エロゲ対談番外編 作品クロスレビュー「ラブラブル」第7回 おたより編2

  • 2016.12.07 Wednesday
  • 21:35

前回(2016/11/6)に公開した「エロゲ対談番外編 作品クロスレビュー「ラブラブル」第6回 おたより編」で、dovさんからの当対談ブログに対するおたよりをご紹介し、それに基づく形でfeeさんと残響は対談を行いました。

その後、dovさんからご感想メールを頂きました。

今回は、dovさんと残響との間で返信をし合ったメール(の一部)をご紹介します。

(なお、dovさんはfeeさんともメールを交わしておりますが、少々私的に込み入った話ですので、割愛させて頂ました)

 

今回の記事で、残響がdovさんとのやり取りをご紹介したいのは、主に「だらだらイチャイチャ」「ダウナーイチャラブ」についてです。

この、グダグダ極まりない新時代のイチャラブについて、残響とまた違ったタイプのイチャラバー・dovさんのご意見を聞きながら、認識を深めたい、という考えあってです。

 

残響の認識では、従来イチャラブゲーは、ジャンル領域として、テンション高めのギャグゲー・抜きゲーと近しい、と思っていました。

イチャラブライターとして、保住圭や早瀬ゆう、という人材が煌めきを放っていたから、とも言えます。言わば「陽」のイチャラブ。

それに対するアンチテーゼ、として、地味ではあるけども、しかし静かに染み入るような「陰」のイチャラブは?

と、dovさんのメールを頂きながら考えるようになりました。

 

もともと、この「ダウナーイチャラブ」の概念自体、保住圭がどこかで(たぶんTwitterだと思うけど探しきれなかった)「こんなんどうだろうか?」と提唱していて、そのあまりにやる気のない主人公&ヒロイン造形に、「これは新時代の黎明かもしれん……!」と残響がひとりで勝手に妄想&萌えていたものでした。

それから年月は経ちましたが、最近、百合の界隈で「グダグダ百合」とでも言うべきシチュが多くなってきました。

前回の記事でも、社会人百合の一部として、「夫婦もの、所帯もの」というように紹介したのがそれです。

例えば、『ガールズ&パンツァー』の二次創作SSとして、「ぐだぐだプラウダ」という作品があるのですが、この作品において重要なのは、

(1)濃厚な百合関係が当たり前のように前提となっている世界

(2)しかしキャラ全員にやる気がない、ゆるいアトモスフィア

(3)そのくせやるこたぁしっかりやっている

……というふうに、テンションが常時低く、しかし奥底にある熱いラブ度はほとばしっている、ということです。これが最近、残響は大変オイシい!

 

……という経緯があり、ぼく残響はdovさんと語り合うことになったのですが……しかしさすがに識者の意見は違った。dovさんは豊富な知見から、このサブジャンルの歴史的経緯を語ってくださったのでした……。

 

(dovさんには、今回のメールを記事に転載させていただく旨、御了解を頂いてあります)

 

残響

 

 


11/12 dovさんからのご感想メール(抜粋)

 

逆にfeeさんの、

 

>義妹って、子供の頃から同棲している幼馴染みたいな感じでしょ?

 

は、自分はどちらかといえば残響さんに近い立場かもしれません
気心の知れた年下の可愛い女の子とイチャイチャするのって最高ですやん!(『だらだらイチャイチャ』でも良し)
ただ「幼馴染」「兄妹」と一口に言っても関係は色々ありますし、一番身近だと思っていた義妹と向かい合ってみれば色々と発見があった、というお話もそれはそれで自分は好みです。


 

11/17 dovさんへの残響の返信メール(抜粋)

 

dovさんへ

 

こちらこそレスが遅くなりましてすいません、残響です。
ご丁寧にありがとうございました。

 

>「だらだらイチャイチャ」

 

別名この「ダウナーいちゃラブ」とも呼ぶべきシチュは、新時代のいちゃラブと思ってはいるのですが、なかなか現れず……というのも、

 

(1)ヒロインの造形が難しい。
(2)主人公の造形も難しい
(3)「だらだらイチャイチャ」という行為そのもので「読ませる」というのは高難度

 

 例えば、「ましろ色シンフォニー」の義妹ルートですが、非常に味のあるダウナー系のカワイイキャラ。ですが何をトチ狂ったか、義妹ルートでは「別にええやん!」とこっちがツッコミたくなるくらいの、ウジウジ近親相姦テーマ話……。そのあたりをdovさんもえろすけ一言感想で書かれていますね。

 

>「桜乃シナリオはイ ベントが全て茶番で評価に値しない。こんなに酷いシナリオも珍しい。」

 

まさにその通りです。

 

「だらだらイチャイチャ」は、最初から「だらだら」なので、
(a)プロットのダイナミクスもない
(b)感情のダイナミクスもない
という、最初から盛り上がらないこと確定の茨の道。

 

トノイケダイスケ?
たしかに、あのライターは本対談でも取り上げましたが、「静」のいちゃラブを書く技量のライターです。
ですが、「だらだら」とはやはり違う……。
難しいですね。

この「だらだらイチャイチャ」と正反対にあるのが、このラブラブルのライター、早瀬ゆうであります。
それはもう説明不要ですねw

だらだらしつつ、詩情をどこかたたえた、繊細で静かないちゃラブ。
……例えば、
porori氏(夜のひつじ)はそれに近いところまでいっているのですが、何分同人短編エロゲ。もっと尺を!尺を!というわがままがこちらにありマスナー。

 

 

 

11/17 dovさんからの返信メール(抜粋)

 

 

>「ダウナーいちゃラブ」


これは残響さんと私の見解がかなり異なるようなので、ちょっと語ります

そういうゲーム、私は結構あると思ってるんですよね
例えば『夏めろ』のつぐみ(実妹)は、自分にとってほぼパーフェクトに「だらだらしつつ、詩情をどこかたたえた、繊細で静かないちゃラブ」でした
ライターさんの筆力もトノイケダイスケに負けてません
Love Sweets』の伊織(実妹)、『キミへ贈る、ソラの花』の杏(この子は義妹&通い妻)も同様のシナリオだと思っています
それから……『恋×シンアイ彼女』の菜子は攻略こそできませんでしたが、彼女と洸太郎のやり取りは静謐な音楽もあり、胸がキュンキュンしました。残響さんもしませんでした?

ただ、確かに残響さんが仰る通り、この手のシナリオはどれも尺が短いですね……

 

 

 

11/20 dovさんへの残響の返信メール(抜粋)

 

>「ダウナーいちゃラブ」

 

これはぼくの見識の薄さ甘さでした……!不勉強を恥じるばかりです。
というか、たぶんですけど、同じいちゃラブ好きといっても、ぼくとdovさんとでプレイ傾向が違うように見受けられるのですね……。
dovさんは「いちゃラブ(萌え)も、シナリオも、両方味わい深いもの」を求めておられるようにぼくには見受けられ(勝手な推量ですが)、

ぼくは、えろすけサマリー(近況報告)にも書いてあるように、「B級」「バカゲー寄り」「テンション高め」のいちゃラブゲーを好む傾向があるみたいです。「それでなくては認めん!」という狭量さではない(つもり)ですが、傾向はあるかもしれません。

また勝手な推量ですが、だからこそdovさんは、この対談ブログ(シナリオゲー×いちゃラブゲー)にご興味を示してくださったのかな、と思っております。

 

>恋カケ・洸太郎と菜子の國見兄妹

 

ああ、あの独特の距離感はいいですねぇ。……とはいいつつも、ぼくは菜子を「攻略対象」としては見られなかったのです。
魅力がない、というわけではなく、「攻略対象としては見られない」。
ある種のリアリズム距離感があったというか……。うまく言えない。
不可侵というわけではないですが、でも「ぼくは、手を出す対象には見られなかった」ということです。
何でだろう……? ちょっと考えさせてください。

エロゲ対談番外編 作品クロスレビュー「ラブラブル」第6回 おたより編

  • 2016.11.06 Sunday
  • 19:41

9月の終わり(花穂回の前)に、エロゲー批評空間でレビューを書いておられる「dovさん」から、feeと残響にメールを頂きました。

以下がその内容(おたより)です。今回のラブラブル対談第6回目は「おたより紹介、Q&A」と題しまして、dovさんからの鋭いご指摘に対して、feeと残響が語ったものとなります。

 

 

残響さん、feeさん、こんばんは
いつも楽しく拝見しております。dovと申します
お二人の対談を見て謎のパッションが沸き上がり、その赴くままメールしてしまいました
深夜書いたラブレター状態なのは許してー


さてさて、お二人の対談はいよいよ真のメインヒロイン(起動アイコン担当)の花穂ちゃん回へ差し掛かっています
この花穂ちゃんについて、お二人にどーしても訊きたい! インタビューしたい! ついでにちょっと私も語りたいことがあってメールいたしました
訊きたいこととはズバリ、


花穂ちゃんのシナリオって、お二人が以前対談されていた「糞シリアス」じゃないですか?(実妹厨的意見)


いや花穂ちゃん可愛いんですよ! わたし花穂ちゃん本人にはなーんの不満も持ってません! そこんところは誤解しないで下さい!
ただシナリオがね……うん……実妹厨の私としては「えー」って思っちゃったんです
お話が花穂ちゃんの可愛さを邪魔してるなーって感じちゃったという
これはラブラブルの発売時期が(実妹厨的には)良くなかったってこともあるとは思うんですけれども……


↓WARNING! ここから実妹厨の語りが入ります↓

ラブラブルって2011年2月発売だったじゃないですか。この時期って実妹厨的にはテンション下がる時期だったんですよ
もしかすると残響さんはそーいう実妹厨の阿鼻叫喚を横目で見てたかもしれないですけど、実妹厨がどういうキモチでこの作品を迎えたかちょっと語らせて下さい
大昔にはWith You(後に『ヨスガノソラ』を生み出す高橋タカシ氏の処女作)の乃絵美とか久遠寺明日香とか今関凛子とかもいましたけれど
2004年の実妹解禁以後、「実妹」って属性はどちらかと言えばシナリオ厨向け・ニッチな方向性で細々とやってたと思うんです
お二人が語った『さくらむすび』(2005年)も(もちろん残響さんが仰る通り『萌え』作品でもありましたが)シナリオの充実した作品でした
DUEL SAVIOR JUSTICE』(2005年)は現在の意味でのキモウトの始祖・当真未亜を生み出しました
その他実妹属性は『鎖 -クサリ-』(2005年)、『Clover Point』(2007年)といった骨太なシナリオを持つ作品を生みましたが
こうした時期の作品は「実妹と恋愛する」という禁忌と真摯に向かい合ってたと思うんです
現実では許されないことをしてしまう、その一線を踏み越える覚悟(狂うなり目を背けるなり、『さくらむすび』みたいに悩み抜くなり)
そこを描くことで実妹キャラは良質のシナリオに恵まれてきたと思うんですけど、この風潮が段々変わってくるんですね
最初の変化は、たぶん『あかね色に染まる坂』(2007年,2008年アニメ化)だったと思います
同ゲームの妹・長瀬湊は媒体によって実妹だったり義妹だったりしてシュレディンガーの妹状態でしたが
実妹(の可能性があるキャラ)が遂にテレビアニメデビューを果たしてしまった、という点はその後の実妹ブームへ繋がる橋頭堡になった気がします
その後は一気に……といいますか、2010年が決定的な分水嶺になったという点ではおそらく異論が殆どないと思うんですけれども
この年は『ヨスガノソラ』(エロゲは2008年)、ラノベ業界から『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』がアニメ化して、実妹が一気にメジャー化しました
ただこうしたメジャー化はシナリオの質的変換も伴うわけで、それ以降の「実妹」ってもう禁忌でも何でも無くなっちゃったんですね
(古くからの幼馴染ファンやツンデレファンの方は、この辺の流れをよくご承知かと思います)
エロゲ業界でいうと、feeさんもプレイされている『黄昏のシンセミア』(2010年)を最後の打ち上げ花火として、近親相姦禁忌を扱うエロゲはほぼ絶滅した感があります
代わりに台頭したのが近親相姦禁忌を無視するか極めて非現実的に扱うエロゲで……いやこうしたジャンルは『やっぱり妹がすきっ!』(2006年)のように昔からあって
それはそれで自分も嫌いじゃないんですが、2011年以降は「それだけになった」。しかも「売れるからとりあえず実妹にしとけ」みたいな雑な扱いが増えたように感じます
特に2011年〜2013年辺りは「とりあえず実妹」がメジャーレーベルまで侵蝕して、そうした風潮が吹き荒れたように感じます

↑実妹厨の語りここまで↑


こうした流れの中で生まれた花穂ちゃんのシナリオを眺めると、近親相姦を公衆の面前でカミングアウトという非現実的展開にどーしても付いていけなくなってしまう
何でこんな雑な片付け方をするんだ! こんな終わらせ方なら花穂ちゃん義妹で良かったじゃん! 義妹となら結婚できるし!
単にイチャイチャしたいんなら「実妹」って設定むしろ邪魔だよ! これじゃ花穂ちゃんと籍入れられないよ! 社会生活を送るのも大変だよ! 子供はまず作れないよ!
花穂ちゃんを実妹にしたのって、俺妹ブームとかがあって単に「売れる」からだったんじゃないの! こんなの絶対おかしいよ! そんなのあたしが許さない!
……みたいな被害者めいた陶酔(半目状態)に至ってしまい、実妹厨的には素直に楽しめなくなっちゃったんです
確かに花穂ちゃんのシナリオは、読んでいてそれほど苦しくなるようなシーンはありません
でも不必要な(と私が考える)「実妹」という設定がイチャラブに水を注している。これって「糞シリアス」じゃないのと思った次第です
花穂ちゃん自体は可愛いのが余計もったいない!


私のこういう問題意識って、エロゲプレイヤー独特の「こだわり」(『こだわり』って元々悪い意味の言葉ですけど、そういう悪い意味での)なんだと思います
例えばfeeさんは「千夏以外の四人なら僕は喜んで付き合う」って明言してますが、これは「僕は実の妹と喜んで付き合う」という意味を含まないだろうと推測します
feeさんにとって花穂とは「年下の、気心の知れた、同居している、可愛い女の子」でしかなく、「実妹」であることはあくまでフレーバーなのだろうと
勝手に忖度しますけど、feeさんは『さくらむすび』的な状況に耐えてまで花穂と付き合う覚悟なんてさらさらないと思います
私は「そこまで覚悟して実の妹と付き合えますか?」とか考えちゃうんですが、それはfeeさんが「現実に千夏みたいな地雷女と付き合えますか?」と仰る意識に近いんでしょう
大半のプレイヤーにとって、「花穂が実妹」であることは「花穂が中学生(18歳以上)」であるのと同じくらいファンタジー設定なのかなーって
わたし、エロゲがプレイできるお年頃になった今、リアル女子中学生・女子高校生(18歳未満)とはお付き合いできません。お二人もきっとそうですよね?(にっこり


――と、大変長くなってしまいましたが、この辺の問題意識について「ア、ハイ。アナタはそうなんですね」以外に何か思うところがあったら聞かせて欲しいなーって思いました
ぶしつけ極まりない内容ですが、話のタネにでも使っていただければ幸いです


PS:
feeさんへ
「(千夏シナリオは)恋愛というよりも、おままごとかなって」「ヒロインをいじめたい」と仰ってるのを見てnarcissuを書いた片岡とも氏の作品『そらいろ』のつばめルートをやると願望が叶うかもなぁ、と思いました

千夏みたいな子を親・つらい労働・妊娠などのゲ・ン・ジ・ツ♪がいじめ抜く話らしいです(未プレイ)


残響さんへ
姫さま凛々しく!』をオススメしたいなーと思いました
こみパやONE時代の雰囲気を残した昔懐かしい作品で、アティリーン(性的な意味でもお世話してくれるメイドさん)・マナフィーゼ(ちっちゃな実姉)という姉キャラがいます
百合要素もあります。DMMで10月19日(水)23時59分までセール中でして、1500円と非常にお安いです
エロゲの好みってとっても難しいと思いますし、こちらも残響さんオススメの『幼馴染の心が読めたらどうするか?』をやってないんで、とりあえず言ってみるだけです

 

1

 

fee「まず最初に確認したいんですが、残響さんって兄弟はいますか?」

 

残響「生粋の一人っ子です」

 

fee「実は僕も一人っ子です。なので……dovさんに妹がいるかどうかはお聞きしていないので解らないんですけど、妹がいるエロゲーマーと妹がいないエロゲーマーで、認識が違う可能性はあるんです」

 

残響「あぁ……なるほど……。妹がいるエロゲーマーにとっては、実妹設定はリアルかもしれないけど、妹がいないエロゲーマーにとってはどこまでいってもファンタジーという……。まあ、それに関わる話ですが、自分の【シリアス苦手】の一要因に、リアルさ、リアル属性の一部が、非常に自分にとってキツい、っていうのはありますね。最近『聲の形』って映画あったじゃないですか」

 

fee「残響さん絶対ダメそうですねアレw 僕は見てきましたけど、すごく良かったです!」

 

残響「絶対ダメですよ! 完全に先入観ですが、人間のイヤらしいゲス根性を描くというか、集団の暴力が陰湿とか、過去のトラウマがー、とかって、ぼくの嫌いなモンばっかじゃねえか」

 

fee「んー、どちらかと言うと、人間それぞれが嫌なところやダメなところを抱えていて、それでも人間が愛おしいみたいな話なんですけどね……いい青春ストーリーだと思いました。まあ無理には薦めませんけども」

 

残響「自分にとっては、その手のリアリティっていうのはキツい。共感性羞恥、って最近話題に出ましたけど、それも含めて。【ファンタジーだと気にならない】けど【リアルだと過度に気になる】っていうのはある」

 

fee「リアル視点で考えると気になるけど、ファンタジーだと思えば気にならない。dovさんは実妹設定を見るとリアル視点で考えちゃうけど、僕らはファンタジー視点で読んでいるので気にならないってことですよね。dovさんのお便りを読んでいくと、まずdovさんは近親相姦禁忌がきちんと描かれているかどうか、についてこだわりがあるみたいですね」

 

残響「そういう話が好きなんじゃないかなぁ。というか、ぼくは半ば確信してるのですが、近親相姦のダーク面があるからこそ、こういう物語が【オイシイ!】的にdovさんは思ってらっしゃるのではないかと」

 

fee「ここで難しいのは、僕自身はあまり近親相姦禁忌の話が好きではないということで……」

 

残響「実はぼくもそうですw ヒシヒシと迫りくるような圧迫感、神経が張り詰める状況というのは好きじゃない」

 

fee「ただ、実妹だって言ってるのに、周囲が祝福しまくってて違和感がある、嘘くさい! リアリティがない!みたいな反応は解らなくはないですね」

 

残響「ふーむ。確かにそういうエロゲはありますからね……というかdovさんが仰っているように最近増えている気がします」

 

fee「ただなぁ……ちなみにこれは義妹ファンの人に怒られそうだけど……気分を害したらごめんなさいね。僕、義妹ってあんまり興味ないんですよね……」

 

残響「ぶっちゃけたww」

 

fee「義妹って、子供の頃から同棲している幼馴染みたいな感じでしょ? ずっと一緒に暮らしてきてお互いのあらゆるところを知っている……まぁあの、老夫婦みたいなもんでしょ? 恋愛って付き合い始めのときめきみたいなのが楽しいと思っちゃう人なんで、あまり興奮しないっていうか」

 

残響「ぼくは逆で、長年付き合ってお互いを知り尽くし、関係を熟成していった先に生じる萌えみたいなものがすごく好きなんですが……百合でも社会人百合の一部に【夫婦もの、所帯もの】みたいなのがあって、倦怠感を漂わせたり、惰性感があるようで、それでもお互いをグダグダの中でも愛し合う熟成感の果てに、奇妙な萌えが……って、まーた百合の話になってるよコイツw」

 

fee「うーん。僕はあまり……あ、義妹と言っても、物語開始直後に親が再婚したとか、生まれてからずっと離れ離れになっていて1年前に再会した義妹とかは全然アリです」

 

残響「ですよね。そこには【長年の連れ添い】はない」

 

fee「それと、義妹はあまり興味ないと言っておきながら、『夜明け前より瑠璃色な』に出てくる朝霧麻衣ちゃんは超かわいかったので、やっぱりキャラによりますね。で、ですね。抜きゲー的な話になるんですが……実妹と言われるとそれだけで、僕は<あっ、いいのかな?>的な感じで、インスタントに背徳感を得られるというか。
あの、AVの話をして恐縮なんですけど、『女子校生痴漢電車』みたいな作品がありますでしょ? 女優さんが女子校生じゃない事ぐらい解っているし、そもそも本当に痴漢現場を捉えているわけじゃない事ぐらい解っているけれども、そこは気づかない振りをして、【女子校生が痴漢されてる!】と思い込んで興奮するわけです」

 

残響「ありますでしょ、って言われても知らんがなw(相変わらずぶっちゃけるなこのひと……)」

 

fee「実妹というのもそれと同じで、実妹って思うだけで背徳感が出て興奮するけど義妹にはそれは感じないんで……義妹ファンに喧嘩を売る気はないし、義妹キャラがいて全然いいけど、僕自身は実妹キャラの方が好きです」

 

残響「なるほど」

 

fee「で、ですね。dovさんは、実妹を出すなら近親相姦禁忌の話をしろという事を書いているわけですが……どうなんですかね? 近親相姦禁忌の話が、僕はなぜ好きじゃないかというと、花穂の記事でも書いたんですが、2人の恋愛について他人が口を出す展開が嫌いだからです」

 

残響「あー、やっぱりそこですか。まあ考えれば、ドンズバのそれですよね、このシチュエーションは。他人口出しの」

 

fee「dovさんの挙げている『黄昏のシンセミア』がうまかったのは、口を出す相手が、普段は良い人で主人公達の面倒をずっと見てきた親代わりの叔母さんだったんですね。この人には本当に恩があるので、それぐらい口を出す資格はあるだろうと思って、特に嫌な気にはならなかったんですが、どうでもいい世間体で<お前ら兄妹なのにオエー>みたいな事を言われても、ハァ?っていうか」

 

残響「近親相姦禁忌の話があっても良いとは思うけど、実妹ヒロインを出したら近親相姦を書かなきゃいけないというのは違う気はしますね。花穂の記事でも言ったんですけど、花穂の父母が『同棲ラブラブル』花穂ルートの最後の最後で出てくるんですね。兄妹の母親は<まあ普通よね>という感じでスルー、父親は<えええっ!なんで主人公お前なんじゃーっ!>って感じで激高しますが、父親は<近親相姦だからアカン>とは言わないんですね。父親は花穂を贔屓してるので、【主人公みたいな野郎がなんでやねん】という貶しネタなんですけど。ただ、これもどこまで近親相姦をタブー視してるかは判然としなく、ラストになって父親が主人公を一発ケジメとして殴るのですが、それも【近親相姦がいかん】っていう断定でもなく、むしろ感じとしては……【この先兄妹でそうして一生生きていくことは大変なことなんだぞ】っていう感じのケジメのつけかたですね……」
 

fee「大体、実妹ヒロインを出すたびに近親相姦禁忌の話をしだしたら、もう実妹ってだけで話の先が読めちゃうじゃないですか。昔、ロボッ娘ヒロインが少しだけいたんですけど、僕が読んだロボッ娘ヒロインの話って、必ずロボッ娘の調子が悪くなって壊れちゃうという。もう、ヒロインを見ただけで話の展開が読めちゃってつまんなかったです。だから僕も、あってもいいけど、必須ではないという立場ですね」

 

残響「なるほど。テンプレの問題かー」

 

fee「もちろん『さくらむすび』ぐらいガッツリやってくれるなら良いんですけど、力のあるライターさんがやらないと、大体酷い事になるかなっていう」

 

残響「異論はありません」

 

fee「ただ、dovさんは

 

>>いやこうしたジャンルは『やっぱり妹がすきっ!』(2006年)のように昔からあってそれはそれで自分も嫌いじゃないんです

が、2011年以降は「それだけになった」。

 

とも仰っていますね。つまり、【それだけになった】のが問題というふうにも読めます……というか、多分そっちが言いたかったんじゃないかなと。 本当に【それだけ】になったのか、実はdovさんや僕が知らないだけでどこかにあるんじゃないか……という話はひとまずおいといて、【それだけ】になったのだとしたらやはり問題だとは思います」

 

残響「そうですね。実妹を使うなら近親相姦禁忌の話にしろ、も嫌ですが、近親相姦禁忌の話をなくせ、も嫌ですね」

 

fee「僕も全く同じです。つまりdovさんは『ラブラブル』単体で怒ってるんじゃなくて、『あかね色に染まる坂』からの流れでダメージを受け続けて、『ラブラブル』に至って「またかよ!」という事なんじゃないでしょうか。だとするならばdovさんが怒っちゃう気持ちは解ります。一方で、『ラブラブル』単体の評価で考えるなら、今までの流れでdovさんがダメージを受けた事は、言い方は悪いですが、まぁ『ラブラブル』単体の責任ではないわけで、今までの流れを『ラブラブル』の感想にぶつけられても困るよ、とも言えます」

 

残響「まあ『あかね色に染まる坂』が分水嶺で、『ラブラブル』は【その後の流れ】ではありますからね。【その後の流れ】の中でも強烈なブツだった、というのも事実ですが」

 

fee「これは僕の処女厨云々と同じじゃないかな。こないだ話題に出た『DRACU-RIOT!』で言いますと、作品単体で見れば<不自然っぽい処女だなー>で終わりなんですけど、萌えゲーのフォーマットにおいて処女キャラが絶滅していて、しかも一部の過激派処女厨が暴れているという流れで見てしまうと、<ゆずソフトはこじらせた人の意見を聞いちゃうメーカーなのかな?>とか、【作品の質よりもユーザーへの媚び】を優先したかな、みたいな気持ちが生まれて僕みたいな人は萎えるという。でもそれを『DRACU-RIOT!』単体の作品評価にしていいのかどうか、というのは難しいところですね。でもそう思っちゃう気持ちも解るんだなぁ」

 

残響「前の記事での、【処女厨見ないでね】看板の有用性がやっとわかってきましたw 見るひとは見るんだなぁ

 

fee「自分の事を批判されたら怒る気持ちは理解できるんですけど、そういう不幸な事故を防ぐための注意書きなわけで、だから読むなと書いたのに……ってところです。日本語で書かれた注意書きが読めない人を読者として想定はしていないし、単に処女が好きなだけの人までは非難しないように、慎重に考えて書いてもいます。実際、単なる個人の好みを攻撃する意図はありませんから。そこまで気を遣ってもあぁいう反応が来るというのは、改めて怖いなぁって思うし、本来それじゃいけないとは思いますが製作者だって人間ですから。そんな人たちが大挙して押し寄せてきたら、ビビっちゃってもおかしくはないかな。実際ビビってるかどうかは知りませんけど」

 

残響「関係ないかもですけど、百合の議論で、明らかに百合作品の話をしているのに、<男を出さないのはダメだ>とか言い出す人がいて、ぼくはそういう人は嫌ですね。<ち●こを出せ、そうすればこの百合ゲーはエロゲとして深まるのだ!>とか、<エロゲなんだからち●こを出すのが普通!>とか。大抵百合ゲーの話をしていると、そういう確信犯が一人は出てきて場を荒らすのがテンプレだったりします」

 

fee「それは酷いですね。いや、僕もこないだ『報復の女装痴漢』ってゲームをやったんですよ。で、思ったんです。僕は【報復されるようなクソ女】に報復痴漢したいんじゃなくて、無垢で何も悪い事をしていないかわいい子を痴漢したいんだってw でもタイトルが報復の〜ってあるのに、そこを叩くのはおかしいよなぁと思ってw」

 

残響「……またすごいものをなさってますねw しかし批判の筋は正しい」

 

fee「僕はレズが好きなんですけど、これは実妹設定への背徳に近いかもしれません。差別意識とかではないつもりなんですが、厳密に突き詰めて考えれば差別意識なのかな? 本来的に女性同士でHをするのはあまり……というのがあって、にも関わらず、同性同士のHで感じてしまう女の子、ダメなのに……と思っても……みたいな、そういう背徳というか。そういうのに興奮するんですw」

 

残響「あ、少しだけ解る気がします。自分にもそういうところは少しだけあって、でもハッキリとはしていないので、もう少し考えてみたいなこれは(真剣になる)」

 

fee「女装なのでレズではないんですが、被害者のヒロインは女装主人公の事を女性だと思っているなら、僕の興奮には何の問題もないわけですw 痴漢モノは元々大好きですし、いいじゃんと思ったんですが……前述のヒロインの人格はともかくとして、Hシーンのテキストが短かったり、ヒロインの声優さんの演技が微妙だったり、妙に難易度が高かったりで、あんまり良いゲームではなかったですね。クソゲーではないけど、もっと上を目指せたのになぁ」

 

残響「熱いですねw こんなに熱く語るとは思わなかったw」

 

fee「いやいや、というかdovさんのお便りからズレてるw 話を戻します」

 

fee「今までの流れで、近親相姦禁忌がない実妹ゲーばかりをやってきて、今回もまた近親相姦禁忌がない実妹ゲーをやってしまったdovさん。いい加減にしろよ、という気持ち自体は解ります。ただ、それと並列して書かれている実妹設定が邪魔という方は、僕はそうは思わなかったというところでしょうか。実妹設定があっても、僕は別にイチャラブに水を差されないので」

 

残響「ぼくも差されないですね」

 

fee「そもそも、現実の近親相姦について考えてみますと、僕らの感覚は割と緩いですよね」

 

残響「そうですね。近親相姦と言ったって、他人の事ですし、目くじら立てるのも……」

 

fee「まぁ、自分の親友が実は妹とHしてるって聞いたらびっくりするかもしれませんし、やめといたら?ぐらいは言うかもしれませんけど、無理に引き離したりとか、白い目で見ることはないと思います。実際にそういう経験はないんで、保証はできませんがw」

 

残響「ぼくもそうですね。<やめといたら?>も言わないかもしれません。ぼくの基本的な考えに、【自分が何を言ってもどうせ他人は考えを変えないだろう】という諦めがあり、【どうせ人のこと】ですので、そういう無駄な事は言いたくないんです……人が人を変えようと考えて、実際に口に出したり行動するのは傲慢ですよ(だからこその【人が人を変えた】という事実が奇跡的な希少性の輝きなのであって)」

 

fee「オトナだなぁ……僕はついつい言っちゃう方なので良くない。でもそもそも近親相姦がいけないのって、文化の問題でしょ?」

 

残響「ですね。文化の問題と言っちゃっても良い。生物学的な問題もありますけど」

 

fee「障害を持った子供が生まれる率が高いというやつですよね。でも、それはHしなければ問題ないわけだし、避妊していれば問題ないわけだし、無責任かもですが、結果的に障害を持った子が生まれなければ問題はないわけですよね」

 

残響「やっぱり我々はすこぶる緩いですねw dovさんは実妹についてこんなに真面目に考えているのに」

 

fee「僕たちは非常識人ですからね。世間体にある程度左右されるところはあっても、内心では世間体なんてクソだろって思っちゃってるし。だから、本人達がOKなのに世間体が許さない、みたいな近親相姦禁忌の話はあまり好まない。冷静に考えれば中出しはやめた方がいいかなとは思いますが、それはまぁ学生ヒロイン相手の中出しはみんなやめた方がいいですからw dovさんは常識人なのかな? この辺も聞いてみないとわからないですね」

 

 

2

 

fee「それとは別に、dovさんの

 

>>わたし、エロゲがプレイできるお年頃になった今、リアル女子中学生・女子高校生(18歳未満)とはお付き合いできません。

お二人もきっとそうですよね?(にっこり)」

 

についても触れたいんですが。残響さんはどうですか?」

 

残響「まぁさすがに、そう(付き合えない)ですねぇ……」

 

fee「僕もそうですけど、ただ何で付き合えないのかということについては考える必要がありますね。大きく分けると3つぐらい理由があって、(1)そもそも女子中高生との出会いがない。(2)ロリコンではないので、さすがに女子中高生は精神的に子供っぽすぎて、付き合う気にならない。(3)18歳未満とHすると捕まっちゃうかもしれないから付き合えない。と、こんな感じかな?」

 

残響「おぉ、なるほど。わかりやすい。」

 

fee「(1)はまぁおいときましょ。出会いがあったと仮定してです。(2)なんですけど、どうですか?」

 

残響「さすがに難しくないですかね、やっぱり」

 

fee「僕も難しいと思います。が、これは年齢イメージで語ってますよね」

 

残響「いきなりリアル女子中高生って言われても……という」

 

fee「そうです。頭の中で思い浮かべた女子中高生は、大人になった私たちからすると幼い感じの印象なので、付き合うのは難しいかなって思う。でも、近所にすっごくかわいいしっかりした女子高生がいて、大人顔負けの知性と理性を持っていてフィーリングも合って、自分の事を慕ってくれるなんていう夢物語みたいなことがあったら……本当に恋しないって言えますか?っていう話で」

 

残響「……うーん……」

 

fee「だから、頭で考えた恋愛と実際の恋愛は違うわけですよ。理想の恋人像と現実の恋人が違うように。さて、ここまでが前フリなんですが、dovさんが言いたいのは文脈を考えれば(3)の話ですよね」

 

残響「んーと……あ、そういうことかぁ……これはぼくとdovさんは全く立ち位置が違うんだなぁ」

 

fee「そのお話もお聞きしますが……僕の方から言いますと、まぁこれはそうよねとは思います。面倒くさいのやだもんねっていう。でも一方で、中学生はさすがに無理だけど、高3とかなら付き合い始めちゃって、1年経って19歳になってからHすればいいわけでしょ? 別に問題ないじゃんとも思う」

 

残響「ぶっちゃけるなぁww」

 

fee「まぁこれはdovさんの例が微妙で、ペナルティがもっとずっとキツければまた話は変わってきます。18歳未満と手を繋いだだけで死刑とかw さすがにそれは付き合えないです……が、これも解らないですよ。頭ではそう思っていても、本当にものすっごい理想の女子高生が現れて、いざそういう状況になったら、そういう理性がきちんと働くかは解らない。まぁさすがに死刑なら無理かな、僕はチキンだからw」

 

残響「はいw」

 

fee「dovさんも

 

>>勝手に忖度しますけど、feeさんは『さくらむすび』的な状況に耐えてまで花穂と付き合う覚悟なんてさらさらないと思います

 

と仰っていて全くもってその通りなんですが……。たとえば僕は『Fate』の桜ちゃんが好きですし、可愛いなぁ付き合いたいなぁとか思いますけど。衛宮士郎になって、よくわからないバケモノと戦ったりするのはご免ですよ。そこまでしないと桜ちゃんと付き合えないなら、そりゃ付き合えません。この調子で行くとバトル系のエロゲヒロインとは全員付き合えませんね」

 

残響「それはもちろんw」

 

fee「だからまぁ、<リアルにいたら軽々しく付き合いたい〜なんて言うな>というお話なら、はいごめんなさい、で済むと思うしそこは僕の表現に問題があったかなとは思いますが。dovさんも仰ってるように、<キャラを見て可愛いなぁ〜付き合いたいな〜>なんて言うときには、リアルの自分とかはあまり考えませんね。僕は物語の中に没入したい方なので、リアルの自分なんかを一々考えていたらそれこそ水差されというか……dovさんは実妹というワードを見ると、リアルに意識が向かっちゃうのか、それとも普段からリアルの自分を意識しながらプレイなさっているのかはお聞きしないとわからないのですが、もし普段からリアルの自分を意識なさっているとしたら、学園モノのエロゲとか無理なんじゃないでしょうか。ご本人も

 

>>お付き合いできません

 

って言ってるし……」

 

残響「そうなっちゃいますよね……じゃあ、参考事例としてぼくの話をしてもいいですか?」

 

fee「ごめんなさい、どうぞw」

 

残響「ぼくはfeeさんともちょっと違って。ぼくなんて、【自分にとっての恋愛】はそれ自体がファンタジーだと思っていますからねw 自分には縁のないものだと思ってます。ミステリで殺人事件があっても、リアルの殺人事件には縁を持ちたくないでしょう? そんな感じです。そもそも、主人公になりたいとかも全く思わないので。ぼくは主人公とヒロインがイチャイチャしているのを、近くで見ていたい、観測していたいと思っているのでw」

 

fee「あー、自分にはできないと考えて恋愛を諦めてらっしゃるのかと思ってたけど、そもそも恋愛をしたくないのか」

 

残響「あははw これが本音なのだから困る。まあ、だからこそファンタジー(恋愛)とか、【奇跡的にこの世にもええ話がある希少性】みたいなのに心が動かされるんでしょうね……なので、ここはぼくとfeeさんとでは違いますね」

 

fee「なるほどなぁ。……dovさんが自身で仰っているように、

 

>>ア、ハイ、あなたはそうなんですね

 

っていうのはまぁそうなんですが……そういう他人から見るとよくわからないけど、ふっとリアルに引き戻されて物語への没入が妨げられるワードっていうのは人それぞれありますよね。僕は結構ありまして、千夏編で書いたような事もそうですし、対談記事では言っていない事でもあるんですが……」

 

残響「ぼくもありますね。奈々子編や、今回の対談記事の『聲の形』あたりで書かれていますけど……」

 

fee「そう。だからまぁ、それで無理に自分を正当化して暴れすぎたりしなければ、別に問題ないんじゃないですかね。誰にだってありますよ、他人からは解らないけど自分的には萎えちゃうウィークポイントって」


fee「こんな感じでdovさんのお便りを紹介して好き勝手に語らせていただきましたが、大丈夫かなこれ。dovさんのご意見をクッソミソに叩くみたいな事はしていないので問題ないかなとは思いますが、意思を確かめないで憶測で話している部分はありますからね」

 

残響「まぁ、何かあればまた訂正のお便りをいただけるかもしれませんし、大丈夫だと思いますよ」

 

fee「dovさんの希望に添えたかは解りませんが、色々好き勝手に喋る材料をいただけた……というと言葉が悪いかな。でも本当に嬉しいんですよ。記事を読んで、こういうお便りを下さる方がいるというのは」

 

残響「そうですね。それは本当に思います。コメントを下さった cyokin10wさんもそうですけど、ありがたいことですよね」

 

fee「この場を借りて、本当にありがとうございます!」

 

 

3

 

fee「ところでPSについても少し語った方がいいかな?」

 

残響「そうですね……feeさんへのお薦めは『そらいろ』ですか」

 

fee「これは、申し訳ないけどdovさんは僕の好みを多分勘違いなさっていますね。ちょうどこの記事にも書いたんですけど、僕は嫌いな子がいじめられるのが見たいのではなく、好きな子がいじめられるのが見たいんですよ。好きな子がいじめられるのは、同情と、共感や悲しみと、ふつふつとした黒い感情と、まぁそういった得もしれない感覚があるわけですが、気に入らない子がいじめられても、それは<ざまぁwww>というだけで、悪役をぶっ倒した爽快感と変わらないです。そうして成長していくヒロインを見て、成長物語として高く評価する可能性はありますけど、本音を言えば気に入らないヒロインとはそもそも関わりたくないので、いじめられているのを見たいとも思わないです」

 

残響「千夏は悪役みたいなものなんですねww」

 

fee「いやまぁw なので、『そらいろ』が面白いかどうか、僕に合っているかどうかはまた解らないんですけど、少なくともdovさんの紹介文に関して言うならば、僕向きの紹介文ではないです。残響さんの方はどうですか?」

 

残響「1500円と非常にお安いです、と宣伝されていますねぇ。とりあえずチェックしようかな」

 

fee「残響さん的には、夜のひつじは『幼馴染の心が読めたらどうするか』がイチオシなんですか?」

 

残響「いや、というより、dovさんがぼくのこのゲームのえろすけ感想に投票していただいた、という流れがありまして」

 

fee「なるほど。いや、僕、dovさんの好みをちゃんと掴めていないのであれなんですが、夜のひつじなら『相思相愛ロリータ』(feeの感想)か『彼女、甘い彼女』(feeの感想)あたりがいいんじゃないかなぁと。僕個人としては『義妹ホールと妹ホールド』(feeの感想)も大好きなんですが……ってその辺は今年の正月にブログに書いたんでした」

 

残響「ですね。『幼馴染の心が読めたらどうするか』はあまり評価していらっしゃらなかったですよね」

 

fee「ここで夜のひつじ作品について語り始めてもいいんですが、まぁせっかくブログに書いたので、記事のURLだけ貼らせてくださいw あ、でもネタバレあるんでdovさんは見ちゃダメです」

 

残響「dovさんのお便り紹介対談だったのにそんなオチですかw」

エロゲ対談番外編 作品クロスレビュー「ラブラブル」 第5回/全5回(?)

  • 2016.11.03 Thursday
  • 15:28

 

 

ラブラブル〜lover able〜2011.02.25発売予定!

 

 

3

 

 

fee「僕はシナリオに6点をつけているとは言っても、別にそんなに叩きたいわけでもないんですが……残響さんが9点をつけているから、<まぁそこまでじゃないだろ>っていうのはあってw」

 

残響「笑うしかないなぁwww」

 

fee「残響さんから、<トライアスロンには、お祭り騒ぎ的な面白さがある>というお話を聞いて、なるほどと思いました。そういう楽しみ方もあるのか、と。……なんか<トライアスロン要らない話>がしにくくなっちゃいましたねw」

 

残響「はははw しかし立場というか、意見表明は伺いたいです。というかそれしなかったら話が進まないじゃないすか」

 

fee「一応トライアスロンシーンの楽しさはなんとなく理解できたので。それを軽々しく<あれは要らなかった>と言っちゃうのはどうなのかなと思いまして。ただまぁ、プレイ中はトライアスロンシーンで興ざめしていた自分もいるので、予定どおりその辺を話したいと思います」

 

残響「お願いします」

 

fee「何が気に入らなかったか、ということで主に2点。ー膺邑の態度。⊆囲を巻き込みすぎ。この2点です」

 

残響「おっと周囲を巻き込む話だ。どうもこのあたり、千夏編で散々したのに、と突っ込みを入れたいですが、しかしよほどfeeさんはこのパターンがお好きでないとお見受け」

 

fee「そうなんだよなぁ……。で、とにかく、主人公くんなんですが。この人の初登場シーンなんですが、かなり面白かったです。奇人変人の域なんですけど」

 

残響「いやぁ全くその通りです。この主人公がはじめて世に出たとき、ファンコミュの間でもすげえ反応でしたもん。<すげえマジキチだ!>みたいな」

 

fee「痛々しいけど面白いんです。でも、これって……ごめんなさい、主人公くんには申し訳ないんですけど、これはモブキャラの面白さでしょっていうところがあって」

 

残響「うわあ容赦ないw」

 

fee「クラスにこういう奴、一人くらいいると思うんです。お調子者というか、ムードメイカーというか。いじられキャラ的な感じで、<こいつ面白いなw>っていう。ある意味で人気はあるんですけど、あまりモテはしないんだよなっていう」

 

残響「うーん、否定できないゾー」

 

fee「身体を張った汚れギャグをかましたりもして、なんだろう、ちょっとだけ下に見られている。軽く見られているというか。いじめられたりはもちろんしません。実はみんな結構、そいつのこと好きなんですけど、格好いいとかそういう評価じゃない」

 

残響「全くもってモブ、男友達の定義ですな」

 

fee「僕の中での主人公くんはそういう人物像なんです。これが実は……花穂のことを守るためにそういう道化キャラを演じている、という設定があって。その設定がどこまで作品の中で活きているのかは、検証していないんでわからないんですが、一応そういうことになっている。実は格好いい奴ではあるんです」

 

残響「そうですね。感動のシーンじゃないですか」

 

fee「そういう事情を知っちゃったら、基本的に<花穂を選ばなきゃ嘘だろ>っていうのがあるんですけど」

 

残響「ははは、全くそうなんですけどね。だから花穂は『ラブラブル』ではグランドヒロインですよ、結果的に」

 

fee「更に言えば、それが本当なら花穂ルート以外では道化を演じる必要はなさそうなのに、なんで他ルートで他のヒロインとくっついてからもバカをやり続けてるんだって話もあるんですけど……。で、主人公くんは結構態度が大きいんですよね。初対面のクラスメイトにもめちゃくちゃなれなれしかったり」

 

残響「結果論ですが、あそこでキョドる主人公って全く想像出来ないなぁ」

 

fee「花穂ルートでは、花穂が主人公を思ってスピーチするところはいいんですよ。花穂はカッコいい子ですから」

 

残響「ふむ」

 

fee「でも主人公くんは、君は笑える道化キャラでしょっていう。<びし、俺が花穂の恋人だ、文句あるか>って言われても……。主人公くんが大きな態度をとっていても面白かったのはクラスの道化キャラだったからであって、真の勝ち組になっちゃったら、その大きな態度が鼻についちゃうというか」

 

残響「うーん、でも今も似たこと言いましたけど、この主人公がこうじゃなかったら、『ラブラブル』という作品は成立しませんよね」

 

fee「まぁそうなんですけどね。彼は冷静に見れば結構傍若無人なところもあると思うんですが、それが許されるのは愉快な芸人ポジだったからというか。そんな奴が、理想の恋人を得て、<どうだ見たか>までやられるとちょっと調子に乗ってる感が……」

 

残響「はははww いいじゃないですか、幸せになってもw」

 

fee「これまでは、愉快さと痛々しさの間で愉快さがギリギリで勝っていたのが、最後に痛々しさに傾いちゃったかなと。だからトライアスロンシーンは……というか、最後の啖呵のシーンの処理はもう少し違う形が良かったなぁと」

 

fee「ちょっと話がズレるんですけど……『ラブラブル』全体に言える事なんですが、主人公が独占欲をえらく剥き出しにしてますよね」

 

残響「そうっすね。肉食とまでは言わないまでも」

 

fee「剥き出しにというか、恋愛ゲーム的に【恋人を誰にも渡さない】というのはわかるんですが、このゲームに関しては【独占してやる】とか【独占されたい】というワードがピンポイントで出ていて、僕からすると<うーん>って感じなんですよ」

 

残響「うーん、なるほど。そこらへんに関しては、この主人公は何事に関しても中途半端なところで落ちつけられないんですよね。独占するということに関しても」

 

fee「これは、僕がそういう機微を解らない人だというのがあるんですが。独占するっていうのは、他の人には見せたくないっていうことですよね?」

 

残響「見せたくないまで行っちゃいますか……いや、原理的にはそうなんですけど」

 

fee「要するに、<俺の女をじろじろ見んなよ>っていう。その割に、主人公は人前でイチャイチャしてるんですよ」

 

残響「そうなんですよね」

 

fee「それが、僕は割と<ハァ?>って感じで。イチャイチャを見せびらかしたいのか、独占して誰にも見せたくないのか、どっちなんだよっていう。割とわからなくて」

 

残響「見せびらかしているという意識が段々なくなるのがバカップルなんでしょうな、きっと。この主人公はそこら辺が微妙なところで、<見てくれよ!>っていう意識はあるんだけど、実際にじろじろ見られると<やめろぉ!>みたいな」

 

fee「それはちょっと自己中すぎません? まぁ、人間ってそういうものなのかもしれないんですけど」

 

残響「どうしょうもない事を言うなら、視姦という言葉があるように、じろじろ見られるというのは疑似的に精液をぶっかけられているような感じなんじゃないでしょうか」

 

fee「汚いなぁw」

 

残響「いや、ほんと汚い言い方で恐縮なんですけど」

 

fee「確かに汚いオヤジがグヘヘとか笑いながらジロジロ見てきたらそりゃ気持ち悪いかもしれないけど」

 

残響「じゃあ誰なら見てもいいんでしょうか?」

 

fee「誰ならというか、別に普通に見る分にはいいんじゃないでしょうか。見せびらかしたいなら見せびらかせばいいし、隠したいなら隠せばいいけど、僕は隠したい人の気持ちはよくわからないから、主人公くんにそう言われても<ふーん、そうなんだ、ふーん>としか思わないし……えーと、なんでしょう」

 

残響「いや、この主人公ってところどころでヘタレになるじゃないですか。全般的にヘタレなのかもしれないけど、部分部分で更にヘタレになるというか」

 

fee「見せびらかしたいなら、ジロジロみられるのもある程度仕方ないし、隠したいなら、ヒューヒューって祝福してもらうことはできないし、両方美味しいところを求めようとしているんだけど、お前が本当に求めてるのはどっちなんだ?っていうのがよくわからなくて。という……」

 

残響「ふむ……」

 

fee「そもそも僕は、【1対1の束縛しあう恋人】を唯一最高のものとする概念が、そんなに好きじゃないんですよね」

 

残響「えっ……あれ? 失礼ながらなんか齟齬が。千夏の時には【恋愛は1対1が好きで、部外者を巻き込むな】って言ってたような……feeさんの部外者ヘイト観ってそういうもんじゃなかったでしたっけ?」

 

fee「それとはまた少し違う話なんです。なんて言えばいいのかな。人の気持ちを、【恋人】という言葉や形で無理やり縛るもんじゃないだろうっていうのがあって。その人と一緒にいたいから、その人と遊ぶ。別に他の異性と仲良くしたっていいし、自分も他の異性と仲良くするかもしれないけど、一番好きなのはあなた、という関係が僕は好きです」

 

残響「ふーむ……そこは恋愛観の相違かな。ぼくは、ある程度は束縛し合ってるほうが良いです。人の恋愛観はとやかく言いませんが」

 

fee「だから別に、1対1の恋愛を否定しているとかではもちろんないんです。お互いを想い合う美しさはわかる。ただそれは、別に相手に強制されたからではなく、自分が相手と一緒にいたいから。【恋人だから一緒にいる】んじゃなくて、【好き同士だから】一緒にいるんでしょって思うんです。だから、<独占してやる>とか<独占されたい!>とか言い合っているのを見ると、なんだか息苦しい関係だなぁと僕は思っちゃいますね。千夏のところで話した、焼きもちが嫌いというのもそういう部分だと思うんですけど」

 

残響「ぼくは逆に百合的【隷属】というか、【契約】みたいなのを愛しているところがあるんですよねぇ……そこが今言った束縛的恋愛観、ですが。……考えたらこの話題、相当前からお話してますねw」

 

fee「独占とか、束縛とかを過度に強調しないでも、一緒にいるのがごく自然だから一緒にいる。そんなカップルが個人的には理想なんですよね。本当に好き同士なら、声高に【お互いのもの】宣言をする必要もないはずなんです。普通に<好きだよ>って気持ちを伝え合うだけでいい。これは少しズレますが、学生カップル同士でろくに他の恋も知らず、大して絆を深めるエピソードもなかったりするのに、さも一生の相手が決まったみたいな雰囲気のゲームが多いのも、重たいなぁって思います。もちろん付き合い当初はそれぐらい気分が盛り上がっていたっておかしくないし、結果的に一生を添い遂げたって構いませんが、もう少し自然に付き合えないもんかなぁと」

 

残響「うーむ」

 

fee「これは重たいのが悪いというより、一生を添い遂げるのが当然と思えるほどの【絆の深さ】を描けていない、そちらの方がより問題だと思いますけどね」

 

 

4

 

 

fee「すみません、主人公繋がりで脱線しちゃって、話す順番を間違えた気がします。【トライアスロン要らない話】に戻したいんですけど、いいでしょうか? ,亮膺邑の態度については話したので、△亮囲を巻き込むというところなんですが」

 

残響「はい、どうぞどうぞ」

 

fee「大昔に『メモリーズオフアフターレインvol2 想演』というゲームがありまして。主人公とヒロインが、文化祭でクラスがやる演劇を私物化するんです。ヒロインのほたるが、<はーい、ヒロインはほたるがやるー。相手役はもちろん(主人公の)健ちゃんねー>みたいな感じで。<これはお前ら2人のものじゃねーから、クラスの出し物だから>と思って、うんざりしちゃった事があるんですが、『ラブラブル』のトライアスロンでも似たような気持ちになりました。

花穂が景品になるというのは花穂にとっても寝耳に水なので、花穂に責任があるとは言わないんですけど、普通に考えて断れるよねというのが一点。断れないなら断れないで、花穂は一応景品なんだから、景品らしくしなきゃダメでしょ」

 

残響「景品らしく、とはww」

 

fee「一競技者に肩入れしちゃダメだと思います。そりゃ、大好きなお兄ちゃんを応援したくなる気持ちはわかるけど、このイベントは街のみんなのイベントだから。主人公が<うぉぉー俺の花穂―>って頑張るのはいいとしても、花穂ちゃんが<お兄ちゃん頑張れ>みたいなことを言うのはNGでしょ」

 

残響「なるほど。理屈としては理解できる」

 

fee「他の参加者からしたらたまったもんじゃないです。まぁそもそも景品が花穂のキスというのもよくわからないし、そんなもののために参加者が熱くなったり、主人公が<うぉぉー俺の花穂―!>って頑張るのもイマイチわからないですけど。優勝者と花穂がエッチするとかならムキになっちゃうのもわかるけど、キスぐらい……舌を入れたりとかもしないでしょ? たぶん、チュ、ぐらいで終わりでしょ。割とこんな感じで冷めてプレイしていました」

 

fee「で、トライアスロンイベントの前の花穂のスピーチが結構良かったから。そこで終わっておけば良かったのに、0.5点ぐらいは評価が上がったのにって思って」

 

残響「なるほど」

 

fee「一応、花穂が頑張ったから、主人公もお返しに頑張らなきゃというシナリオ上の要請はわからないでもないんですが、それが面白さにつながったかというと……。そりゃ主人公が活躍した方が良いことは確かだけど、主人公の活躍は絶対条件ではないから。花穂ちゃんが格好いいところを見せて、終わりでいいじゃんって。主人公は今までバカキャラを演じて花穂を守ってきたんだから、それだけで十分ですよ。それだけで主人公は、花穂に愛される資格があるから、派手な猪武者みたいな活躍を無理に入れなくてもいいんじゃないか、というのがありました」

 

残響「なるほど……ラストの解釈について、ちょっとわけわからない事を言いますけど。イチャラブは最終的に世界になるんですね」

 

fee「確かによくわからないですねw」

 

残響「つまりイチャラブが物語の中でどんどん熟成されちゃって、イチャイチャにグチャグチャにイチャイチャにグチャグチャにハートマークを乱舞して混ぜ合わさって行ったら、イチャラブが世界全てを包み込んじゃうんです。世界はすなわちイチャラブするから世界であって、イチャラブすなわち世界であると。後は爆発して宇宙に行くか、二人の内部に収縮していくかという。その上で、もう周りの世界すべてがイチャラブになっちゃってるんですよ、二人にとっては。『ラブラブル』の最後に至っては。だから、二人が世界なんだから、世界のルールが二人なんだから、だから自分が景品であっても主人公に肩入れするのは当然というか」

 

fee「批判とかじゃないんですけど、<感情移入しないで観測を〜>と普段仰っている割に、感情移入してません?」

 

残響「これは感情移入なのかな。どちらかと言うと、観測しているぼくのテンションが上がっているという感じなんですけど。もはやこの世界を愛するしかない、みたいな」

 

fee「主人公か花穂に感情移入するなら、その瞬間、相手のことしか想っていないから、周りが見えなくてそうなっちゃうのもわかるけど。一歩引いて神の視点から見ると、<お前ら周りの人のこと全然考えてないんだな>っていう」

 

残響「最終的に言えば、周りの事を全然考えていない二人の関係性が好きなんですね。なんというかイチャラブ時空が歪んで歪んで爆発してみたいな。これまで自分が見ていた世界が爆発していく開放感みたいな」

 

fee「イチャラブというか、バカゲーみたいな感じが……」

 

残響「だって『ラブラブル』ってある意味バカゲーじゃないですか」

 

fee「まぁ、『ラブラブル』はある意味バカゲーだとは思います。ただ、残響さんのこの発言をイチャラブゲー全部に当てはめていいのかなっていう」

 

残響「イチャラブゲーは大なり小なりバカゲー的な要素は含みますよ」

 

残響「含まないのはトノイケゲーぐらいですね。トノイケゲーは別のものを含んじゃっていますから。……もっとも、ぼくはさっきからむちゃくちゃなことを言っているという自覚はありますw」

 

fee「まぁ、周りのことを考えないということを、許容できるかできないかというところはあるんでしょうけど。おとなしく恋をしているカップルを見ると、頑張れ頑張れって言いたくなるし、別に周囲を気にせずイチャついてもいいんですが、周囲を巻き込んだ挙げ句に<どうだ見たか>みたいなカップルを見ると、あーはいはいって感じになるから……」

 

 

5

 

 

残響「そこはシナリオ的な見方というか。シナリオ的というと変かもしれませんけど、リアリティを求めるみたいな」

 

fee「景品云々はリアリティというか、他人に迷惑をかけるなというか……。別にみんなの前でイチャイチャしていても迷惑だとは思わないんです。けど、あれは確か市のキャンペーンか何かでトライアスロンをやっているわけでしょ。その景品があれをしたらダメでしょっていう」

 

fee「花穂が中学生なのにバイトしているのは……と思った後に、親戚の店だからまぁいいかと思い直したのもあるんですが。ファンタジー世界の話なら別にいいんですが、一応作中の設定を現代日本っぽくしている以上は、リアル世界のルールを意識する必要はあるんじゃないでしょうか」

 

残響「『こいびとどうしですることぜんぶ』や『ツナガル★バングル』というゲームで(というか保住圭シナリオで)、とんでもない解決法を見た事があります。登場人物が学生で結婚したりお酒を飲んだりしているんですけど、この登場人物達は全員18歳以上ですからっていう」

 

fee「それはダメですね」

 

残響「ダメですかw」

 

fee「たとえば西暦3000年で、学生からどんどん子供を産んで結婚していくような社会になっているとか。あるいは、法律とかはきちんと作らなくてもいいんですけど、西暦3000年の世界では15歳からお酒を飲んでもいい世界になっているというのならいいんです。あるいは、ヤンキーが主人公だっていうなら学生でお酒を飲んでいてもまぁいいと思います。それにまぁ、お酒ぐらい多少はね? そんなに咎めないけど」

 

fee「だけど、たとえば『この青空に約束を――』っていうゲームでは、主人公たちの寮が潰されそうになっているのに、寮でお酒を飲んでいたりする。これはまずいだろうと僕は思いました。そんなんで、寮存続をアピールしても説得力がなさすぎます。飲酒を理由に寮が潰されても文句は言えないでしょう。危機意識がなさすぎるだろという意味で、お酒を飲んだらダメかなっていう。そういう作品だと、やっぱりダメかなと思いますね」

 

残響「なるほど、シナリオ中の説得力というか」

 

fee「そういうところはやっぱり気になっちゃう。家族が金持ちで主人公たちを養ってくれるなら、学生で結婚してもいいと思います。けど、普通に考えたら厳しいんじゃない? まぁ結婚って言っても、子供を作らなければ別にいいとは思うけど、さっき挙げられていたゲームでは多分子供も作るんだよね?」

 

残響「はい、作りましたね」

 

fee「だからその辺は難しいところですけど」

 

残響「そこら辺、『ラブラブル』は不思議な解決をしていまして。『同棲ラブラブル』花穂ルートの最後の方なんですけど、親父に殴られるんですね。<殴られてでもやっていくならいいけれど、けじめとして一発殴らせろ>みたいなことを親父に言われるんです。微妙なリアリティなんですよね。ここまで、実妹でいいじゃんって言っておきながら」

 

fee「いやまぁ一発殴らせてもいいんじゃない?」

 

残響「はははw」

 

fee「その後、祝福してくれるんでしょ?」

 

残響「そうですね、ええ」

 

fee「じゃあいいんじゃない。一発ぐらい」

 

残響「そっすか」

 

fee「え、殴られたくなかった?」

 

残響「難しいところですね。ぼくは殴られたくなかったと思いますが、殴られても仕方ないとも思っていて、ここら辺は微妙ですね」

 

fee「そりゃ僕だって、他人に殴られたくはないけどw 客観的に言うなら、パパも多少鬱屈したものがあるんだけど、一発殴る事でスッキリして、それでこれから後腐れなく祝福してくれるならいいんじゃないかという話で」

 

残響「その後の花穂のCGとかも良かったのでいいんですけど、最後に少しゴチャっとさせるのはどうなのかなと思ったんです。まぁいいんですけど。バランス感覚の違いなんでしょうか? 倫理性そのものの違いじゃなくて」

 

fee「難しいですね」

 

 

6

 

 

残響「なんだか難しい話になっちゃいましたね。『ラブラブル』の話なのに」

 

fee「ファンタジーなら気にしないんだけどなぁ。金持ちとかでも気にしないし。それにまぁ、エロゲなんだから中出しぐらいしてもね?」

 

残響「そこが最大のファンタジーじゃないですかww」

 

fee「いや、まぁまぁまぁまぁそうなんですけどw でも、エロゲでもリアル路線のゲームだったら、やっぱり中出しには慎重になってほしいし」

 

残響「それは言えてますな。世界観は大事ですよ」

 

fee「たとえば、『ef』というゲームがあって、僕はかなり好きな作品なんですが。1章の話をしますと、主人公が将来の仕事を悩むというストーリーラインなんですね。主人公は高校生兼、売れっ子の漫画家なんですけど、漫画でいつまで食べて行けるかわからない。だから、ちゃんと進学すべきなのか、いっそのこと漫画に全て打ち込むか、延々と悩むというリアル志向の物語なんです。しかし、子供を作っちゃったら、漫画家か進学かで悩んでいる場合じゃなくなるんだから、こういう話だとちゃんと避妊した方がいいのではないかと思うんです。そういうテーマのゲームじゃなきゃ、別に中出ししてていいです。いやまぁ、そういうゲームでも中出ししたからって怒ったりはしないけどw 僕は別に、いつもリアルじゃなきゃいけないとかそういうことは言わないですよ」

 

残響「大丈夫です、それは解っています。リアル寄りのゲームの場合は、っていう話でしょ?」

 

fee「そうです。まぁ、『ラブラブル』がリアル寄りの作品かどうかというのは難しいところなんですけど……」

 

残響「内容面、というよりは製作面、なんですけど。実は製作者側も<リアルな要素を入れる事が、女の子の萌えに繋がるのだ>みたいなことを公言していたりするんですよね。そこら辺、都合よく取り入れてってところなんでしょうけど」

 

fee「しかも、僕に関してなんですけど、リアルさで抵触して減点する部分って、花穂のトライアスロン一点ぐらいしかなくて。他は特に問題ないから、ここだけちょっとバランスが悪いというか。まぁ残響さんはそれが良いと言っているので、あれなんですけど……というか、他人に迷惑をかけるかどうかというのは、リアルかどうかとはまた別の話な気もするんですけど……」

 

残響「まぁ、イチャラブが宇宙だとか、イチャラブが爆発だとか言っている人の言葉ですからね」

 

fee「たとえば奈々子ルートなんかは本当に現実的な話で。つぐみなんかも現実的な話ですよ。さつきと千夏は何も起こらないんで、ある意味現実的です」

 

残響「花穂はファンタジーですね」

 

fee「花穂も最後だけなんですよ。まぁ、実妹なのにみんなが祝福してくれるのだってある意味ファンタジーですけどw」

 

残響「でもそれを言い出したら、そもそも主人公はトライアスロンで泳いでないですからね。なんで船なんだっていう」

 

fee「だからトライアスロンのところだけがバカゲーっぽくて。いや、それ以外のシーンもテキストはバカゲーっぽいんですけど、展開はバカゲーじゃなかったんですよ。でもここは展開もバカゲーで、まぁいいんだけど……もう少し他の人にも配慮しようよっていう。

だって、僕がトライアスロンの参加者で、花穂ちゃんのキスが景品と聞いて張り切っているのに、当の花穂ちゃんから<お兄ちゃん頑張れ>とか言われた日にはどうですか」

 

残響「まぁあれは、そもそも何もかも仕組まれた出来レースみたいなものなんですけどね」

 

fee「それもどうかなって思うけど」

 

 

7

 

 

残響「そっか。ちなみに最後の疑似結婚式はどうでしたか?」

 

fee「……全然覚えてないんですけど」

 

残響「えっ!?

 

fee「いや、マジで全然覚えてないぞ?」

 

残響「最高のCGだったじゃないですか!」

 

fee「ちょっと待って……ちょっと待ってね」

 

残響「一番最後ですよ?」

 

fee「あー? (ゲームのCG鑑賞モードを見ながら)あーあーあー、こんなシーンあったっけ?」

 

残響「あったんですよww」

 

fee「いや、CGがあるってことはあるんですけど、全然覚えてないぞ? いや、クリアはしてますよ!? 最後飛ばしたりしてないですよ?」

 

残響「はははww」

 

fee「そんなシーンもあったんでしょう。……言われればあったような気もする」

 

残響「言われればってw」

 

fee「僕はそもそも抜きゲーとしてプレイしていますからね。それ自体がちょっとおかしい気がする。そんな人、あまりいないんじゃないかな……」

 

残響「いや、いないわけではないけれど……」

 

fee「僕は、イチャラブゲーというかキャラゲーをプレイする動機の7.5割は抜きなんです」

 

残響「ふむふむ」

 

fee「シナリオゲーって、エロいゲームはあまり多くないんですよ。最近そうでもなくなってきた気がして、『この大空に、翼をひろげて』とか『あの晴れわたる空より高く』とか、最近のシナリオゲーはエロくなってきたなぁとか思うんですが。『サクラノ詩』も結構エロかったし。でも、全体的にはシナリオゲーはあまりエロくないというのがあって。キャラゲーの方がエロい。抜きゲーの方が更にエロいかもしれないけど……」

 

残響「ぼくは抜きゲーに関してはバカゲーだと思ってプレイしていますね」

 

fee「抜きゲーをですか!?」

 

残響「はい」

 

fee「僕は抜きゲーは、一部例外を除いて基本抜きしかないから、それはそれでいいんだけど、ちょっと味つけが濃すぎるかなぁみたいなところがあって。抜きたい時にしかプレイできないという。キャラゲーは抜きたい時じゃなくてもプレイできて、抜きたい時にもプレイできる」

 

残響「抜きゲーに関しては、ファンタジーテキストをげらげら笑いながら面白おかしく読んでいる感じですね」

 

fee「それは……そういう人はそんなに多くはいないと思うぞ?」

 

残響「やっぱりそうなのかなぁ」

 

fee「いや、わからない。僕は他の人のことは知らないのでw」

 

残響「先日Twitterで<抜きゲーのテキストは時代遅れになるんじゃないか>みたいな事を言ったんですけど、それは笑えるか笑えないかで見ているからそういう発想が出てきたんですね」

 

fee「20年前のフランス書院とかを読んだら、<ひぃ、堪忍して下さい>とか書いてあって……」

 

残響「そういう事ですそういう事です」

 

fee「へ? とか思っちゃって。これはヤバいだろって思いましたけどね」

 

残響「いずれ<んほぉぉぉぉ>とか<ひぎぃ>みたいなのもテンプレ化して陳腐化するんじゃないかと思うんですけどね」

 

fee「それは流行っている今ですら、僕は気持ち悪いと思っているから……。そりゃないでしょって思っちゃうんで。これは時代遅れになるとかならない以前に最初からおかしい。もちろん趣味の話ですけど。それを抜きゲーのテキストと言っちゃっていいんですか?」

 

残響「ははははw」

 

fee「アヘ顔と同じで、それはニッチな感じというか……」

 

残響「『ラブラブル』に関しては境界線上のところがあって、レイプ目を最初に使い出した萌えゲーメーカーがsmeeなんですよね」

 

fee「僕はその辺は大丈夫でした」

 

残響「ぼくも大丈夫でしたけど、これはちょっと賛否両論でした」

 

fee「白眼むいてよだれ垂らさなければいいです……」

 

残響「まぁそうっすねw」

 

fee「白眼むくのだけはやめてほしい。あれはかわいくないから、ほんとに」

 

残響「ひょっとこも個人的には……」

 

fee「ひょっとこもダメ、かわいくない!」

 

残響「かわいくないっすよね」

 

fee「やっぱりかわいくなくちゃ!」

 

残響「でも人によってはレイプ目も嫌だっていう人はいるでしょうしねぇ」

 

fee「それは……僕もレイプ目がそこまでキツかったら嫌かも。ギリギリ許せたという記憶があるので、逆に言えばギリギリだったという……」

 

残響「レイプ目も使いようですからね。毎回はキツいけど(実際、SMEEの以降の作品ではそのきらいがあった)、<ここぞ!>というときに使う破壊力はなかなかですよ。レイプ目……デストローイ……(意味不明)」
 

fee「『ラブラブル』については大体こんなところでしょうか?」

 

残響「そうですね、今日は本当にありがとうございました」

 

fee「いえ、こちらこそ楽しかったです。ではまた!」

 

 

次回予告

 

『ラブラブル』についてはこれで終わりかと思いきや、読者からの熱いお便りが!

次回、「ラブラブル 第6回 お便り紹介対談」に続く

エロゲ対談番外編 作品クロスレビュー「ラブラブル」 第4回/全5回予定(?)

  • 2016.10.30 Sunday
  • 20:00

 

ラブラブル〜lover able〜2011.02.25発売予定!

 

 

1

 

fee「花穂に一番力が入っているのは間違いない」

                 

残響「はい」

 

fee「間違いないし、その力の入れ方は、僕から見てもまぁまぁ成功している」

 

残響「裏話をすれば、ライターさんは妹が好きで好きで仕方ない人なんです。前作の『らぶでれーしょん』は、ライターのデビュー作だったため、ディレクターが<妹は敢えて封印しろ>と。封印して、今はライティングの力を上げろというディレクターの指示があったんですね。で、今回、第二作目にあたる『ラブラブル』を書く際に、ライターが<やっぱり理想の妹が書きたい>と申し出た、そういう経緯があったんです」

 

fee「好きなものを書くというのは良いことです……ってなんだか月並みなコメントになっちゃったな……」

 

残響「『ラブラブル』以降、このライターさんは妹を描いていないんですね」

 

fee「おぉ、そうなんですか」

 

残響「幼馴染は何パターンか書いているんですけど、妹は書いていない。花穂が出た時は凄かったですね。これが完成形だ、みたいな」

 

fee「『ラブラブル』は花穂のゲームですよね」

 

残響「パッケージでも花穂ですし……いや、そういうことはどうでもいいんだ。とにかく内容を見ても花穂ですよ」

 

fee「明らかに力の入り具合が違うからね……と言っても僕は6点だけど……」

 

残響「ははは」

 

fee「プッシュされてるよね」

 

残響「プッシュされてますね。プッシュされていても問題はないですし、キャラ自身も、何かからプッシュされていても、それでも私は魅力的なんだみたいなところがあるじゃないですか」

 

fee「ん? プッシュされるキャラは魅力的ではない、というのが前提にあるんですか?」

 

残響「発売前から、いかにも特定のキャラに力を入れているのが見える、解ることってありますよね。でも、実際にゲームをやってみると空回りしていることってありませんか?」

 

fee「あーあー、要するに、<そのキャラ、プッシュされてるけど大して良くねーよ>って話ですか?」

 

残響「そうです。少なくとも花穂に関しては評判倒れでは全然ないんですよ」

 

fee「まぁ、このゲームは花穂のゲームだし、花穂で成功しているでしょ」

 

残響「逆に言えば、花穂が失敗していたら、かなりのところでダメになっていると思うんですよ」

 

fee「まぁ、そうでしょうね。僕、花穂ルートがダメだったら、5点ぐらい下がって63点ぐらいになってます」

 

残響「あぁ、それはだいぶ下がるなぁ。ぼくも同じですけど。昔、トノイケダイスケさんが、『水月』という作品のビジュアルファンブックで、琴ノ宮雪というヒロインを<誰にも嫌われない存在として描かなければならなかった>と言っているんですね。そういうキャラだから、と。完璧でなければならないと。欠点さえも、完璧でなくてはならないと。好かれることが大前提で、その上でどう魅力を描いていくか。そういうふうにインタビューで言っていましてね」

 

fee「僕、『水月』で一番好きなのは宮代花梨ちゃんで、二番が……香坂アリスかなぁ。雪さんは嫌いじゃないけど……」

 

残響「でも、どうでもいいキャラではないでしょ?」

 

fee「作品テーマ的にはどうでもいいキャラじゃないけど、ヒロインの魅力的には割とどうでもいいです……」

 

残響「そうかぁ」

 

fee「雪さんファンは結構いるので成功はしているんでしょうけど、僕は二番がアリスで三番が牧野那波かなぁ。鈴蘭は嫌いじゃないけど、ロリすぎて女性としては見られないのでダメで、眼鏡ちゃん(新城和泉)もダメで……」

 

残響「そこなんですけど、大体眼鏡ちゃんはダメって言われていますよね。少なくともアリスや眼鏡ちゃんは、嫌いから入っても話は進むんですけど、雪さんに関しては、<好きになってもらわないと話が始まらない>。少なくとも、嫌いから入ったら話が始まらないというのを聞いて、ぼくは納得しちゃったんですけども」

 

fee「僕は雪さんは、7人のヒロインの中では真ん中ぐらいで、特に好みでもないし、別に嫌いでもないしで。ネットなどを見ていると、<みんな結構雪さん好きなんだなー、へー>と思って。シナリオが一番好きなのは、雪さんルートなんですけど、雪さんルートで一番良かったのは誰かと聞かれると雪さんじゃなくて僕は花梨だったし」

 

残響「あぁーーー」

 

fee「雪さんルートが好きだけど、雪さんというヒロインが好きってわけでもないんだよなぁ」

 

残響「で、<好きになってもらわないと話が始まらない>というのは花穂にも言えるんですね。力を入れるというのもあるんですけども、物語中の役割というか、キャラとの関係性というか、ある種完璧な要素がかなり多くを占めていなくちゃいけないというか」

 

fee「ほぉ……なるほど」

 

残響「花穂は下ネタを言う事もあるんですけど」

 

fee「そんなにあったっけ?」

 

残響「少なくとも、全くないわけではない。そもそも、女版ハル君(主人公)みたいなところがあるんです。多分作中で言われていると思うんですけど。そういうキャラでありながら、ばっちりかわいいみたいな。全く弱さがないわけでもないけど、その弱さもかわいいみたいな」

 

fee「花穂は、なんか女王様っぽい」

 

残響「それはそうですね。絶対人の下にはつきませんよ」

 

fee「ヒロインに、<こいつつえーな>というオーラを感じることって意外とないんですが、花穂にはそういうオーラを感じる」

 

残響「作中で、<強い>とは言われてないですけど、明らかに強いですよね」

 

fee「強い」

 

残響「無敵ですよね」

 

fee「太陽みたいな強さ」

 

残響「それそれ」

 

fee「僕はつぐみみたいな、地味だけど健気で頑張っていて、芯が強い娘が好きだからそっちに行ってしまうけど、花穂は常に<どんと来いや>みたいな感じの強さ。こいつはつえーな、という」

 

残響「もし花穂に何か欠点があるとしたら、屈折的な影がないところでしょうか。変な話ですけど、うつ的な感じには絶対ならないですよね、花穂は」

 

fee「花穂はならないね」

 

残響「そういう意味での闇はないんですよね。だって太陽だもの。太陽に<お前、闇がないからダメだ>と言っても、それは的を外した批判にしかならない。じゃあこの子の批判がどこにあるかというと実妹なんですね」

 

fee「それは批判なんですか?」

 

残響「批判というか、世間的な批判ですね」

 

fee「あー、弱点って意味ですか」

 

残響「はい。でもそれも自分の太陽的なもので、ノリと勢いで<いーじゃん>みたいにしちゃいましたから」

 

fee「僕はあまりそういうキャラに惹かれるというわけでもないんですけど」

 

残響「ぼくもそういうわけでもないですが……」

 

fee「昔、『夜明け前より瑠璃色な』っていうゲームがあって、フィーナというヒロインが圧倒的女王オーラを出していたんです。花穂が持つ太陽オーラとはまた違うんですが、こういう独特のオーラが出せるヒロインって」

 

残響「少ないですよね」

 

fee「そう。偉そうな奴はどこのゲームにもいるんですが。<ほーっほっほ>みたいなお嬢さまとか、お嬢さまでスポーツ万能成績優秀みたいな、設定だけの最強キャラは見ますけど。そういう設定のヒロインなんだね、とは思いますが、<すげーな>とはあまり思わない。でも、花穂は割とそういう意味でも成功していて。『ラブラブル』内では花穂だけですね」

 

残響「カリスマですよね」

 

fee「そう、カリスマ。まぁ元々、『ラブラブル』の中でカリスマで売っているキャラは花穂しかいないというのもあるけれど……」

 

残響「作中で、同性からも好かれている描写がありますね」

 

fee「花穂なら好かれると僕も思います」

 

残響「先輩の同性からも好かれるという。後輩からも……まぁ花穂の下はいないんですけど……いることはいるか、つぐみの方が下っぽいポジションというか」

 

fee「つぐみは年上だべ?」

 

残響「確かにそうなんですけど、でもつぐみが花穂に何か敵うかというと……」

 

fee「……つぐみは同性からは嫌われるタイプだと思うな」

 

残響「ぶっちゃけましたね。否定はしないけど」

 

fee「でも、同性から嫌われるタイプほどかわいく見えるんだって」

 

残響「はっはっは、なるほど」

 

fee「でも、現実では同性から嫌われている子は実際に性格が悪いから、付き合ったら地雷だと思うよ。つぐみちゃんは二次元の子だから、性格も良いよ!」

 

残響「ははは」

 

fee「それに、『ラブラブル』の作中に、まさかつぐみちゃんをいじめるような心ない奴はいないと思うから……少なくとも奈々子さんとか、お店で働いている人たちの中にはいないよね。まぁ僕はつぐみちゃんをいじめたいけど、そんな話はどうでもいいかw」

 

残響「おあつらえ向きなCGが『同棲ラブラブル』にあるんですけど、犬のコスプレさせて首輪させてっていう」

 

fee「いいねぇ、わかってるじゃん。そうだよ、そうでなくては(興奮)」

 

残響「ははは……」

 

fee「つぐみはかわいいな……って花穂の話じゃなかったのか!」

 

残響「ほんとですよw!」

 

fee「なんでもつぐみはかわいいなに繋がってしまう……花穂はオーラが出ていていいんだけど、花穂は人間として見ちゃいますね。女の子として愛でたいのはつぐみとさつきで、人間として尊敬とか、そっちだよね花穂は。別に女性を下に見るつもりもないんですけど……自分よりも女性が上でもいいけど、上すぎると僕はチキンなので声をかけづらいというか。花穂ちゃんと付き合っている自分が想像できないw」

 

残響「はぁ、なるほど」

 

fee「花穂ちゃんはちょっと遠くから見る感じかなぁ」

 

残響「作中人物もほとんどはそう思っているんじゃないでしょうか」

 

 

2

 

 

残響「キャラの話はこのぐらいにして、シナリオの話をしましょう。ぼくはシナリオに9点をつけているんですが、よく言われるのが<最後のトライアスロンは余計だろ>というものなんですね」

 

fee「割とというか、それは以前、僕が残響さんに主張したことじゃなかったっけ……」

 

残響「いや、ラブラブル発売直後から、ファンの間でもよく言われてるんですよ」

 

fee「お、そっすか、そっすか」

 

残響「えぇ。で、それに対してぼくは<いや、あれがあってこその大団円だろ>と、当時から強く思っています」

 

fee「先にそれを言われるとあれですよね。僕、これから<トライアスロンは余計だろ>って話をしますからねw」

 

残響「はははw オールベストというか、スーパーラブラブル大戦という感じで、モブキャラも含めた全キャラが出てきてワイワイ騒ぐんですけど。そのワイワイ感というのが、総出で、今まで良かった奴も嫌な奴も、ヒロインも全員出てきて、とにかくぐっちゃぐっちゃでわけのわからないことをする。わけのわからないことをすることで、この兄妹が輝く。そういうふうにぼくは読みました」

 

fee「運動会的な楽しさがあるという指摘は、僕は意識していなかったので、面白いですね」

 

残響「そうですか。運動会的な、スーパーラブラブル大戦的なストーリーの流れが、そのままこの兄妹への祝福に繋がっているんですね。で、最後に花穂の肩を寄せて、主人公が啖呵を切るところで<決まった!>みたいな。ぼくが10点をつけずに9点にしたのは、どちらかというと僻みみたいなところもあるんですけど、あまりにも眩しすぎたから。後は、『ラブラブル』全般に言える事ですが、後半に山あり谷ありのダイナミクスがあるかというとそれはないなと。少し一本調子だなというのはありまして」

 

fee「ふんふん」

 

残響「もちろん奈々子さんシナリオなどに山や谷があるにはあるんですが、それでも一本調子で、各チャプターでガーンとぶつけてガーンと終わるという。それが続くかなというのもあります。まぁ、テンポの良さにもつながっているので、些細なところではありますが」

 

fee「なるほどなぁ」

 

残響「それから、他の4人は作中季節が夏でなくてもいいんですけど、花穂だけは夏の開放感が必要というのもあります」

 

fee「あー、まぁ少なくとも冬ではダメだな」

 

残響「ラストへ向けてのスピード感、開放感は、やはり夏でなくてはダメでしょう」

 

fee「なるほど。季節感を大事にする感じですか」

 

残響「夏の開放感は大事にしていますね。開放感あふれる夏の雰囲気は、共通ルートから描写されていますし」

 

fee「店がそもそも夏っぽいんですけど」

 

残響「そうなんですね」

 

fee「店が夏っぽいからいいかなって。僕は元々あまり季節感というのは重視しないので」

 

残響「ぼくも普段はそこまでこだわるわけでもないんですが、この『ラブラブル』という作品は、作品テーマ・作品内容・雰囲気・季節感が見事にマッチしているので。今回に関しては季節感も大事にしたいかなと」

 

fee「なんだろうなぁ。『ラブラブル』の夏って、僕の中では『Pia キャロットへようこそ!!』に通じるものがあって」

 

残響「あー、はいはい。意識はしているでしょうね、確実に」

 

fee「やっぱり意識していますかねぇ」

 

残響「今言われて初めて気づきましたけどw 言われてみれば確実に意識はしている」

 

fee「海もあるし。まぁ、夏で海というのは定番だけど……」

 

残響「このブランドは、良い意味で作りが古いというのもありまして。今のゲームの流行を追うよりは、昔のゲームの良い所をルネッサンスしようという、そういう気概はあるんですね」

 

fee「『ラブラブル』は……まぁ単に短かったからかもしれないけど、イチャラブゲーの中ではとっつきやすい方かなぁ」

 

残響「ですね」

 

fee「じゃあ、次は僕が……」

 

残響「はい、お願いします」

 

fee「僕はシナリオに6点をつけているとは言っても、別にそんなに叩きたいわけでもないんですが……残響さんが9点をつけているから、<まぁそこまでじゃないだろ>っていうのはあってw」

 

残響「wwwww」

 

 

次回、花穂編2に続く

エロゲ対談番外編 作品クロスレビュー「ラブラブル」 第3回/全5回予定(?)

  • 2016.09.22 Thursday
  • 22:09

 

ラブラブル〜lover able〜2011.02.25発売予定!

 

 

1

 

fee「意気込んだのはいいんですが、つぐみはそんなに語る事もないんだよなぁ」

 

残響「シナリオの完成度は高いと思うんですが、キャラがぼくのツボというわけではないんですよね……」

 

fee「つぐみがですか?」

 

残響「これはもっと刺さる人がいるんだろうなという感じで。悪くはないんですよ。悪くはないんですけど、そもそも後輩キャラはそんなに好きじゃないというのもあります。つぐみシナリオは、段階を踏んでいってそれなりの長さで、キャラの魅力を描いて、ちゃんとしたエンドで良かったね、みたいな」

 

fee「残響さんはシナリオが7点でキャラが6点なんですよね」

 

残響「はい、そこまでのめりこめなかったってだけなんですけど」

 

fee「僕はシナリオが6点で、キャラが7.5なんです。逆なんですよね。シナリオとキャラの配点が」

 

残響「ふむ」

 

fee「僕は、つぐみのシナリオは悪くはないけど、あんまりうまくもないと思いました」

 

残響「なるほど」

 

fee「つぐみのシナリオって、結局昔悪い事があったっていう話で。そこに悪役をぶつけてきているんですけど、悪役の初登場シーンでちゃんと伏線が貼ってあったかっていうと、伏線は貼ってないでしょ」

 

残響「貼ってはないですよ」

 

fee「もし昔に因縁があったら、つぐみがもう少しリアクションをするはずだと思います。因縁のある人と会ったのにリアクションもしないで、それで実は因縁が〜って言われても、それは展開的に無茶でしょと思いました」

 

残響「ぼくはそこはまるっきり逆なんですね。というのも、つぐみ先生というキャラは、昔嫌な事があっても自分の中で押し殺しておける健気さをもった人間なんだと、勝手に解釈しています。シナリオの過去の因縁に関しても、そこまでシナリオのメインに関わる事なくうまく処理したなと思います。イチャラブに専念できるようによくバランスをとってくれた点を評価して、7点をつけました」

 

fee「つぐみの過去の話は僕もバランスが良いと思います。これぐらいのバランスにしておけば、つぐみの魅力も際立ちますし……」

 

残響「そうそう、スイカに塩の理論ですよ」

 

fee「簡単に言えば、薄幸キャラを守ってあげたいという気持ちにプレイヤーをさせつつ、そこまで重い話にしないというバランスは良いと思います」

 

残響「ふんふん」

 

fee「逆に言うと、それだけの話です」

 

残響「うーん」

 

fee「僕のシナリオ・キャラの点数のつけ方が良いかどうかはともかくとして、このつぐみシナリオは、<つぐみちゃんがかわいい>っていうだけの話なんですよね」

 

残響「はい、そうですね」

 

fee「奈々子さんのシナリオは、キャラのかわいさとは独立したところで、シナリオとしてちゃんと成り立っていると思うんですよ」

 

fee「でもつぐみちゃんの話は、過去にこういう事があったからつぐみちゃんを守ってあげたいよね。健気だね、かわいいねっていうそのためだけにあると思っているので。それが良い悪いかはおいといて、僕はそんなに評価はしない、というところです」

 

残響「はい」

 

fee「で、その分の点数は、シナリオではなく、つぐみさんのキャラクター点のところにつけておきました」

 

残響「なるほど」

 

fee「実際つぐみちゃんはかわいいし、守ってあげたいなと思ったし、健気だなと思ったから、キャラクター点は高い」

 

残響「ふんふん」

 

fee「そういう意味では、シナリオがうまくキャラをサポートしていると。縁の下の力持ちで、シナリオは目立たないが、キャラの魅力を引き立てるサポート役に回ったとは思っていて、それは悪いシナリオではないと思っているけれども。シナリオ単体で見ると……ちょっと辛い」

 

残響「なるほど」

 

fee「現代でもつぐみちゃんは頑張るんですけど、ちょっと過去の比重が大きすぎるイメージ。文章量はそうでもないんですけど、イメージ的には過去の比重が大きくて。つぐみちゃんには辛い過去があるんですが、まぁそうは言ってももう終わったことじゃないか。というのがあって」

 

残響「はい」

 

fee「現代でも多少試練はあるけど、もうちょっと試練があっても良い。『グリザイアの果実』というゲームがありまして、評判の良いルートに天音ルートというのがあるんです。天音ちゃんの過去シーンはなかなか読ませるものがあって、天音ちゃんシナリオサイコ―!って言う人もよくみるんですけど……」

 

残響「はぁ」

 

fee「でも天音ちゃんのシナリオが最高なのは過去シーンだけなんですよ」

 

残響「ははははww」

 

fee「僕も、天音ちゃんの過去シーンはいいねと思った一人で、天音シナリオもそこそこ評価はしているんですけど、でも現代ではなんも起こってないやん!っていうのもあって。過去の話は過去の話でいいけど、もっと現代の事を語ってほしいというか。つぐみシナリオに関してもその辺が物足りない。まぁ、現代でもちょっとは頑張りますけどね、最後」

 

残響「まぁ、確かに」

 

fee「過去に主題がおかれていて、現在への流れが秀逸ならば、過去メインでも全然いいんですけどね。『秒速5センチメートル』の過去エピソードや、『久遠の絆』の平安編のように、過去に重きが置かれていても全然気にならない話もありますし……でもつぐみシナリオは叩くほど悪くはないですね……僕、叩いてないよね?」

 

残響「叩いてはないですね。そこまで高評価もしていませんけど」

 

fee「シナリオゲーでもないしね」

 

残響「そうなんですけどね。それを言っちゃ……」

 

 

2

 

fee「つぐみちゃんはかわいいよね」

 

残響「それは確かですよ」

 

fee「絵もかわいいと思った」

 

残響「うん、それも確かです」

 

fee「つぐみちゃんはいいなぁ……それしか言えないw」

 

残響「www」

 

fee「つぐみちゃんは、パジャマを着ててオナニーをするシーンが最高によかった」

 

残響「なるほどw」

 

fee「そんな話を聞かされても困りますかね?」

 

残響「いやいや、重要なところじゃないですか」

 

fee「そうですよね。つぐみちゃんのHシーンは基本的にいじめてオーラが出ていて、大変よろしいです

 

残響「いじめてオーラ、それは重要ですね」

 

fee「僕、いじめてオーラが漂っているヒロインが最高に好きなんで」

 

残響「あ、そうなんですか?」

 

fee「好きなんですよ、僕Sなんで。こういう娘を見ると、いじめたくなって仕方がないんで。もう嬉しくなっちゃいますね」

 

残響「なるほど」

 

fee「だからつぐみちゃんは最高ですよ。最高って言っておきながら7.5ですけど」

 

残響「はははww 自分はいじめるよりも、甘やかしてほしいみたいなところがあるんですけど。姉属性的な」

 

fee「じゃあ奈々子さんはなんで5点なんすか……」

 

残響「そこら辺が消化不良だったんですよw」

 

fee「……奈々子さんは別に甘やかしてくれるヒロインってわけでもないか」

 

残響「そう、そこが消化不良だった。甘やかしつつ、甘やかされたいみたいな。ある種の共依存をぼくは求めているんです」

 

fee「僕はあまり甘やかされたいわけでは……どうなんだろう。僕、現実世界では、甘やかしてほしい」

 

残響「ふむふむ」

 

fee「僕は、甘やかされたい!」

 

残響「www」

 

fee「けど、ゲームの中で主人公が甘やかされているのを見ても、実はそこまで嬉しくはなくて」

 

残響「あらら」

 

fee「そうじゃなくて、ヒロインをいじめたい」

 

残響「あらー」

 

fee「僕の恋愛属性的には、いじめたいんですよ。守ってあげたい、いじめたい。そういう娘を好きになるんですけど。そういう子って、現実世界では裏があることが多いっていうね……。僕の数少ない恋愛経験で言わせてもらえば、裏があるんですよね……」

 

残響「ふふふw」

 

fee「そういう子に限って性格が悪い。儚そうに見せているだけ。男を釣ろうと思って」

 

残響「はははww」

 

fee「そういう子に惚れちゃうんだけど、そういう子を好きになっても僕にとって良い結果にならない事は解りきっているから。いくら胸がときめいても、そういう子にアタックする元気はなくて。僕を甘やかしてくれる子の方が、僕も楽だしそれがいいなってw 

だから現実では甘やかされたいんだけど、エロゲーの中ではもっとアグレッシブに行ってもいいでしょってw そこまで性悪な子はエロゲの中にはほとんどいないし」

 

残響「www」

 

fee「エロゲ世界では、いじめて、守ってあげたいヒロインとイチャイチャしたいですよ。現実ではできないけど!」

 

残響「なるほどw」

 

fee「なんで僕こんな話を始めたんだっけ……なんか自分の恥部を無駄に晒した気がする……」

 

残響「いや、結局の話、イチャラブゲーなんて自分の恥部をどうにかするための手段なのかもしれませんよ……奈々子さんの話いきますか?」

 

fee「お、奈々子さんいっちゃう?」

 

 

ラブラブル〜lover able〜2011.02.25発売予定!


 

3

 

残響「奈々子さんのシナリオが一番ダメでした

 

fee「マジですかー?」

 

残響「『実家』、『家を継ぐ』、勘弁してくれよっていうのがありますね」

 

fee「それはこう、僕も他人のことは全く言えないんですけど、リアルに根ざしたw」

 

残響「バレました、やっぱり」

 

fee「そういうのはあるよねww」

 

残響「プラス、奈々子さんのお母さんがいるじゃないですか。こうしなさいああしなさい的な。勘弁してくれよっていう。もっとイチャコラに専念させてくれよ、生々しいことはやめてくれよみたいな。『ラブラブル』で印象に残った嫌なシーンは、共通ルートで初心者の時にバイトで失敗しちゃうシーンがあったじゃないですか。ぼくも以前のアルバイトでこういう経験をしたことがあるものですから、身につまされる感じで辛かったです。しかもそこら辺をじっとりと描写するもんですから……。奈々子さんの話も、イチャイチャよりも周りとの兼ね合いというか、自分は頑張っているのにどうすればいいの? みたいなところをしっかり描いているので、うーんっていう感じでしたね」

 

fee「バイトの失敗は覚えていますけど、共通ルートだし、奈々子さんとはあまり関係ないような……」

 

残響「その後では奈々子さんが励ましてくれるっていう場面なんですけど」

 

fee「いただけない客が来て……みたいな話ですよね?」

 

残響「えぇ、そんな感じです」

 

fee「それは、接客業をやっている人とか、これからやる可能性のある人的にはちょい辛いかもしれんなぁという」

 

残響「これをドシリアスとは言いたくないですけど」

 

fee「大したシーンではなかったようなw」

 

残響「過去にこういう経験があったなぁ、なんだかなぁ、これをイチャラブゲーで出すのかいなみたいなところはありましたね。キャラ的には姉属性で悪くないところもあるんですけど、甘やかし度というか、その辺りが物足りないというか」

 

fee「奈々子さんは、オーソドックスな姉キャラではないですね」

 

残響「そうですね」

 

fee「奈々子さんは年上だけど、かわいいタイプですよね」

 

残響「そうです」

 

fee「だから僕は評価が高いんですけど……高いって言っても6.5か」

 

残響「さつきと同じぐらいってことですよね」

 

fee「『ラブラブル』のヒロインは全体的に割と好きですからね」

 

残響「千夏以外?」

 

fee「そうっすね。奈々子さんも結構好きですけど、奈々子さんはシナリオが良い。シナリオが良い……とまでは言えないけど、『ラブラブル』の中では一番良い。ちょっと小さくまとまっちゃったかなとは思っているんですけど、非常に丁寧で、王道だと思う。奈々子さんシナリオは、夢に向かって頑張る奈々子さんを主人公が応援していって、悪役は夢を邪魔するお母さんということで、オーソドックスな型にビシっとはまっていて。主人公が奈々子さんを、肩の力を抜いて大人っぽく頼れる感じでサポートしているんですよ。このルートの主人公が僕は一番好きです」

 

残響「なるほど」

 

fee「主人公頑張ってるじゃんって思って。将軍が敵を蹴散らしていくような、派手な格好良さではないけれど、この主人公は安心して頼れるなと。落ち着いて読めたし、話としてもそんな変わった事はしていないけど、丁寧にまとまっていて、過不足なくビシッといったなという意味で評価できるなと。このシナリオで印象的なのは、夢に向かって頑張る奈々子さんの姿。読んでいくうちに、人間としての奈々子さんに好感を持てるようになるという意味でも、良いシナリオだったと思っています

 

残響「人間としての奈々子さんに好感が持てるというのは、かなりの褒め言葉じゃないですか」

 

fee「敢えて批判するなら、ちょっと王道すぎるかなっていうのはありますけど。王道は決して悪い事ではないし、障害の大きさも大体ちょうど良いぐらいで。千夏とさつきの障害はちょっと小さすぎたし。つぐみは障害の大きさは良かったのだけど、障害に向かうシーンという意味では過去の比重が大きすぎていて。奈々子は現代にちゃんと比重が置かれていてそれもまた良しで、いいことづくめじゃないかなぁと。

僕は奈々子さんはヒロイン的には特にツボではないし、キャラデザもハッキリ言って地味だし」

 

残響「はははっwww」

 

fee「多分このキャラ、あまり人気ないでしょって思っちゃうし」

 

残響「うーんw まぁ事実ですなぁ」

 

fee「でも、『ラブラブル』の中でシナリオが一番良いのは、花穂か、奈々子さんですね。で、どうせ花穂はみんなが推すんだから、僕は奈々子さんを推します」

 

残響「ふんふん」

 

fee「推しますって言っておいて、僕が一番かわいいと思っているのはつぐみですけど」

 

残響「ww」

 

fee「シナリオでは奈々子ですね……何故か奈々子の絵はあまり好きじゃないんですよ。何でだろう。自分でもよくわからないんですが」

 

残響「あまり意味がない仮定かもしれませんが、奈々子シナリオが他のヒロインだったらどうなんでしょう?」

 

fee「たとえば奈々子さんのシナリオを、千夏がやったらどうかってことですか?」

 

残響「千夏はさすがにfeeさんの評価が低すぎるから、つぐみやさつきがやったらってことですね」

 

fee「うーん……」

 

残響「奈々子さんは店のチーフなので、立場も違うし、難しいのはわかっているんですけども」

 

fee「つぐみに関しては、ちょっと交換不可能かなって思います。さつきに関してはシナリオがあんまりにもかわいそうだったので……さつきシナリオがこの内容なら、さつきのキャラ点は多分7.5とかになっていますね。たぶんね」

 

残響「7.5、そこまでいきますか」

 

fee「いや、わからないけど。多分。まぁ僕、奈々子さんは好きでも嫌いでもないぐらいですけど……これで結構かわいいところがあるんですよ。あと僕は、実はあまり年上キャラは好きじゃないんですよ」

 

残響「じゃあ奈々子さんはかなり頑張った方じゃないですか?」

 

fee「そうですね。年上キャラが好きじゃないというか、甘やかし系ヒロインが苦手なのかな……。人気キャラなので怒られそうなんですけど、『ダ・カーポ2』というゲームの朝倉音姫ねーちゃんが、僕は好きじゃないんですよ。甘やかしてくるんですけど……」

 

残響「いいじゃないですか」

 

fee「甘やかしてくるんですけど、主人公くんの生活を、<私がちゃんと面倒を見て、主人公くんが悪い道に走らないようにしないと>みたいな……」

 

残響「あーーなるほど! そこら辺で甘やかしも分かれるんですよね。<主人公をまともにしてあげよう、立派にしてあげよう>系か、<主人公のダメなところも含めて全部赦してあげよう、包みこんであげよう>系か」

 

fee「包みこんであげよう系ならいいんですけど……。矯正してあげよう系はあまり好きじゃなくて」

 

残響「矯正系も別に嫌いじゃないけど、ぼくも全部包み込んであげよう系の方がいいですね」

 

 

 

次回、花穂編に続く

 

千夜一夜エロゲ対談 第三夜

  • 2016.09.21 Wednesday
  • 23:41

イチャラブゲーにおける糞シリアスという概念(導入部)

 

 

fee「シナリオ原理主義の立場から言うと……」

 

残響「原理主義w」

 

fee「いや、シナリオ原理主義者のつもりはないんですが、往々にして原理主義者は自覚がないものだから……」

 

fee「話を戻しますと、ノベルゲーをプレイする場合、まず僕が最初に評価するポイントはシナリオの善し悪し……の前にシナリオがあるかないか。で、シナリオがないとクソゲーになっちゃう。その極北がイチャラブゲーなのではないかと」

 

残響「否定的だなぁw」

 

fee「だから、ギスギスしたくないから言いたくないんですけどw でも言わないと多分話が繋がらないから……」

 

残響「でもイチャラブゲーにもシナリオがないわけじゃないんです。【糞シリアス】っていうんですけどね」

 

fee「ふんふん」

 

残響「最近で言うと『トラベリングスターズ』ってゲームなんですけど」

 

fee「盛り上がっていましたね」

 

残響「普段イチャイチャしているのに、突然後づけ設定で【もう少しでヒロインが死ぬんだ】って話がでてきて、落ち込むんですね」

 

fee「後づけはよろしくないな。落ち込むっていうのは、主人公が落ち込むんですか?」

 

残響「二人で落ち込みますね。主人公とヒロインと……」

 

fee「二人で落ち込むんですか。ついでにプレイヤーも落ち込みますか?」

 

残響「プレイヤーも落ち込みますね」

 

fee「まぁそうですよねw」

 

残響「今まで仲良くしてたのに、興が削がれる」

 

fee「ふんふん」

 

残響「感情の起伏のドラマがあったとしても、イチャイチャしているのに水を差すのはやめてくれというのはありますね。たとえどんなにドラマが面白くてもです」

 

fee「そこは聞きたかったところですね」

 

残響「世間的につまらないと言われていても、興をそがないシナリオがある」

 

fee「ふんふん」

 

残響「たとえば突然男の許嫁が出てきたりとか、金持ちの娘とのシナリオで」

 

fee「男の許嫁が出てくる」

 

残響「【他の人とケッコンしなきゃいけないから別れましょう】みたいな展開とか、冷めてくるんですよね」

 

fee「こっちは解る」

 

残響「冷めるのがすごく嫌なんですね。妄想ができないというのとすごく近いんですけど。なんというか【水差され】が一番近い。どこまでが水を差して、どこまでが差さないのかは難しいけど、水を差すという感覚は確実にあって。おそらく【わくわくする】の捉え方も違うと思うんですよ。シナリオゲーマーが終わりに向かってわくわくしていくのだとすれば、イチャラブゲーマーは終わりまで全部把握してわくわくしたい、というか」

 

fee「……一シナリオゲーマーとしてはですね。イチャイチャしてるところに、クッソつまらないシリアスを入れられた。これはダメです。何故かというと、ストーリーがダメだから。シリアスの出来が悪いから。シリアスの出来が悪ければ、イチャラブゲー好きであろうとシリアスゲー好きであろうと、ダメなんだから……出来の悪いシリアスを持ってくるんじゃねーよって話で。それの良い例が突然許嫁の男が登場ですね。だって全然面白くないもん」

 

残響「ですよねぇ」

 

fee「もし面白くしたいなら〜、ってここがイチャラブゲーマーの方と違うと思うんですけど、最初から男を出す。たとえば主人公にとって届かない憧れの相手みたいな設定で。主人公はそいつ(男)に憧れて頑張ってるんだけど、主人公が片思いしている子が、そいつと許嫁だったとか。こういうのだと、イチャラブ妄想はしづらいけれども、切ない恋物語にもなるし、ライバル超えの熱い展開にもできるし。シナリオゲーとして出来が良ければいいんじゃないかなと」

 

 

処占厨の話

 

 

*重度の処占厨な自覚がある方は、読まない方が良いと思います。

読んだ後にいや〜な気分になっても責任を負いかねますので、ご了承ください。

 

 

残響「いや、萌えゲーマーはこころない一言を言ったりするんですよ。ぼくはここまで言いませんけど、過激派の処女厨になってくると、<心の処女膜破れてるじゃねーか>とか」

 

fee「ごめんなさい、処女厨は僕の中ではどうかと思う人たちなので、さすがにそれを出されると辛い」

 

残響「ははは、じゃあやめましょうかw」

 

fee「処女厨はあかんです。処占厨……むしろ独占厨の方が嫌かなぁ。処女厨要素よりも、独占厨要素の方がよりダメですね」

 

残響「ぼくだって別に処女厨というわけじゃないですよw こ、この辺でやめときましょうw」

 

fee「でも切り捨てちゃっていいんですかね。もし処占厨の存在を認めるなら、なぜ僕が処占厨がダメだと思うのかを言わないと。あの人たちは放っておきましょうで終わらせるのは逆に失礼なような気もするので、少し言及しましょうか」

 

残響「ひとこと……いや二言でもいいですけど、僕の側から処占厨に言うとするなら、処占厨が物語やシリアスやイチャラブに対して有益な事をしたことはない、そういう点での批判なら言えますけども」

 

fee「まず第一に、個人の好みというものがありますから。<僕は処女キャラが好きで非処女キャラは嫌いです>って言う人を見たら、そりゃ僕は<ナンダコイツ>とは思いますが、エロゲーマーなんて、所詮みんな<ナンダコイツ>じゃないですか」

 

残響「はははw まあ簡単にいうなら」

 

fee「だから<僕はスカトロが好きです>って言ってる人と同じで、<はぁすまんな、俺にはその趣味は付いていけんわ>とは思うけど、別に僕は叩きたいとは思いません。好きにしててくれと。僕は理解も共感もできない。でも叩かないですよ。彼らがいかんのは、なんか自分達に正当性があるように振る舞うところなんですよ」

 

fee「たとえば*1 『恋×シンアイ彼女』。僕は別にネタバレなんて知りたくもないんですよね。でも処占厨の人が騒ぐから知っちゃうんですよ。処占厨の人はたぶん親切心とネタで、<こういうひでーエンドがあるから>みたいなね。<なんだこりゃわひゃひゃ>っていうのと、<みんな、こういうのは買うなよ>というので広めてるつもりなんだけども、僕からすると<なんちゅー要らんことをするんだ>と」

 

残響「ははは、はい」

 

fee「そんなものは知りたくもないんですよ。やってみて、知らなくて、衝撃を受けたいから。最初から<こいつ死ぬよ死ぬよ>って言われるのと同じで、そんな補助輪はいらないんです」

 

fee「他のエロゲーマーの事を赤ちゃんだと思ってるのかと。処占厨の人たち自体が、俺に補助輪をよこせと言ってる赤ちゃんにしか見えない」

 

fee「傷つくこともあってこその物語でしょ?って思うから。まぁ、『恋×シンアイ彼女』はプレイしていないので、そもそもそんなに傷つくような話なのかもわからないんですけども」

 

fee「たとえば主人公が彼女に振られるとか、現実にはあることじゃないですか。そりゃ恋愛したら失恋だってしますよ」

 

残響「そこが耐えられないのが彼らで……」

 

fee「更に言うと僕は失恋のシーンは好きです」

 

残響「はぁ……。好きですか」

 

fee「だから、『僕と、僕らの夏』が好きなんです」

 

残響「ああ、なるほど」

 

fee「でも、最後振られるんだぜ、とか言われたら台無しじゃないですか。なんで人の楽しみを勝手に奪うんだと。そこがいかんですね。<俺はこういう展開は嫌いだ。俺は非処女キャラはどうもダメだ>これはありですよ。

そりゃ僕は<なんでこの人、そんなつまらないところにこだわってるんだよ>とは思うけども、たぶん僕だってみんなから見て<この人、なんでそんなつまらないところにこだわってるんだよ>と思う部分は絶対にありますから、だからいいんですよ」

 

fee「でもそれを、さも自らが正義みたいな感じで<こんなゲームを作っちゃいけないんだ>とか<みんなに教えてあげなきゃ>とか。そういうお節介は要らない」

 

残響「なるほど……<侵害してくるな>みたいな?」

 

fee「それが一番嫌なところですね」

 

fee「僕はヒロインが処女か非処女かということ自体には、そんなに興味はないんです。ただ、たまに明らかに*2【非処女の方が自然なのに、なぜか処女】ってキャラがたまにいるんです」

 

残響「たまにいますね。処女の未亡人とかいましたね」

 

fee「たまにね。こういうのも僕は嫌です。処女の未亡人でも、結婚式の翌日に彼が戦争に行ったとかならいいんですけど」

 

残響「いやまぁw」

 

fee「理由のない不自然な処女は逆に萎えるんですね。逆に、たとえば主人公のことがずっと好きな幼馴染とか……作品名を挙げるなら『幼馴染と十年、夏』。この作品のヒロインが非処女だったら僕は怒りますよ」

 

残響「そりゃそうですよw わけわかりませんもん。コンセプトが」

 

fee「そうでしょ(笑)。他にも、たとえば『さくらむすび』の紅葉と桜はやっぱ処女じゃなきゃダメでしょ。と、こういう単体のヒロインの話をするなら、あると思うんですよ。でも全ての非処女はダメとか、そういうのはちょっと理解できないですね」

 

残響「まあそれは。言葉というか論理というか、彼らはエロゲ―に対していいことをしてませんものね」

 

fee「少なくとも僕に対してはしていませんね。処女キャラしか許せない人たちのみが楽しめる世界を作ろうとしているのかな」

 

残響「そういう人が増えてきてるという気が……いや、本っ当に増えてきましたね」

 

fee「そういう*3 処占厨の人たちが正義面をして言っている事は、結局は【俺の欲しいものを作れ】ってだけの話なので」

 

fee「僕は、製作者の方が自由に作った作品を読みたいので、<こういうものを創れ>と製作者側に要求すること自体がそもそも好きじゃないんですが、アンケートを募っているメーカーもあるわけだし、話も広がりすぎてしまうので、そこはまぁいいでしょ」

 

 

*1 恋×シンアイ彼女……通称「恋カケ」。自分は後追いでプレイしたので、この作品が巻き起こした騒動は、対岸の火事的に見ているのですが……

ネタバレにならん程度に、あらましをざっと説明しますと、この作品はもともと「甘酸っぱい等身大のイチャラブ作品」として打ち出されたものでした。ところが、実際のシナリオで、とある幼馴染ヒロインが、ルートで主人公を手ひどく裏切る、という形をとります。そしてそのまま幼馴染ヒロインはグランドルートに至り、賛否両論を巻き起こすラストとなります。……ぜ、ぜんぜん核心を書けないぞネタバレダメになったら……。また、メインライターとして名前があがっている「新島夕」氏は、もともとシナリオで鬱展開をぶっこむライターとして有名で、「読み込んで予想しとけよ」と主張する向きもあり。

ともかく、この幼馴染ヒロインの「裏切り」をめぐって、多くのエロゲーマーが議論するところとなったのです。イチャラブとは? 恋愛物語の一途な真実性とは? 芸術と個人とは?

(残響)

 

*2 で、不自然な処女が出てきた時に、その不自然な処女自体に萎えるだけじゃなくて、外部の圧力というか、処占厨の人たちが騒いだからこんな無茶な設定になっちゃったのかなと。

僕はやはり作者が作りたいものを第一に作ってほしいし、作品世界に没入したいのに、そういうクレーマーの影響を感じてしまうみたいな。そういうのも凄く萎えてしまうんです(fee)

 

*3  逆に言えば、このレベルにまで行っている人じゃなければ、僕は処占厨だとは思いません。

単なる処占の方が好きな人であって、厨とまではいかない。それならば、全然個人の好みの範囲でいいと思います(fee)

 

 

本当はダーティーな*1『DRACU-RIOT!』(嘘)

 

 

残響「そういえば、ふと思いだしたんですけど、ゆずソフトで『DRACU-RIOT!』というゲームがあるんですけども知ってます?」

 

fee「名前だけ知ってます」

 

残響「その舞台設定というのが、カジノが合法化されているっていう街、という世界観なんですよ。なのに、今の話でいうところの、例えばなぜか風俗嬢とかは出てこないんです。なぜそこまで設定しておきながら出さなかったのかと」

 

fee「なんでそんな設定を入れたんですか?」

 

残響「まあアダルト設定を出したかった、といったところなんでしょう……」

 

fee「僕はゆずソフトは、*2『のーぶる★わーくす』を途中離脱した以外はプレイしていないので、印象でしか語れないんですが、ゆずソフトというブランドは、明るいキャラゲーばかりを作っている印象がありました。だから、【なんで風俗嬢を出さないんだ】という疑問もいいんですけど、【なんでその設定を入れたんだ】という、そっちの方が気になるかな」

 

残響「まあワルっぽくするというか」

 

fee「そんなダーティーな世界観の話なんですか?」

 

残響「いや雰囲気はダーティっぽいんですけど、やってることはそんなに……」

 

fee「ダーティーな世界観の作品だというのなら、僕の認識を改めないといけないんですが」

 

残響「別に全然ダーティではないですよw」

 

fee「今OHPに来たんですけど、いきなり【童貞捨てるつもりが、人間辞めてました】とか【脱童貞! それでも素人童貞です】とか書いてあって、しょっぱなから僕のやる気をそぐっていうか……」

 

残響「はっはっははははw」

 

fee「【彼の目的は童貞を卒業する事だった】、ってそんな話なんです?」

 

残響「まあそういうことで風俗合法化のとこにいくんです、で、そこでエッチなことに興味がある子と会うんですけど……その子は今まで性的経験はないw」

 

fee「ふんふん。まぁそういう娘はいるでしょうけど」

 

残響「なんでこういう設定にしたのかという。まあ萌えゲーで、なぜこういうことにしたのかという」

 

fee「吸血鬼の、カジノで働いてる娘は非処女でもいいですよね」

 

残響「そうなんですよね…って言っちゃうと、結構な萌えゲーマーからヘイトを食らっちゃいそうなんですけど……」

 

fee「別にヘイトは来ないと思いますよ。そのヘイトも来るとしたら僕の方に来るからw」

 

残響「いやいやいやw」

 

fee「未プレイなので、OHPのキャラクター紹介だけの印象でしか言えないんですが、たとえば稲叢莉音ちゃんと布良梓ちゃんは処女でいいと思うんです」

 

fee「<できるものならやってみなさい童貞坊や>とか言う処女は多分いないから……これは処女じゃないだろとは思ったかな」

 

残響「それは強がってるだけですw」

 

fee「そうだとは思うんですけど……。でも僕は非処女の方が嬉しい。非処女のお姉さんっぽい感じで。まぁ別に処女だったから怒ったりはしないけど、この設定なら僕なら*3 処女2人、非処女2人にするかな」

 

残響「そうした方が自然なんですよね。でもそれを萌えゲーのフォーマットに当てはめちゃったもんだから……」

 

fee「まぁ僕みたいなうるさ型のシナリオゲーマーが『DRACU-RIOT!』をやるかって言われたら、多分やらないから、萌えゲーのフォーマットに合わせるというのは、お客さんの需要にこたえるためにはいいかもしんないですけど……作品として、本当にそれでいいのかなぁっていう。作品としての質を下げて、お客さんに媚びているように見えて、あまり良い気持ちはしないです」

 

残響「ある意味、時たま、業界衰退論とかありますけど、硬直化しているのは事実なんですよね。こじらせた人たちの意見を聞きまくってるみたいな」

 

fee「実際どこまで聞いているのかは解らないんですけど、そう見えちゃうんですよね」

 

残響「実際、変なこじらせ設定みたいなのは増えましたね。増えたというか<え、そこで踏み込まないの?>みたいな」

 

 

*1 DRACU-RIOT!……通称「ドラクリ」……ってこう書くと、『ドラクリウス』はどうなるんですか!二番じゃいけないんですか!的なオタっぽい言い合いが始まるまでがワンセット。

海に浮かぶ、カジノ・風俗合法となった「アクアエデン」なる都市を舞台に、吸血鬼たちとバトルしたりラブしたりするゲーム。

「お、ではこの作品はアダルティなエロいゲームなのだな?」と期待された方々……うーん、そこのところね、そこのところなんですよ。

結局、萌えゲーメーカの雄・ゆずソフトですから、「冒険」が出来ない。処女……そう、このところを巡って、対談では議論というか、「それムリあるんじゃね?」の言い合いをしたのであります。(残響)

 

参考:エロゲ―批評空間の残響の長文感想

 

 

*2 のーぶる★わーくす……『天神乱漫』でスマッシュヒットをかまし、一躍萌えゲーメーカの中心に躍り出たゼロ年代中期のゆずソフト。そこからさらなる躍進を目指さんと、「セレブなお嬢様」をテーマに、シナリオもイチャラブもエロも全て「しっかりパワーアップ!」を成し遂げた、ゆずのなかでもファンの多い一作……なのですが。

ぼくは、どうもこの「影武者設定」って、好きになれないのです。騙すのが嫌い。「えっ、チミはひとに嘘をつけないオボコちゃんなのかい?」と言われそうですが、うーん、ちょっと違う。ぼくの場合、嘘をつくテクニックはあるのだけど、嘘を嘘と貫き通す剛胆なクソ度胸がないので、すごく「影武者設定」がいつバレるかバレるかドキドキ!っていうの、すごく心臓に悪い。そんな理由。(残響)

 

*3 処女2人、非処女2人……ゲームをプレイしていないのでOHPの情報だけで書きます。

 

処女1:布良梓。このビジュアルで非処女だったら違和感。普通に処女でしょ。

処女2:稲叢莉音。性的な知識が皆無なので。

非処女1:矢来美羽。吸血鬼だし、ビジュアルも台詞もなぁ。もっとも、紹介を見ると「赤面しながらの言葉責め」が萌えポイントらしいから、そうなると処女でも……いや、でもなぁということで、処女でもいいけど、非処女かな。

非処女2:エリナ。さすがにこの紹介で処女は詐欺。(fee)

 

 

第四夜に続く

 

エロゲ対談番外編作品クロスレビュー「ラブラブル」 第2回/全5回予定?

  • 2016.09.03 Saturday
  • 23:55

ラブラブル〜lover able〜2011.02.25発売予定!

 

 

 

 

残響「世間での評価で割と共通しているところといえば、千夏は残念ヒロインだということですね。最近、残念系ヒロインと呼ばれるヒロインが増えたと思うんです。見た目は正統派お嬢さまなのに中身は残念というか」

 

fee「まぁ大体わかります」

 

残響「メシがまずいぐらいはまぁ普通で、ペットボトルにおしっこをするとか。『オトメ*ドメイン』ってゲームなんですが」

 

fee「それは残念というか、ちょっと人格を疑うレベルなんですけれども……」

 

残響「……ぼくもぼくでちょっと毒されてきてるかな、最近のラディカルなエロゲ情勢に。まあ、『ラブラブル』に絡めて言えば、ちょっと人格を疑うレベルでの残念さというのは千夏にも言えるのではないでしょうか?」

 

fee「『ラブラブル』のヒロイン達がリアルにいて、僕に好意を持ってくれたら、千夏以外の四人なら僕は喜んで付き合うと思うんですけど……」

 

残響「おっと冷酷に戦力外発言だw 冷静に考えればおかしいですね、千夏って」

 

fee「千夏とは付き合いたくないです。他の四人とは付き合いたいけど。先にシナリオの話をしますと……シナリオ的にあまり語る事はないんですけど……。個別ルートの中で、一番何も起こらないのがさつきと千夏なんですよ」

 

残響「そうですね……えぇ、千夏はさつきほどすーっとはいかないかもだけど、かき乱すような事件は起こりませんね」

 

fee「終盤の山場に親が出てくるというのは、このゲームの多くのルートで見られる展開です。つぐみルートは違いますが……」

 

残響「つぐみルートは親じゃなくてかつての男関係でっていう」

 

fee「奈々子とさつきと千夏は少なくとも親絡みの話で、その中で奈々子シナリオだけが成功していると思います。さつきと千夏ははっきり言って、親が全然障害になっていません。だから、何も起こらないで終わったという印象しかありません。

千夏シナリオがさつきシナリオに比べて、良くもあり、ダメでもあるところは、さつきシナリオより長いことです」

 

残響「(笑)さつきより長いこと」

 

fee「さつきシナリオの短さなら、何も起こらなくても許せる」

 

残響「あぁ〜」

 

fee「千夏シナリオは……さつきシナリオより1.5倍ぐらいはボリュームがあると思うんですが……」

 

残響「あります、あります。というより、『ラブラブル』のシナリオの中では標準的な長さですね」

 

fee「なのに何も起こらないというのは、厳しい、です。短編ならいいかもしれないけれど、長編ならそれなりに読ませる中身がほしいです……」

 

fee「次に……僕が千夏を好きじゃないというのが一番大きいんでしょうけど……。千夏ルートで書かれている【恋愛】って……」

 

残響「はい」

 

fee「恋愛というよりも、おままごとかなって」

 

残響「うーん、うーん。それって端的に言って千夏全否定で……これもこれで【イチャラブ】なのですが……千夏的イチャラブという意味で。イチャラブのなかでも、バカに振りきったイチャラブ……まさに【バカップル】を見る楽しみ、っていうのもあって。しかし、直にそう言われて、確かに【おままごと】という指摘を決して否定はしきれない……のが困ったところ」

 

fee「たとえば、浮気ごっことかね」

 

残響「……あったなぁ」

 

 

2

 

 

fee「ここからは技術の巧拙ではなく、単に僕の好き嫌いの話になるんですが……僕が嫌いな幾つかのエロゲ展開のうち、千夏ルートは複数に該当してしまうんです。……ここから千夏を叩きますけど、千夏ファンの方に怒られそうだなぁ……」

 

残響「ここだけの話、【基本叩き】でも大丈夫じゃないかと思います。基本的に千夏というヒロインは、まずけなすところからスタートというか。けなしてから、<でも、そんなところがいいんじゃないか>と褒めるような、そんな珍味みたいなところがありますからね。だからけなさずに千夏を語ることって相当難しいです。千夏どころか、心無い人は<せんなつ>さんとか言ったりしますからね」

 

fee「千夏ルートが嫌いな理由を大雑把に言うと、\蕾討伴膺邑が愛し合っているように見えない。これが、僕が【おままごと】だと言っているところです。1に関連しますが、他人を巻き込みすぎ、迷惑をかけすぎ。主人公がえらく頑張っていて見ていて疲れる」

 

残響「主人公が頑張っているのは、普通、プラス評価にする人のほうが多いと思うんですが……。ほら、よく【無味乾燥】な主人公っているじゃないですか。完全空気な。とくに何もしない。それに比べればよほど筋はいいんじゃないかと」

 

fee「いや僕は【無味乾燥】な主人公の方がいいなぁ……とりあえず、その辺も説明しないといけないところですね。ただ、なぜ嫌いなのかを丁寧に説明すればするほど、千夏をフルボッコにしているように見えてしまうというw しかも、説明しても解ってもらえるともあまり思えないし……僕が偏屈なだけなんじゃ?というw

 

残響「まぁそれは……そこのところはよく訊いてみないとわかりませんが。ええい、もうここまで来たら、全部仰ってくださいw どっちみちfeeさんの基本スタンスはここまでで明らかになってるんですからw!」

 

fee「順を追って、まずは,らなんですけど……千夏ルートには焼きもちを焼かせるためにあえて怪しい行動をとるシーンがあったり、もっと酷いのになると、自分が焼きもちを焼きたいからというワケのわからない理由で、妹の美冬を主人公とデートさせるシーンがあったりしますよね」

 

残響「ありますねぇ。喫茶ジェラシー」

 

fee「元々僕は焼きもちを焼かれること自体があまり好きじゃなくて、窮屈に感じちゃうんです。まぁ、少し口を尖らせるぐらいならかわいいなぁって思うんですが、いやみを言われたり、ジト目で睨まれたりすると、<別に少しぐらい他の女の子と仲良く話したっていいじゃん。鬱陶しいなぁ>って思っちゃうんですよね……」

 

残響「鬱陶しいなぁってw まあここは個人の趣味ですが、一応イチャラブ古典様式美ではありますので……。もっと言えば、萌えゲーにおける女の子多数状況で、よく起こりうることでもありますし……」

 

fee「一度ぐらいは全然我慢するんですが、この手のゲームの焼きもち芸って、繰り返しが基本じゃないですか。焼きもちヒロインの焼きもちが一シーンだけ描かれる、なんてことはまずないんで。五回も六回も焼きもちを焼くシーンが出ると、またかよと思って苛々するんです」

 

残響「まぁそういう面はありますよね。随所に積極的に入れていく【ギャグ】のノリを、イチャラブでも持ってきている」

 

fee「通常の焼きもちヒロインでもこの有様なんですが、千夏は順風満帆なところに、わざわざ妹を使って波風を立てたりするわけです。主人公は千夏に言われたから妹とデートしたのに、千夏に尾行されて焼きもちを焼かれる。どんな罰ゲームだよって思いました。こんなくだらない遊びに付き合わされる主人公もですが、妹の美冬もかわいそうですよ。本当に千夏って女は自分勝手な奴だなぁと思う一方で、本当に恋人の事が好きなのかなぁという疑問もありました」

 

残響「おままごとと言われましたけど、いわゆる少女漫画的なというよりは、レディコミ的な恋愛像に、自分を当てはめてうっとり、みたいなところはありますね」

 

fee「千夏が、ですね」

 

残響「千夏がです。主人公がじゃなくて」

 

fee「恋愛っていうのは相手があってのものだと思うんです。千夏みたいに、全部自分のスタイル、自分の理想に合わせろ、みたいな態度を取る人は現実にもいるでしょうけど、僕はこれは恋愛というよりは自己愛ではないかと思います。相手の事を全然見ていない。というわけでこれが,痢∪蕾討伴膺邑が愛し合っているように見えない、の説明になります。ちなみに千夏とは関係ありませんが、まずい飯を無理やり食わせるヒロインとかも同じ理由で嫌いです。相手の気持ちよりも自分優先という。どこでそんな思い込みをしてしまったのかは知りませんが、女が料理をして男を喜ばせないといけないなんて決まりはどこにもないんで、安易な恋愛ステロタイプに乗っかろうとしないで、もっと相手が喜ぶような事を考えて頑張ってほしいですね」

 

残響「あのー、既に割と叩いたように思うんですが、まだ△皚もあるんですかいw」

 

fee「はい。次に、『妹の美冬がかわいそう』に関連した部分ですが。個人的に、恋愛は11の付き合いが好き……というか部外者を巻き込むのって好きじゃないんですよ」

 

残響「基本的にはぼくも同じかな。それはぼくの場合、カプ観測という意味合いだから、feeさんとはちょい違うかもですが。それと、部外者を巻き込むのの比率にもよりますが」

 

fee「周囲が祝福してくれたとかそういうのはいいし、三角関係とかも別にいいんですが。応援するぐらいはいいとして、周囲が無理やり主人公とヒロインをくっつけようとしたり、逆に引き離そうとしたりする展開は嫌いです。この辺は周囲の方から勝手に干渉してくるパターンなので、『ラブラブル』のケースとは少し違うんですが」

 

残響「そうですね。奈々子さんルートの親は、主人公とヒロインを引き離そうとはしていますけど……」

 

fee「それはまぁ、ラスボスだから……。ラスボスがウザいのはまぁ、ある程度は許容範囲と言いますか。そういうのではなく、友人キャラとか他ヒロインとか、ヘイトが向かっちゃいけない相手をヘイトしてしまうパターンが嫌なんですよ」

 

残響「確かに悪役にヘイトが向かうのはまだしも、ヒロインにヘイトが向かってしまったらどうしょうもないですなぁ……萌えゲー、イチャラブゲーの根幹要因が全否定や……というか、ヒロインにヘイトを集めるような萌えゲーって、ほんと何してるんでしょうね。意味がないですよ、この世に存在している意味がっ!(暴言)

 

fee「『ラブラブル』の場合は、主人公とヒロインのどーでもいいお遊びに、周囲が巻き込まれるパターンですね。たとえば前述した美冬とか。あるいは……これは千夏ルートだったかな? 焼きもちを焼かせたいという理由で、他ヒロインに色目を使って、本命ヒロインが焼きもちを焼くというシーンがあったと思いますが、あぁいうのもあまり好きではないですね」

 

残響「たぶん、千夏ルートにもあったような気がします。どこ、とは指定できないのですが……共通千夏パートでもあったかなぁ……あってもおかしくないな」

 

fee「他のルートにも多分あったと思うので、ちょっと記憶が混乱していますけど……。まぁとにかく、何だろう。現実でもいるじゃないですか。本命の彼をやきもきさせるために、わざと他の男を当て馬にするような女とか。当て馬にされた男からすれば、ほんといい迷惑ですよ。これも同じで、焼きもちを焼くところが見たいという理由で、色目を使われる他ヒロインとか、ほんととばっちりもいいところというか」

 

残響「現実はクソゲーだ!w おお、まさかぼくがこの台詞を実際に対談で使用するとは。まぁ、ゲームに戻しますが、修羅場に発展するわけじゃないからいいじゃないですかw」

 

fee「これで修羅場に発展でもしたら、ほんと土下座モノですけど……。リアルで同じことをやったら相当ギスギスした空気が漂うと思いますね……。三角関係の末の修羅場は大好物ですが、こんなどーでもいい浮気ごっこの末の修羅場なんて話にならないです」

 

残響「うーん……そこはこう、【決して修羅場に発展しない安心感】とでもいう、『ラブラブル』クオリティというか……ああ、そこがfeeさんからしたら【おままごと】ですか」

 

fee「修羅場に発展しなかったとしても、めんどくせー奴らだな、勝手にやってろよ、ぐらいは思われても仕方ないというか。まぁ僕が他ヒロインの立場なら間違いなく、思うでしょうね」

 

 

3

 

 

残響「バカップルってのはそんなもんじゃないですか? と、一応イチャラブ側の人間から提示してみます。先にも言いましたが、イチャラブもののひとつの基本パターン、古典様式美の全否定なので……w だって、ひどいことを今から言いますが、カップルが【バカ】化して【バカップル】なわけですよ。世間の常識的バランス感覚から逸脱してこその【バカップル】であり、イチャラブであるわけですよ。まともなヒロインであったとしても、バカにならなくては! 恋の熱に頭がヤラれなくては! だから、大小は逸脱要素を含んでないと、やっぱりイチャラブ爆発の愉悦はありませんな(しめやかに、静かに、密やかにラブる場合もありますが、しかし『ラブラブル』にそれを求めてはアカンでしょう)」

 

fee「周囲の目を気にせずイチャつくバカップルは別にいいんですけど、周囲を利用してイチャつくバカップルはダメだなぁ……」

 

残響「なるほど。あくまで他人を巻き込むのがダメと」

 

fee「そうですね。次のですが……千夏ルートの主人公はなんだか妙に格好つけているのが鼻につきました。他のルートでは感じなかったんですけど。千夏をエスコートするといえばいいのかなぁ」

 

残響「千夏ルートのメインテーマだとぼくが思っているのが……これはメーカー側も若干言っているんですけど、いわゆる萌えゲーのメインヒロイン像っていうのがあるじゃないですか。それをぶっ壊すみたいな」

 

fee「ふんふん」

 

残響「要するにぶっ壊すというところに意味があって。ぶっ壊す勢いがいいんだ、その勢いであぁなっちゃったんだみたいな。千夏のキャラクターデザインはセンターヒロインっぽいじゃないですか」

 

fee「そうですね」

 

残響「そこからいかに残念方向にズラしていくかというか。極端に言えば、千夏ってイロモノヒロインなんですよ」

 

fee「まぁ、そうっすねぇ……」

 

残響「この中で一番ギャルっぽいのが千夏なんですよね」

 

fee「まぁ、そうかも……妹の花穂もギャルっぽいと思うけれども」

 

残響「まぁそうなんですけど。ある意味千夏が一応の代表的なルート、表のメインルートだとしたら、グランドルートが花穂、その次がつぐみみたいな。ぼくはそのように受け取ったんですね。千夏に力を入れているように見せかけて、実は花穂に力を入れていた、みたいな」

 

fee「うーん……わかるんですけど……。丸戸さんというライターが大昔に『ショコラ』とか『パルフェ』あたりで、もうそれはやっていて。

(『ショコラ』では表ヒロインが真名井美里で裏ヒロインで一番力を入れているのが秋島香奈子、『パルフェ』では表ヒロインが風美由飛と裏ヒロインが夏海里伽子)これは割と有名な話で、そう真新しいことでもないと思うんです」

 

fee「千夏は確かに残響さんの仰るとおり、メインヒロインっぽいイラストだとは思うけど、千夏に力を入れているんじゃないかとは、僕は最初から思いもしなかったし、実際力は入っていないと思います。これは誰がどう見てもそうだけど、花穂に一極集中していて」

 

残響「確かに誰が見たってそうですね。花穂に集中している」

 

fee「で、一番手を抜かれちゃったのがさつきちゃんね」

 

残響「はい、そうですねw」

 

fee「千夏は……この調子で叩き続けてもしょうがないかなぁ……」

 

残響「なにしろ2点ですからねぇ。でもぼくはそのイロモノ性が嫌いじゃないんですよね」

 

fee「僕は苛々します」

 

残響「苛々しますかw」

 

fee「苛々する。こう言っちゃなんだけど、普通のシリアスシナリオを読むよりもよっぽど辛いですよ」

 

残響「はははは、そんなにw」

 

fee「好きでもない人のおままごとにずっと付き合わされるんですよ?」

 

残響「『同棲ラブラブル』というファンディスクでは、千夏はどうしょうもないことをするんですね。自分とハル君とのラブラブ度合いをブログに書くんです」

 

fee「まぁいいんじゃないですか?」

 

残響「その理由というのがなかなか凄いものでして、自分の子供が、いつかこのブログを見て、ああ自分のパパとママは本当に幸せだったんだな、と思って欲しい、とかって言うんですね」

 

fee「それはこじつけの理由で、自分が書きたいだけでしょ。まぁ別にいいですけど」

 

残響「半分は言い訳なんですけどね。ただ半分は千夏的天然マジ。その辺の、<この人、その場のノリだけで生きてんなー>みたいなところが、段々と安心のクオリティみたいになってきて」

 

fee「……以前、イチャラブゲーは、シナリオゲーよりも心の負担が大きいという話をした(*第四夜あたりで公開します)んですけど、たとえば千夏もそれに当てはまるんですよね」

 

残響「もう全否定がどうしようもない……」

 

fee「別にこれは千夏に限った話ではなくて、たいていのゲームって、一人ぐらいは気に入らないヒロインがいるんですよ」

 

残響「はい。それは仕方ないですね」

 

fee「僕は全員クリアしたい人なので、そうすると気に入らないヒロインのルートを読むことになる。気に入らないヒロインルートを読んでいる時って、鬱ゲーをプレイしているのと同じぐらい辛いです。シナリオゲーなら、まだドラマが起こるぶんそちらの興味で読んでいけますが、イチャラブゲーだとそうもいかないし」

 

残響「ははははw それって単純に楽しくないってことですよね」

 

fee「楽しくないどころか、苛々します。落ち込みはしないかもしれないけど……ある意味、せっかくの貴重な自由時間に、何で俺こんなルートを読んでいるんだろう?っていう意味では落ち込むw」

 

残響「でもそれほどキャラに入れ込むって事は、feeさん実はイチャラブゲーマーの素質があるんじゃないでしょうか」

 

fee「そうなんですかね? そう言えば言い忘れていたんですが、千夏のルートって、主人公が妙に頑張っていた感じがあって」

 

残響「うーん。塩梅の問題なのかな。頑張らないよりはよほど筋がいい、とはさっきも言いましたが」

 

fee「で、僕、主人公がイチャラブ的な意味で頑張るのは好きじゃないんですよ。イチャラブ的なって、ちょっとおかしいな。ドラマ上、盛り上がる場面で主人公が頑張るのは好きなんですが、日常的なシーンで妙に頑張るのは、好きじゃないんですよ」

 

残響「はぁ……そこちょっとわからないので、詳しくお願いします」

 

fee「エロゲから少し離れて、すごくしょうもない僕の恋愛観を話すんですが。

男が惚れた女のために、頑張ることってあるじゃないですか。本当は辛いのに妙に頑張る、みたいな。最初に格好つけたら、相手の女性だって<そういう(素敵な)人なんだ>って思うでしょ。男性が自分で勝手にハードルを上げて、それでその後で素の自分を見せると、<こんなはずじゃなかった>とか、<釣った魚に餌をやらない>とか言われちゃってね」

 

残響「はははww」

 

fee「まぁ、自分を少しでも良く見せたいという気持ちは解るんで、それはまだいいんですけど。それが男らしいとか、男はそうするもんだとか思っている人はちょっと始末に負えないかなって思っています。そうすることで男性が負担を背負いまくるのが当たり前だと思うような、勘違い女まで生み出してしまう。負担を背負いこんでまで好かれたい気持ちも解るは解るんですが、マゾじゃないならそんなに頑張るなよ、って思っちゃうわけなんですよ。まぁリアルの恋愛沙汰は各々の勝手なので、負担を背負いこむ男性に対して僕が口を挟むのもおかしな話なんですが、聞いていてあまり気分の良いものではないですし、エロゲにおいてもそれは同じです。そういう悪い意味での肩の力の入り方を、『ラブラブル』の千夏ルートの主人公にも感じたんです。千夏ルート以外では感じなかった」

 

残響「ふんふん……なるほど。上手く言えないんですが、マッチョ的というか、【俺は男だ、頼りがい! 女は貞淑!】的なのが【義務】な世界観がイヤー! というなら、ぼくも賛同します。そこは

 

fee「まさにそうです。で、イチャラブゲーではたまにそういう主人公を見るんですね。その度に僕は苛々しちゃうんで……辛いんですよ。『ラブラブル』の話をするなら、なんで千夏ルートだけ主人公はこんなに頑張っちゃったんだ? という感じで辛かったですね」

 

残響「そうご覧になられましたか」

 

fee「学生の恋愛で、舞い上がって頑張っちゃうというのは、ある意味気持ちはわかるから、物語的に不自然だとかそういうことは思わないんですが、とにかく読んでいて苛々しましたw しかも僕、千夏自体が好きじゃないから、<なんで好きでもない千夏相手に、主人公はこんなに頑張ってるんだよw>って、二重の意味で辛かった」

 

残響「千夏が好きじゃないって、feeさんその台詞何回目ですかw」

 

fee「残響さん大丈夫ですか? 千夏に7点つけてますけど……」

 

残響「大丈夫ですけど、feeさんのこれは一番最初に言った憎しみのレベルに入っているのではないかと……」

 

fee「どうですかねぇ。このレベルで嫌いなヒロインなんていくらでもいますよ……いやぁ、しかしごめんなさい。僕、全国の千夏ファンに謝った方がいいのかな。とりあえず残響さんには謝ります、ごめんなさい」

 

残響「はははw」

 

fee「逆に言うと、他のヒロインの時はこんなに叩きませんからw」

 

 

4

 

 

fee「千夏というかイチャラブゲーの話なんですけど、イチャラブゲーってどうしても日常のデートシーンが多くて」

 

残響「最高じゃないですか」

 

fee「日常のデートシーンが多いと、主人公が無理に頑張っちゃってるシーンとかも多くて、それで苛々しちゃうから辛いんですよ」

 

残響「無理にかぁ。多少頑張るのはいいけど、あまりにも無理にだと……女の子とのデートを楽しんでないんじゃないか、ってぐらいに頑張っちゃっていたりすると、それはちょっとやりすぎかなと。塩梅というものがありますからね……っていうかぼく、塩梅って言葉使いすぎだな。俺の日和見主義!」

 

fee「恋の始まりは脳内麻薬が出ているから、<彼女の幸せのために俺は頑張ってるんだ!>みたいな感じで辛さを感じなかったりするんですが。我に返る瞬間というのが3か月か4カ月してればあってw 俺、こいつと付き合い続ける限り、ずっとこんなに重い負担を背負わなきゃいけないのかな……っていう……」

 

残響「イチャラブゲーで、プレイヤーがリアルに我に返るシーンは入れちゃいけませんよ、やっぱ」

 

fee「だから、イチャラブゲーでも主人公にそんなに頑張ってほしくないんですよw それに、男性に頑張らせる女性っていうのもろくなもんじゃないです。優しいヒロインなら、<主人公くん、そんなに頑張らなくてもいいよ>って言ってくれるはずですよ。負担を分担してくれようとするはずだと思ってます。で、主人公くんもそれに甘えちゃえよって思うの。それでこそ、お互いを想いあうカップルでしょって思うから」

 

残響「なるほど。何回も言いますが、【無味感想】系、特に何もしない系主人公、に対するカウンター、としての意味合いがあって、と思うのがぼくではありますが

 

fee「いやぁ、下手に動いて悪い味がつくくらいなら【無味乾燥】でいいです……。だから、この千夏ルートみたいに主人公くんが一人で頑張っちゃってて、<これが男のプライドだ!>みたいなのは僕の価値観とは相いれないというか、痛々しい感じがして。それは無味乾燥よりもダメというか、悪い味がついているというか。ヒロインが<主人公くん、格好いいわ>なんて言っているのを見ながら、プレイヤーである僕は、<こんなに頑張ってたら長くはもたないぞ>と思って見ている。言ってはなんですが、たいていのエロゲのように美人な恋人を複数選べる位置にいたら、普通は負担のかかりすぎる娘は敬遠しますよね」

 

残響「ふむ……(マゾい人はどうなんだろうw)」

 

fee「たまには背伸びするのもいいけれど、もっと肩の力抜きましょ? お互い学生で同じバイトしてるのに、男が<奢るよ>も何もないでしょ。奢るよと言われて夏祭りの屋台で食べまくるヒロインを他ゲーで見た事もありますけど、図々しいにもほどがあるというか……。主人公が教師でヒロインが教え子の学生とかなら違和感は少ないし、ヒロインに恩があってお礼に今回は奢るとかなら解りますけど、それでもこれをチャンスとばかりに食べまくるとかはちょっと、ない。いきなり服をプレゼントするのも……まぁそれはゲームシステム上面白いんでいいかなって思いましたけど」

 

残響「いいんだw まあ主人公に服を贈られても、確かにシステム上+ぼくらの心理上、ちーとも嬉しくないですからね(でも確か花穂がお兄ちゃんの服を選ぶとかいうシーンがあったような気も)。そんで、図々しい。うん、これはいけない。断固としていけない! やはりつつしみという美徳が必要ですよ。なんか保守派っぽい発言でアレですが

 

fee「Hシーンで着てくれる服を選んだと思う事で、まぁ。でもそんなに頑張らなくていいから、とは思いますね、正直。『ラブラブル』から少し外れますけど、デートは男が毎回プランを立てるのが当たり前みたいな事を平気で言う女とか、自分の買い物に付き合わせ、私物を延々主人公に荷物持ちさせて自分は袋の1つも持たない女とか、その手のネタは嫌いなんですよね。リアルでは幸い、僕はそこまで酷い人に当たったことがないんですが、エロゲヒロインではたまに……さすがにしょっちゅうは見ないけど、何回かは見ました。ちょっとズレるけど、主人公とヒロインが喧嘩すると、何故か部外者がろくに事情も聞かずに主人公を悪者判定したりするのも嫌ですねぇ」

 

残響「ちょっと違うかもしれませんが、大昔に理不尽暴力ヒロインってのもいましたね」

 

fee「いましたね……最近はいないんですか?」

 

残響「なんでか減ったような気がします。まあ減ってくれて嬉しいんですけど」

 

fee「何がウケたんでしょうね、ほんとに。まぁとにかく、<さすが主人公くん! 素敵!>って声援を飛ばすだけで、奢ってくれてプラン立ててくれて荷物持ってくれる人がいたら、そりゃ確かに便利ではありますけどね。そんな感じで、主人公がいいように使われてるなぁって感じるエロゲが結構あって。そういう女から抜け出す物語だっていうんならわかるんですが、そういう女と結ばれてハッピーエンド!と言われちゃうと……。そりゃ、僕と価値観が違う主人公やヒロインが出てくるのは仕方ないっちゃ仕方ないので、そういうのを作るなとは言いませんが……。まぁ、逆にヒロインを散々痴漢したり陵辱するゲームもあるし、バランスは取れてるのかな?」

 

残響「ただあの、イチャラブゲーって大体ハイテンションなんですよね。……単に僕がハイテンションなイチャラブゲーが好きなだけかもしれませんけれど。ルートに入ったり、告白して以降、やたらハイテンションなゲームっていうのが多いので」

 

fee「ハイテンションな事については、花穂のところでお話したいと思います」

 

残響「はい」

 

 

 

 

fee「花穂ルートの主人公は多少辛いところもあったんですけど、千夏ルートの主人公とはまた別種の辛さですね。話は変わりますけど、妹の美冬ちゃんの方がかわいくなかったですか?」

 

残響「美冬ちゃんの方がですか? いや、ぼくは千夏の方がかわいいです。かなり差があります」

 

fee「僕は美冬は、キャラ点数をつけるとするなら5.5ぐらい」

 

残響「ほぉ……じゃあ千夏以外のメインには劣るけれども、いいところはいっているみたいな」

 

fee「うん……少なくとも千夏よりは高いっすね」

 

残響「はっはっは、大体のキャラは千夏よりは高いじゃないですか。feeさん2点つけてるんですもん」

 

fee「そうだけど……だから美冬を攻略させてくれよ、って」

 

残響「美冬は嫌いじゃないんですけどね」

 

fee「僕は、かわいい女の子キャラは全員攻略させろよみたいな無茶な事を言う人は好きじゃないんですけど」

 

残響「ぼくも好きじゃないな。それはそれでひとつの乱暴なラディカリズムだと思う」

 

fee「主人公を恋愛相手として見ていない女の子キャラはいいんですけど、主人公の事を恋愛対象に観ている子については、ルートに入れたらいいのになって思う事があって」

 

残響「えぇ」

 

fee「で、僕にとって美冬は千夏よりもかわいかったから、クリアできたら良かったのにって。怒る人はいるかもしれないけど、3Pがあっても良かったし」

 

残響「うーん、それか」

 

fee「お姉ちゃんとのレズプレイが……うーん、作品のコンセプトを考えればそれはないだろうなぁと思いつつ、僕は抜きゲー的な興味で買ったから、あったらいいのになぁとか」

 

残響「ははは」

 

fee「ちなみにお姉ちゃんとのレズだったら、妹の美冬が受けですね」

 

残響「受けですか。ま、まぁそうですね。『ラブラブル』で百合か。考えたことなかったな。そういう見方もあったか」

 

fee「僕は姉妹とか見ると、無条件で百合とか考えますからね」

 

残響「おぉ、すごい……。百合者としてそこは素直に賞賛ですよ。逆に男らしいとすら見える。でも、千夏は不思議なヒロインだとは思うんですよね。残念系と先程も言いましたけど……」

 

fee「『ラブラブル』の頃は新しかったのかもしれないけど、残念系ヒロインって僕は割とちょくちょく見るから……」

 

残響「この頃は新しかったんでしょうね」

 

fee「むしろありきたりだろ!というのは、発売された年代を考えれば批判としては不当だとは思うけど……」

 

 

次回予告

 

 

fee「千夏はこれぐらいですか?」

 

残響「そうですね。次は誰でいきましょう」

 

fee「花穂は残した方がいいだろうし……」

 

残響「花穂は残さざるをえませんね」

 

fee「僕は、奈々子さんと花穂とつぐみはそんなに差はないんだよなぁ……」

 

残響「マジっすか」

 

fee「一番力が入っていたと思うのは花穂で、一番キャラ的に好きなのはつぐみで、一番シナリオが良いと思ったのは奈々子です。どこから行ってもいいけれど……じゃあつぐみいきますか?」

 

残響「つぐみいきますか」

 

fee「なんか今回は僕のせいでえらくギスギスした回になっちゃいましたけど、次回はかわいいつぐみちゃんの回なので、僕は萌え豚になります」

 

残響「萌え豚てw」

 

 

つぐみ・奈々子編に続く

エロゲ対談番外編 作品クロスレビュー「ラブラブル」 第1回/全5回予定(?)

  • 2016.07.24 Sunday
  • 17:08

*現在連続公開中の対談とは別連載で恐縮なのですが、

SMEEより発売された「ラブラブル〜lover able〜」という作品について、2016年7月、feeと残響が対談クロスレビューを行いました。

肩の力を抜いて、お読みいただけると幸いです。

とはいえ、1ヒロインあたりおよそ30分、全5ヒロインで2時間半にわたる対談記事ですので、こちらも数回(さつき1回、千夏1回、つぐみ&奈々子1回、花穂で2回予定)に分けてお送りする予定です。

 

記事の性格上「ラブラブル」のネタバレを大いに含みますので、ご注意ください。

 

 

対談本編に入る前にまず、お互いが書いてきた、ヒロイン別の評価はこちらです。
 *批評空間での『ラブラブル』全体の点数は、feeが68点、残響が95点をつけております。
 *残響は『ラブラブル』、『同棲ラブラブル』(こちらも95点)をプレイ済。feeは『ラブラブル』のみのプレイです。

ラブラブル〜lover able〜2011.02.25発売予定!

 

 

1

 

fee「対談を始める前に、一つ言わずもがなのことを言いますと……僕、『ラブラブル』に68点をつけているんですが……」

 

残響「はい」

 

fee「残響さん、『ラブラブル』に95点つけてるじゃないですかw」

 

残響「そうなんですよねぇ」

 

fee「大丈夫なんですか? 心が傷つけられるとか……」

 

残響「このゲームは基本的にどこまでいってもキャラじゃないですか。憎くて憎くてたまらないキャラがいるとかだったら、話が成り立たないと思うんですよ。でもそこまででもないでしょ?」

 

fee「憎くてたまらないってw ……一応、気に入らないヒロインは一人いますよ?」

 

残響「あぁ、喫茶ジェラシー……」

 

fee「ま、まぁ憎くてたまらないってほどでもないので、多分大丈夫だと思いますw」

 

fee「とりあえず、まず事前に書いてきたヒロイン別のシナリオ評価、キャラ評価を見せ合いますか。じゃあ僕から……」

 

fee「こんな感じですね」

 

残響「そんなに千夏嫌いですかw」

 

fee「いやいや、大体どんなゲームにもムカつくヒロインっていうのは一人ぐらいはいるので。オールタイムワースト級のヒロインとかそういうんじゃないですよw」

 

残響「なるほど。……千夏は面倒くさいですからね」

 

fee「千夏の話を始めちゃっていいんですか? まず残響さんの点数も見せてもらわないと。で、話しやすそうなヒロインから行きましょうよ」

 

残響「そうでしたそうでした」

 

fee「(表を見ながら)結構面白い感じになってるかなー」

 

残響「うーん、確かにw」

 

fee「一番、二人の評価に差がないのはさつきかな?」

 

残響「そうですね、概ね」

 

fee「さつきがあまり変わらなくてー」

 

残響「変わらなさ度合いで言うならつぐみも変わりません」

 

fee「つぐみも変わらないっすね。意外だなぁ」

 

残響「feeさんが奈々子さんシナリオを一番上位に持ってくるっていうのは予想はできました」

 

fee「ちょっと残響さん、奈々子さんの評価が低いじゃないですかー、年上はダメなんですか?」

 

残響「いや、そんなことはない。そうじゃなきゃ、Twitterで姉属性持ちとは言っていない」

 

fee「うーん、どのヒロインから行こうかな。花穂は点数はずれてるけど、評価自体は大体似てないですか? 僕もこの5ヒロインの中ではそこそこ高い評価だし」

 

残響「ですね」

 

fee「千夏は単に僕の好みじゃないってだけだからなぁ……どこから行きますか?」

 

残響「意見の対立が見られないところから行きましょうか」

 

fee「対立が見られないところからだと……さつき?」

 

残響「そうですね」

 

 

2

 

fee「さつきはまず……シナリオの話をさせていただくと……いくらなんでも短すぎたな!」

 

残響「それは擁護できないw 確かさつきってそもそも攻略ヒロインじゃなかったんですよね

 

fee「え、そうなんですか?」

 

残響「元々はサブヒロインに割と近い感じというか」

 

fee「まぁサブヒロインから急遽昇格させたなら、あのボリュームでも仕方ないかなぁと思わなくもない……元々おまけヒロインなら」

 

残響「元々おまけとはいえ、さつきは一応メインヒロインの形で出たわけじゃないですか。メインヒロインとして出た以上……この短さはやはり擁護できません」

 

fee「ルートが短いというのはあまり良いことではないですが、最悪なわけでもないんですが……」

 

残響「間違ったことはしていないですよね、シナリオの中で」

 

fee「何が間違ったことなのかの基準が共有されているかどうかも怪しいですけど……」

 

残響「ぼくのシナリオの低評価の基準はクソシリアスですから……水差されですから……(この話は本対談の方の三夜か四夜で公開する予定です)」

 

fee「僕は、さつきシナリオには、シリアスを入れてほしかった」

 

残響「なるほど」

 

fee「流星君っていう友人キャラがいて

 

残響「はい、そうなんですよ」

 

fee「さつきは、この友人キャラと関わりがあるような描写があって」

 

残響「そこはぼくも同意でして、なぜ流星をもっと活かさなかったのか。かなり活かしているとは思うんですけど、それでももっともっと活かせられるはずだろうみたいなところがありまして。そこのところはぼくも同意です」

 

fee「お、意外ですね。ここは同意じゃないのかと思ってた」

 

残響「完全な処女厨の人だったら<流星は動かすな>とか言いそうですけど……。この作品のというか、このメーカーの男キャラは面白いんですよ。だからぼくはガンガン動かしてほしい。もっと動かせるだろう、みたいなのはありましたね」

 

fee「流星って教室で割と孤立しているというか、あまり学校に馴染んでないじゃないですか」

 

残響「そうですね」

 

fee「でもバイトだと多少馴染んでいる」

 

残響「ええ」

 

fee「で、さつきも教室ではあんまり馴染んでなくて」

 

残響「割とではありますけどね」

 

fee「いじめとかそういうのはないけど。さつきはともかく流星君は、ちょっと居心地悪さを感じる程度には浮いてるでしょ?」

 

残響「最も居心地悪そうにしているのは、なれなれしく絡んでくる主人公に対してだとは思いますけどね」

 

fee「それは別の意味でねw」

 

残響「でもよくわからないところがあって、さつきと流星がなんか繋がりがあるっぽいんですけど、全然その辺の描写がされないんですよね」

 

fee「そうなの。これは僕の妄想ですけど、流星君はさつきに片思いしていて。さつきの悪口を言った奴をしめちゃったりして、それが原因でみんなに恐れられていて。悪い奴じゃないのに孤立しちゃった。それをさつきは知っている。さつきは教室の中でただ一人<流星はそんなに悪い奴じゃないよ>みたいなことを言ってるし……」

 

残響「ですよね、ありましたよね」

 

fee「流星君から、<今まで俺がさつきを守ってきたけど、お前になら任せられる>みたいなエールを送られた主人公がさつきと結ばれ、流星君も教室に溶け込めるようになる。みたいな感じで、物語の準主役的に流星君を絡めてほしかったです」

 

fee「なので、さつきシナリオではもう少し流星君とさつきの関係性とか、なぜ学校で浮いちゃったのかを含めた、流星君自身の物語が欲しかったと思っています」

 

残響「なんかあっても良かったんですよね」

 

fee「これじゃ結局、流星君というキャラクターの存在意義自体があまり感じられませんし」

 

残響「あ、それ言っちゃいますか。これはなかなか指摘されないところなんですけど、僕も同意なんですよ。だからこそもっともっと動かしてもいいって言ってるんですけど。

『ラブラブル』のファンコミュニティなどでは全然そういう指摘はされないんですよ。むしろこれでも動かしてる方だ、みたいな」

 

fee「うーん……<主人公以外の男キャラがあまり格好良くない方が良い>みたいなことを言う人もたまにいて」

 

残響「まぁこのゲームはその典型例みたいなものですけどね」

 

fee「いや、流星君は結構かっこいいよ?」

 

残響「そうですね」

 

fee「店長はどうでもいいけど…」

 

残響「前作の『らぶでれーしょん』で、二人の友達キャラが凄く良かったんですね。チャラくていい奴だけどどうしょうもない友人キャラと、怖い顔だけど優しくて純でヘタレな友人キャラ

その二人のどちらでもない方向でキャラを作った結果、カッコよくてミステリアスだけど存在感がない、みたいなキャラになっちゃったのかなと。落としどころが難しいんですよね」

 

fee「流星君を絡めるとしたらさつきルートが最適だし、さつきルート自体も言っちゃなんだけど何も起こらない上に短いし。さつきルートに流星君をからめれば、ボリュームもまぁまぁの長さになって、ストーリー自体もまぁまぁの話ができたはずなんだけど。なぜやらなかったのか……」

 

残響「しかしちょっと待ってください、我々はさつきの話をしていたはずなのに流星君の話ばかりしてますよw」

 

fee「あはははは、僕もそれちょっと思ったwww」

 

残響「じゃあキャラの話をしましょうか。さつきの両親がファンディスクに出てくるんですけど……ファンディスクで一番救済されているのがさつきでして」

 

fee「まぁ本編の扱いがあんまりだったからな……」

 

残響「ファンディスクではちょっとボリュームも増えました」

 

fee「さつきって結構人気あるでしょ?」

 

残響「ありますよ」

 

fee「人気あるのに本編があれじゃ、なおさら不憫ですよ」

 

残響「ファンディスクになるにあたって声優さんが変わっちゃいまして。ぼくはあまり気にしないんですけど、声優にこだわる人にとっては<頑張ってるけどやっぱダメだ>みたいな」

 

fee「<頑張ってるけどやっぱダメだ>というのは、まぁとかく荒れがちな話題の反応にしては割と穏当な……」

 

残響「そうなんですよね。キャラの印象に差がなかったという意見がかなり多かったです」

 

fee「まぁ声優さんの話は難しいからなぁ。僕も、大好きなキャラだったらそういうこだわりを持っちゃうかもしれないし、そうでもないならば別にどうでもいいっていう」

 

残響「イチャラブゲーマーでは珍しいんですけど、ぼくも声優にはこだわりはない方です」

 

fee「僕もあんまりないなぁ」

 

残響「複数ライター間の、テキストの微妙なニュアンスの差みたいな方が気になりますね」

 

fee「僕はファンディスクをやってないから、声優さんの変更については何とも言えないところがありますね」

 

3

 

fee「キャラの話をしますと、さつきはかわいいですよねー」

 

残響「アクティブなかわいさというわけではないんですけど、完全なダウナーというわけでもない。完全に不思議ちゃんというわけでもない」

 

fee「僕の点数でシナリオ点とキャラ点の差が一番大きいのがさつきなんですよ。他は大体比例しているんですが」

 

残響「ぼくの方も、このゲームの場合だと比例していますね。まぁそういうゲームだからなんですが。feeさんの方に仮説とかはありますか?」

 

fee「他の人に当てはまるかは解りませんが。僕は単純に、シナリオとキャラは引き立てあうものだと思っているので、シナリオが良ければキャラも気に入るし、キャラが好きならば何でもない話にも感情移入しちゃって、<おっ頑張れ頑張れ>みたいな感じで物語に引きこまれてプレイしちゃう。だからシナリオ点が高ければキャラ点も高くなりやすいし、逆もまた然りじゃないですか?

キャラがどうでも良かったら、いくら話が良くても<どーでもええんちゃう?>っていうノリで見ちゃうし、キャラがいくら良くても話が薄っぺらかったら印象に残りにくいです。もちろん例外はありますけどね」

 

fee「さつきは、シナリオがこんななのにかわいいというのは、勿体ないですよね」

 

残響「最低限の基準はクリアしているんでしょうけど。萌えゲー的達成というか」

 

fee「シナリオが良かったら、もっと魅力を感じられたと思います。もっと上を目指せましたよ」

 

残響「そうですね」

 

fee「このシナリオはさつきのかわいさを、阻害はしていないかもしれないけど、引き立てているとは到底言えないでしょう

 

残響「引き立てているとまでは言えませんね。料理でたとえるならちゃんと盛り付けはしましたからまぁどうぞみたいな」

 

fee「すごくつまらない話を、延々長々と語られるよりはマシというか。<大した事ない話だったけど、これぐらいの長さだったし許してやるか>みたいな感じで、さつきシナリオへの悪感情は全くないんですけど。読んでいて苛々とかも別にしていませんし。ただ、力の入れ具合とか、クオリティを評価するなら、低いよなっていう」

 

残響「全ルートがこれだったら、ぼくも『ラブラブル』に95点は確実につけてないです」

 

fee「さつきシナリオの出来は良くないんですけど、何せ短いもんだから、あまり怒りもなく。ハッキリいって4点という評価の割には嫌いではないです。

が、まぁもうちょっと頑張れよとは思いました。さっき言ったように、流星君を動かすことで面白くなる道筋が凄くよく見えていて。普通に僕みたいな素人でも簡単に思いつくような事を、普通に書いてくれれば、結構面白くなったんじゃないの?っていうところが残念な感じがしましたけど。まぁ、サブシナリオから急遽繰り上げたものなんだとしたら、しょうがないかなとも思います」

 

残響「単純にCG数やシーン数だけを見ても他のキャラと比べて露骨に少ないですからね」

 

fee「あ、そうでしたっけ。まぁでもエロかったけどなぁ」

 

fee「僕が『ラブラブル』を最初に手に取った動機なんですけど。実は、Hシーンの乳首の勃起差分があるらしいと聞いたんですよ。それで喜んでプレイしたんです。僕、おっぱい大好きだから。そんな感じで、どちらかというと抜きゲー寄りの興味でプレイしたというか。結果、全然抜けなかったわけでもない、そんなに抜けたわけでもないっていうところで。最低限の満足は得たかなっていう68点なんですけど」

 

残響「あははははw でも心に何か残りもしなかったと」

 

fee「うーん、残らなかったですね。ただ『ラブラブル』自体そんなにプレイ時間が長くないので。確か一週間ぐらいでクリアしちゃったような」

 

残響「そんなに長くはないですよね。ぼくはそんなに短かった印象はないんですけど、それはぼくが5、6回ぐらい周回してるからで」

 

fee「エロゲ―批評空間のプレイ時間中央値が18時間になってるんですけど、プレイ時間20時間のゲームと比べても目に見えて短かったと思う」

 

残響「適当なところで終えられますからね。チャプターとかあるじゃないですか。適当にサクサク進めていって、じゃあ今日はここで終わりみたいな感じで終えられますし」

 

fee「5人ヒロインがいるから、1ルートあたりの長さも短い」

 

残響「それもありますね」

 

fee「18時間でもルートが3本しかなかったら、そこそこ長く感じるかもしれない」

 

残響「そうですね」

 

fee「その中でも特にさつきは短いですしw」

 

残響「このゲーム、イチャイチャする以外のことはしていませんからね」

 

fee「少なくともさつきはそうですね。で、Hの話に戻りますけど、Hシーンのテキストはイマイチだったなと」

 

残響「否定できないなぁそこは」

 

fee「エロについてのアクション描写というか、主人公が、ヒロインのどこを愛撫しているのかが書かれていないことが多いんですよ。台詞や擬音、喘ぎ声に頼っているというか」

 

残響「『同棲ラブラブル』では少し改善されているんですけど……」

 

fee「たとえばさつきが喘いでいる時に、きちんと文章があれば、<あぁさつきは今、おっぱいを舐められて喘いでいるんだなぁ>と妄想するわけです。でも、それがないと、何で喘いでいるんだかわからないので興奮できないんですよ」

 

残響「なるほど……さつきはこれくらいでいいですか?」

 

fee「そうですね。では次にいきましょう」

 

 

次回予告

 

 

残響「次はつぐみ行きますか? それともfeeさん的に悪いものは先理論で千夏行きますか?」

 

fee「千夏はさっさと片付けたい気がしないでもない……」

 

残響「はっはっは(笑)」

 

fee「じゃあ千夏で行きますかね」

 

 

千夏編に続く

千夜一夜エロゲ対談 第二夜

  • 2016.07.21 Thursday
  • 22:34

第二記事目では

 

エロゲにまつわる妄想あれこれ

 

について語りました。

 

こちら、第一夜の続きとなります。

 

 

エロゲにまつわる妄想あれこれ

fee「ふんふんふん。妄想ができるかどうかというのがイチャラブゲーにとって大事なんですか?」

残響「妄想可能性……ええ、大事です。ぼくは大事です。とにかく妄想をし続けたい」

fee「……実は僕もそこは割と解ったりはするんですが……僕はコミュニティの話が好きで。ヒロインと1対1じゃないもの、ハーレムでもハーレムじゃなくてもいいですし、男性の友人キャラが混ざっていても良いんですが、何人かの仲の良いキャラクター達に囲まれていたいっていう願望がありまして」

残響「まあなんか【ワイワイやっていたい】、みたいな。単純化した言い方ですけど」

fee「そういうことになるのかな」

fee「*1
CATIONシリーズは嫌いじゃないんですけど、僕、CATIONシリーズは全く妄想できないんですよ」

残響「ああ、他のキャラと絡みがないですからね」

fee「だから、同じコミュニティに属している感じがなくて。主人公を中心とした1つのコミュというか、1つの作品としてまとまっている感じがしないんですよ」
 

fee「たとえば『さくらむすび』だったら、僕は*2 桐山圭吾になったつもりで妄想するんです。すると従姉妹にはかわいい紅葉がいて、妹に桜がいて、優しい保護者がいて、友人がいて、友人にも可憐ちゃんという妹がいて、この子もかわいいというふうに妄想するんですよ。

僕だったら誰を選ぶだろうかとか、この子がいいなーこっちもいいなーと思いながら、あるいは友達の顔も思い浮かべて、何て居心地の良い世界なんだと。で、いい気分になって寝ると」
 

残響「ああ、いいですね。ほぼ同じだ。ぼくの場合*3【観測の度合いが強い】ということを抜かせば、ほぼ同じだ」
 
fee「あはははは、まぁ妄想はしますよねぇ」
 

残響「もうそればっかしてたいですよw」
 
fee「そういう意味で、僕はCATIONシリーズはそれができないんですよ」
 

残響「まあぼくにしても、あのCATIONシリーズのヒロイン全員のシチュエーション
を絡ませて、妄想はできません。一対一じゃないと。穂波穂波いってますけど、穂波との一対一でしか無理です。ウォーッ!穂波ーッ!」
 
fee「なるほど。……僕、一対一の妄想って長く続かないんですよ。いや続かないってことはないか。でもあんまり得意じゃないんです。で、この妄想の楽しさというのは僕も解る。一部シナリオゲーで、妄想がしづらいゲームがあるのも解ります。*4
『鬼哭街』(注:リンク先、音が出ます)とかw」
 

残響「『鬼哭街』で妄想はできないなw バトル妄想はしますけど」
 
fee「バトル妄想は僕はしない人だから……。『こみっくパーティー』の方が妄想はしやすいですね。『こみっくパーティー』で妄想したことは多分ないけど」
 

残響「ああ、ぼくはこみパで何年妄想したんだろうかな。寝る前と昼寝前と辛いときの逃避妄想で、4、5年妄想してました」
 
fee「すげーなぁ……僕は一対一では妄想がしづらいという弱点があるので、*5
『幼馴染と十年、夏』では妄想ができない」

残響「あー、そこで妄想できませんでしたか」
 
fee「ダメですね」
 
fee「妄想ができるかどうかというのは、『幼馴染と十年、夏』という作品の評価とは一切関係ないんですよ。だって僕、『鬼哭街』大好きだし。でも、妄想はできない」
 

残響「コミュニティ要素が入ってないとダメ、なるほど」
 

fee「ダメ、妄想はね。<妄想はね>、って入れておかないと」
 

残響「ああ、今わかったけど、ぼくは妄想と作品評価をごっちゃにしてるフシがありますね」
 
fee「僕は妄想ができるかどうかはある意味大事だけど、作品評価とは*6 直接関係がないです。一方で、妄想のしやすさというのは付加価値だと思うんで、評価に付け加えたっていいとは思います。ただ、だいぶズレちゃいますが、アニメ化とか漫画化とか、あるいは複数回プレイなどで何度も接した作品は、自分の中に根づいたりするわけで、必然的に妄想しやすくなったりもすると思うんですよ。でもそれをゲームそのものへの評価にしちゃっていいのか、という感じでしょうか」
 
fee「だから、他の人がゲームを評価するやり方に口を挟むつもりはありません。ただ僕は妄想のしやすさを作品評価には入れていないということです。それに*7 たとえばシナリオゲーでも、*8
『Air』なら妄想できますし。*9『水夏』……はしづらいな」
 

残響「『水夏』、妄想しづらいっすか?」
 
fee「……僕は一対一の妄想がダメなので、群像劇だと主人公が入れ替わるから、コミュニティが作りにくいんです。誰になったつもりで妄想したらいいのかわからないw 

<群像劇はやめてくれよ、感情移入できないだろ>みたいなことを言っているイチャラブゲーマーはいません? 僕どこかで見た記憶があるんですけど」
 

残響「たま〜にいましたね、イチャラブにおける群像劇ヘイト派。というか群像劇というものに対して<ん?>という反応をしてるひとはいましたね」
 
fee「……大勢いたら嫌だなと思っていたけど、たまーにぐらいならいいか。僕、群像劇結構好きなんですよ」
 

残響「ぼくも群像劇好きです。ぼくも群像劇ヘイト派が大勢だったら悲しいですね」
 
fee「群像劇だと妄想はできないけど……あ、*10
『カタハネ』ならできる」
 
fee「『カタハネ』は一応主人公っぽい子いるじゃん。彼になればいいんだよ。『カタハネ』はコミュニティの話だし、いけるいける(笑)」
 
fee「あ、でも僕『カタハネ』で妄想したことあったかな……」
 

残響「(笑)恋の呪文はアンベルアンベル」
 
fee「(エファ最高とか言っちゃうと、議論が進まないから放っておこう)

まぁでも、シナリオゲーだと思っている*11『僕と、僕らの夏』なんかでも全然妄想できますし」
 

残響「出来ますね。*12アリキリアリキリ」
 
fee「僕は無理やり系が好きなので、夏祭りのシーンは抜けましたね(真顔)








 

*1 CATIONシリーズ……暁works響Sideより発売された、シリーズ第一作「LOVELY×CATION1」を皮切りに、2016年6月現在5作が発売。僕自身はうち3作をプレイ。旧き「ときめきメモリアル」チックな、パラメータ上げを主軸にしたキャラゲーで、プレイヤーの名前をヒロインが音声で呼んでくれるラブリーコールシステムも特徴。(fee)


残響は「PRETTY×CATION2」のみをプレイ。ただし他の作品も、一応基礎教養としては情報を得ている。そういう状況なので、おのずとfeeさんとのイチャラブ判例では、このシリーズが出てくる。残響は姫川穂波というキャラが、ひさびさに「殿堂入り」したキャラでして。……そうさな、往年の鍵っ子に例えれば「わりとしっかりした、花屋の娘としての、名雪」と例えればわかりやすいでしょうか。黒髪、ほんわか、だよもん。ああド直球にして王道。しかし甘え上手で、いつも陽だまりの暖かさを持つ女の子でありまして、ウォーッ!穂波ーっ!(残響)

 


*2 桐山圭吾……『さくらむすび』の主人公です。語りたいことは特にないです…(fee)
 

*3 「観測」……物語に感情移入する、つまり「主人公と自分(プレイヤー)を同一として物語を読み進める」タイプのエロゲーマーは、ヒロインという個人と相対し、萌える、というプレイ形式をとります。一方それに対し、ぼくのような「観測趣味」「カプ厨」と呼ばれる人達は、「ヒロインと主人公」の両方を神の視点から「観測」して、その「カップリング」に萌える、という趣味を持ちます。ぼくのような観測趣味者(カプ厨)は、「主人公との一体化」を求めません。疑似体験ってものも求めません。ただ、彼/彼女らの挙動や、心理の綾を、神の視点から、見る、観測する……。この場合、感情移入は、「主人公を通して」ではなくて、彼/彼女の個人個人を見つつ、カップリング(関係性)を見つつ、客観的に状態を把握し、主観的に萌える、という感じです。すごくややこしいように見えますが、ようは「神の視座で眺めていたい」という趣味です。どうやらこの観測趣味は、エロゲーマー(男性オタク)発祥というよりは、女性オタク……BLや百合界隈という文化から発祥したようです。少なくともぼくはそう認識しています。箱庭の中、二人のキャッキャウフフを観測する形でないと、ぼくは幸せになれない。(残響)

 

んー……僕は「観測趣味者」ではないので、どちらかと言えば「感情移入」型に入ると思うんですが、何箇所か突っ込みたいところはあります。

そもそも感情移入ってなんだよって話もありますし。

なんだよ話をする前に、まず第一に「主人公に」の部分はツッコみたい。

主人公じゃなくてヒロインに感情移入する事もあるんですよね……。

第二に、ゲームによるとも思います。感情移入して楽しみたいゲームと、そうでもないゲームがある。

たとえば「ランス」をプレイする際に感情移入しながらプレイする事はまぁないです。

 

そもそも感情移入とは何かというと、僕の場合ですが、まず最初は、フラットな気持ちでテキストを読み進めるわけです。

ここでは、ゲームをプレイしている「私(fee)」がいて、ゲームの中で動いている主人公がいて、ヒロインがいる。

そうしてテキストを読んでいるうちに、はっとする一文、驚きの展開、ぐっと心を鷲掴みにするBGM、ヒロインの悲痛な叫び、

まぁなんでもいいんですが、そういう「作品世界からの働きかけ」によって、プレイヤーである私(fee)が物語に、作品世界にぐっと引き込まれていく。

キャラクターの感情がダイレクトに伝わってきて、ゲームをプレイしている「私(fee)」がその瞬間、意識から喪失する。

作品世界に溶け込む。まぁ少し大げさに書いている気もしますが、自分というものがなくなって作品世界に溶け込む・作中人物の感情と自分の感情が重なることを「感情移入」と呼ぶ……のだと思っています。

 

で、上で書いたように感情移入して楽しむゲームと、そうではないゲームがあるのですが、

「感情移入して楽しみたい」のに、「できない」ゲームというのはまぁ頻繁にありまして、そういうゲームはたいてい僕の評価は低いです。

「観測趣味」の方と大きく違って、「感情移入したいのにできない」ゲームの評価は低いと。そういう事になってしまうんですなぁ。

あと、抜きゲーは別の意味で感情移入(??)します。感情移入(??)しないと抜けないんだよな……。(fee)


*4 鬼哭街……ニトロプラスが2003年に発売した「サイバーパンク武侠片」。主人公・孔 濤羅(コン・タオロー)は、もと居た組織に、妹をぶっ壊された。復讐だ、復讐だ……!外家(機械による身体カスタマイズ)に頼る、あの腐った奴らに、俺の内家拳法(体術のクンフー)が雷を下す! この一振りの日本刀をたずさえて……。という、非常に燃える燃える、中華サイバーパンクのダークヒーローが、バトル!バトル!バトルなゲームです。しかし常に悲壮感と哀愁を漂わせる作風は、染みる……!なお、発表当時から、ハーフプライス以下の安さで提供された、古式豊かなビジュアルノベルですが、内容の密度・熱さはそんなことどうでもよろしいと思わせる。残響は、エロゲプレイヤーとして、わりに初期にこれをやりました。そして、かなり影響を受けたのです。ビジュアルノベル観において。(残響)

 

鬼哭街については、補論(おまけ)で話す予定なのでそちらに任せるとして。

虚淵エロゲでは「PHANTOM OF INFERNO」の次に好きなのがこの「鬼哭街」ですね。いや、ほんと面白いっすよ。(fee)


 
*5  幼馴染と十年、夏……
――夏休みは、ずっと二人で、いちゃいちゃ過ごそう。
同人ゲームサークル「夜のひつじ」が2012年に領布した、オンリーワンヒロイン形式の短編同人エロゲ。平成11年編(小○生)、14年編(中○生)、16年編(高○生)と、時系列的に、幼馴染・枝梨との淡いノスタルジックな思い出と、思春期の春の目覚めと、カップル成立後のだらけたイチャラブ日常を丁寧に描く、「幼馴染者にとっての最重要危険エロゲ(いい意味で)」。この作品は、本当に夏の心象描写が上手くてですね。二人の関係性と、夏のじわっとした暑さが、絶妙にマッチして、「ああ……この二人は恋をしているのだ」としみじみ感じさせてくれる、本当の純愛作品でございます。浮気?NTR?黒箱展開? バカ!そんなのお呼びジャネーヨ!(残響)

 

幼馴染大好きだし、夜のひつじ作品も好きだから期待していたのに、そこまで響かなかったんだよなぁ……。

個人的、夜のひつじ作品ベスト3は「義妹ホールと妹ホールド」、「相思相愛ロリータ」、「彼女、甘い彼女」かな。あれ、幼馴染作品が1つも入ってないぞ?(fee)

 

*6 まぁ、嫌いな作品で妄想することはないでしょうから、僕の場合でも、評価と妄想には多少の相関性はあります。ただ、あくまでも多少、ですね。たとえば僕が大好きな「穢翼のユースティア」は妄想はしにくいです。(fee)

 

*7 自分の中では繋がってるんだけど、客観的に見ると論理が飛んでいるような気がする……。

これ「妄想のしやすさでイチャラブゲーがシナリオゲーに勝っているとは思わない」と、そういう趣旨の発言です。

「妄想ができることがイチャラブゲーにとって大事」と残響さんが仰っているのを、「妄想のしやすさという点で、イチャラブゲーはシナリオゲーに勝っている」というふうに『誤解』して、「いやいや、シナリオゲーだって妄想できるやん」と反論している。

そういう流れの発言なんですが……。

残響さんはそんなこと全く言っていないんだよなぁ……。大いなる反省ポイントなんですけど、↓のような優しくも詳しい注をいただけたので、結果オーライ的な……(fee)
 

この部分を残響側から補足すれば、いわゆるイチャラブ系のゲーム
は、基本的に、妄想を誘発させることが、もっとも重要な「必要機能」の一部である、という暗黙の前提があります。それはあたかも抜きゲーがオナニーを誘発しないと、機能的にダメ、というのと同じです。
さて、では、シナリオゲーは妄想を誘発しないのか。シナリオゲーは妄想喚起に不得手なのか、というところで、これにも前提があって、「シナリオゲーもまた、恋愛ゲーだろ」という観点があります。恋愛ならばまた、妄想を誘発できて当然だ、みたいな。あるいは、シナリオゲーにもキャラ、カップルがいるから、恋愛イチャラブ妄想は出来るだろ!という。このあたりが、「カタハネ」「僕夏」「水夏」を巡る論議で、いささかごっちゃになってたフシがありました。
そして、その前提は正しいわけです。上記対談で、「僕夏」でも出来る、というfeeさんの発言。そしてぼくにしたって「水夏」の「第二章」ではできた……さらに言うと、実は第三章のヤンデレ全開の共依存関係も、また、「妄想の調理」によっては、オイシいものでしたw 
整理しますと、
・イチャラブは「妄想喚起が必要機能である」。なぜなら……なぜならっちゅうこともないな。そういうジャンルだから。
・シナリオゲーは「妄想喚起は必要機能ではない」が、「優れたキャラ、カプは、妄想を喚起してしまうことはやむなし!」だってぼくら人間だもん、オタクだもん!(ひどいオチ
ただし、「イチャラブ」を名乗っておいて、妄想のひとつも誘発しないようなイチャラブゲーは、明らかに「劣っている」「失敗している」と断じていいわけです。実はこのあたりの「妄想をひとつも喚起せんイチャラブゲー」が増えた、
というのは、かなりデカいテーマなのですが。(残響)

 
*8 Air……2000年9月にKeyから発売された、全然エロくないエロゲ。長い長い夏休み、美凪ルートの屋上で泣き、観鈴ちんのゴールで泣き……。当時は泣きゲーが全盛でしたなぁ(fee)
 

*9 水夏……それまでどーも泣かず飛ばずだったCIRCUSが、2001年に発売した、出世作であります。近年まで続く「D.C.」の展開も、結局はこの作品あってのもの。作品内容は、第一章〜第四章、と、連作短編になっているオムニバス形式。
第一章の神社と巫女さんの嫉妬サスペンス、
第二章の萌えと「ある種の美学」を融合させたミステリタッチ、
第三章の依存カプを中核に据えた……何言ってもネタバレかなコレw
第四章……当時の状況から見てよくソフ倫通ったなw じゃなくて、それまでの章を統合させる幻想的なシナリオ。
と、見かけの萌えゲー風味とは大いに異なり、実際は内面描写・人間の業をしっかりと描くストーリーゲーであります。しかし、第二章のさやか先輩、第四章の「名無しの少女」は、キャラの良さもあって、当時結構な人気を博しましたぞ。第三章の透子さんも、稀代のヤンデレとして……うん、でもさ、ああいう人って、いないわけじゃないんだよね。(残響)

 

こちらも補論で少し語る予定です。昔のゲームだしどれぐらい語れるかはわからないけど……(fee)
 

*10 カタハネ……2007年にTarteが発表した、群像劇であり、ロードムービーであり、百合であり、シナリオゲーとしても一級品、キャラの煌きも美しく、何よりキャラ一人ひとりにいたる、それぞれの生き方・生き様が鮮烈に描かれている、残響がえろすけで「100点」をつけている作品。
現代を生きる若者たちが、過去の歴史を再解釈しようと、舞台を立ち上げていく「シロハネ」編。
とある国の「大逆賊」の真実を描く、姫と人形と忠臣と、そして敵国との権謀術数を描く「クロハネ」編。
その二つが重なりあって、「カタハネ」という作品はあります。
この作品について語っていったら、残響は超長いので、とりあえずここらへんでおさめておきますが、ひとつ。Tarteはこのカタハネを発表直後、倒産します。残ったメンバーはその後、RococoWorksというブランドを立ち上げましたが、いろいろあって(エロゲ暗部というか)、こちらも倒産。最近は「10mile」というブランドで「ひとりのクオリア/ふたりのクオリア」という掌編をドロップしていましたが、先日、ついに「カタハネリマスター版」こと、「カタハネ ―An' call Belle―」が、10mileから発売されることにっ! 嗚呼……嗚呼!!!(残響)
 

こちらも補論で話す予定です。いや、なかなか良いゲームでしたよね、カタハネは。僕、多分シロハネ単体でもクロハネ単体でも、そこまで評価はしなかったと思う。この2つが合わさったからこそ、完成してるなと(fee)


*11 僕と、僕らの夏……
2002年にlightから発売された、「ダムに水没する山間の村」を舞台に、少年少女たちが「ひと夏の宝探し」をする、群像劇。
主人公が、縁のあるその村に、水没する間近に来ることから物語ははじまる。そこから、村の少年少女たちと(思春期ということもあって)どこかノスタルジックな雰囲気をたたえて物語は進行していくが……このエロゲ、結構リアルタッチというか、あんまり甘々したものではありません。もちろん、笛氏によるキャラデザは現在にも通用するほどのしっかりしたさわやかな萌えゲータッチでありますが、さすがは早狩武志シナリオというべきか、読んでいくうちに、かなり硬派なシナリオが待っております。一言でいえば、「逃げない」って感じ。
あ、百合ありますよ。結構ナマナマしい百合がな! レズの領域に足踏み入れてる百合がな!(残響)


ダムに沈む故郷の最後の夏。校庭のどこかに埋めたタイムカプセルを、皆で一緒に掘り返す。というテーマにピンと来た人は是非やりましょう(今でも入手できるよね?)(fee)
 

*12 アリキリ……倉林有夏(くらばやし・ありか)×市村貴理(いちむら・きり)。逆ではない。なぜか。これは僕夏のネタバレになるからあまり語らないが、とにかく有夏の貴理に対する恋慕が結ばれる、というルートがある(ああやだやだ、繊細な心理描写を投げっぱにする情緒のない説明!)。そのルートでは、有夏が「攻」であり、貴理が「受」である。この有夏、普段はおどおど系の後輩なのだが、いざ恋愛&レズセックスとなると、まあねちっこい攻になります。そしてそれに流される受の貴理。アグレッシヴに攻め、というよりかは、言葉攻めを主な武器として、肉体に食い込むかのように攻めていく有夏。お互いがお互いの肉体的、精神的に弱いところを知っているからこそ出来る、「距離の近さが捩れたところのダーク(っぽい)百合」であります。本文中でfeeさんがこの百合関係を褒めて(抜いて)いるのも、納得であります。なお、アリキリという呼称は、公式のものではありません。大概、百合者はこういう「カタカナ四文字」でカプを書くのじゃよ……。

 

 

第三夜に続く。

ボリュームの少なかった第二夜の穴埋めというわけでもないが、数日後に特別企画としてイチャラブゲーの金字塔、SMEE『ラブラブル』の対談クロスレビューも公開予定!

こうご期待!

千夜一夜エロゲ対談 第一夜

  • 2016.06.18 Saturday
  • 21:44

第一記事目ではこんな内容を喋りました

 

・ 本文に入る前に

・ジャンルの定義について

・『こみっくパーティー』はシナリオゲー!?

・こんなにも違う『さくらむすび』の捉え方


注意:本記事には本文中に『さくらむすび』のネタバレがあります。

 

残響が話した部分、書いた部分は青色で、
feeが話した部分、書いた部分は赤色になっております。


対談者紹介

fee書評・サッカー評・エロゲレビューブログ「止まり木に羽根を休めて」管理人。エロゲー批評空間でも、同名でレビューを投稿している。Twitterアカウントは@fee1109
日々、海外小説(最近は古典ミステリが主)や、海外サッカーの精緻な読み解きを行いながら、シリアスでストーリー性・ドラマ性の豊かなエロゲを好んでプレイする「シナリオゲーマー」である。この三本の矢がどう結びついているか……とくにエロゲレビューにどう結びついているか、ということの分析は、簡単に出来るものではないです。無理に結びつけようとしてもねぇ。人間ってそんな簡単なもんじゃないし。
ただひとつ仮説を述べるとしたら、feeさんのシナリオゲーレビューにおいて、「錯綜するプロットであったとしても、その根幹の魅力をレビューでひとつの筋に沿ってわかりやすく表す」ことの上手さは、海外小説読み、サッカー観戦で培われたものなのかな、という仮説。
それだけに、読み応えのあるシナリオゲーに対しては、feeさんの読解力が十分に活かされるのだけど、ひょっとしたら「プロットの錯綜も読解もなにもネエよ」という生粋のイチャラブゲーに対しては、feeさんの読解力は機能不全を起こすのではないか、という、これも仮説。しかし、最近、SMEE「ラブラブル」をプレイされているから、のっけからイチャラブゲーをヘイトする立場ではない。
もっとも嫌うものは「安易な決め付け」。
お互い、twitterではフォローしあう関係。残響のほうは、ブログで「エロゲーマー諸子百家」なる企画をしたときに、16番目にfeeさんを取り上げさせていただいた。また、feeさんのほうも、「止まり木に羽根を休めて」で、残響に言及していただいたこともある
シナリオゲーマーとしての、イチャラブゲーマーに対する率直な疑問、からこの対談ははじまるのであった……(残響)
 

残響百合熱弁でお馴染みのエロゲーマーであり、イチャラブゲー愛好者。twitterアカウントは@modernclothes24 ブログ「残響の足りない部屋」管理人。音楽や模型、創作など幅広く活動なさっている。イチャラブの人、と書いたが、氏のプレイ履歴を見るに「鬼哭街」や「信天翁航海録」(feeは未プレイですが)などに高得点をつけているように、決してシナリオゲーの素養のない方ではない。
氏のブログ記事「諸子百家」に代表されるように、様々に癖のあるエロゲレビュアー多数と仲良く付き合える適応力、懐の深さを、器の小さな僕は常々尊敬している。
本対談も、ナチュラルにイチャラブゲーを批判したりしているfeeの行儀の悪さを、嫌な顔せず受け止める残響さんの包容力に助けられた部分が大きい。
(fee)

 

本文に入る前に

2016年3月某日、シナリオゲーを主に好むfeeとイチャラブゲーを主に好む残響が、エロゲ(ノベルゲー)対談を決行しました。本ブログ・本記事は対談の模様を録音し、なんと4時間20分にも及ぶテープ起こしを元に書かれたものです。
時に意見を異にしながらも、和やかに推移したこの対談をお読みの方に、両者の熱が、その場に居合わせたかのような臨場感が伝われば幸いです。
 
「シナリオゲー好き」のfeeと「イチャラブゲー好き」の残響という立ち位置でスタートした本対談。しかし、そもそも対談を始めるにあたり、「シナリオゲー」とはなんだろうか、「イチャラブゲー」とはなんだろうかというところから考えなければなりません。
そして、それ以前に大前提として「エロゲ―」とは何か、を語るところから対談はスタートしました。
……のです
が、RPGやSLG、シューティングとノベルゲーの違いなどを巡り、*1議論は進まずw
ハッキリとした結論が出なかった上に、今回語りたい「シナリオゲー」と「イチャラブゲー」の内容とはズレてしまったため、今回の対談記事ではカットしました。

 

 


*1 ↓カットした対話の一部
 

fee「ランスはRPGでしょ?」

残響「でもRPGとはいっても、ストーリーが進むシーンでは紙芝居(ノベルゲー仕立て)になるじゃないですか」

fee「そこはそうなんですよねw それにRPGと言っても、読み物としての面白さを期待してプレイする人とかいますからね……僕とか」

残響「物語を進める際にテキストを主に使うかどうか、とか……」

fee「その辺で妥協するしかないかなぁ……深入りすると難しい……同人RPGで、RPGツクールで作ってるんですけど、ほとんど戦闘がなくてずっと読み物として進んでいくものとかもあるし……」

残響「難しいですねw」
 

 

 
結局議論が進まないため、便宜上「読み物(ノベルゲー)」と「非ノベルゲー(アクション、RPG、SLG、パズルなど)」に強引に分類する事に。

「読み物(ノベルゲー)」に対する対談が本格的にスタートするところから、ガッツリと記事にいたしました。
どうぞ皆さま、心ゆくまでご堪能ください。

それではこれより、本文スタートです!(fee)

 

ジャンルの定義について


fee「読み物から次に派生するのが、僕の感覚では【抜きゲー】と、【非抜きゲー】。ただし、またがることはある」

残響「そっすね。またがることはある」

fee「ここでひょっとすると僕以外の人は、【抜きゲー】と【シナリオゲー】と【イチャラブゲー】に分けているのかどうかっていう」

残響「うっ、それはちょっと……難しいところですね」

fee「僕は分けていないんですよ」

残響「この段階では【イチャラブゲー】というよりは【萌えゲー】というかも。というかぼくの定義では、【萌えゲー】を先鋭化させたような」

fee「ちょっと待って……【萌えゲー】と【イチャラブゲー】ってイコールじゃないんだ(笑)」

残響「あの、ミステリというジャンルの中で、【*1本格】があるじゃないすか。そういう捉え方に似てるというか。先鋭化する上で過激になるというか。過激になる過程で、失われるものもあるじゃないすか」

fee「その辺も聞きたいんですが、どういう方向で話を持っていこうかな」

fee「イチャラブゲーというのは、萌えゲーの中の一ジャンルなんですか?」

残響「たとえるならコース料理があって。順番を追っていくうちに、前菜からデザートまである。そのなかで、デザートだけ食べたい!みたいな。あるいは洋菓子店に通いつめたい!」

fee「はいはいはい」

残響「コース料理が普通のエロゲだとしたら……仮にシナリオゲーの起承転結をコース料理にたとえると、どこかにイチャラブが入る。普通イチャラブはデザートとして捉えられますけど。その中で、デザートの部分に注目する事で、イチャラブゲーという形に特化する」


*1本格……作者が問題(事件)を用意し読者が正解(犯人、トリックなど)を当てる作品群で、海外では1920〜40年代頃に黄金期を迎えた。日本では「本格推理」とも呼ばれ、「ミステリ」=「本格」をイメージする方も多いと思うが、現代の欧米ではどちらかと言うと傍流の印象。(fee)
 

残響「萌えゲーをやっていて、最終的に少しだけシリアスに振り切れる方向というか、もしくは完全にイチャイチャに終始するゲームと言うか。萌えゲーって【形式】だと思うんですよね」

fee「残響さんが仰っているのは【イチャラブゲー】の話ですよね? 【萌えゲー】とは違うんですか?」

fee「【シナリオゲー】と、残響さんの仰る【イチャラブゲー】の違いは解るんですけど、【萌えゲー】と【イチャラブゲー】の区別がついていません。というか、同一視してる感じです。ついでに言うとキャラゲーっていうのも」

残響「キャラゲーと萌えゲーとは、意味合いは同じだと思うんですけど」

fee「萌えゲーという単語を聞かなくなったんですよ。僕の中の死語リストに入っていて。<昔は萌えゲーと呼ばれていたものが今はキャラゲーと呼ばれておるのだ>、みたいなイメージを持っています。で、僕が考える萌えゲーというのは、基本的にイチャイチャしているから、じゃあイチャラブゲーっていうのも同じじゃないのか? っていうところなんですけれども。その辺の区別があまりついていないですね」

残響「ふと思いましたけど、【コメディ】と【ギャグ】って言葉があるじゃないすか。【萌えゲー】と【イチャラブゲー】はこの違いかもしれませんね。喜劇のなかでもいろんなものがあって、*1『Dr.スランプ』とか*2『つるピカハゲ丸』とか。そのなかでも、イチャラブゲーというのはとくにギャグに振り切ったものというか」

fee「今、見ている*3ニコニコ大百科のページには、【コメディとギャグの違いは、ストーリーラインを重視しているか否か】と書いてありました。コメディはストーリーラインがあって、笑えるもの。ギャグにはストーリーラインがなくて、笑いに特化しているもの。これを先ほどの話に当てはめると、コメディが萌えゲーで、ギャグがイチャラブゲーという感じでいいんでしょうか……?」

残響「そうですね。イチャラブゲーは物語性を薄くすればするほどいいというわけじゃないけど、そんなにシリアス性には重きを置いていないというか。主に萌えゲーをプレイしながらなんですけど、プレイ途中から【イチャラブゲーだ】って自分の中で認識していって、それなら、よし最後までイチャイチャを見せてくれ、最後まで堪能させてくれ、みたいな」

fee「ふんふんふん……どうなんだろうなぁ。ここで僕がイチャラブゲーを叩き出すのも空気が悪くなりそうだし。話を少し戻しまして。エロゲは基本的には、最初の段階で【シナリオゲー】と【萌えゲー】と【抜きゲー】に分かれるんでしたっけ?」

fee「ちなみに残響さんはどう分けているんですか?」

残響「【シナリオゲー】と【萌えゲー】と【抜きゲー】に分けている。そう分けていいと思う」

fee「僕の場合はまず最初の段階で、【抜きゲー】と【非抜きゲー】の二つに分けていまして。次に【非抜きゲー】から、【シナリオゲー】と【キャラゲー】の二つに分けます。もちろん重なる部分はあります」

fee「で、ですね。すんごいざっくりいっちゃう上に、やな感じなんですけど。シナリオがあるゲームと、シナリオがないゲーム――シナリオって言いたくないな。シナリオゲーって連呼しておいてなんだけど、僕個人としてはあまりシナリオゲーって言いたくない。すごく便利なんで使っちゃうんですけども。シナリオってそもそもなんだって話で。イチャラブってなんだよって話にも深めていく予定なんですけど……」

残響「まあそれをいっちゃえば、恋愛でイチャイチャしてないのが全くないのが珍しいし」

fee「<シナリオってなんですか?>って言うと、完全に自分定義ですが……。僕が使うシナリオゲーという言葉と他の人が使うシナリオゲーという言葉は、意味が違うと思うんですよ。すんごい乱暴ですが、【僕がシナリオが良いと思ったゲーム】をfee定義ではシナリオゲーと言っておりますw」

残響「世間一般でシナリオゲーといわれてるものでも、気に入らなければfeeさんにとってはシナリオゲーじゃないw」

fee「そこなんですよね、難しいのは。自分からはシナリオゲーとは言わないんですけど、他の人から意見を求められたら、世間の意味に合わせてシナリオゲーの駄作と言うかもしれません」

残響「なるほど」

fee「僕は簡単に言っちゃえば、*4【エロくてかわいい女の子が出てくる面白い話】が読みたいなぁというのが、エロゲーをプレイする動機なんですね。この面白い話を、シナリオっていうわけなんですけど。もっと分解していくならば、ドラマだと思うんですね」

残響「【ドラマ性】っていうことですか

fee「ドラマ性、物語の起伏。刺激的かどうか。*5 刺激と安定。という軸が一つあって」

fee「人によっては、恋愛ゲーと非恋愛ゲーに分けて、非恋愛ゲーをシナリオゲーと呼んでる人も結構いると思うんですよ。僕はその分け方は間違ってはいないと思うんですが、でもシナリオゲーだってよっぽどガチなやつじゃない限り、恋愛ぐらいはするじゃないですか」

fee「イチャイチャだってしますよ。少しぐらいは……少しぐらいしますよ!w *6 これも絵空事ですが、本来的には【シナリオゲー】と【キャラゲー】を分ける意味は僕にはあんまりない」

fee「抜きはまたちょっと違って、違うんだけど……でもそこも単に僕の頭が固いだけで、ひょっとするとここも分けなくてもいいのかもしれない。……そこは分ける必要があるかな?」

残響「抜きゲーの場合、機能を先にしてるじゃないすか」

fee「実用性ってことですよね?」

残響「そっすね」

fee「でも僕、シナリオゲーでだって抜きますよ」
 
残響「でもそれは(抜き)機能を十分に満たしてるということであって。なにでたとえれば……」

fee「極端な例を出せば、*7『Kanon』でも抜きましたよ」

fee「その辺はゲームのエロシーンじゃなくて妄想で抜くんですけどね。自分で勝手に変なシチュエーションを妄想して抜くんですけど」


fee「そういうことができるので、そりゃエロシーンの出来が良ければ嬉しいけど、別に出来が悪くてもキャラクターごとの性格がしっかりしていて、人間関係もしっかりしていれば妄想なんていくらでもできるので」


*1  Drスランプ……1980年から1984年まで、『週刊少年ジャンプ」で連載されたコメディ漫画。鳥山明の初期作にして、初ヒット作。アラレちゃんを筆頭とした、呑気なキャラクター達が、「なんでもあり」のペンギン村、という箱庭世界を舞台にして、アホなことばかりを楽しそうに行う「コメディ」です。その後の「ドラゴンボール」よりも、メカニックマニア・ミリタリーマニア・模型マニアとしての鳥山のディープな趣味成分が出ていて、残響が子供のころ読んでて、ぼくはドラゴンボールよりこっちが好き。(残響)

 

Drストップあばれちゃんでしたっけ(うろ覚え)(fee)
 
*2 つるピカハゲ丸……1985年から1995年まで、「月刊コロコロコミック」に連載された、のむらしんぼの代表作。「貧乏!」と「ハゲ!」がメインテーマ。基本四コマ漫画で、その貧乏ぶり・ハゲぶりを拡大解釈し、ギャグに仕立てる作品。おそらく、今やったら、PTAどころか、ネット民から非難されそうな作品の筆頭かもしれない。ちなみに残響が2〜3才で初めて読んだ漫画。(残響)
 
*3 ニコニコ大百科……たまたまグーグル検索で一番上に来たので(fee)

 

*4  エロくてかわいい女の子……素敵なお姉さん、とかでも良いです。要は魅力的な女性キャラクターが登場してくる物語が読みたいということです。(fee)

 


*5 刺激と安定……人間は、「適度な刺激」と「安定」、双方がないと生きていけないと思うんです。
「刺激」を求めて、たとえば人は旅に出ます。でも、「刺激」に晒されていると、人は「安定」が欲しくなる。だから、人は「家」に帰る。でも、ずっと「家」にいるとまたうずうずしたくなってきて「旅」に出る。その繰り返しで人は生きているのだと思います。勿論、「旅」という形ではなくて、「新しい店」と「馴染みの店」など、ご自由に置き換えてください。
エロゲで言うなら、「ワクワクしたりドキドキして楽しむパート」と「安心して楽しめるパート」(fee)

 

 

*6 分ける意味はあんまりない……本文でも書いたように、僕は「エロくて魅力的な女性が出てくる、面白い話が読みたい」と思ってエロゲをプレイしています。これを少々乱暴に噛み砕いて言うならば、「シナリオが良くて、キャラも良いエロゲがやりたい」と言ってしまっても構いません。「シナリオだけ」「キャラだけ」のゲームではなく、「シナリオもキャラも良い(ついでにいっぱい抜ければなお良い)」『シナリオキャラゲー』こそ、僕がやりたいゲームなのです。

さて、基本的に「シナリオが良い」ノベルゲームは、一部例外もありますが「たいていはキャラも良い」です。魅力的なキャラクターが出てくるからこそ、物語に引き込まれて面白みを感じる。物語が面白いからこそ、そこに登場するキャラクターにも魅力を感じる。「シナリオ」と「キャラ」は対立する要素ではなく、むしろお互いを高め合う車輪の両輪だと思っています。逆にシナリオが面白くなければ、そこに登場するキャラクターにも愛着は生まれにくいし、キャラクターが全然ダメならば、仮に衝撃的な事件などが起こっていたとしても、物語を面白く感じられない。

「シナリオ」と「キャラ」は対立する要素ではないのだから、エロゲには「シナリオゲー」も「キャラゲー」もなく、「読みものとして面白い(しかもキャラが魅力的)ゲーム」か「読みものとしてつまらない(キャラの魅力も薄い)ゲーム」かしかないのではないか。僕に関する限りはそういうことになります。

 

まぁ現実には「シナリオが目立つゲーム」「シナリオが目立たないゲーム」という違いは厳然としてありますので、結局プレイ前の段階で「これは多分シナリオが目立つゲームだな」「目立たないゲームだな」というふうに、分けることにはなるんですけれども……。

「シリアス(しかダメ)ゲー」や「キャラ(しかダメ)ゲー」もありますしね……。

 

また、「シリアスゲー」と「日常(あるいはコメディ)ゲー」という分け方もあります。

「シナリオゲー」とか「キャラゲー」とかいう言葉を使うよりは、こちらの方が実相に近いような気はします。

ただ、「シリアス重視ゲーにしたって、よほど硬派な作品を除けば、多少のコメディ、もしくは日常シーン」は入ります(Fateや君が望む永遠、Airにだってコメディシーン、日常シーンは普通にある)。

バランスの配分はあるでしょうが、『シリアス』と『コメディ』もまた対立する要素ではなく、共存できる要素ですし、だとするなら「シリアスゲー」と「コメディゲー」に分ける必要もあまりないのではないか、と。

これも現実には「シリアス成分9でコメディ成分1」のゲームと「コメディ成分9でシリアス成分1」のゲームでは、プレイ感覚は異なりますし、「シリアスシーンしかないゲーム」「コメディシーンしかないゲーム」というのもあるにはあるので、結局は分けることにはなるんですけれども。

 

……なんだかすんごく長い注になっちゃったゾ……いいのかな(fee)

 

feeさんの論を逆の方向から考えてみれば、「優れたキャラ、優れたイチャラブは【最低限の良いシナリオ】が必要とされる」といえるかもしれません。この【最低限の良いシナリオ】とは、以降の対談で残響が提示する「プレイヤー感情に水を差さないシリアス」とほぼ同義ですので、以降の対談も参照していただきたく存じます。

このあたりは、第三夜あたりでより深く対談していきますので、ご期待ください。

 

また、feeさんの「シリアスゲー」と「コメディゲー」に分ける必要があるのか、ということですが、これは「あらかじめ決める」というよりは、プレイ感覚の現実に即して、「遡って(遡及的に)決めるもの」と言ったほうが、より穏当かもしれません。どういうことかというと、feeさんの言葉を引き写しますが、ゲーム・物語をプレイしていて、「プレイ感覚は異なる」わけです。このプレイ感覚とはどこから来るか、は、結局のところ、そのゲーム・物語の「質」ではなくて、「量」といえると思います。もし我々の前に「このライターのギャグ、スベりまくってるな……」と思うようなギャグばっかりのゲームがあったら(いっぱいありますね)、やはりそれは「ギャグゲー、コメディゲー」と認識するのではないでしょうか。ギャグが成功/失敗しているか、よりも、ギャグが大量にあるか。いかにストーリーの本筋から離れて、本筋を侵食する勢いでギャグの「量」があるか。さらに言えば、ギャグの質的問題は、主観によって決められますが、量的問題は、質的問題に比べれば、まだ客観的に計数・計測が出来る。こういうところから、遡って「シリアスゲー」か「コメディゲー」か、というふうに決定はなされるのではないか、というのがぼくの考えです。

 

……まあ、「シリアスが目立つゲーム」「シリアスが目立たないゲーム」の判別は……「やればわかるさ! Just do it!」と言う他ないんでしょうなぁ……ひどいオチ。(残響)


*7 Kanon……1999年にKeyが発表した「泣きゲー」の金字塔。Leafの「To Heart」とともに、多くの人間を「オタク」の冥府魔道に引きずり込んだ作品。痛いほど透明な世界観に、「死」を多分に持ち込んだ感動的なストーリー展開。キャラメイキングも相当のものがあり、また、音楽も最高。ゼロ年代初頭当時、鍵ゲー、とくにKanonの二次創作同人誌というのは、隆盛を極めておってな……(老人口調)。『AIR』が逆に二次創作に向いていない作品だったゆえに、Kanonが同人のネタになったということじゃ。(残響)


*1『こみっくパーティー』はシナリオゲー!?


fee「ノベルゲーは主に起伏のあるものとないもの……ないって言っちゃっていいのかな。どうなんでしょうか?」

残響「起伏があればいい、というわけでもないですが……」


fee「シナリオゲーというものを考える上において、一つにはシナリオを主でキャラを従にするか、シナリオを従でキャラを主にするかという考え方もできるんですけれども、それは一般的に使われているシナリオゲーとキャラゲーの関係ではないです。どっちが主でどっちが従かわからないゲームもいくらでもありますし」

残響「主従については、実地でプレイしてれば感覚的にはわかるんじゃないですか。定義論でいうから境界線上の例が出てくるんであって」

fee「どうかなぁ……『こみっくパーティー』はどうでしょう? 僕の定義では萌えゲー、キャラゲーなんですけれども。ただし、このゲームはキャラが主じゃなくて、シナリオが主だと思います」

残響「ぼくはキャラゲーだと認識してますね。キャラが主でシナリオが従だと思っています」

fee「多分ですけど、『こみっくパーティー』という作品は瑞樹ちゃんとか千紗ちゃんとか、そういうキャラを活き活きさせたくて作られたゲームじゃなくて、コミケというものが書きたいというのが先にあって、コミケで映えるキャラを配置しているんだと思います」

残響「あーそういうことかー」

fee「だからこれはシナリオが主ですよ。シナリオが良いかどうかは別として」

fee「僕は『こみっくパーティー』はキャラゲーだと思っているけれども、シナリオが主かキャラが主かという考えで定義し直すなら、一般で使われているシナリオゲーやキャラゲーの感覚からはズレる。ズレることの例です。だって『こみっくパーティー』がシナリオゲーだって主張しても、たぶん多いのは<ハァ?>みたいな反応でしょう」

残響「あーそうっすねーー」

fee「*2 一般で使われているシナリオゲーやキャラゲーという言葉も、シナリオが主かキャラが主かで厳密に分けられたものではなくて、単にシナリオが目立つか目立たないか。そういうぼやっとした単語だと思うんですよね」


*1 こみっくパーティー……1999年にLeaf東京開発室が発表した、「オタク」「同人誌」「即売会」を堂々とテーマに掲げた意欲作。当時人気絶頂だったF&Cから、みつみ美里、甘露樹、なかむらたけし、を引き抜き、ビジュアル面で当時もっともモダンで破壊力のあった原画を有し、その上で成り立つキャラメイキングは、どのキャラも強烈な個性を放つものであった。本文中で「キャラゲー?シナリオゲー?」の論争が起こっているのは、このあたりに由来する。なお、ビジュアルノベルでは「なく」、「同人誌作成ゲーム」を行いながら、女の子を攻略していくシステム。そして、残響の殿堂入りヒロイン、長谷部彩さん。無口で独特の感性を持った、黒髪のオリジナル創作作家(売れない)。この娘こそが、我が殿堂入りヒロインであり、わたし(残響)は学生時代、5年間毎日この子で妄想していた。脳内イチャラブしていた。マジで。(残響)

 

一回原稿落としたぐらいでバッドエンドって……同人作家の道はかくも険しい(fee)

 

 

*2 だから真面目に「シナリオゲーとはなにか」「キャラゲーとはなにか」なんてガチガチに考えても意味ないんだって。そもそも正解なんてないんだから。もっと気楽に「俺がシナリオが良いと思ったゲームがシナリオゲー」ぐらいの感じで良いんだよ! あ、こみパはシナリオは良くない(主観)から、シナリオゲーとは言いたくない。だからキャラゲーな!(fee)

 

そんな身も蓋もない……w(残響)

 


こんなにも違う*1『さくらむすび』の捉え方


残響「シナリオが目立つか目立たないか、ですか……『さくらむすび』はどうなんでしょうかね」

残響「『さくらむすび』からみる、シナリオゲーの定義というか、イチャラブゲーの定義というか」

fee「『さくらむすび』はシナリオゲーでしょ。僕定義でもシナリオゲーです。『さくらむすび』は、Twitterで何度か書いたんですけど、ホラーだと思っています。萌えゲーではないです。*2 紅葉ルートが、唯一萌えゲーっぽいルートなんですが……なんだけども、多分『さくらむすび』は紅葉ルートが書きたくて作られたゲームではないと思います」

fee「『さくらむすび』で描かれているのは世間の怖さ。世間では主人公と紅葉がくっつく事が望まれていて、その通りに仲良くなれば幸せな生活が送れるけれども……」

fee「桜とか、可憐とか、世間でダメと言われている人を選んでしまうと、もう駆け落ちするとか、あるいは最悪*3桜BADルートのようにお亡くなりになっちゃう。しかもそれは、【主人公がダメな相手を選んだから悪い】、という話なんですよね。【紅葉ちゃんにしておけば良かったのに】、【紅葉ちゃんなら祝福したのに】。そういう*4 世間の怖さが凄く伝わる話だと僕は思っていて。紅葉ルートの、それこそイチャラブですか? 別にそれは否定はしないんですけど、『さくらむすび』を語る時に、紅葉ルートの話しかしなかったら<「違うだろう>と」

残響「実をいうと、世の中には『*5「いちゃラブ」大全』というイチャラブのことだけ書いている本が、7〜8年前にありまして、そこでは紅葉ルートの話しかしてませんw

fee「それは、まぁイチャラブの本なので……というのは解るんですが、僕としては<わかってねーな>と」

fee「*6『魔法少女まどか☆マギカ』の1話と2話を見て、<すごく雰囲気の良い学園モノですね>って言ってるようなもんです」

fee「確かにそこだけ見ればそうかもしれないし、そこが好きな人を否定はしませんが、そういう話じゃないだろうと。桜ルートや可憐ルートの怖さを浮き彫りにするため、落差を出すために用意されたのが紅葉ルートだと思うので」

残響「すごい違いだ」

fee「僕は*7トノイケさんではないので本当のところはわからないけれども、個人的にはかなり自信があります。一見雰囲気が良いけど、*8【桜の樹の下には屍体が埋まっている】というフレーズで考えるなら、紅葉ルートが【桜】で桜ルートや可憐ルートが【死体】で」

fee「ちなみに残響さんから見て『さくらむすび』はイチャラブゲーなんですか?」

残響「もちろんですよw

fee「マジっすか、ごめんなさいもう(笑)

残響「ぼくは逆に『さくらむすび』のおかげで、エロゲにはイチャラブゲーってものがあるんだ、こっちにいっていいんだ、と思えたほどでw 紅葉ルートの瞬間風速でイチャラブ点を稼いでる面はありますな」

fee「マジっすか。僕は紅葉ルートは眠かったなぁ。この辺が好みの違いなんですけれども」

残響「いやぁ凄い違いだw まぁ眠いというのは否定できない。そっすね」

fee「というか僕は『さくらむすび』は全体的に眠かった。でもこの眠さには意図があるので、いいんですけどね。もちろん眠いとは思わず、喜ぶ方もいるわけですし」


残響「まあそうですね、イチャラブゲーとしてのよさを強調するのがぼくだとしても、他のルートの怖さっていうのはわかります。可憐ルートのアフターを妄想したんですけど、他の町にいって、可憐が大学検定試験を受けるために細々とつつましい生活を送る、みたいな。出来なくもないんですけど、長くは続きませんでしたね」


*1 さくらむすび……CUFFSより2005年8月に発売。ピアノを基調にした落ち着いたBGM、ゆったりとした空気が流れる癒しゲーと見せかけて実は……(fee)

*2 紅葉ルート……幼馴染・紅葉との穏やかな生活のなかで、少しずつ、それでも確かに日々と想いは流れていって、積み重なっていって、そしてあの伝説の「散髪」シーン。紅葉が主人公の髪を切るときに、極めて何気ない、静かな告白の言葉が、ひとつ、またひとつと、葉が降りつむようにして、想いが重なっていき、そして二人は恋人となるこのシーンは全ナジミスト(幼馴染信者)必見である。さあてそこからのイチャラブがすごいよ。とにかく限界なんてないよ! ラストに至ったら、もう「バカップル」だよ! あー、もう、ごちそうさまでしたっ!サイコウッ!(残響)

 

紅葉って幼馴染なの? 僕的には従姉妹キャラだと思うんですけど(幼馴染と親戚キャラは分けたい人)(fee)



*3 桜BADルート……精神年齢が低く、兄の圭吾に病的に依存する桜と、桜を守りたい圭吾。遂に一線を越えてしまった二人を待っていたのは、今まで暖かく接してくれた周囲の人々の拒絶だった。寒空の下、居場所を求めあてもなくさまよう二人だったが、手を繋ぐ桜の身体からは温もりが失われ……。というお話。個人的には、これが「さくらむすび」のTRUEルートだと思っています(fee)

*4 世間の怖さが凄く伝わる話……この観点から紅葉ルートをプレイしてみると、穏やかな雰囲気で塗り込められた下に、周囲の人々の恐るべき思惑が見え隠れして、とても薄ら寒い気持ちになれます(fee)

*5 「いちゃラブ」大全……2008年、インフォレスト刊。この当時、ジャンルもののムックとして「○○大全」が出ていたが、その中の一環として、この本がある。さすがに2008年だけあって、情報が古いところがあるし、現在のイチャラブ濃度の議論からしたら、「薄い」ものもあるだろうが、それでも、例えばシリウス(ライター:保住圭)「こいびとどうしですることぜんぶ」を巻頭特集で持ってきたり、というように、「なかなかわかってるねぇアンタ!」な、イチャラブ好きによる、イチャラブ好きのための、イチャラブの本である。エロゲの取り扱いが大目かな。次に、ラブコメ・エロコメ漫画。(残響)


*6 魔法少女まどか☆マギカ……2011年1月から4月まで放送されたアニメーション。魔法少女候補のほんわかした生活を描いた1、2話と打って変わって、第3話からは……(fee)
 
*7 トノイケダイスケ……もともとはF&Cのライターで、『Canvas〜セピア色のモチーフ』(2000年作)で、「百合奈」シナリオなどにおける、どこか影のあるシナリオ展開と、キャラクター造形でもって、「F&Cのいちライター」としてまずは知られるようになったが、次作、☆画野朗(原画)と組んで発表した『水月』(2002年作)は、幻想的かつ深い読解を要するシナリオ、極めて魅力的なキャラでもって、「え? F&C?萌えゲーメーカでしょ?」の通念におもっきし風穴を開けた、意欲作にして大作。そしてこの☆画野朗とトノイケのコンビは、おしっこ(おもらし)に対するこだわりもさることながら……いやそれは余談だ(しかし識者には余談どころではない)。その後、このコンビはF&Cを離れ、CUFFSを立ち上げる。良作『さくらむすび』、『ワンコとリリー』を送り出し、次の大作『Garden』に向かって、業界、オタの注目は増していった。……が、『Garden』、いざ発売してみたら、これが未完成品であった。その後、トノイケは迷走する。未完成ということに納得がいっていなかったトノイケは、いくつかのルートを執筆、そのクオリティの高さに、「やはりトノイケここにあり!」と「創作者」としては評価はされたが、その後、沈黙。ここ数年、公の場でコメントがひとつもない、という状態(2016年6月現在)(残響)

 

トノイケダイスケなら今はスカパーの社員やってるみたいですよ? 参照URLはここ (fee)


*8 桜の樹の下には屍体が埋まっている……梶井基次郎の短編小説「桜の樹の下には」より。有名な一文だが、小説自体を読んだ人は意外と少なそうな印象。僕は読んでいません(fee)
 

 

2記事目に続きます(近日更新)
 

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