらないキャラがいるとかだったら、話が成り立たないと思うんですよ。でもそこまででもないでしょ?」

 

fee「憎くてたまらないってw ……一応、気に入らないヒロインは一人いますよ?」

 

残響「あぁ、喫茶ジェラシー……」

 

fee「ま、まぁ憎くてたまらないってほどでもないので、多分大丈夫だと思いますw」

 

fee「とりあえず、まず事前に書いてきたヒロイン別のシナリオ評価、キャラ評価を見せ合いますか。じゃあ僕から……」

 

fee「こんな感じですね」

 

残響「そんなに千夏嫌いですかw」

 

fee「いやいや、大体どんなゲームにもムカつくヒロインっていうのは一人ぐらいはいるので。オールタイムワースト級のヒロインとかそういうんじゃないですよw」

 

残響「なるほど。……千夏は面倒くさいですからね」

 

fee「千夏の話を始めちゃっていいんですか? まず残響さんの点数も見せてもらわないと。で、話しやすそうなヒロインから行きましょうよ」

 

残響「そうでしたそうでした」

 

fee「(表を見ながら)結構面白い感じになってるかなー」

 

残響「うーん、確かにw」

 

fee「一番、二人の評価に差がないのはさつきかな?」

 

残響「そうですね、概ね」

 

fee「さつきがあまり変わらなくてー」

 

残響「変わらなさ度合いで言うならつぐみも変わりません」

 

fee「つぐみも変わらないっすね。意外だなぁ」

 

残響「feeさんが奈々子さんシナリオを一番上位に持ってくるっていうのは予想はできました」

 

fee「ちょっと残響さん、奈々子さんの評価が低いじゃないですかー、年上はダメなんですか?」

 

残響「いや、そんなことはない。そうじゃなきゃ、Twitterで姉属性持ちとは言っていない」

 

fee「うーん、どのヒロインから行こうかな。花穂は点数はずれてるけど、評価自体は大体似てないですか? 僕もこの5ヒロインの中ではそこそこ高い評価だし」

 

残響「ですね」

 

fee「千夏は単に僕の好みじゃないってだけだからなぁ……どこから行きますか?」

 

残響「意見の対立が見られないところから行きましょうか」

 

fee「対立が見られないところからだと……さつき?」

 

残響「そうですね」

 

 

2

 

fee「さつきはまず……シナリオの話をさせていただくと……いくらなんでも短すぎたな!」

 

残響「それは擁護できないw 確かさつきってそもそも攻略ヒロインじゃなかったんですよね

 

fee「え、そうなんですか?」

 

残響「元々はサブヒロインに割と近い感じというか」

 

fee「まぁサブヒロインから急遽昇格させたなら、あのボリュームでも仕方ないかなぁと思わなくもない……元々おまけヒロインなら」

 

残響「元々おまけとはいえ、さつきは一応メインヒロインの形で出たわけじゃないですか。メインヒロインとして出た以上……この短さはやはり擁護できません」

 

fee「ルートが短いというのはあまり良いことではないですが、最悪なわけでもないんですが……」

 

残響「間違ったことはしていないですよね、シナリオの中で」

 

fee「何が間違ったことなのかの基準が共有されているかどうかも怪しいですけど……」

 

残響「ぼくのシナリオの低評価の基準はクソシリアスですから……水差されですから……(この話は本対談の方の三夜か四夜で公開する予定です)」

 

fee「僕は、さつきシナリオには、シリアスを入れてほしかった」

 

残響「なるほど」

 

fee「流星君っていう友人キャラがいて

 

残響「はい、そうなんですよ」

 

fee「さつきは、この友人キャラと関わりがあるような描写があって」

 

残響「そこはぼくも同意でして、なぜ流星をもっと活かさなかったのか。かなり活かしているとは思うんですけど、それでももっともっと活かせられるはずだろうみたいなところがありまして。そこのところはぼくも同意です」

 

fee「お、意外ですね。ここは同意じゃないのかと思ってた」

 

残響「完全な処女厨の人だったら<流星は動かすな>とか言いそうですけど……。この作品のというか、このメーカーの男キャラは面白いんですよ。だからぼくはガンガン動かしてほしい。もっと動かせるだろう、みたいなのはありましたね」

 

fee「流星って教室で割と孤立しているというか、あまり学校に馴染んでないじゃないですか」

 

残響「そうですね」

 

fee「でもバイトだと多少馴染んでいる」

 

残響「ええ」

 

fee「で、さつきも教室ではあんまり馴染んでなくて」

 

残響「割とではありますけどね」

 

fee「いじめとかそういうのはないけど。さつきはともかく流星君は、ちょっと居心地悪さを感じる程度には浮いてるでしょ?」

 

残響「最も居心地悪そうにしているのは、なれなれしく絡んでくる主人公に対してだとは思いますけどね」

 

fee「それは別の意味でねw」

 

残響「でもよくわからないところがあって、さつきと流星がなんか繋がりがあるっぽいんですけど、全然その辺の描写がされないんですよね」

 

fee「そうなの。これは僕の妄想ですけど、流星君はさつきに片思いしていて。さつきの悪口を言った奴をしめちゃったりして、それが原因でみんなに恐れられていて。悪い奴じゃないのに孤立しちゃった。それをさつきは知っている。さつきは教室の中でただ一人<流星はそんなに悪い奴じゃないよ>みたいなことを言ってるし……」

 

残響「ですよね、ありましたよね」

 

fee「流星君から、<今まで俺がさつきを守ってきたけど、お前になら任せられる>みたいなエールを送られた主人公がさつきと結ばれ、流星君も教室に溶け込めるようになる。みたいな感じで、物語の準主役的に流星君を絡めてほしかったです」

 

fee「なので、さつきシナリオではもう少し流星君とさつきの関係性とか、なぜ学校で浮いちゃったのかを含めた、流星君自身の物語が欲しかったと思っています」

 

残響「なんかあっても良かったんですよね」

 

fee「これじゃ結局、流星君というキャラクターの存在意義自体があまり感じられませんし」

 

残響「あ、それ言っちゃいますか。これはなかなか指摘されないところなんですけど、僕も同意なんですよ。だからこそもっともっと動かしてもいいって言ってるんですけど。

『ラブラブル』のファンコミュニティなどでは全然そういう指摘はされないんですよ。むしろこれでも動かしてる方だ、みたいな」

 

fee「うーん……<主人公以外の男キャラがあまり格好良くない方が良い>みたいなことを言う人もたまにいて」

 

残響「まぁこのゲームはその典型例みたいなものですけどね」

 

fee「いや、流星君は結構かっこいいよ?」

 

残響「そうですね」

 

fee「店長はどうでもいいけど…」

 

残響「前作の『らぶでれーしょん』で、二人の友達キャラが凄く良かったんですね。チャラくていい奴だけどどうしょうもない友人キャラと、怖い顔だけど優しくて純でヘタレな友人キャラ

その二人のどちらでもない方向でキャラを作った結果、カッコよくてミステリアスだけど存在感がない、みたいなキャラになっちゃったのかなと。落としどころが難しいんですよね」

 

fee「流星君を絡めるとしたらさつきルートが最適だし、さつきルート自体も言っちゃなんだけど何も起こらない上に短いし。さつきルートに流星君をからめれば、ボリュームもまぁまぁの長さになって、ストーリー自体もまぁまぁの話ができたはずなんだけど。なぜやらなかったのか……」

 

残響「しかしちょっと待ってください、我々はさつきの話をしていたはずなのに流星君の話ばかりしてますよw」

 

fee「あはははは、僕もそれちょっと思ったwww」

 

残響「じゃあキャラの話をしましょうか。さつきの両親がファンディスクに出てくるんですけど……ファンディスクで一番救済されているのがさつきでして」

 

fee「まぁ本編の扱いがあんまりだったからな……」

 

残響「ファンディスクではちょっとボリュームも増えました」

 

fee「さつきって結構人気あるでしょ?」

 

残響「ありますよ」

 

fee「人気あるのに本編があれじゃ、なおさら不憫ですよ」

 

残響「ファンディスクになるにあたって声優さんが変わっちゃいまして。ぼくはあまり気にしないんですけど、声優にこだわる人にとっては<頑張ってるけどやっぱダメだ>みたいな」

 

fee「<頑張ってるけどやっぱダメだ>というのは、まぁとかく荒れがちな話題の反応にしては割と穏当な……」

 

残響「そうなんですよね。キャラの印象に差がなかったという意見がかなり多かったです」

 

fee「まぁ声優さんの話は難しいからなぁ。僕も、大好きなキャラだったらそういうこだわりを持っちゃうかもしれないし、そうでもないならば別にどうでもいいっていう」

 

残響「イチャラブゲーマーでは珍しいんですけど、ぼくも声優にはこだわりはない方です」

 

fee「僕もあんまりないなぁ」

 

残響「複数ライター間の、テキストの微妙なニュアンスの差みたいな方が気になりますね」

 

fee「僕はファンディスクをやってないから、声優さんの変更については何とも言えないところがありますね」

 

3

 

fee「キャラの話をしますと、さつきはかわいいですよねー」

 

残響「アクティブなかわいさというわけではないんですけど、完全なダウナーというわけでもない。完全に不思議ちゃんというわけでもない」

 

fee「僕の点数でシナリオ点とキャラ点の差が一番大きいのがさつきなんですよ。他は大体比例しているんですが」

 

残響「ぼくの方も、このゲームの場合だと比例していますね。まぁそういうゲームだからなんですが。feeさんの方に仮説とかはありますか?」

 

fee「他の人に当てはまるかは解りませんが。僕は単純に、シナリオとキャラは引き立てあうものだと思っているので、シナリオが良ければキャラも気に入るし、キャラが好きならば何でもない話にも感情移入しちゃって、<おっ頑張れ頑張れ>みたいな感じで物語に引きこまれてプレイしちゃう。だからシナリオ点が高ければキャラ点も高くなりやすいし、逆もまた然りじゃないですか?

キャラがどうでも良かったら、いくら話が良くても<どーでもええんちゃう?>っていうノリで見ちゃうし、キャラがいくら良くても話が薄っぺらかったら印象に残りにくいです。もちろん例外はありますけどね」

 

fee「さつきは、シナリオがこんななのにかわいいというのは、勿体ないですよね」

 

残響「最低限の基準はクリアしているんでしょうけど。萌えゲー的達成というか」

 

fee「シナリオが良かったら、もっと魅力を感じられたと思います。もっと上を目指せましたよ」

 

残響「そうですね」

 

fee「このシナリオはさつきのかわいさを、阻害はしていないかもしれないけど、引き立てているとは到底言えないでしょう

 

残響「引き立てているとまでは言えませんね。料理でたとえるならちゃんと盛り付けはしましたからまぁどうぞみたいな」

 

fee「すごくつまらない話を、延々長々と語られるよりはマシというか。<大した事ない話だったけど、これぐらいの長さだったし許してやるか>みたいな感じで、さつきシナリオへの悪感情は全くないんですけど。読んでいて苛々とかも別にしていませんし。ただ、力の入れ具合とか、クオリティを評価するなら、低いよなっていう」

 

残響「全ルートがこれだったら、ぼくも『ラブラブル』に95点は確実につけてないです」

 

fee「さつきシナリオの出来は良くないんですけど、何せ短いもんだから、あまり怒りもなく。ハッキリいって4点という評価の割には嫌いではないです。

が、まぁもうちょっと頑張れよとは思いました。さっき言ったように、流星君を動かすことで面白くなる道筋が凄くよく見えていて。普通に僕みたいな素人でも簡単に思いつくような事を、普通に書いてくれれば、結構面白くなったんじゃないの?っていうところが残念な感じがしましたけど。まぁ、サブシナリオから急遽繰り上げたものなんだとしたら、しょうがないかなとも思います」

 

残響「単純にCG数やシーン数だけを見ても他のキャラと比べて露骨に少ないですからね」

 

fee「あ、そうでしたっけ。まぁでもエロかったけどなぁ」

 

fee「僕が『ラブラブル』を最初に手に取った動機なんですけど。実は、Hシーンの乳首の勃起差分があるらしいと聞いたんですよ。それで喜んでプレイしたんです。僕、おっぱい大好きだから。そんな感じで、どちらかというと抜きゲー寄りの興味でプレイしたというか。結果、全然抜けなかったわけでもない、そんなに抜けたわけでもないっていうところで。最低限の満足は得たかなっていう68点なんですけど」

 

残響「あははははw でも心に何か残りもしなかったと」

 

fee「うーん、残らなかったですね。ただ『ラブラブル』自体そんなにプレイ時間が長くないので。確か一週間ぐらいでクリアしちゃったような」

 

残響「そんなに長くはないですよね。ぼくはそんなに短かった印象はないんですけど、それはぼくが5、6回ぐらい周回してるからで」

 

fee「エロゲ―批評空間のプレイ時間中央値が18時間になってるんですけど、プレイ時間20時間のゲームと比べても目に見えて短かったと思う」

 

残響「適当なところで終えられますからね。チャプターとかあるじゃないですか。適当にサクサク進めていって、じゃあ今日はここで終わりみたいな感じで終えられますし」

 

fee「5人ヒロインがいるから、1ルートあたりの長さも短い」

 

残響「それもありますね」

 

fee「18時間でもルートが3本しかなかったら、そこそこ長く感じるかもしれない」

 

残響「そうですね」

 

fee「その中でも特にさつきは短いですしw」

 

残響「このゲーム、イチャイチャする以外のことはしていませんからね」

 

fee「少なくともさつきはそうですね。で、Hの話に戻りますけど、Hシーンのテキストはイマイチだったなと」

 

残響「否定できないなぁそこは」

 

fee「エロについてのアクション描写というか、主人公が、ヒロインのどこを愛撫しているのかが書かれていないことが多いんですよ。台詞や擬音、喘ぎ声に頼っているというか」

 

残響「『同棲ラブラブル』では少し改善されているんですけど……」

 

fee「たとえばさつきが喘いでいる時に、きちんと文章があれば、<あぁさつきは今、おっぱいを舐められて喘いでいるんだなぁ>と妄想するわけです。でも、それがないと、何で喘いでいるんだかわからないので興奮できないんですよ」

 

残響「なるほど……さつきはこれくらいでいいですか?」

 

fee「そうですね。では次にいきましょう」

 

 

次回予告

 

 

残響「次はつぐみ行きますか? それともfeeさん的に悪いものは先理論で千夏行きますか?」

 

fee「千夏はさっさと片付けたい気がしないでもない……」

 

残響「はっはっは(笑)」

 

fee「じゃあ千夏で行きますかね」

 

 

千夏編に続く

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